日本橋学館大学紀要
Online ISSN : 1884-2518
Print ISSN : 1348-0154
ISSN-L : 1348-0154
8 巻
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 塩澤 寛樹
    原稿種別: 本文
    2009 年 8 巻 p. 3-14
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2018/02/07
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は、中世文化研究上の重要なテーマの一つである、鎌倉時代の日本における中国宋代文化の受容について、法衣垂下像という形式の仏教彫刻から論じるものである。台座から長く衣を垂らすこの形式は、これまで主に十四・十五世紀の鎌倉を中心に流行したとされ、鎌倉時代の問題としてはほとんど議論されなかった。そこで本稿では、建長五年(一二五三)に本格的宋朝禅を導入して建立された鎌倉・建長寺に伝わる二作例-室町時代に制作され、法衣垂下形式を示す仏殿本尊地蔵菩薩坐像と、南宋絵画の優作である絹本著色釈迦三尊像-を取り上げて、鎌倉で法衣垂下像が成立する時期やその原本、造像背景などを検討した。その結果、まず十三世紀前半に先駆け的な法衣垂下像が存在したこと、仏殿本尊像の形式(これを本稿では「建長寺様」と呼ぶ)の成立が同寺創建当初に遡ることも想定できること、釈迦三尊像が「建長寺様」の原本である可能性があることを論じた。そして、北条時頼創建の建長寺という場所で濃厚な宋代美術摂取が行われたことに幕府の意図を見出せることを述べた。
  • 村上 千鶴子
    原稿種別: 本文
    2009 年 8 巻 p. 15-26
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2018/02/07
    ジャーナル オープンアクセス
    統合失調症犯罪者の認知について、ロールシャッハ検査の分析を用いて検討した。方法:司法精神鑑定に付された40 名の統合失調症犯罪者の精神鑑定時のロールシャッハ検査所見を統計学的に分析した。結果・考察:片口の修正BRS が、病型によって有効度が異なることが分かった。また、形態の崩れは解体群で顕著であり、形態の崩壊が言語連合の弛緩につながる可能性も示唆された。統合失調症素因は、のちの形態の崩れを予測する因子としては有効ではないことが示唆された。さらには、明確な誘因なく生起した犯罪においては、明らかな質的論理構造変化(思考障害)が存在し、統制の欠如した感情反応性が犯罪生起の間接誘因となった可能性が示唆された。情性欠如の進んだ群では、発達水準の低さ、衝動性、知的水準の貧困、共感能力の貧困が示唆され、先行研究の知見に矛盾しなかった。また、病識が欠如した場合には、感情的に不安定になり、一方、病識がある程度ある場合には適応的であることが示唆され、適切な病名告知とフォローアップが犯罪防止に有効に作用する可能性を示した。また、病的体験型の場合には、人格的未熟は関係なく、まさに病的体験に支配されていることを示していた。認知心理学的に最も興味深い質的論理構造変化では、思考障害の高度群が未熟さや衝動性を示さず、やや不安が高かった。これは、統合失調症者が被害関係妄想に陥った場合、それが継続すると、その妄想的気分に合わせた認知の枠組みの変化が生起し、不安をもたらす方向で固定され強化され続ける可能性を示唆している。ここに統合失調症の認知行動療法の可能性が示された。
  • 安田 比呂志
    原稿種別: 本文
    2009 年 8 巻 p. 27-41
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2018/02/07
    ジャーナル オープンアクセス
    ジョージ・コールマンの『ポリー・ハニコム』は、18 世紀のイギリスに見られた感傷小説愛好の風潮を、巧妙かつ滑稽に風刺した笑劇として一般に評価されている。しかし、この笑劇には、単なる感傷小説批判にはとどまらない、破壊的とも呼べる特徴が見られる。ヒロインのポリーは、幕が下りる最後の瞬間になっても、感傷小説が若者に鼓舞するロマンティックな恋愛を決して放棄しようとしない。そればかりか、エピローグで再び姿を現すと、改めて感傷小説を賞賛し、この笑劇を通して自分の「精神」を知った女性は、裁縫や料理といった伝統的な女性の仕事を放棄し、「従順を求める時代遅れな教訓」を捨て去り、ついには男性の代わりに武器を取り、戦争でも戦うべきだと、観客に向かって主張するのである。本論は、フェミニズムの発想をさえ思わせるポリーの主張に対する当時の観客の受容の様相を明らかにすることを目的とする。この目的のために、本論では、最初に、この笑劇に描き出されている「ロマンティックな恋愛」と、これまでの批評では注意が向けられることのなかった「夫婦愛」のふたつの愛情の形を、コールマンが『鑑定家』の中でどのようなものとして描き出しているのかを検証し、次に、これらふたつの愛情の形を、ロレンス・ストーンが語る「情愛的個人主義の発達」が見られた18 世紀のイギリス社会の文脈の中に位置づけることによって、劇中に描き出されるこれらふたつの愛情が、18 世紀の観客にとってどのような意味を含蓄し得ていたのかを明らかにする。この考察によって、これらふたつの愛情が、『ポリー・ハニコム』の中で嘲笑の対象として描き出されながらも、同時に、未来における実現の可能性を秘めていたことが浮き彫りになり、最終的に、この笑劇が、単なる感傷小説批判にとどまらない、よりダイナミックな反応を観客の中に喚起していたことが明らかになるはずである。
  • 林 リレイ
    原稿種別: 本文
    2009 年 8 巻 p. 43-52
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2018/02/07
    ジャーナル オープンアクセス
    労働市場において「格差社会」という言葉が多く聞かれるようになってきている。企業が労働力を確保する労働市場(外部労働市場)の構成要素が多様化・複雑化してきていること、それに加え企業内の組織成員の労働態様(内部労働市場)の多様化が「格差社会」形成の背景にあると思考する。本論文は、労働市場多様化の概念と実態を明らかにし、この多様化がHRM システムとどのような相互関係にあるのかについて関連性を解明した。そして、労働市場の多様化が個別企業の企業文化・組織風土とHRM システムに強い影響力を与えていると言う結論を導いた。
  • 末松 渉, 柴原 宜幸, 小林 大二
    原稿種別: 本文
    2009 年 8 巻 p. 53-65
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2018/02/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 村上 千鶴子
    原稿種別: 本文
    2009 年 8 巻 p. 67-77
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2018/02/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 佐々木 由利子
    原稿種別: 本文
    2009 年 8 巻 p. 79-90
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2018/02/07
    ジャーナル オープンアクセス
    カウンセリング心理学の体験学習の前提として提示された基準により筆者の開発した4 つのグループワークの効果が検討された。その基準は1)メンバーの自他交流を促進すること、2)自己理解(自分が集団の中で取りがちな役割、長所短所、等)と、3)他者理解の手がかりが提供されること、4)自己開発可能性、5)フィードバックの多面性、6)グループワーク自体のメッセージ性、7)手間(準備物、時間、対象者の適切性、汎用性)を含む。2 種類のクレヨン描画グループワーク(クレヨン一筆書きグループ描画法、いたずら入りグループ回し描画法)が紹介された。学生たちの作品が紹介され、振り返り用紙のフィードバック記述が基準にしたがって検討された。その結果クレヨン一筆書きグループ描画法は集団の中で自分の取りがちな役割を理解することに優れ、いたずら入りグループ回し描画法は塗り方の特徴から長所短所についての良いフィードバックを提供していた。2 種類の話す聴く見るグループワーク(新聞記事を用いたキャリア探索グループ、感情をテーマとするグループワーク)が紹介された。上述同様フィードバックの記述が基準に従って検討された。新聞記事を用いたキャリア探索グループは学生達に自分の今いる現状への洞察を与えた。感情をテーマとするグループワークの結果では学生たちへのこのテーマの導入が学習過程において時期尚早であったことが示唆された。
feedback
Top