日本観光学会誌
Online ISSN : 2436-7133
Print ISSN : 1341-8270
46 巻
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  • 麻生 憲一
    2005 年 46 巻 p. 1-11
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2022/11/08
    ジャーナル フリー
    本稿では、奈良市の代表的な歴史的文化財・観光資源について、奈良市民を対象にアンケート調査を行い、奈 良市民の観光資源への愛着度要因、訪問参加要因を因子分析により導出した。そして、それらの要因が観光資源 の愛着度形成にどのように影響しているのかを重回帰分析により考察した。観光資源に対する奈良市民の愛着度 要因は、歴史的建造物要因、公園景観要因、観光イベント要因の3つの因子に分類でき、訪問参加要因は、古寺 散策要因、参詣観光要因、参加見学要因、公園散策要因、町並み散策要因の5つの因子に分類できた。これら愛 着度要因、訪問参加要因を用いて重回帰分析を行った結果、奈良市民の観光資源に対する愛着度形成において、 歴史的建造物要因、公園景観要因、古寺數策型、詣観光要因の影響力の強さを明示した。
  • 桑原 浩
    2005 年 46 巻 p. 12-20
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2022/11/08
    ジャーナル フリー
    観光地のマーケティングやマネージメントに携るものにとって、観光地衰退の兆候を早期に発見し対策に着手 することはコスト上重要である。そこで本研究では、観光地の衰退を早期に発見し警戒を促す手法の開発に着手 した。その手法とは、衰退観光地の否定的特徴を収集した衰退兆候リストを予め作成し、そのリストに対し実際 の観光地がどの程度適合するかによって、観光地の衰退リスクを評価するという手続きである。本研究では、多 くの観光地関係者が伝統的に監視してきた来訪者入込量に焦点を当て、それに関係する4つの衰退兆候を衰退兆 候リストの構成項目と仮定した。その項目とは、観光客到着数の減少、観光客の延べ宿泊日数の減少、観光客の 平均滞在期間の該少、観光入込量の季節的集中である。そして実際に、このリストの適用可能性を吟味するため に、需要構造が明確に異なる国際観光地としてのタイ国と国内観光地として神戸市について、衰退リスクの評価 を試みた。その結果、本研究が直面した最大の問題点は、神戸市の事例において、観光客の延べ宿泊日数や平均滞在期間という基本的データが未整備なことだった。また、観光地管理への示唆としては、タイ国の事例から、 観光地の衰退過程において、観光客の平均滞在期間の核少が到着数の減少に先んじる可能性を指摘した。
  • 天野 景太
    2005 年 46 巻 p. 21-29
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2022/11/08
    ジャーナル フリー
     現在の都市・地域研究は、居住者を対象とした研究が主流をなしている。しかし今世紀の都市のビジョンや観 光まちづくりを考えるにあたって、来街者(広義のツーリスト)を重視する視点も重要となってくるだろう。本 論文は東京の上野という街を事例として、「ツーリスト・タウン」という視点から上野の歴史解駅を試みたもので  その方法として、ツーリストが街を訪れる際の玄関口として機能している駅に着目し、駅に降り立つ人々の特 徴や彼らが街にもたらした社会的な効果に言及しつつ議論を展開する。上野は近世以降、様々な属性のツーリス トが街の担い手であり続けたこと、現在「北の玄関ロ」というイメージとその実態が乖離していること、などを 指摘する。
  • 太田 修治
    2005 年 46 巻 p. 30-43
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2022/11/08
    ジャーナル フリー
     「神戸ルミナリエ」がなぜ多くの人々の共感を呼び、これほど多くの集客・観光客のリピート化が得られるの か。「光」の持つ阪神・淡路大震災犠牲者への鎮魂を求める「折りや願い」と、「光の彫刻」の持つオリジナルな 芸術的な創作性への「感動と驚き」、「闇から光」の持つ神戸再生・復興への「夢と希望」とが、その要因である と考える。この諸要因は、リピート化を模索する都市集客・観光に貴重な示唆を与えるものである。
  • 平良 美栄子, 山崎 春代, 森 愛子, 山崎 登志子, 三橋 勇
    2005 年 46 巻 p. 44-50
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2022/11/08
    ジャーナル フリー
    政府の観光立国宣言と共に、各都市において各々の活動が行われている。広島県呉市でも観光産業に対し活動 を行っている。円滑な国際交流を考える上で、在住外国人の抱える問題を無視するわけにはいかない。本研究で は、在住外国人の環境調査を行い、生活上の問題点を明らかにすることと生活環境の改善点について検討した。 また、そのことによって訪日外国人の誘数および観光開発に繋がる事を期待する。調査は、呉市在住外国人17名 に対し、半構成的面接調査法を用い、生活上の問題について質問し、以下の結果が明らかとなった。1.在住外国 人に違和感や疎外感を与えないよう、日本人からの積極的な関わりが重要である。2.呉市の安全と清潔な環境を 確保、維持する。3.英語圏以外の在住外国人や観光客のために、多言語による表示を行う。以上のことを維持・ 改善することが、在住外国人の生活環境をより良くすると共に、外国人親光客に居心地よい空間の提供となり、 観光開発につながるものと考える。
  • 北島 まや, 上田 卓爾
    2005 年 46 巻 p. 51-64
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2022/11/08
    ジャーナル フリー
    ジェット機による高速化、大型機による大量輸送化を経て、観光の輸送分野における旅客機の地位は描るぎな いものとなっている。今日では国内・国際を間わず,旅客機なしの観光旅行は考えられないほどである。しかし、 旅客機の地位を高めたものは輸送力だけではなく、客室内の快適性もあったことを忘れてはならない。にもかか わらず、旅客機の客室内サービス(以下、機内サービスとする)の歴史についての調査研究はほとんどなされて こなかった。本研究は、主として昭和6年(1931年)から昭和16年という日本の定期旅客輸送の黎明期に焦点を 絞り、世界でも2、3番目というきわめて早い時期に登場した女性客室果務員(エア・ガール)と彼女たちを採用 した東京航空輸送社の相羽有の評価の見直しを行うとともに、当時の機内サービスがどのようなものであったか を明らかにするものである。
  • 井上 寛
    2005 年 46 巻 p. 65-74
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2022/11/08
    ジャーナル フリー
    1980年代以降、日本において障害者の旅行が注目され実行されるようになった。それは、1981年の国際障害者年をはじめ、障害者をめぐる社会に変化が起こったからであった。本稿では、まず、障害者が旅行する契機になったさまざまな事例を整理する。それらは、障害者が旅行する権利を主張し、障害者が旅行を通じ人権を獲得することができたプロセスでもあった。つぎに、これまでにおこなわれた障害者旅行に関する先行研究を、①事実記述型研究と問題指向型研究、②障害者主体型と障害者客体型といった2種類の尺度から整理し渉猟する。最後に、今後われわれが障害者の旅行をどのように研究していくのかについて論じる。本稿では、障害者が旅行することによって本人が自立することができるのではないかという仮説を立て、この自立からのアプローチにはどのような研究の可能性があるのかについて論じる。障害者の旅行から自立を考えることは、人間にとっての自立とはなにか、旅行あるいは観光とはなにかを考える上で大きな手がかりとなる可能性があるだろう。これは今後の研究課題である。
  • 水野 紀男
    2005 年 46 巻 p. 75-83
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2022/11/08
    ジャーナル フリー
  • 麻生 憲一
    2005 年 46 巻 p. 84-89
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2022/11/08
    ジャーナル フリー
  • 加藤 卓司
    2005 年 46 巻 p. 90-94
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2022/11/08
    ジャーナル フリー
    奈良・京都はすでに世界遺産に登録されているが、古都鎌合が未だに登録を果たしていない。鎌倉は武家が最 初に政権都市を築いた処である。1180年、源頼朝は鎌倉に武家政権を開き、武家は将軍を中心とした、幕府とい う独自の政治体制を作り、700年にも及ぶ武家政権の基礎を築いた。このような特殊な政治体制は世界歴史に類 例がない。独自の自然環境と無数の社寺が中世鎌倉の歴史と伝統の魅力を現代に伝えてきている都市は、鎌倉だ けである。また武家社会が残した武家文化と生活様式は日本人の考え方や行動の指針となり、少なからざる影響 を及ぼしている。
  • 浦 達雄
    2005 年 46 巻 p. 95-103
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2022/11/08
    ジャーナル フリー
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