ネットワークポリマー
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22 巻, 4 号
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  • 佐瀬 茂雄, 水野 康之, 藤本 大輔, 野本 雅弘
    2001 年 22 巻 4 号 p. 192-199
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    シアネートエステル樹脂をフェノール化合物で変性した硬化物では, 比誘電率, 誘電正接がともに低下し, 従来の硬化物よりも優れた誘電特性を示す。この誘電特性向上の要因として, フェノール化合物を取り込んだ2官能性のトリアジン環化合物が優先的に生成され, 緩やかな架橋構造を形成するため, シアナト基の反応率が高くなり, 硬化物内に未反応基として残存するシアナト基量が減少するためと推察した。また, 置換基が電子供与性で酸として弱いフェノール化合物ほど, 変性効果がより顕著であることが分かった。以上の結果から, 網目構造を修飾し低架橋密度とすることが, 誘電率や誘電正接を低下させるのに効果的であることを明らかにした。
  • 緒方 智成, 友澤 将良, 栗原 清二, 木田 建次, 野中 敬正
    2001 年 22 巻 4 号 p. 200-211
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    使用済みポリスチレン製容器を化学処理して得られた球状樹脂よりカチオン性の官能基を持つ吸着剤の製造の検討、および吸着剤の色素吸着性を検討した。ポリスチレンを1, 2-ジクロロエタンに溶解し、シリコンオイル中に分散しながら架橋剤で処理することにより、球状の架橋樹脂を得ることができた。その際の種々の反応条件により、得られる樹脂の粒度分布や形状が大きく変化することが明らかとなった。官能基導入のためのクロロメチル化は球状樹脂中のベンゼン環に対し、ほぼ100%行うことができた。さらに、クロロメチル化球状樹脂にトリエチルアミンまたはピリジンを反応させたところ、トリエチルアンモニウム基を2.3meq/g-Resinまたはピリジニウム基を3.5meq/9-Resin有するアニオン交換樹脂を得ることができた。得られたアニオン交換樹脂はカチオン性食用色素であるAcid Red 18とAcid Yellow 23 をバッチ方式でも、カラム方式でも効率よく吸着し、さらにNaOHのジオキサン/水混合溶媒により脱着も可能であることを示した。
  • 浦上 忠, 白川 貴志, 宮田 隆志
    2001 年 22 巻 4 号 p. 212-217
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    尿水中の尿成分を排除し, 水を選択的に透過する水選択透過膜としてキトサン膜を両末端にエポキシ基を有するジエチレングリコールジグリシジルエーテル (DEDGE) または両末端にアルデヒド基を有するグルタルアルデヒド (GA) で架橋して調製し, これらの膜のパーベーパレーション法における透過分離特性に及ぼす膜構造の影響ついて検討した。その結果, 尿成分の1つであるアンモニアの透過においては, いずれのキトサン架橋膜も水を優先的に透過し, 特に, DEDGE架橋膜において優れた水選択透過性を示した。また, 架橋剤濃度変化に伴う透過分離特性変化に及ぼす膜構造の影響を, 膜密度, 膨潤度および膜表面特性の観点からさらに詳細に検討を加えた。
  • 石戸谷 昌洋, 斎藤 俊, 遠藤 剛
    2001 年 22 巻 4 号 p. 218-228
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    ジカルボン酸とジビニルエーテルの重付加反応により, 主鎖中に熱分解性のヘミアセタールエステル構造を有するポリヘミアセタールエステル樹脂を合成し, その熱解離挙動, 熱潜在性硬化剤としての特性について調べた。さらに, 得られた樹脂とエポキシ樹脂配合物の熱硬化挙動, 硬化膜物性, 貯蔵安定性についても検討を行った1)
    その結果, ポリヘミアセタールエステル樹脂は, 使用するジカルボン酸とジビニルエーテルを選択することにより液状から固体まで幅広い性状の制御が可能であり, 一般の有機溶剤に対する溶解性, 各種樹脂に対する相溶性に優れている事が確認できた。また, 同樹脂は, 市販のエポキシ樹脂に対し優れた相溶性を示し, これらの配合物は, 高温, 厚膜, 密封系の厳しい硬化条件下においても発泡やアウトガスの発生がなく, 均一な硬化膜を形成した。さらに, 同配合物は, 良好な貯蔵安定性を示し, 完全相溶一液型の組成物としての利用が可能であった。
  • 前佛 伸一
    2001 年 22 巻 4 号 p. 229
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
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