日本観光学会誌
Online ISSN : 2436-7133
Print ISSN : 1341-8270
59 巻
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  • 赤壁 弘康
    2018 年 59 巻 p. 1-15
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2022/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、主に第 1 次産業に携わる個別事業者を対象にした単純な経済モデル分析をもとに 6 次産業化の経済 メリットの有無を分析し、その分析結果をもとに第 1 次産業の不確実性に伴う損失発生リスクの内生的ヘッジン グを議論する。これらの分析から、 6 次産業化の経済的メリットは、不確実性の影響を受けやすく超過利潤を生 みだしづらい第 1 次産業事業者の経営安定に貢献するように利用できるものであることを論じる。さらにこの結 果をベンチマークとして、第 1 次産業事業者が新たに 6 次産業化に向かう場合の問題点、地域の 6 次産業化に関 する問題点を論じる。
  • 三橋 勇太, 天野 昌之
    2018 年 59 巻 p. 16-27
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2022/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は観光動機と個人特性との関係性を明らかにすることを目的としている。160名の大学生を対象に観光を 行う動機(刺激性、文化見聞、現地交流、健康回復、自然体感、意外性、自己拡大)、観光時に抱く感情(抑鬱・ 不安、敵意、倦怠、活動的快、非活動的快、親和、集中、驚愕)に関する質問紙調査を実施し、それぞれの間に 関係があるかを、重回帰分析を用いて検証した。分析の結果、感情の中で「抑鬱・不安」、「活動的快」が観光動 機を持つ可能性を上げる関係性を持った因子であることが確認できた。一方で「集中」は観光動機を持つ可能性 を下げる関係性を持った因子であることが確認できた。この結果、観光動機を持つ可能性を上げる際には、この 項目に関係する要素を避けるべきであることが示唆された。また、観光動機では、「刺激性」、「健康回復」、「自然 体験」が感情にプラスの関係性を持つ因子であることが確認され、一方で「現地交流」が感情にマイナスの関係 性を持つ因子であることが確認された。これにより、観光動機に関わる要素が個人の感情に対して、比較的ポジ ティブな関係性を持つことが示された。
  • 糸澤 幸子
    2018 年 59 巻 p. 28-40
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2022/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    現代のクルーズツーリズムの在り方には、相反する二つの現象が見られる。一般大衆層を対象とした大衆化マ スツーリズムのクルーズと、個性派富裕層を対象とした個性化オリジナリティのクルーズが同時進行している。 本論は、大衆化クルーズと個性化クルーズという対象的な二つの現象が並行する現代のクルーズ期を「クルーズ 二極化時代」と位置づけ、背景、特性、現況を論考し、いかなる要件においてクルーズ船の寄港地を選定してい るか、クルーズ船社の視点から考察したものである。大衆化と個性化、及び双方に対応するクルーズ船社にイン タビュー調査を実施し、クルーズ船の規模や客層が両極端となるクルーズ二極化時代において、大衆化、個性化、 それぞれの寄港地選定要件の多様性を明らかにし、優先順位の差異を示した。寄港地選定の要件を明瞭にしたこ とはクルーズ船誘致を推進する自治体(寄港地)にとって実践的な活用データとなり、実務に役立つ研究成果を 得た。
  • 神谷 達夫
    2018 年 59 巻 p. 41-48
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2022/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では、観光ビッグデータの解析結果から、図による表現のみでなく、観光地点の重要度を数値的に表現 する方法を検討し提案した。具体的には、Wi-Fiパケットセンサーによって得られた観光者の位置情報ビッグデー タを解析し、観光地点の定常状態確率と情報量により観光地点の重要度を数値的に評価する方法を提案した。 本研究は、センサーが置かれた地点間の観光者の移動をシンボルの発生であると考えたマルコフ情報源として とらえ、その定常状態確率と情報量を求めた。今回の解析結果からは、観光地点の定常状態確率は、地図上でみ られる移動パターンと一致し、入込客数の傾向とも一致した。したがって、本研究で提案した観光地点の定常状 態確率と情報量によって、観光地の重要性を示す指標とその算出方法を明らかにすることができた。
  • 矢島 正枝
    2018 年 59 巻 p. 49-60
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2022/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    日本社会は、世界で初めての急速な人口減少と高齢化の波に晒され、とりわけ地方都市には、その傾向が顕著 に現れている。本研究では、観光を地方振興の手段として捉え、地方都市への観光、とりわけインバウンド観光 誘致に力を入れるべきと主張する。 その一つの事例として、地方都市の中から、兵庫県豊岡市の城崎町のインバウンド観光への取り組みについて の事例を調査し、研究する。現在の地方観光振興の担い手は、自治体外郭団体の観光協会等である。観光協会等では、従来の経験知を中心とした観光施策が主流であったが、現在のインターネットからの情報を重視する観光客、とりわけインバウンド旅客に対応するためには、ICTを利活用したプロモーション、及びマーケティング戦略 が重要である。小規模の観光協会等では、ホームページ等の情報更新が長年放置されたままの機能不全の所さえ少なくない。国は、201 4年に地域観光振興の新しい担い手として、日本版DMOの創設を閣議決定した。この研究では、豊岡市城崎町の豊岡版DMOについての現地での聞き取り調査を行い考察する。城崎町では、日本版DMの導入により、マーケティング戦略を取り入れた民間手法の利活用により大きな成果を挙げている。その特徴は、 地域のアイデンティティを重視し、敢えてインバウンド旅客の中の少数派である欧米のFITをターゲットに成果を 挙げている。自治体主導の観光協会等から欧米型の地域経営の専門家集団によるDMOへの速やかな移行が必要であることをこの研究を通じて、明らかにしたい。
  • 白石 太良
    2018 年 59 巻 p. 61-68
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2022/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    2016年度まで 8 年間開講したオープンカレッジ“地域探訪”における巡検の実践記録と参加者の感想をふまえ、 知られざる地域文化を知る喜びこそがごく一般的な高齢者の素朴な学習願望を満たすことを知り得た。巡検を日 帰りの学習型ツアーとして展開するにはいくつもの課題もあるが、学習的要素のある地域見学が増加する高齢者 向けの観光形態として求められ、そのニーズに応える旅行企画、観光業でいえば名所めぐり型観光と歴史ウオー クの中間ともいえる企画商品の開発が考えられてもよいと思われる。またそれは、人びとの生涯学習になるだけ でなく、受け入れ地の地域振興に寄与することにも注目する必要がある。
  • 大江 靖雄
    2018 年 59 巻 p. 69-72
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2022/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    近年、研究者の業績評価が厳しくなり、より質の高い研究成果の公表が求められている。そこで、本稿では、 若手研究者や実業界会員を主に対象として、論文作成スキル向上のため、編集委員会からの体験的なアドバイス を行うことを目的としている。リジェクトされる論文には共通した欠点があり、それを克服することで、受理さ れる可能性がかなり高まることを指摘した。具体的には、以下の点をのべている。 1 )既往の成果のレビューを 踏まえて、論文の新規性と意義が明確に記述されていること、 2 )データや文献などの裏付けが明確で論理的な 分析と展開がなされていること、そして意外と軽視されがちな 3 )投稿フォーマットの重視と図表・引用文献の 正しい記載である。そして最後に、審査結果に対するクレームは、結果的に投稿者の評価を下げることになり一 利もないため、論文の改善に努めることが受理への最善かつ最短の策である。
  • 麻生 憲一
    2018 年 59 巻 p. 73-75
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2022/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
  • 三橋 勇
    2018 年 59 巻 p. 76-77
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2022/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
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