日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
1973 巻, 8 号
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  • 萩原 茂示, 堤 和男, 高橋 浩
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1369-1373
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    カーボンブラック粒子の含活性水素表面官能基(たとえば,フェノール性水酸基,カルボキシル基など)と水(液相)との相互作用機構を考察するために,表面活性水素濃度,水に対する浸漬熱およびカーボンブラック-水系スラリーのpHなどの測定を行なった。各種カーボンブラック試料の表面活性水素濃度と水に対する浸潰熱とは直線的な相関関係を有し,その相関関係から含活性水素サイトの水に対する浸痙攣へのエネルギー寄与を求めると,34kca1/molであった。このエネルギーは,水素結合エネルギーとくらべて非常に大きく,明らかに反応熱に相当するものの寄与が考えられる。また,あわせて表面活性水素濃度と従来から表面酸性度のパラメーターとして用いられている水系スラリーのpH値との相関関係を求めてみた。この両者の関係もかなりよい相関性を示した。
    これらのことから,カーボンブラック粒子の含活性水素表面官能基と水との相互作用機構は,解離水和反応であり,カーボンブラヅクー水系スラリーのpHは,明らかに,その解離水和反応によるプロトン濃度を示すものである。
  • 堤 和男, 萩原 茂示, 高橋 浩
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1374-1378
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    シリカをジアゾメタンにより液相処理したものについて,DTA,表面基の分析, IR,浸漬熱,水分吸着能の測定を行なった。ジアゾメタン処理すると,表面にはメトキシ基,ポリエチレン鎖が生成することがIRにより明らかになった。これらの表面有機基は加熱排気に対してかなり安定であり,表面との相互作用は強い。処理シリカの水分吸着能はかなり低下するが,水への浸漬熱はわずかに低下するだけであり,表面メトキシ基は水中で水と水素結合をすることが明らかである。有機溶媒への浸漬熱の測定から,表面の静電場強度はジアゾメタン処理により低下する。ジアゾメタン処理したシリカ粒子はたがいに反発しやすくなり,油性溶媒への分散がよくなる。
  • 多田 旭男, 吉田 正敏, 平井 幹男
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1379-1384
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    組成比の異なる数種のP205-AI203を,硝酸アルミニウム,リン酸溶液に所定pHに達するまでアンモニア水を滴下して得たヒドロゲルを熱処理することにより調製した。これらの二元酸化物の酸塩基性質,表面積を測定し,X線回折および赤外吸収の結果とあわせて表面性質を検討した。触媒活性はn-ブタノール脱水反応,n-ブテン異性化反応について検討した。酸量および比表面積はPHが5から9へ上昇するにつれて減少し,またそれらはPIAI比により変化し, P/A1=0.33で最大値(1.08 meq19,655 m2/9)に達するe最高酸強度はP/Al≦1.0でHo=-5. 6であるが, P/Al>1.0では一般に弱くPIAI=2, 0,4. 0ではそれぞれHo-3. 0,1.5である。二元酸化物は一般に非晶質であり, P>Alではピロリン酸塩とメタリン酸塩の混合物,P<AlではAIPqとA1203の混合物と考えられる。脱水活性はP/A1=0.33で最大となり全酸量と関係づけられるが,異性化活性はP>A1の領域でより大となり全酸量との間に相関が認められない。
  • 丸谷 健一, 西尾 一章, 川田 襄, 中村 義之, 溝呂木 勉, 尾 崎萃
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1385-1388
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ビス(トリフェニルポスフィソ)σ-アリール(プロモ)ニッケル(II)錯体はLewis酸を共存させなくても0℃,1atm以下の温和な条件で低活性ながらエチレンを選択的に二量化し,しかも,その活性は溶媒の種類にいちじるしく依存し,とくにC6H,C1, CH2CI2などのハロゲン原子をもった溶媒中においてエチレンの二量化が促進されることが明らかになった。一方,ビス(トリフェニルホスフィン)o-トリル(プロモ)ニッケル(II)錯体の各種溶媒中における。-CHsのプロトンのNMRを測定し,その化学シフトをニヅケル(II)原子の常磁性異方効果に基づいて検討することにより,溶媒分子はニヅケル錯体に配位していることが明らかになった。
  • 宮崎 栄三
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1388-1392
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ベンゼンの水素化(C6H6+3H2→C6H12)をモデル反応として,高温材料である粉末状タンタルカバイド(TaC,ニオブカーバイド5%を含む)の触媒能および活性点が調べられた。タンタルカーバイドを1000℃以上の高温で真空排気すると顕著な活性が生ずることが見いだされ,それは主として原子状に吸着した酸素の除去によるものと結論された。表面積は排気温度によらず一定で1,5 m2/9であった。一酸化炭素および酸素の被毒または吸着実験から表面における活性点の分率は高く,その耐熱体としての性質を考えれば,水素化などの触媒として有効であるとみられた。
  • 林 弘, 西 博義, 安倍 敏行
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1392-1396
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    シュウ酸トリウムの熱分解によって得た酸化トリウムを触媒として,シクロヘキサノンおよびベソゾフェノソとアンモニアとの気相脱水縮合め挙動を調べた。
    シクロヘキサノンでは,365~420℃において対応するケチミソはコン跡しか得られず,アルドール型自己縮合体であるシクロヘキセニルシクロヘキサノンをはじめ多くの副生物を生成した。これに対して,ベンゾフェノソでは,310~420℃において選択的にケチミソを生成し他の生成物は認められなかった。反応温度,流速,ケトンおよびアンモニア分圧ならびに水共存の影響について調べた結果,たとえば,365℃,アンモニア過剰,ケトン分圧0.3×10-2atmおよび3,0×10-2atmにおいてケチミソ収率はそれぞれ80.5%および44.0%に達し,見かけの平衡定数K=O, 035土0,002と計算された。
    ペンゾフェノンにおけるケチミン生成の特異な選択性は,このケトンが構造上α-水素をもたないために,シクロヘキサノンのようなアルドール型自己縮合が起こり得ないことによると考えられる。
  • 野崎 文男, 市野 正治
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1397-1402
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    1-ブテンの1,3-ブタジエンへの酸化脱水素反応を酸化ウラン系触媒により行ない,U-Sb-0触媒が選択性にすぐれていることを知った。そしてSb1U原子比5付近が最適触媒組成であること,触媒焼成温度としては800~900℃がよいこと,反応速度はブテン分圧に1次酸素分圧に0次として近似的に整理され,反応の見かけ活性化エネルギーは約13 kcal/mo1であることなどがわかった。
    またSimonsらもすでに指摘していることではあるが, Mo-Bi-O触媒などではブタジエソへの酸化脱水素反応とともにブテンの二重結合移行の異性化反応が下船的に起こるのに,U-Sb-O触媒ではこの異性化反応をまったくともなわないことを確認した。そしてこの特徴的な接触能はU-Sb-O触媒がいわゆる固体酸的な性質をもたないか,または非常に弱いことと関連があるものと考察した。
  • 谷 忠昭
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1402-1407
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    電子トラップとして作用することが知られているフェノサフラニン[1]と正孔トラップとして作用することが知られている9-メチルチアヵルボシアニン[2]が臭化銀粒子の固有感度に与える効果を,粒子径の異なる種類の臭化銀粒子で調べた。[1]はいずれの粒子に対しても減感作用を示した。[2]は大きな粒子(0.5μ)を減感したが,小さな粒子(0.17μ)を増感した。すでに示唆されているように,大きな粒子にくらべて小さな粒子では再結合が速いと考えられる。表面に吸着した[2]は弱い再結合中心となりうる正孔トラヅプとして作用し,大きな粒子に対しては表面での再結合を促進し,小さい粒子に対しては,すでに存在する速い再結合過程を抑制すると考えて上記の結果を理解することができる。上記の結果はまた,色素の減感作用には機構の異なる二つの種類があることを示唆している。
  • 斎藤 光雄, 谷 忠昭
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1407-1411
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    AgBrおよびAgBrI粒子の写真感度と各種低温発光に対する2極金属イナン(Hg2+, Cu2+, Pb2+Ni2+, Co2+, Cd2+, Fe2+, Zn2+, Ba2+, Sr2+,およびMn2+)の効果を写真乳剤の形で調べた。もっとも酸化還元電位の大きいHg2+とつぎに大きいCu2+が,写真感度(AgBrとAgBrI),600 nm付近の発光の遅延成分(AgBrとAgBrl)および540 nm付近の発光の遅延成分(AgBrI)を減少させた。Hg2+だけが600 nm付近の発光の全成分(AgBr)を減少させた。これらの結果に基づいて考察し,Hg2+とCu2+は乳剤粒子に電子トラヅプを提供すると結論した。
  • 井上 英一, 小門 宏, 大庭 有二
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1411-1415
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    光照射された酸化亜鉛とアルミニウム金属との接触系は,2, 3, 5-トリフェニル=テトラゾリウム=クロリド(TTC)水溶液中で電池反応を起こした。酸化亜鉛上での陰極反応は,1, 3, 5-トリフェニル=ホルマザン=レッド(TF)の生成をともない,アルミニウムは,陽極として溶解した。この感光体は,酸化亜鉛樹脂分散系をアルミニウム板上に塗布してつくられ,画像特性がTTC濃度,電解質濃度,pH,温度を変えたいろいろの条件下で調べられた。現像液は約1wt%TTC,約1 wt% NaCl溶液がよい画像を形成した。現像は温度の影響が大きく,これは温度の上昇による光電導のメモリーの消失速度の増大とTTCの解離度や移動度が影響しており,最適の現像温度は20℃であった。この感光体の相反則は1x10-3から50x10-3 jo ule/c m2で,電光時間が1/30から1秒の間で成立した。
  • 鈴木 博, 石井 英一, 三宅 義造
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1416-1421
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    吸着媒処理による硫黄中のヒ素の除去の目的で,つぎの三つの方法を検討した。第一は,硫黄の二硫化炭素溶液に吸着媒を添加しかきまぜる方法で,活性炭,活性アルミナ,モレキュラーシープ,シリカゲル,活性白土などいずれも除去効果を示した。第二の溶融硫黄に上記吸着媒を添加する方法は,第一の方法にくらべると効果がいくらか劣ったが,吸着媒を細く砕いて使用し,効果を高めることができた。第三は,蒸留にこれらの吸着媒を用いるもので,フラスコ中の硫黄に吸着媒を添加し,300~500℃に加熱して蒸留する。また,璽着媒を充テンした塔を300~500℃に加熱して,硫黄を蒸留する方法である。第一の方法と同程度の除去効果が,これらの蒸留法で示された。吸着媒を用いることによって,従来蒸留では除去困難といわれていたヒ素が除去できるようになった。硫黄に吸着媒を添加し,蒸留する方法は簡易で効果的なので,この方法についてトレーサー実験を試み,微量ヒ素の除去を確かめた。
  • 松崎 緬子, 渡辺 文夫, 祖父江 温子, 佐伯 雄造
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1422-1424
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    酸化ビスマス(III),および炭晶質の存在のもとで酸化ビスマスをいろいろの温度で2時闘塩素気流中で加熱したさいの生成物について調べた。また,酸化ビスマスの塩素化過程に生成するオキシ塩化ビスマスと塩鱒ガスとの反応についても同様に調べた。
    酸化ビスマスと塩紫ガスとの反応は25℃でも起こり,まずオキシ塩化ビスマスが生成し,これが塩素ガスと反応して三塩化ビスマスが生威する。400℃以下の温度ではオキシ塊化ビスマスが生成する反応がおもに起こり,それより高い温度ではオキシ塩化ビスマスからの三塩化ビスマスの生成反応が顕著に進行する。
    炭素質の存在のもとでの酸化ビスマスと塩棄ガスとの反応も25℃でも起こり,まずオキシ塩化ビスマスが生成し,これが飯盛ガスと反応して三塩化ビスマスが生成する。250℃以下の温度ではオキシ塩化ビスマスを生成する反応がおもに起こるが,300℃以上の温度では混合した炭素質がオキシ塩化ビスマスからの三塩化ビスマスの生成反応に関与するために,三塩化ビスマスの生成反応が顕著に進行する。
  • 荒井 康夫, 安江 任, 菊池 茂夫
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1425-1432
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    活性固体物質の表面物性を解明する手がかりとして, 化学的に安定なII Cas04 を例として, その構造不整を変化させた場合の表面物性に与える影響について検討を行なった。
    IICas04 の構造不整の制御は二水セツコウの熱分解および高結晶性II Caso4 の摩砕のさいに生ずる結晶の微細化, 不整化を利用した。構造不整の大きさはX線回折ピークより測定される格子ヒズミおよび結晶粒径から求めた。その変化過程をみると, 熱分解後期と摩砕初期にみられるような結晶粒径変化のいちじるしい段階および熱分解前期と摩砕後期にみられるような格子ヒズミ変化のいちじるしい段階とに大別される。吸着性, 湿潤熱, 固体酸性度のよ効こ表面積の大きさに影響をうけるような物性は前者の段階での変化がいちじるしく, 溶解性, 水和性のような内部ヒズミの大きさに影響をうけるような物性は後者の段階での変化がいちじるしい。格子ヒズミ, 結晶粒径ともに見かけ上の大きさがほとんど同じであっても加熱物と座砕物との間には物性変化のかなりの相違が認められたが, その原因は電子顕微鏡にみられる両者の粒子の組織上の相違から説明できた。
  • 梶原 鳴雪, 斎藤 肇, 斎藤 忠
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1432-1436
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    (NPCla)sとPC15のモル比を変化し反応させ,直鎖状二塩化窒化リンオリゴマーCI(NPC12)3n,PCI,(以下:LPNCと略記する)を合成し,LPNCの加水分解反応を調べた結果,最初にLPNCの末端をしめくくっている塩素原子が加水分解され,つぎに直鎖構造中に結合している塩素原子が加水分解され,HO[NHP(O)OH]sn,P(O)(OH)2(a)を生成し,さらに(a)はリン酸アンモニアに分解された。またLPNCのこの分解反応は一次反応で,その見かけの活性化エネルギーは14 kca1/molであった。さらに(a)は多塩基酸であり,その解離定数Kと解離にともなう自由エネルギーdGを求めた結果,Kは7,0X10-s~7.4X1O-sまたdGは2.9 kcal/molであった。さらに(a)を加熱した結果,水とアンモニアを発生しながら重縮合反応がおき,樹脂状重合体が得られた。
  • 小林 悦郎
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1437-1444
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ジアミド窒化リソ三量体のアルカリ性加水分解によってジアミドリソ酸塩が生成されることを見いだしたので,その反応生成物とStokes法によって得たPO(ONa)(NH2)2の組成を検討し,アルカリ性加水分解速度定数の測定,反応機構の解析,さらに酸性加水分解反応の動向について研究した。
    N8P3(NH2)6は2N水酸化ナトリウム溶液中で煮沸分解することによってPO(ONa)(NH2)2に転化された,この化合物は溶液中にアルコールを添加し油状物として析出されるから,分離してふたたびアルコールを加えて結晶化し,炉別,乾燥して得られた。反応生成物のP: Nの原子比は正確に1:2であったが,Naの含有量は予期される値より多く含まれる傾向がみられた。この現象は二二水酸化ナトリウム溶液から上記油状物を分離するとき必然的に起こり,またStokes法におけるPO(ONa)(NH2)2のケン化においてもみられた。 N3P8(NH2)6のアルカリ性加水分解生成物とStokes法で得られたPO(ONa)(NH2)2のべーパークロマトグラム,イオン交換クロマトグラムはまったく同じで, X線回折値はその一部が合致し,赤外吸収スペクトルは過剃アルカリを含む反応生成物において炭酸塩の吸収帯が認められたほかは同じであった。
    クロマトグラムの結果では,N3P3(NH2)6のアルカリ性加水分解によるPO(ONa)(NH2)2への転化は中間体の生成がまったく認められず直接的であった。初期の加水分解速度はほぼ一次反応式にしたがい,その活性化エネルギーは21kcal/mo1であった。なお酸性溶液におけるNsps(NH2)6はアミドニリン酸類,アミドリン酸類を経てオルトリン酸塩に逐次加水分解された。
  • 堀井 清之, 石川 平七
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1445-1450
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    天然に多病に存在するアフェンの水酸化ナトリウム処理によるホージャサイト型ゼオライトの生成過程をX線回折法により研究した。試料のSiOa/A1208モル比を高めるためにシリカゲルを加えた混合試料は,常圧のもとで水酸化ナトリウム溶液とともに加熱処理を行なった。
    A型ゼオライトは処理時間の増大にともない1またはII-IIIの径路を通ってヒドロキシソーダライトに変化していくが,試料中のSio2/A1208モル比がより低い場合は1の径路を,その他はII-IIIの径路を通る。
    また,ホージャサイト型ゼオライトは,試料中のSio2/A120,モル比がより高い場合はIVの径路をとり,その他は皿の径路をとる。すなわち,混合原料のSio2/Al,08モル比が低い場合にはいったんA型ゼオライトが生成し,処理時間の増加とともにA型ゼオライトは減少し,同時にホージャサイトゼオライトが生成する。
    SiO21A1208モル比が高い場合にはホージャサイト型ゼナライトあるいはフィリップサイト型ゼオライトを生成する。
    その構造変化の過程はつぎのとおりである。
  • 堀 輝一, 三角 省三
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1451-1455
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ビス(2-アミノエチル)スルフィドとサリチルアルデヒドから得られるSchiff塩基(H2L)のNi(II)錯体を合成しそれらの性質を検討した。一般に八面体構造のNiL錯体が得られるが,反応条件によっては平面四配位または三核構造のものも得られる。Nix2(X=C1, Br)と配位子(H,L)の反応に,おいては配位子(H,L)の一つのN=CH結合が切れてNiYX錯体(Y=,(サリチリデン-2-イミノエチル)2-アミノエチルスルフィド)が得られる。八面体構造のNiL錯体では配位子(L)はSおよび0, Nで配位している。NiYX錯体は八面体構造であり,配位子(Y)は四座配位子としてまたXも配位している。
  • 野崎 亨, 大野 芳子
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1455-1460
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    水溶液中の鉛(II)および銅(II)のα,α-エチレソジイミノジ(oμ;-ヒドロキシフェニル酢酸)錯体の安定なpH領域,組成,濃度安定度定数およびモル吸光係数を紫外分光光度法により求めた。金属Mと配位子(H4X)とのモル比は1:1の1種のみであるが,鉛および銅系では,それぞれpH 6,0および3.6以下で,カルボキシル基が配位したジプロトン錯体MH2Xが生成し, pHが上昇すると,フエノール基が順次配位して,モノプロトン錯体MHXおよび正常錯体MXが段階的に生成することが判明した。
  • 小松 将博, 増田 嘉孝, 三角 省三
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1461-1466
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    インジウム(III)-D-グルコン酸錯体についてポーラログラフ法とpH滴定法を用いてその溶存状態と電極反応について検討した。
    pH 11.8以上においてインジウム(III)-D-グルコソ酸錯体の形成がみられ,インジウムの濃度0,63mmo1/1, pH 122~13.0,グルコン酸ナトリウムの濃度8.0×10-3~72x10-3 mol/lの条件において,2段波(第1波の半波電位(E1/2)1=-1.22,第2波の半波電位(E1/2)2=-1.56 V vs. SCE)のポーラPtグラムが得られた。第1波の限界電流は反応律速である。錯体の反応電流に関するKorytaの式を適用して解析した結果,インジウムには2個のグルコン酸が結合し,また,pH滴定から水酸イオンはインジウム(III)に対して3個結合していることがわかった。反応電流に対してつぎの先行過程が考えられる。
    そして,その解離速度定数はつぎの式で表わされる。
    ここで, βj',βj''はそれぞれ,In(OH)j3-j, In(GH4)2(OH)j1-jの安定度定数である。
    電極還元反応はつぎのように表わされる。第1波は,
    であり,第2波は,
    である。
  • 上田 穣一
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1467-1473
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    メチルキシレノールブルー,(MXB)によるスカンジウムおよびイヅトリウムの吸光光度定量法を検討した。
    MXBはpH 2,3~2.7でスカンジウムと反応し,またpH 6.6~9.3で塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTMAC)の存在下でイットリウムと反応して,それぞれ赤紫色および青色の水溶性錯体を生成する。各呈色溶液の極大吸収波長はそれぞれ585nmおよび631~634,nmである。スカンジウムの検量線は波長585nmで濃度0.4~1.6 9/mlの範囲で,またイットリウムの検量線は波長640 nmで濃度1.8 9/mlまで直線性を示す。また,吸光度0.001に対する感度はスカンジウム濃度O. 8 Ptg mlにおいて。oo21 91c=m2であり,イットリウムの場合は0.0014 91cm2である。共存イオンについては,スカンジウムの定量に対し,インジウム,ビスマス(III),トリウム,フヅ化物イオン,シュウ酸イオンが妨害し,イットリウムの定量に対し,ベリリウムク,クロム(III),ロジウム(III),スカンジウム,希土類元素およびリン酸イオンが妨害する。なお,スカンジウムとイットリウムを同時に含む溶液の一部をとり,pH 2.5でスカンジウムのみを発色させ,また他の部について, CTMACの存在下pH7.5でスカンジウムとイットリウムを発色させて,おのおのを逐次定量する方法を検討した。
  • 池田 早苗, 平田 純子, 佐竹 弘
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1473-1477
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    亜硫酸イオンに硫酸酸性のヨウ素-メタノール溶液を反応させ,生じたヨウ化物イオンを過劉のヨウ素共存下,ヨウ化物イオン選択膜電極とSCEを用いた電位差滴定法により銀滴定することによって,亜硫酸イオンを迅速簡易かつ精度よく定量する方法を確立した。はじめに,ヨウ素と共存するヨウ化物イオンの定量条件を吟味したのち,亜硫酸イナソの分析に必要な諸条件を検討した。すなわち,ヨウ素添加壁,メタノールまたはエタノールの影響定量可能な濃度範囲,および共存物質としての塩化物イオン,臭化物イオン,硫酸イオン,炭酸イオンの影響について検討した。
    また応用実験として趣油ボイラーの煙道排が神の二酸化硫黄の定量を講,ヨウ素滴定法と比較して分析値の信頼性を吟味し,十分実用性に富むことを確認した。
  • 平尾 俊行, 小高 正敬, 垣花 秀武
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1477-1481
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    基性陰イオン交換樹脂Diaion SA 20 A, R-F形,50~100メッシュを充テソしたダイフロン製ム(0.8cm2x45 cm, O.8cm2x95 cm bed)に, O.1mo1/1ホウ酸水溶液を漉し,純水で溶離すンド実験を行なった。流出群群のホウ酸の定量は中和滴定により行なった。Bの原子分率の測定arian Mat CH 5型同位体比測定用質量分析計を用いて表面電離法により行なった。バンド実験,(1)負荷するホウ酸量,(2)ホウ酸の負荷および溶離のさいの流速,(3)カラムの長さ(量)を変化させ,これらの因子が解離曲線およびホウ素同位体の濃縮におよぼす影響を検討した。
    その結果,つぎのことが明らかにされた。(1)バンドの先端部および後端部においてそれぞれXBおi,Bの顕著な濃縮がみられた。(2)フッ化物イナソの流出はほとんど(10-3 mol/1以下)みられず荷したホウ酸は純水によりほぼ完全に溶離された。(3)流速が遅いほど,溶離曲線がシャープに同位体の濃縮度も増大した。(4)カラムの長さおよび負荷したホウ酸の量の増加とともに,ホウ位体の濃縮量も増加した。
  • 小高 正敬, 村山 清, 垣花 秀武
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1482-1485
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    弱塩基性陰イオン交換樹脂Diaion WA 21,遊離塩基形,20~50メッシュを充テンしたカラム(0.8cmax48 cm bed)に5mmo1のホウ酸を負荷し,純水で溶離する実験を行なった。流出液中のホウ酸の濃度は中和滴定法により求め,ホウ素同位体の原子分率はVarian Mat CH 5同位体比測定用質量分析計を用い,表面電離法(Na2BO2+)で測定した。実験の可変条件としては,(1)温度,(2)負荷するホウ酸の濃度,(3)ホウ酸の負荷ならびに溶離のさいの流速をえらんだ。
    その結果,(1)バンドの先端部においては,10Bの減損がいちじるしく,後端部においては1OBの顕著な濃縮が見られた,(II)負荷したホウ酸は純水で完全に溶離することができた,(III)バンド全体の形は(1)温度が高いほど,(2)負荷したホウ酸の濃度が濃いほど,(3)ホウ酸を負荷するさいの流速ならびに水で溶離するさいの流速が遅いほどシャープになったが,とくに温度変化にともなっていちじるしく変化した。
  • 大沢 茂樹
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1486-1491
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    モノニトロベンゼン誘導体とOR-イオンとの反応で生じるMeisenheimer類似錯体の構造がそのIRおよびNMRスペクトルにより研究された。このMeisenhdmer類似錯体は,アルコキシドのアルコール溶液に,o-ニトロアニリンかp-ニトロアニリンのジクロロメタン溶液をまぜると赤色結晶として得られ,溶媒が失われるとすみやかた分解する。
    スペクトル的研究から,つぎのような知見を得ることができた。
    (1)Meisenheimer類似錯体においてNO,基の数が減少するとケタール類似結合のIR吸収帯は低波数側にシフトし,吸収帯の幅も狭くなる。
    (2) 錯体が不安定なほどNO,基のIR伸縮振動吸収帯は強度が強く,錯体が安定になるにしたがいそれは消失する。
    (3)Meisenheimer類似錯体の環プロトンは高磁場にシフトし, NH,は低磁場に, OCH3は高磁場にシフトする。
    C鑑結合の撒である強く広畷収帯が,2,~,4,cm-1に現われた. Meisenheime噸騰体の環ブトン甑-2,8と -a44に出獄,これらの事実は贈間体の構造であるこるを強く支持している。
  • 佐分 義正, 善本 知孝, 南 享二
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1492-1495
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    2-フェノキシ-1-フェニルエタノ-ル(1) がある種のカルボニル化合物共存下において光照射することにより炭素一炭素結合で開翻して,ベンズアルデヒドとフェノールあるいはアニソールを生成することはすでに報告した。今回は,1,4-ナフトキノン,アントラキノンあるいはキサントン共存下において2-フェノキシ-1-フェニル-1-プロパノ-ル (A),1-フェノキシ-1-フェニル-2-プパノ-ル (B) および3-フェノキシ-1-フェニル-2-プロパノ-ル (C) を光照射し,主としてこれらの炭素一炭素結合の開裂反応について検討を加えた。
    その結果,アルコール A においては,80~90%以上の好収率でベンズアルデヒドが生成,また,フネトールも40%以上(アントラキノン共存下)生成することが認められた。さらに,アルコール Bりおよび C においても,光反応生成物中に,それぞれベンジルフユニルエーテル,フェニルアセトアルデヒドが検出された。これらの事実から,アルコール A はもちろん, B , C においても,アルコール 1 と同様に,これらのカルボニル化合物がアルコール類の水酸基に作用し,炭素一炭素結合の開脚反応が起こっていることが明らかとなった。
  • 上島 亮, 宗像 秀明
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1496-1502
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    フェニルグリシジルエーテル(PGE)と安息香酸(BA)の反応を第三アミンおよび第四アンモニウム塩を触媒として行ない,その反応機構を検討した。第四アンモニウム塩を触媒とする反応は二次の速度式
    -d[PGE]/dt=-d[BA]/dt=le[-COONR,][PGE]
    にしたがう。第三アミンを触媒とするときは第四アンモニウム触媒の場合よりもいちじるしく反応が遅く,とくに反応の初期に遅いが,反応の進行とともに反応速度が増す。この場合,触媒である第三アミンがPGEと反応して第四アンモニウム塩を生成しBAのエステル化の触媒として働くが,このアミンのアルキル化反応とBAのエステル化が競争的に平行して起こり,第四アンモニウム塩の濃度を増すにしたがってエステル化反応が速くなる。
    アミン触媒の立体効果は大きいが,第四アンモニウム触媒の場合はアンモニウムィオソの大きさによって反応速度はほとんど変わらない。しかし対アニオンの種類によって触媒作用はいちじるしく異なり,いろいろのアンモニウム塩の触媒作用は対アニオンの求核性と一致している。
  • 古元 貞好
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1502-1504
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    脂肪族アルキル,または脂環基をもつN,Nt-二置換チナ尿素類に,ベンゼンまたは二塩化メチレン中,等モルの2-クロロベソゾチアゾールを作用させると,塩酸の存在下室温で容易に反応が起こりチウロニウム塩が得られた。チウロニウム塩を過剰のアルカリ水溶液で湯浴上加熱分解すると,使用したチオ尿素類に対応するN,N,-二置換カルボジイミドが約50~80%の収率で得られ,またカルボジイミドを分離後,アルカリ分解液を希塩酸で中和すると2-メルカプトベンゾチアゾールが約70~80 %の収率で得られた。これらの反応ではいずれの場合も使用したチオ尿素類に対応するN,N-二置換尿素が少量特写した。中聞生成物のチウロニウム塩の性質について若干の検討を試みた。
  • 毛海 敬, 前川 裕三, 竹上 富彦, 大島 好文
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1505-1509
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ジベンゾフラン[1]の置換塩化ベンゾイル(X-C6H4COCI)によるFriedel-Craftsアシル化反応について研究した。[1]とX-C'H4COC1を無水塩化アルミニウムの存在下,ニトロベンゼンまたはクロロベソゼン中で反応させると,70%以上の収率で2-アシルジベンゾフラソ(MSBD)を得た。さらに各アシル化反応で,副生成物を単離し,その種類,量がアシル化剤に依存していることを明らかにした。得られた化合物の構造は合成的または分光学的に決定した。アシル化剤の置換基X:(生成物のアシル化位,融点。C,収率%)を示すと, o-OCH3:(2-,108~108. 5,80.3)と(3-,135~136,1.2),P-CI:(2-,156.5~157,68.9)と(2, 8-,203.5~204,微量),解-CI:(2-,139,5~140,5,70,9)と(3-,159~160,17. 6),o-C1:(2-,121。5~122,70.2)と(3-,168~169,微量)である,さらにMSBDとX-C6H,COCIのFriedeCrafts反応を行ない,数種の2,8-ジアシルジベソゾフラン類を合成した。
  • 菅原 駿吾, 石川 延男, 原田 博夫, 林 誠一
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1510-1514
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    2, 2t, 6,6i,-(1),4,4,,6, 6,-テトラフルオロビフェニル(4)および2, 2, 4, 4t, 6, 6ノーヘキサフルオロビフェニル(7)を混酸でニトロ化すればいずれも3,3,-ジニトロ体がよい収率で得られた。これらを運元して相当するジアミン(3),(6)および(9)が得られた。
    . 3, 3 ,5,5 -(11)および2,2',5,5'-テトラフルオロベソジジソ(13)は2,2 ,6,6,-(10)または2,2 ,5,5,-テトラフルオロアゾベンゼン,(12)をそれぞれ還元,転位させて得られた。(10)は2, 6-ジフルオロリチオベンゼンと2, 6-ジフルオロベンゼンジアゾニウム=テトラフル三朝ボラートとの反応により,また(12)は2, 5-ジフルオロニトロベンゼンのジオキサン中でのアルカリ還元により合成できた。この還元をエタノール中で行なうと2, 2 -ジエトキシ-5,5 -ジフルオアゾベンゼン(14)が生成し,これを転位させると5, 5 -ジエトキシ-2,2,-ジフルオベソジジン(15)が得られた。
  • 今井 淑夫, 古賀 洋, 滝沢 慎一
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1515-1519
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    o-アミノベンゼンスルホンアミド(1)と無水フタル酸(2)からの11-オキソー11H-イソイソドロ[1,2-c1, 2, 4]ベンゾチアジアジン5,5-ジオキシド(6)の生成について検討した。(6)の生成にいたる3種の中間体として,2ノースルファモイルフタルア.リド酸(3),N-(o-スルファモイルフェニル)フタルイミド(4),3- (o-三ルボキシフェニル)-1,2,4-ベンゾチアジンユ,1-ジオキシド(5)を単離し,これらについて脱水環化反応を行なった。(3)は(1)と(2)の室温における開環付加反応により合成した。(3)の加熱脱水環化反応によると,(4)の生成を経由して(6)が得られた。(3)の化学的脱水環化反応を無水酢酸を用いて室温で行なうと(4)を生成したが,塩化チオニルを用いると(4)と(6)の混合物を生成した。(3)を水酸化ナトリウム水溶液中で加熱反応させると(5)が得られたが,r-ピコリソ,トリ-n-ブチルアミンのような有機塩基触媒の存在下に(3)を加熱反応させると(6)が得られた。さらに反応径路についても考察を加えた。
  • 高橋 雅彦, 白橋 茂, 菅原 範幸
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1519-1522
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    2-ピリジルアミドラゾソ[2]とα-ケト酸,a-ケトエスチルおよびa-チオカルバモイルエステルとの反応により,6-置換-3-(2t-ピリジル)-1, 2, 4-トリアジソ-5-オンを合成した。すなわちピルビソ酸およびそのエチルエステルから6-メチル誘導体[4a]が,またフェニルグリオキシル酸およびそのメチルエステルからは6-フェニル誘導体[4b]が得られた。メソシュウ酸ジエチルからは3(2ノーピリジル)-1,2,4-トリアジソー5-オソ[4d]が得られた。チナオキザミド酸エチルからは6-アミノ誘導体[8]が得られ,これを加水分解すれば,3-(2ノーピリジル)-1,2,4-トリアジソ-5, 6-ジオソ[9]が得られた。また[8]をアセチル化[11]したのち,五硫化リソと処理することにより,新規複素環系化合物6-メチル-3-(2,-ピル)-[1,3]チアゾ [5, 4-e][1,2,4]トリアジソ[12]を合成した,
  • 土器屋 正之, 阪東 憲一郎
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1523-1528
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ブタジエンのオキソ反応では二重結合の一つが水素化されてブテンのオキソ反応の生成物と同じ生成物の他に1種類のケトン,ノナン-5-オンが生成することが知られている,この反応について,とくにケトン生成機構について検討した。
    ブテンとブタジエンの反応を比較し,ブタジエソがなけれぽケトンが生成しないことから,ケトン生成はアシルコバルトトリカルボニル中間体ヘブタジエンが配位して生成するπ-アリル錯体形成を経由することに起因するのではないかと推測した。また,両者の反応において生成物のイソーノルマル異性体比が同じであることから,上記π-アリル錯体を経由する過程をのぞいて反応機構はほぼ同じであると推測した。ブタジエンの仕込量を増加させるとケトンの生成比率が増加することは上記π-アリル錯体機構を支持する。反応生成物中から2種類のCg-モノケトン,4種類のCガジケトソ,およびポリケトンを単離しその構造を決定した。これらの生成物の構造は,ここで推測された反応機構によって生成すると予想されるケトン類とよく一致する。
    つぎにこの反応におけるケトン生成がπ-アリル錯体生成によるものとするとピリジンを用いてブタジエンの配位を制御すれば反応の選択性を調節できるのではないかと予測し,ピリジソを添加したところC9-モノケトン,Ci14-ジケトソへの選択性を80%近くまで向上させうることがわかった。
  • 西口 克彦, 矢野 元威, 原納 淑郎
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1529-1533
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    暗黙接触界面積の異なる各種気泡塔反応器を用い,P-キシレンの低温液相空気酸化を,コバルトイオンを触媒とし,アセトアルデヒドを促進剤として行なった。
    目ザラあるいは,回転式気体分散器は,接触面積を増大し,P-キシレンの酸化速度をいちじるしく増進すること,しかし,連続的操作としては,最終生成物であるテレフタル酸による臼づまりの起こりやすい目ザラよりは,垂直邪魔物を併用する回転式気体分散器を用いた気泡塔がよりすぐれていること,アセトアルデヒド流量を増すと誘導期は短縮されるが,酸素吸収速度が低いときは,かえってP-キシレンの酸化を阻害することの知見を得た。
  • 河合 良三, 神谷 佳男
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1533-1537
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    酸素非存在下,酢酸溶液中で酢酸コバルト(III)を用いていろいろの化合物の酸化を行ない,基質による反応機構,活性の違いを検討した。π電子を有する多くの基質に関しては,Co(III)の減少速度は次式にしたがうことが明らかになった。
    d(:Co(III))/dt,=Kobs.(RH)(Co(III))2(Co(III)) i
    これはトルエンおよびその同族体の場合の速度式と一致するので,トルエンの場合と同様に,多くの化合物は,Co(III)により可逆四一電子移行過程を経て酸化されると考えられる。 Kbs.は基質のC-H結合の結合エネルギーこは依存せず,基質の金属イオンへの配位能九基質のイオン化ポテンシャルと関連づけられることが明らかとなった。
  • 河合 良三, 神谷 佳男
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1538-1543
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    コバルト(III)カルボン酸塩は酸素非存在下,酢酸溶液中でトルエンを可逆的一電子移行過程を経由して酸化する。しかしCo(III)の配位子は酸化反応において非常に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。そこで本研究ではCo(III)の配位子効果を調べた。中性配位子はCo(III)の活性に影響を与えるだけであるが,陰イオン配位子は反応速度および生成物の二つに影響を与えることがわかった。ビピリジル,ピリジソ,アセトニトリルのような強く結合している中性配位子はCo(III)の減少速度を減少させた。イソ酪酸,ペラルゴン酸などの大きい陰イオン配位子は可逆的一電子移行による酸化を抑え,自己分解の傾向が大きかった。したがって,Co(III)による芳香族化合物の酸化における配位子効果は酸化還元因子よりも立体的因子の方でより大きくきいていることになる。律速過程は一電子移行過程においてトルエンとCo(III)イオンの問で内心型錯体を形成するところであると思われる。
  • 亀尾 貴, 真鍋 修
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1543-1546
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    著者らはいろいろの酸類(芳香族スルホン酸類,イオン交換樹脂,五酸化リン,塩化アルミニウムなど)の存在下に0~1℃における硝酸によるトルエンのニトロ化を研究した。
    酸類により接触されたニトロ化は混酸(硫酸触媒)による普通のニトロ化物のオルト,パラ比(P/o)よりかなり高いp/o比を与える。たとえば多孔性イオン交換樹脂(Amberlyst-15):1.44,五酸化リソ:1,34,P一キシレンスルホン酸11, 06,2,4, 6-トリニトロベンゼンスルポソ酸:1. 04, m-ベンゼソジスルホン酸:1. 08,トルエン-2,4-ジスルホン酸:1.05および普通の方法(硫酸):0.60。
    このようなP/o比における増大はニトロニウムイオンと酸類共役塩基とから生成されたかさ高いイオン対によるメチル基との立体障害に帰することができる。
  • 大城戸 貞雄
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1547-1553
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    5%ブドウ糖液(一部カラメル化して発熱性としたもの)と米国Difco Laboratory社製細菌性発熱 性物質リポポリサッカライドBact Lipopolysaccharideである馬流産山内毒素S. abortus equiを純 0,33 ppmおよび3.3ppmそれぞれ溶解した溶液について顕著な発熱性を確認したのち,これ らの溶液をイオン交換樹脂,物理吸着剤,ハイパーフィルトレーシ膜などによりそれぞれ処理し, 発熱物質の除去効果を定性的に比較検討した。
    イオン交換樹脂では巨大網目構造型macroreticUlarつまり, MR型カチオソ交換樹脂, Ge1型の アニオン交換樹脂の一部に若干の効果がみられ,物理吸着剤では活性炭,合成吸着剤ともに効果は疑問 とされ,膜透過処理では各種試験膜は再現性の高い除去効果を示した。
  • 野村 浩康, 加藤 重男, 宮原 豊
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1554-1559
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ポリスチレンートルエン溶液の超音波吸収におよぼす分子量の影響を調べるために,広い分子量の試料で,その超音波吸収を測定した。測定周波数は1 MHzから130 MHzまで,測定温度は0℃から50℃までであった。測定に用いたポリスチレン試料は単分散標準分子量試料で,その分子量は2100(Mw/Mn=1. 06),4000(1.10),2000000(1.30)であった。その他に分子量300000の多分散試料でも測定した。
    高分子量側の試料(分子量30万と20万)では,いずれの温度でも測定周波数範囲ではほぼ単一緩和過程の式で表わすことができ,その緩和周波数 frは分子量に依存せず,その温度変化のようすも分子量によらずまったく同一であった。また分子量30万と200万の試料でのモルあたりの結納強度の比は分子量の比に等しく,溶液中の高分子鎖の局所的な主鎖のまわりの回転部分が分子量によらず一定の大きさであることを実験的に確かめた。
    これに対し低分子量側の試料では,測定周波数域で単一緩和ではあるが,その緩和周波数frと緩和強度の温度依存性がこれまでのものとはまったく異なる音波の緩和が存在することを明らかにした。さちに,この低分子量側の試料で測定された音波の緩和について,その緩和は溶液中の高分子鎖の末端の運動によるものであると考えた。
  • 井本 稔, 李 啓雨, 仲矢 忠雄, 大内 辰郎
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1560-1565
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    通常のラジカル重合開始剤を用いずに,デンプンノ水系にCCI,あるいは銅(皿)の存在下でメタクリル酸メチル(MMA)の重合を行なった。その結果,デンプンに対するMMAのグラフト効率は20~72%であった。また動力学的検討を加えたところ,重合速度Rpは次式にしたがうことがわかった。
    Rp=k[デンプン] [MMA]1.e
    こでMMAに関する次数が1→0というのは,MMAの添加量が少ないときにはRpがMMA糞の嘱次に比例し.MMA量が多いところではやがMMAの量に依存することなく一定となることを示している。
  • 菊地 幹夫, 加倉井 敏夫
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1566-1569
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    所定の分子量および狭い分子量分布をもつリチウム化(スチレソ-P-ベンジルスチレン共重合体)を開始剤として用いて- 78 Cでテトラヒドロフランを溶媒として2一ビニルピリジンのグラフト共重合を行なった。重合率は約100%に達し,ゲル化などは起こらなかった。生成物の濁度滴定と分子量測定と らグラフト共重合体のみ生成していることがわかった。化学組成は紫外吸収スペクトルから求めた。グラフト共重合体の幹の分子量と枝の数とはそれぞれ金属化高分子の分子量とアニオン個数とに等しいと考えられ,グラフト共重合体の枝の分子量が計算されたe上記の方法により,化学組成と分子構造がわかり多くの枝をもつグラフト共重合体が合成できた。
    この試料を用いてグラフト共重合体の構造と性質との関連を極限粘度[ ]と溶解性の面から検討した9グラフト共重合体のベンゼン溶液における[OP]はその分子量から予想される値にくらべていちじるしく低く,したがって溶液中でセグメントが非常に密につまった構造をしていると考えられた。また[OP ]にはグラフト共重合体の構造が関係し,幹の分子量と枝の分子量とによって支配されるが枝の数にはよらない。グラフト共重合体の溶解性からその枝の性質は枝の分子量が大きいときいちじるしくあらわれることがわかった。
  • 遠藤 剛, 最上 隆夫, 大河原 信
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1570-1574
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ポリアクリル酸(PAA),ポリメタクリル酸(PMAA),ポリー L,-グルタミン酸(PLG)のような高分子カルボン酸存在下でN-ビニル-2-オキサゾリドソ(NVOx)の加水分解を検討した。 PMAAとPLGの場合,立体配座が変化するpH 5.1~5.2に変曲点が観察されたが, PAAの場合は観察されなかった。また,NVoxの加水分解をアイソタクティックPMAA(i-PMAA),シンジオタクティヅクPMAA(s-PMAA),アタクティックPMAA(a-PMAA)存在下で行ない,加水分解速度はつぎの順序であった。
    i-PMAA>s-PMAA=a-PMAA
    さらに酢酸,PMAA存在下でのNVOxの加水分解におよぼす塩(塩化カリウム)効果を検討した。加水分解速度は酢酸の場合,塩の添加によって増加したが,PMAAの場合は減少した。
  • 幕内 恵三, 瀬口 忠男, 諏訪 武, 阿部 俊彦, 田村 直幸, 武久 正昭
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1574-1581
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    γ線おまび電子線を室温で照射したポリ(フッ化ビニリデン)について,ゲル分率,数平均分子量,溶液粘度,発生したHFおよびその他の気体の収率,IRおよびUVスペクトルを測定し,放射線照射効果を検討した。
    ポリ(フヅ化ビニリデン)は真空中で照射すると橋かけするが,橋かけのG値は0,6~0,8と小さく,主鎖切断のG値とほぼ同じ値であった。照射によってHFが脱離し,ジエソ,トリエンを含む不飽和結合が生成した。ポリエンは共役数が増加するにしたがって濃度は急激に減少し,共役数が5以上のポリエソの生成は認められなかった。発生したHFは脱HF反応を促進する効果があることが認められた。
    酸素は橋かけ反応を防害し,主鎖切断と脱HFを促進させる効果があることが明らかになった。酸素の彰響は,線量率が高く試料フィルムが厚くなるほど少なくなった。酸フッ化物,カルボン酸などが 酸化生成物として検出された。
    これらの結果をESR測定の結果と関連させ,橋かけ,主鎖切断酸化などの反応機構を考察した。
  • 林 治助, 今井 清, 浜崎 武雄, 渡辺 貞良
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1582-1587
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    置換度2の硝酸セルロースは三硝酸セルロース(TNC)とセルロース(Ce11)の重複X線図か,またはTNC類似の不鮮明なX線図しか与えず後者は従来の再結晶化法ではまったく鮮明化しない。またCellの水酸基の反応選択性の面からも二硝酸セルロース(DNC)結晶の存在は否定的であった。著者らは隣接するC2およびC3の水酸基がともに硝化されるためには環形をイス形から半舟形へ転換する必要を考えTNCの構造を合理的に説明したが,この場合このいずれかの水酸基の反応性が低くなる可能性がある。硝化物を150Cの過熱水で再結晶化したところ,2=13. OQに主赤道線干渉を有し,多くの点でTNCと異なる結晶性のX線図が得られDNC結晶の存在が明らかになった。その単位胞はa=13. 62 A,c=7.94 A,B=90繊維周期bは10.32 AでTNCの25.75 Aと大きく異なる。これは環形変化のなかったことを示す。したがってDNCの分子鎖断面はCe11よりもさらに細長くなり,その長辺(環面)がほぼ平行の関係にある軸方向にスライドしたため,単位胞の軸方向の長さが著増し,軸方向の長さはほとんど変化しなかったと考えられる。
  • 林 治助, 今井 清, 浜崎 武雄, 渡辺 貞良
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1587-1591
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    前報において二硝酸セルロース(DNC)の結晶の存在が考えられたが,その結晶構造をさらに検討するため異なった結晶構造(セルロース1系:1,1,1VI,セルロース皿系:, ,IV E)を有するセルロース繊維を硝化してDNCを得た。これらを150℃の過熱水により再結晶化させたところ,いずれも天然セルロースからのDNCと同じX線図を与えた。三硝酸セルロース(TNC)の場合セルロース1系の原料からはTNC Iが,皿系の原料からTNC が得られ, TNC IからTNC互への変化が不可逆であったのと異なっている。再結晶化していないDNCはケン化によって原料の結晶構造が1系のものはセルロース1を,皿系のものは皿を与えた。また,再硝化により前者のDNCはTNC Iを,後者はTNC皿を与えた。一方,再結晶化DNCは原料にかかわらずいずれもTNC皿を与えた。これらの事実からDNC結晶内の分子鎖骨格形態はTNC IよりもTwist度の大きい"bent-twisted"型と考えられる。偏光赤外の結果からDNCの未反応水酸基は分子内水素結合をしているC3における水酸基と考えた。
  • 西 泰英
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1592-1595
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    反応系に対する気丈平衡データはつぎの式で関係づけられることが知られている。
    Log Kt=At/T+Bt
    ここでKtは胃液平衡側(yt/xt),Tは絶対温度,AtおよびBtは定数である。
    この関係が仮想の反応を考えうる2成分系にも適用できるかどうかを文献値を用いて検討した。その結果,ほとんどの系に対する文献値は上式で関係づけられることがわかった。上式の定数AtおよびBtは2日分系のx-ytデータ1個と純物質の沸点データのみから決定できる。得られた定数を用いるとすべての範囲にわたってのx-y-t関係が推算できる。これらのことは,仮想反応系を非反応系と考えるのではなく反応速度が非常に遅い反応系と解釈することによって説明できる。
  • 塚本 国雄, 杉森 彰
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1596-1597
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The main reaction brought about by r-irradiation upon pyridiRecarboxylic and pyridine dicarboxylic acids in solid state was decarboxylation. As a rule, weakly bonded cqrboxy groyp would pieferentially be eliminated. Among three pyridinecarboxylic acids 2-pyridin-ecarboxylic acid w- decarboxylated by r-irradiation in the highest yield. ln 2, 3-pyridinedicarboxylic acid, G-value of decarbexylation at 2-position was greater than that at 3-position by a factor of three.
  • 谷 忠昭
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1598-1600
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Effects of water on the formations of and H aggregates of 5, 5 dichloro-3, 3, 9-triethylthiacarbocyanine (1) and 3, 3Ldiethyl-thiacarbocyanine (II) absorbed on AgBr grains wbre examined by observing the J and H bands in their visible-range reflection spectra, Water accelerated that J aggregate formation of dye 1. However, water depressed the J aggregate formation f dye, while it accelerated the H aggregate formation of this dye. Discussi ns weae made on the factors influencing the dye aggregate formation. t Studies on Mechanism ef Photographic Sensitivity. LXXII.
  • 酒井 義郎, 尾上 芳彦, 森岡 国男, 安藤 啓一
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1600-1602
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The effect of ultrasonic wave on the electric conductivity of n-butyl alcohol and tert-butyl alcohol was studied under various conditions. The conductivity increased when the alcohols yi ere irradiated with ultrasonic wave while the dielectric constant decreased. The conductivity and dielectric constant reached the limiting values within 20 minutes. These ehanges were feund to be reversible. No appreeiable chemical change, breught about by ultrasonic wave, was observed by IR and NMR spectroscopy.
  • 渡部 淑胤, 大坪 義雄
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1603-1605
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The phase diagrams of the systems PbO. Pb(S-Cr)04, 2 PbOePb(S-Cr)04 and 4 PbOePb(S-Cr)O, were investigated by means of DTA and X-ray powder diffraction. ln these systems, the formation of continuous solid solutions were confirmed. The following crystal data of basic lead chromates were obtained on the bas is of basic lead sulfates.
  • 竹下 三吉, 井口 潔, 荒川 登, 角田 亮一
    1973 年 1973 巻 8 号 p. 1606-1608
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The preparation of basic aluminum chloride coagulants from clay was studied.
    Clay calcined at 600 C for an hour was dissolved in(1)10% hydrochloric acid and (2) 1, 10r 2, 1 (eq.) mixture of hydrochloric and sulfuric acids with hydrogen ion which corresponded to iO% hydrochloric acid. To make the solution basic (1) hydrochloric acid was removed at the boiling point and(2)a part of sulfuric acid was precipitated as sulfates by adding BaCO3, CaCOs and Ca(OH)2 to the solution.
    Coagulants prepared by these methods were subjected to coagulation test and proved to be effective in the lower pH region as coinpared with commercial BAC solution.
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