日本フードツーリズム学会誌
Online ISSN : 2759-0917
Print ISSN : 2758-1810
最新号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 熊谷涼 , 初澤敏生
    2025 年2025 巻4 号 p. 17-24
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/07/03
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は福島県会津若松市のご当地グルメであるソースカツ丼を事例として、それがフードツーリズムの資源としてどのような効果を上げているのかを実証的に明らかにすることを目的としている。会津若松市における観光客へのアンケート調査結果から、観光客は会津の食文化に非常に満足しており、会津での食事が旅行の大きな魅力の一部であると認識していることが確認できた。さらに、多くの観光客が再度会津若松市を訪れる際、会津の食を楽しみたいと考えている。このことは、会津若松市の飲食店や料理が観光のリピーターを生む重要な要素になり得ることを示している。この結果から、会津若松市の飲食業界や観光業界が、食を強化し訪問者に印象的な味の体験を提供し続けることが今後の持続可能な観光客誘致になると言えるだろう。
  • 遠野ホップ収穫祭2023・2024の来場者アンケートを基に
    石川美澄
    2025 年2025 巻4 号 p. 2-8
    発行日: 2025/05/30
    公開日: 2026/07/03
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究の目的は、岩手県遠野市の「遠野ホップ収穫祭」において実施した来場者アンケート調査を通して、その現状を整理し、ホップ生産地という農村部におけるビアフェスティバルの課題を検討することである。結論では、農村部で開催されるビアフェスティバルを通して域内での経済効果をより高めようとする場合、宿泊需要をいかにして取り込むかを検討する必要があるものの、そのためには人的コスト等が発生するという点と、来場者に遠野市ならびに農村部の地理的・地域的特徴を理解してもらい、その特徴や制約を楽しんでもらうような情報発信や仕掛けが重要となる点の2点を指摘した。
  • 大原高秋
    2025 年2025 巻4 号 p. 9-16
    発行日: 2025/05/30
    公開日: 2026/07/03
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    郷土料理を食する旅は食と旅いずれを優先するかが問われる。食を優先した場合は旅を抑えること、すなわち基幹駅からの移動距離を小さくすると効率的になると考えられる。そこで次のように47都道府県における郷土料理を食する旅の移動距離について考えた。農林水産省選定の各都道府県における郷土料理ランキング上位3品目を現地老舗名店で食する旅において、計算式(X)「3点間最短距離(A)/都道府県面積の平方根」及び計算式(Y)「各都道府県の基幹駅起点の3点間最短距離(B)/都道府県面積の平方根」、そしてB/Aの比率等から、47都道府県を4つに分類した。すなわち3点間の距離が近く基幹駅からも近い場合をD1、3点間の距離が近いが基幹駅から遠い場合をD2、3点間の距離が近くはなく基幹駅から遠い場合をD4、その他をD3とした。さらに、X及びYの数値が最も小さいD1の高知県(食優先の旅に最適)について、老舗名店が高知の基幹駅(高知市)近くに立地している理由について考察し、3つの可能性に関して考えた。
  • 予備的研究と課題
    野村京子 , 坂井ひより , 藪下保弘 , 川﨑眞理子
    2025 年2025 巻4 号 p. 25-29
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/07/03
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は、江戸時代の加賀藩における工芸政策と食文化の関係に着目し、伝統工芸と食文化が相互に影響を与えながら発展してきた過程を歴史的・文化的視点から考察するものである。加賀藩が推進した工芸振興策「百工比照(1)」や「御細工所(2)」によって発展した「九谷焼」や「輪島塗」は、「加賀料理」の盛り付けや美意識にも影響を及ぼした。文化人類学的・心理学的手法を交えた事例分析から、器が料理の味覚や体験価値に影響することが示唆された。これらの結果をもとに、工芸と食の融合が観光資源としての価値を高める可能性を指摘し、地域振興策への応用の必要性を提起する。
  • 毛利康秀
    2025 年2025 巻4 号 p. 30-37
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/07/03
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本稿では、日本における「ハラールに対応したフードツーリズム」に着目し、その発展のために必要と考えられる知見の積み増しを目的として、その認知度を把握するための予備的な調査を行った。その結果、イスラム教の教えで「許される」を意味する言葉である「ハラール」の認知はまだ途上であることが分かった。イスラム教徒(ムスリム)が食べることを許されている食事である「ハラールフード」に関して、豚肉やアルコールが禁忌であることはよく知られていたが、それ以外の認知度は低いことが判明した。醤油や味噌などもハラールへの対応が必要であるという知識の周知拡大が求められる。ムスリムの方が安心して日本を旅行できる環境を目指すツーリズムである「ハラールツーリズム」の認知度も低く、その推進に慎重な意識が見られることも判明した。ハラールに対応したフードツーリズムとハラールツーリズムの相乗的な発展のためには、観光業界・飲食業界のさらなる対応に加えて一般の人々のムスリムの習慣や食文化への理解の増進をはかると同時に、日本の習慣や食文化も理解してもらう相互理解を目指した取り組みが有効ではないかと考えられる。
  • 飲食施設はインバウンド地方誘客の観光目的足りうるか
    山口一弥
    2025 年2025 巻4 号 p. 38-44
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/07/03
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    国がオーバーツーリズム対策の政策の柱に置くインバウンド観光客の「地方部への誘客の推進」を実行する上で訪日の目的として期待が高い「食」に焦点をあてる。特にフーディーといわれる層を中心に地方部の観光目的化した飲食施設である「ディスティネーションレストラン」について着目する。しかし、ディスティネーションレストランのような飲食施設は明らかに観光目的化にしているにも関わらず、観光学における飲食施設の位置づけの変遷を辿ると、飲食施設は観光資源と長い間みなされてこなかった。それがインターネット等の情報通信技術の進展によって地域の観光対象に対する情報の非対称性が大きく改善されたことで飲食施設も目的化した観光資源のひとつになったと考えられる。そこで、実際にサイト上に出ている情報から「ディスティネーションレストラン」の特性を抽出し、飲食施設がインバウンド観光客に対して観光目的足りうるのかを検証する。
  • 「奈良にうまいものなし」は返上できるのか
    白石恵子
    2025 年2025 巻4 号 p. 45-49
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/07/03
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    「うまいものなし」と言われてきた奈良で、2022年に国内で初めての「ガストロノミーツーリズム世界フォーラム」が開催された。それを機に、官民が一体となって奈良の食の魅力をアピールしようという動きが加速している。そこで本研究では、奈良県をはじめ、食イベントの運営事務局、生産者、ガストロノミーに取り組んでいる飲食店・オーベルジュなど各関係者へのヒアリングを通じて現状を探った。
  • 城元風花 , 田中遥菜 , 末綱彩雲 , 網谷香穂 , 富田さくら
    2025 年2025 巻4 号 p. 50-55
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/07/03
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は、「泉州きくな」と「八尾えだまめ」を事例として、大阪産(もん)の地域振興における活用の実態を概観し、その課題を明らかにし、新たな提案をおこなうものである。まず、大阪産とは何かについて確認し、実際の圃場を見学した。次に、これまでおこなわれていた大阪産の広報活動を分析し、課題を見出したい。最後に、「地域振興における食資源体系の概念モデル」を基礎として、大阪産の新たな地域振興への活用を提案したい。
  • 発酵を媒介とした地域資源再編集の汎用性に関するパイロットテスト
    野村京子 , 藪下保弘 , 川﨑眞理子 , 小畑博正 , 坂井ひより , 佐藤凛 , 廣瀬吉謙
    2025 年2025 巻4 号 p. 56-60
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/07/03
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    新潟県の果実「ル・レクチェ(1)」の廃棄果を活用し、「自然酵母(2)」の由来の製パン実験を行った。農業体験施設や大学、企業が協力し、栽培観察と食品開発を通じて地域の農と食の結びつきを深めた。製造されたパンやスムージーは、地元の風土や文化を感じる食体験として展開され、素材の背景を知り、味わうプロセスそのものが来訪者に深い経験価値をもたらす。地域の農産物を通して生まれる学びと交流は、食を軸としたフードツーリズムの実践となり、地域の魅力を再認識する機会となった。日常に根ざす食と人の営みが観光資源へと転換される事例として、今後の展開が期待される。
  • 日本の観光業界・外食業界における人材確保の現状と展望
    浦崎直浩 , 梶原晃 , 葉山幹恭 , 村上喜郁
    2025 年2025 巻4 号 p. 61-81
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/07/03
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
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