ネットワークポリマー
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26 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 落合 文吾, 竹沢 昭郎, 小座間 梓, 伊東 聡子, 永井 大介, 宮川 豊治, 遠藤 剛
    2005 年26 巻4 号 p. 179-185
    発行日: 2005/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    アミンとの反応に高い選択性を持つ五員環カーボナート構造をもつポリマーの架橋反応を, 天然アミノ酸であるリジンを用いて行った。その結果, DMSO中および水中のいずれにおいても架橋反応が進行したが, 水中では五員環カーボナート構造の加水分解も進行していることが分かった。さらに, 得られたポリマーの吸水特性を評価したところ, 水溶液のpHが高いほど吸水性が高くなることが分かり, 架橋体中にカルボキシル基が存在することが明らかとなった。
  • 日野 哲男, 井上 直人, 遠藤 剛
    2005 年26 巻4 号 p. 186-193
    発行日: 2005/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    五員環環状カーボナート骨格を有するポリアルケナマー類3のカチオン開環反応挙動を検討した結果, 高分子量を有するポリマー3では, 五員環環状カーボナートのカチオン開環反応が進行し, DMSO等に不溶のネットワークポリマー3′が得られることが分かった。また, 対応する環状カーボナート6やポリアルカン5を用いた同様の反応も検討し, 本開環反応は, 高分子量体ならではの反応であること, ネットワーク化にはポリアルケナマー類のオレフィン部位は関与しておらず, カーボナート同士の架橋反応に起因することが示唆された。またさらに, 架橋反応前後の体積変化は, 前駆体ポリマー3の合成条件に大きく影響されること, 特にその合成条件によっては, 架橋反応に伴う体積収縮を抑制できる可能性があることも示唆された。
  • 熊木 尚, 福地 巌, 立木 秀康, 陶 晴昭
    2005 年26 巻4 号 p. 194-200
    発行日: 2005/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    近年, 電子機器の配線には金が多用されている。しかしながら, ほとんどの樹脂は金には接着し難く, このことが電子材料用樹脂にとって大きな問題となってきた。一方, 金に対してはイオウが結合し易いことが知られている。そこで, 樹脂中にイオウを含む官能基を導入し接着過程で金とイオウとの結合 (Au-S結合) を形成できれば, 金に対する樹脂の接着性を向上させることが可能であると考えた。また, 電子機器実装分野ではエポキシ樹脂が多く用いられているので, フェノール誘導体にチオール基やジスルフィド基を導入した添加剤を合成し, これをエポキシ樹脂に添加した場合の接着性を評価した。チオール基を有する添加剤では接着力は低下した。これはチオール基がエポキシ基と反応して, 樹脂の硬化を阻害し樹脂強度を低下させたためと考えた。一方, 量子化学計算を用いて金とジスルフィド基との相互作用を計算した結果, ジスルフィド基は金の近傍でS-S結合が開裂してAu-S結合を生成した。そこで, ジスルフィド基を有するフェノール誘導体を合成し接着性評価を行った。その結果, 封止材用エポキシ樹脂に2wt%添加することにより, 金に対する接着強度が12%, 接着エネルギーが24%向上した。
  • 西田 裕文, 松田 聡, 岸 肇, 村上 惇
    2005 年26 巻4 号 p. 201-210
    発行日: 2005/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    種々のカルボン酸のアルカリ金属塩をアニオン重合触媒として用い, モノエポキシドを重合させた場合の分子鎖成長を追跡することにより, それらカルボン酸塩のアニオン重合触媒としての活性を評価した。更にそれらをビスフェノールA型エポキシ樹脂の硬化触媒とした場合の硬化物の動的粘弾性測定を行なうことにより, Tgレス化を検討した。その結果, カルボン酸のアルカリ金属塩はイミダゾ-ル等の従来のアニオン重合触媒に比較してエポキシドを極めて短時間で高重合体にまで重合させることが分った。また, 硬化触媒のアニオン重合性が高い方がより顕著にエポキシ樹脂をTgレス化させる傾向があった。これらの結果を基に, Tgレス化のメカニズムを推定した。
  • 小西 玄一, 西 麻望子, 中本 義章
    2005 年26 巻4 号 p. 211-214
    発行日: 2005/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    Synthesis of anisole novolacs from methoxybenzyl alcohols is described. Sulfuric acid-catalyzed self-condensation of 2- or 4-methoxybenzyl alcohol (hydroxymethylanisole) in acetic acid afforded the corresponding anisole novolacs in good yields. The resulting novolacs were well-soluble in common organic solvents such as chloroform, tetrahydrofuran, and acetone but insoluble in methanol. The structures of the polymers were determined by 1H & 13C NMR and IR analyses. From the 13C NMR analysis, these novolacs were clarified to have a linear structure. From the GPC analysis (by the polystyrene standard), the number average molecular weight was found to be about 2000. Under these polymerization conditions, only were obtained oligomers having such the molecuar weigt. This formaldehyde-free synthetic method is expecyed to give novolacs with controlled structures.
  • 竹澤 由高
    2005 年26 巻4 号 p. 215-222
    発行日: 2005/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    Present electrical devices have large calorific power, and improvement of heat dissipation has been a very important subject. In this paper, we developed the novel epoxy resins with increased thermal conductivity, the insufficiency of which has been a barrier to heat dissipation. The medium of thermal conduction for insulating resins is phonons. Phonon conduction depends on the crystallinity, since it is caused by a lattice vibration. The scattering of phonons happens on the interface of an amorphous structure. If there is a macroscopic amorphous structure so long as crystal structures exist on the microscopic level, we expected that high thermal conduction can be attained by reduced scattering of phonons through controlling the nano scale structure. Using an epoxy resin which has the mesogen structure would solve this problem because of easily carrying out an orientation with this structure. As a result, we confirm that thermal conductivities become higher with increasing amounts of mesogens. The epoxy resin (A) contains biphenyl mesogen, and the epoxy resin (B) contains even bigger mesogenic units. The thermal couductivity of the epoxy resin (A) was about two times higher than that of a conventional epoxy resin, and a much high value of five times was able to be attained in the case of the epoxy resin (B).
  • 鋼構造物用エポキシ樹脂系塗料及び防食樹脂ライニングの動向-エポキシ樹脂-
    木下 喜博, 野間口 兼政
    2005 年26 巻4 号 p. 223-234
    発行日: 2005/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    最近の樹脂ライニングの動向の概要を総説的にまとめ本誌でシリーズとして報告しており, 今回で3回目となる。第1回は不飽和ポリエステル樹脂, 第2回はビニルエステル樹脂を中心に報告した。今回はエポキシ樹脂を中心に報告する。
    エポキシ樹脂は今日, ネットワークポリマーの一つとして極めて広い分野・用途で用いられており, 防食用としても鋼構造等の塗料, 時には「重防食塗料」と称して, いろいろ技術的に工夫され活躍している。これらは厳密には「ライニング」とは区別し, 「塗装」と称されているが, これを防食用であり, 電力関係等世界的に使用されているので本報ではこれについて前半の部分で報告する。
    そして, 後半の部分では, まず「塗装」と「ライニング」の区別を概説した後, エポキシ樹脂を用いた防食樹脂ライニングの動向について報告する。この場合, その用途は上記の鋼構造の防食だけでなく, 前回のビニルエステル樹脂の場合と類似し, 下地がコンクリートの所謂「コンクリート防食」の用途もあり, 例えば上水道や下水道施設等の防食に用いられる例もあるので, これらについて報告する。
  • 木村 和毅
    2005 年26 巻4 号 p. 235
    発行日: 2005/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
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