紙への液体の浸透による, その光学的性質の変化の現象を基本的な立場で調べた。すなわち, 紙にヒマシ油を塗った場合の平衡状態における反射率, 透過率を示差方式による光電測光法で求めた。
その結果得られた油の浸透量と反射率, および透過率の関係を, 簡単な理論的結果と比較した。後者はKubelka-Munkの理論を基礎とし, 紙内の空隙に毛管モデルを用い, さらに若干の仮定を設けて導いたものである。
比較の結果, 理論値と実測値にはある程度の一致はみられたが, なお系統的なズレが残っている。
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