日本語教育
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一般論文
研究論文
  • 谷口 美穗
    原稿種別: 研究論文
    2017 年 167 巻 p. 1-14
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/08/26
    ジャーナル フリー

     非漢字系日本語学習者にとって,漢字は形が複雑で習得が困難であることが複数の先行研究から指摘されている。本研究では,漢字の字形と再生の難しさとの関係に注目し,漢字学習開始前の非漢字系マレー人日本語学習者を対象に,初めて見る漢字をどのように認識し字形をどのように再生するのか実験を行い,字形再生を困難にする諸要因の影響を検討した。要因としては,漢字の視覚的複雑性(単純・複雑),直線性(直線・非直線),対称性(左右対称・非対称)の3つを設定し,再生された漢字の完成度を予測する決定木分析を行った。その結果, 1)漢字の再生を困難にする要因として字形の視覚的複雑性が最も強く影響している,2)視覚的複雑性が低い漢字でも非直線的な漢字は再生されにくい,3)視覚的複雑性が高い漢字では対称性が漢字の完成度に強く影響し非対称的な漢字は再生されにくい,という3点が明らかになった。

  • 野田 尚史, 花田 敦子, 藤原 未雪
    原稿種別: 研究論文
    2017 年 167 巻 p. 15-30
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/08/26
    ジャーナル フリー

     中国語を母語とする大学院生が学術論文を読むとき,どこでどのように読み誤るかを,読みながら理解した内容を母語で語ってもらう方法で調査した。その結果,(a)から(d)のように読み誤ることが明らかになった。

     (a)語の意味理解に関する読み誤り:個々の漢字の意味から語の意味を不適切に推測したり,辞書に載っている複数の語義から不適切な語義を選んだりする。

     (b)文構造のとらえ方に関する読み誤り:文のどの部分がどの部分を修飾しているか,文のどの部分とどの部分が並列されているかということを適切にとらえられない。

     (c)文脈との関連づけに関する読み誤り:省略されている語句を文脈から適切に特定できなかったり,照応先の語句を文脈から適切に特定できなかったりする。

     (d)背景知識との関連づけに関する読み誤り:論文の文章構成や本文の記述内容に関して自分が持っている背景知識と本文との関連づけが適切にできない。

調査報告
  • 張 麗
    原稿種別: 調査報告
    2017 年 167 巻 p. 31-45
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/08/26
    ジャーナル フリー

     本研究は,1)慣習性が学習者の間接発話行為の理解に与える影響,2)慣習的間接発話行為と非慣習的間接発話行為とに分けて,理解に困難が生じる原因を検討した。本研究では,JFL中国人上級日本語学習者24名を対象に,語用論聴解テストを用いて慣習性が理解の正確さと速さに与える影響を調査した。その結果,慣習的間接不同意発話行為は非慣習的間接不同意発話行為より理解されやすく,また反応時間が短いことがわかった。また,学習者の理解に困難が生じる原因を明らかにするため,語用論聴解テスト後に刺激再生法を用いて,学習者の理解プロセスを調べた。その結果,慣習的間接不同意発話行為が理解困難な原因は,「キーワード」が利用できないことであるが,非慣習的間接不同意発話行為が理解困難な原因は,「パラ言語情報」,「談話状況」,「背景知識」,「話者の意図」といった文脈情報が把握できていないことが推察された。

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