日本文学
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  • ――〈定家と式子〉恋物語の展開――
    天野 聡一
    2021 年70 巻1 号 p. 1-9
    発行日: 2021/01/10
    公開日: 2026/02/13
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    藤原定家と式子内親王が恋仲だったという一連の伝承がある。なかでも〈定家の沓冠〉という話は、定家が式子に「男すな。妻も具せじ」という文句を忍ばせた沓冠の歌をおくったというものである。この歌は早く『庭訓往来註』に見られるものだが、近世に入ると定家と式子の恋物語と合流し、〈定家の沓冠〉という話として浮上する。それは後水尾院歌壇における笑話の一つだったが、その後、堂上から地下へと伝わるなかで実話として享受されるに至る。

  • 雲岡 梓
    2021 年70 巻1 号 p. 10-20
    発行日: 2021/01/10
    公開日: 2026/02/13
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    荒木田麗女の歴史物語『笠舎』は四鏡に倣い、老人の昔語りに仮託した構成である。現存本は序・跋を欠くが、『麗女文集 下』に収録されるため内容がわかる。序文には聞き手が逍遥の末に蓮台寺で語り手と出会い、昔語りが行われるまでが書かれる。千田憲は『麗女文集 下』の配列順序を根拠に、序文は晩年に成立したと推測したが、その配列は成立年時ではなく書写年時に拠っているため、晩年成立とする説には根拠がない。

    そして序文の道行には、昔語りの聞き手が作者の麗女本人であると示唆されており、跋文でも作者=筆録者という設定が明かされている。こうした序文・跋文の特徴から、『笠舎』は『池の藻屑』『月のゆくへ』で物語による日本通史を完成させた麗女が、出版を意図せずに伊勢を中心とする身近な人々を読者に想定して執筆した作の可能性がある。

  • ――出羽掾の創作姿勢とその独自性――
    奥田 粋ノ介
    2021 年70 巻1 号 p. 21-32
    発行日: 2021/01/10
    公開日: 2026/02/13
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    出羽少掾藤原信勝の古浄瑠璃『常陸坊かいぞん』は、戦の敗北者や社会的な弱者が見舞われる苦難を主題とした。そうした主題を描く為、本作は源義経と平景清の子息が一丸となり、源頼朝の子息と戦を行うという独自の設定を作り出している。また、その設定は本作成立時に流行していた金平浄瑠璃の手法を踏まえたものである。特に平景清を無力な老人として描き、源氏治世下における平家所縁の人物の悲劇を強調している点に工夫がある。

  • ――共通点がある和歌の選択から出発して――
    柄山 紀子
    2021 年70 巻1 号 p. 33-43
    発行日: 2021/01/10
    公開日: 2026/02/13
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    班の担当和歌と「何らかの意味で」共通する和歌をさがすことから出発した学習について、生徒が作成したポスターに彼らの視点を探ると、和歌を選択して比較する体験から生徒自身の読みへとつながり得ることが推察された。また、生徒が理解や関心を表した対象を区分して生徒の視点を追うことによって、和歌を含めた古典学習の意義やこれからの可能性について知見を得ることができた。

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