日本語教育
Online ISSN : 2424-2039
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161 巻
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一般論文
研究論文
  • 森山 仁美
    原稿種別: 研究論文
    2015 年 161 巻 p. 2-14
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/08/26
    ジャーナル フリー

     中国語母語話者を対象に,文脈の中で和語動詞を正確に使用できるかについて検討する。研究課題は(Ⅰ)日本語習熟度によって文脈の中で和語動詞を使用する正確さに違いがあるか,(Ⅱ)「知っている」語であるにも関わらず文脈で和語動詞の産出が正しくできなかった場合,既知語からの検索ができないためか,(Ⅲ)和語動詞産出の過程で,どのような誤用が見られるかである。調査方法として中級レベルの学習者72名を対象に2種類のテストとフォローアップ調査を実施した。調査の結果,(Ⅰ)日本語習熟度が高くなるにつれて文脈の中で和語動詞を正確に使用できる傾向にある,(Ⅱ)和語動詞に関しては理解の知識に比べ産出の知識は遅れて発達する,(Ⅲ)和語動詞産出の過程で(1)母語や意味からの連想による誤り,(2)日本語の漢語を経由した誤り,(3)弱い共起関係による誤り,(4)送り仮名が同じことであることによる誤り,(5)助詞を正しく理解できなかったことによる誤りが見られることが示唆された。

  • 永井 絢子
    原稿種別: 研究論文
    2015 年 161 巻 p. 31-41
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/08/26
    ジャーナル フリー

     本研究は,シンハラ語母語話者日本語学習者の作文に見られる主な助詞の誤用傾向と「ガ」「ヲ」の使用状況を示すとともに,先行研究であまり注目されてこなかった「ガ」に注目して誤用の要因を考察した。作文を小テスト得点から3群に分けて分析した結果最も誤用率が高かったのは中位群の「ガ」であった。「ヲ」の誤用率は3群とも低く,「対象」用法が安定して使用されていたが,「ニ」「デ」の誤用の大半は「ニ」と「デ」の混同であった。「ガ」の誤用のうち「×ガ→○ヲ」(「ガ」が誤り,「ヲ」が正しい)は3群とも約8割を占め,その多くは絶対他動詞を取っていた。その要因として,シンハラ語の格標示の影響で「ガ」と「ヲ」の区別に注意が向きにくいこと,意志性の低い他動詞の目的語に「ガ」を選択している可能性が考えられた。「×ガ→○ヲ」は運用上の大きな問題であり,指導において「ガ」「ヲ」をより重視する必要があることが示唆された。

研究ノート
  • 後藤 典子
    原稿種別: 研究ノート
    2015 年 161 巻 p. 42-49
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/08/26
    ジャーナル フリー

     本稿は,地方の医療・介護現場で患者や介護施設利用者が使用する方言発話を聞いて,外国人がどう理解するかを調査し,理解の特徴を明らかにしようとするものである。山形の方言発話で,方言が使用されやすく緊急度の高い「痛み」や「排泄」に関わるものを取り上げた。結果,外国人と日本人の方言理解には大きな差が見られた。外国人は大まかな意味のみを理解し,不理解となる特徴は,共通語が予想されにくい形,オノマトペ,日常生活であまり使用されない語彙,方言の語彙や表現だった。日本人には理解されていた身体部位や排泄に関わる語彙に不理解が多く注意を要することなどがわかった。

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