ジェット機による高速化、大型機による大量輸送化を経て、観光の輸送分野における旅客機の地位は描るぎな
いものとなっている。今日では国内・国際を間わず,旅客機なしの観光旅行は考えられないほどである。しかし、
旅客機の地位を高めたものは輸送力だけではなく、客室内の快適性もあったことを忘れてはならない。にもかか
わらず、旅客機の客室内サービス(以下、機内サービスとする)の歴史についての調査研究はほとんどなされて
こなかった。本研究は、主として昭和6年(1931年)から昭和16年という日本の定期旅客輸送の黎明期に焦点を
絞り、世界でも2、3番目というきわめて早い時期に登場した女性客室果務員(エア・ガール)と彼女たちを採用
した東京航空輸送社の相羽有の評価の見直しを行うとともに、当時の機内サービスがどのようなものであったか
を明らかにするものである。
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