ネットワークポリマー論文集
Online ISSN : 2434-2149
Print ISSN : 2433-3786
46 巻, 4 号
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報文
  • 栗本 匠, 下川路 朋紘, 米川 盛生, 木村 肇, 須藤 篤
    2025 年46 巻4 号 p. 176-185
    発行日: 2025/07/10
    公開日: 2025/08/13
    ジャーナル 認証あり

    エポキシドとシアヌレートの反応は,トリアジン環-酸素原子間へのエポキシドの挿入と,つづく異性化によって構成されると考えられているが,確証を得るには至っていない。そこで本研究では,挿入反応と異性化それぞれのモデル系を用いて反応挙動を調査した。挿入の段階では4- ジメチルアミノピリジンを,異性化の段階ではプロトン性極性化合物であるエチレングリコールを添加することで,それぞれの段階を促進できることを見出した。

  • 樫野 智將, 溝畑 賢, 吉田 将人
    2025 年46 巻4 号 p. 186-195
    発行日: 2025/07/10
    公開日: 2025/08/13
    ジャーナル 認証あり

    エポキシ樹脂複合材料の高熱伝導化を図るため,剛直な共役構造を有するフェノール硬化剤として天然ポリ フェノールの一種であるtrans- レスベラトロール(tRES)に着目し,バイオベース原料系の高熱伝導・絶縁性複合材料の開発を行った。tRES がもつ高い融点は複合材料の調製時の混練性や成形流動性への課題となる。我々はtRES のもつスチルべン構造の光異性化反応に着目し,cis 型構造(cRES)を合成した。cRES の溶融挙動から約100℃の低融点化を実現し,cRES がエポキシ樹脂との相溶性にも優れることを確認した。トリフェニルホスフィン触媒存在下でcRES を硬化剤として汎用ビフェニル型エポキシ樹脂を175℃で硬化させることで従来の汎用フェノールノボラック型硬化剤(OCN)を用いた時よりも25%高い熱拡散率を示し,cRES を用いることによる高熱伝導化を確認した。この硬化系とアルミナフィラー90wt%を組み合わせることで,全樹脂成分に対して32%のバイオマス比率を有し,成形流動性に優れ,かつOCN 硬化系よりも12%高い熱伝導特性を発現したことから,本系が環境低負荷かつ高熱伝導性を有する次世代パワー半導体向け半導体パッケージ封止材としての適用可能性を見出した。

  • Maoko Hayashi, Akihide Sugawara, Yu-I Hsu, Hiroshi Uyama
    2025 年46 巻4 号 p. 196-201
    発行日: 2025/07/10
    公開日: 2025/08/13
    ジャーナル 認証あり

    In this study, tannic acid (TA), a naturally derived polyphenol, was employed as an additive to evaluate its effects on the thermal and mechanical properties of two biodegradable polyesters: poly(butylene adipate-co-terephthalate) (PBAT) and poly(butylene succinate) (PBS). TA possesses a large number of phenolic hydroxyl and carbonyl groups and is expected to interact physically with polyester chains, thereby affecting their molecular mobility. According to dynamic mechanical analysis (DMA) and differential scanning calorimetry (DSC), Tg increased in TA-containing samples, with DMA showing a Tg shift of approximately 30 °C. In terms of mechanical properties, TA addition led to a significant increase in elongation at break for PBS. The results suggest that TA serves as a functional interaction modifier that can regulate polyester properties through multivalent physical interactions and provides a promising strategy for the functional design of biodegradable polymer materials.

  • 出井 秀到, 角田 貴洋, 山岸 忠明
    2025 年46 巻4 号 p. 215-222
    発行日: 2025/07/10
    公開日: 2025/08/13
    ジャーナル 認証あり

    レゾルシノール骨格を持つ環状4 量体であるカリックス[4]レゾルシンアレーン(以下CR(10))を硬化剤としてレゾールを硬化させることで,CR(10)の環状構造を持つレゾール樹脂硬化物(R-CR(10))を作製した。さらに,硬化剤としての機能を高めるためCR(10)由来の環状構造を効果的に配置させたTP-CR(10)を合成し,これを硬化剤としたレゾール樹脂硬化物(R-TP-CR(10))を作製した。TP-CR(10)を用いることで,環状化合物の凝集を防ぎ環状構造の導入量を増加させることが可能となった。これらの環状化合物が硬化剤として有効に働きレゾール樹脂硬化物の架橋密度があがり耐熱性を向上させるばかりでなく,環状構造由来の空間がレゾール樹脂中に導入されたため,従来のレゾール樹脂より軽量になることを明らかにした。

  • 下川路 朋紘, 米川 盛生, 木村 肇, 大橋 康典, ティティネー , 松本 悠佑, 山田 竜彦
    2025 年46 巻4 号 p. 202-214
    発行日: 2025/07/10
    公開日: 2025/08/13
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究では,森林由来の新素材であるポリエチレングリコール改質リグニンを用いて,改質リグニンノボラック変性ベンゾオキサジン化合物を合成し,これを重合して得られる改質リグニンノボラック変性ベンゾオキサジン樹脂について,その特性を評価した。その結果,改質リグニンノボラック変性ベンゾオキサジン化合物は従来のビスフェノールF 型ベンゾオキサジン化合物に比べて低温で短時間での成形が可能になった。さらに,得られたベンゾオキサジン樹脂は,耐熱性,機械的強度,電気絶縁性および耐水性に優れていた。

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