日本印刷学会論文集
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9 巻, 1 号
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  • 岩井 義一, 浜田 忠平, 角 祐一郎
    1966 年 9 巻 1 号 p. 2-10
    発行日: 1966/11/01
    公開日: 2010/09/27
    ジャーナル フリー
    紙へのインキ浸透挙動を印刷面の不透明度および光沢度の変化から求めた研究はかなりあるが, 一方Coupeはインキ乾燥後の紙の断面を顕微鏡で観察してインキおよびビヒクルの浸透を測定した。本報ではコート紙およびアンコート紙へのインキ浸透挙動を, Coupeの実験とは異なり, 印刷後の経過時間に対して求めて印刷面光沢との関係を明らかにし, さらに印刷した試料の断面を観察してインキおよびビヒクルの浸透挙動を求めた。 (1) インキ浸透挙動はオフセット用インキおよびスチームセットインキを使用して解明を行なった。インキは印刷の瞬間にかなり圧入されるが, 印刷後の浸透はほとんど認められなかった。 (2) ビヒクル浸透はあらかじめ染色したビヒクルを使用して作成したオフセット用インキで実験を行なった。ビヒクル浸透は顕著に認められ, その浸透は紙の裏面に達するまで続く。 (3) ビヒクル浸透挙動と紙の構造との関係を解明するために, Tollenaarの方法に準じて紙の毛細管径の測定を行なった。ビヒクルの浸透深さと印刷後経過時間との関係はLucas-Washburnの式に従うことが認められた。さらに紙表面の毛細管が大なるほど浸透速度は大であった。浸透の開始は紙表面の毛細管径が小さいほど早期に発生した。コート紙の場合, コート層は繊維層に比べ浸透速度が小であった。 (4) 印刷面光沢はビヒクル浸透によって低下した。この現象は印刷面を電子顕微鏡で観察したところ明確に説明できた。すなわちコート紙の場合, ビヒクルは紙の表面全体から均等に浸透し, その結果表面にインキ顔料が多量に露出し, 凹凸が多数発生し, 印刷面光沢が低下する原因をなしている。アンコート紙の場合, 繊維間隙に類似の現象が発生することを認めた。
  • 奥山 滋
    1966 年 9 巻 1 号 p. 10-17
    発行日: 1966/11/01
    公開日: 2010/09/27
    ジャーナル フリー
    For the evaluation of printing quality, we have neither established theory nor confirmed definition of image charactristus, though many invesigations has been made in that field. In this study, attention was paied to the transferability of printing fine lines. The proof printing experiments were performed by offset deep-etch process using the parallel type testcharts. The relation between the optical microdensity and changing value of width of the platemaking and the proof was measured with the lines of printing samples. The results obtained are as follows-
    1) Testcharts A was very useful for the experiment of transferabilty.
    2) Micro-density of printing lines always decrease for width of less than about 100 micron.
    Therefore the common theoryies of tone-reproduction and method of evaluation of imagecharactristics which are based on the assumption that optical density of all fine lines and the dot are always uniform are somewhat doubtful. The difference of the line-widths of the proof and that of the corresponding film positive seem to be constant independenly on the line-widths of the film positives.
  • 佐藤 富士達, 尾花 光雄, 兼田 昭雄
    1966 年 9 巻 1 号 p. 17-46
    発行日: 1966/11/01
    公開日: 2010/09/27
    ジャーナル フリー
    砂目立てした亜鉛板を空気中に放置して, 水, 印刷インキベヒクルのアマニ油ワニスや樹脂型ベヒクル, 解墨, 写真平版用の卵白感光液と平凹版用のPVA, グルー, アラビヤゴム感光液の水溶性感光液の附着ぬれがどのように変るか, また空気中に放置した砂目立ての亜鉛板を硝酸-カリミョウバン液で整面した場合のぬれが研摩直後に硝酸-カリミョウバン液で整面した場合に比べてぬれが悪いかどうか, さらに硝酸-カリミョウバン液で整面してから空気中に放置してどのようにぬれが変化するか, それを氷酢酸整面するとぬれが良くなるかなど, 主として空気中の放置が砂目立て後の亜鉛板ならびに整面処理後におよぼす影響を, ぬれの観点から調査した。この結果から, 写真製版における整面処理と転写製版における整面処理, および直描製版における整面処理の方法について検討を加えた (Fig. 2-28参照)。そして, いずれの場合も空気中の放置は好ましくなく, 使用直前には必ず氷酢酸整面が必要であることを認めた。
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