日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
1973 巻, 9 号
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  • 井口 潔, 角田 亮一, 竹下 三吉
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1627-1630
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ポリ塩化ビニル(PVC)廃棄物の有効利用の一方法として活性炭に転化することを考え, PVC粉末を空気中で加熱して脱塩酸を行ない,ついで800~1000。Cで水蒸気賦活した。
    得られた活性炭のJIS法によるメチレンブルー(MB)脱色力および比表面積はそれぞれ180 ml/gおよび1310m2/gに達し, PVCを原料とする活性炭は実用上十分な吸着能を有するものと判定された。また赤外吸収スペクトルの測定から表面官能基は市販品とほぼ同じであることがわかった。
  • 末高 透, 村上 知之, 矢野 武夫
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1631-1635
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    混合ガスの吸着分離型の設計に必要な混合吸着平衡関係を求めることを目的として,活性アルミナによるCH,, C2H,, C,H,, CsHs, CO,の吸着等温平衡関係を温度O,25,50 C,圧力80A,760 mmHgにおいて測定し,つぎに,CH C2H4, CHC3H6, CH, C3H,, C2HC3H6, C2HeCsHs, CO2 CsHs,CO C3H8の二成分混合ガスの混合吸着平衡関係を同じ温度,圧力1atmにおいて測定した。すべてのガスの純 ガス吸着平衡は修正Polanyi-Dubininの吸着式により相関することができたので,混合吸着平衡をPolanyi型の混合吸着式により相関することを試みた。混合吸着平衡の実験結果からこの吸着系は理想混合吸着に近いことが見いだされたので,仮想的飽和フユガシティーに吸着相の非理自性をあらわす補正項 を含むPolanyi型の混合吸着実験式を作成し,その式の適用性を検討した。炭化水素同士の二成分混合ガスについては ニ0となり,理想混合吸着とみなし得ることがわかった。二酸化炭素を含む混合ガス系では は0ではなかったが と O,s(05における)との比は混合ガス系,吸着温度には関係せず,xのみの関数になった。したがって,炭化水素混合ガスについては,各成分の純ガス吸着等温線から,二酸化炭素を含む混合ガスについては各成分の純ガス吸着等温線と混合吸着平衡の1個以上の実測値とからPolanyi型の混合吸着式を用いて混合吸着平衡を全組成範囲にわたって推算することができる。
  • 土肥 義治, 服部 兆隆, 慶伊 富長
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1636-1640
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Ziegler-Natta系触媒(TiCls-AIEtsおよびTiCls-AIEt2Cl)によるエチレン気相重合を速度論ならびに生成ポリマーの平均分子量の両面から検討した。また画素の分子量:制御作用杢調べた。重合の速度論的挙動は,本触媒系によるプロピレン気相重合の結果と一致した。水素共存下では,重合速度におよぼす水素添加の影響は両触媒系において異なった。TiCls-AIEt3系では,少量の水素添加(2 cmHg)により重合速度の増大が見られた。一方,TiCI3-AIEt2C1系では,重合速度は添加水素圧の増加にともない単調に低下し,そのようすは永素非存在下での定常速度を鵡とすれば次式で表わし傳た。
    R
    また生成ポリマーの平均分子量の水素圧依存性は,
    M
    となり,=oexp(11 kca R T),=, 6 exp(5kca1/R T), n=O. 6およびm O.6であった。生成ポリマ, tの平均分子量の水素圧依存性に関する上式は,TiCI, AIEt2CI系においても適用可能であり,m O,5であった。
    上記の結果から,三塩化チタン表面の解離吸着水素原子が生成ポリマー分子量の低下に関与しているものと推定した。
  • 高津 晴義, 藤井 修冶
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1641-1644
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ベンジルアルコールの気相酸化反応において,水素処理によってHY(プロトン置換Y型ゼオライト)の酸化活性点の劇毒を行なうとともに,HY触媒の固体酸特性を利用してゼオライトの酸化活性と固体油点との関連について検討した。
    500℃で15時間の水素処理によってH:Yの酸化七転(ペンズアルデヒド収率+安息香酸収率)は約ユ 3の減少を示した。また,NaYのH イオン交換率を変化させた場合,すべての反応生成物(ベンズアルデヒド,安息香酸ベンジルエーテル,トルエン)の収率は交換率40~60%の範囲で急激に増加した。さらにピリジソの添加により各反応生成物の収率はすべて急激に減少した。また,水の添加によりベンジルエーテル収率は増加したが,酸化活性は減少した。また,H:Yの焼成温度を変化させた結果,ベンジルエーテル収率は450。C以上の焼成温度で急激に減少したのに対し,ベンズアルデヒド収率は500~550 Cの焼成温度範囲で急激に増加し,600の焼成温度では2。12%となり350 Cのときの2倍以上となった
  • 大野 信
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1644-1650
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ポリ塩化ビニルマトリヅクス中に分散したスピラン(A)を工5kVの加速電圧をもつ電子ビームで衝撃すると,他のポリ,Ptの場合と異なってただ1種の黄色で可逆性のない生成物(X)が形成された これは光反応生成物(B)とは見かけ上異なるが関連したものであって,マリックスから遊離する成分に影響された生成物と考えられる。
    (X)の形成反応は一次反応過程にしたがい,試料中にあらかじめ(B)を形成したのちにビーム衝撃すると(B)が急激に減少し,同時に(X)生成の反応速度が(B)を形成しない場合に対して最大200倍程度速くなった。PVCからはビーム衝撃によって塩素系物質と考えられるかなりの遊離物が発生する。そして(X)は四塩化炭素中における(A)からの光反応生成物ときわめてよく似た特性を示した。これは(A)の開環分子と遊離の塩素化合物との間の塩型生成物と考えられており,PVC中でもビーム衝撃の結果同様な反応が進むことを示唆していると考えられる。そして(X)生成における-もりら次反応過程は,遊離塩素化物と(A)の開環分子の反応において前者の濃度が高いために生じだ擬似的なものであろうと考えられた。
  • 山下 嗣人, 鶴岡 武
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1651-1654
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    亜鉛のコケ状,樹枝状電析結晶におよぼす無機化合物の影響を顕微鏡観察,カソード電位,カソード分極曲線ならびに電流効率などによって検討した。
    鳥距亜鉛のコケ状,樹枝状化は電解液中テルルおよび鉛の各微量イオンにより抑制された。平滑化は添加剤濃度が増加したときさらに向上し,結晶粒は減少した。電析面にはテルルにより光沢が,鉛イオンによって微細結晶がそれぞれ得られた,亜鉛電析に零ける過電圧はこれら両イオンによって増加した。
    テルルおよび鉛は亜鉛中へ共析するが,亜鉛析出の電流効率は低下しないことが認められた。
  • 佐藤 誠, 松木 健三, 菅原 陸郎, 遠藤 孝志
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1655-1660
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    湿式法で合成したr-MnOOHの空気中および窒素気中における熱分解反応を,おもにDTAおよt t TGA法により検討し,つぎの結果を得た。空気中でr-MnOOHは220 CでB-MnOa,つついて550Cでa-Mn20sへと転位するが,B-MnO2への転位過程で二段の発熱反応とともに重量の増加が認められた。一方,窒素気中でr,-MnOOHは640。Cでcu-MnaQsへと転位するが,空気中とは異なり,275℃で脱水による吸熱反応がみられ,重量の増加もなく,320~420 Cで熱的に安定であった。そこで空気中でのB-MnO2への転位過程を,一定温度まで昇温させて得た試料の赤外分光分析および窒素気中でのDTAにより追跡したところ,発熱反応領域で脱水反応も起こっていることがわかった。またTGA曲線の解析から,脱水反応の活性化熱は,空気中および窒素気中でそれぞれ13.2,26. Okcal/mo1であった。以上のことから空気中の熱分解過程で生成するB-MnO2は次式に示す逐次反応によるものであることが結論された。
    2MnOOH → Mn20s+HxO, Mn20s+1/202 → 2 MnO2
  • 武井 たつ子
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1661-1668
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    トリフルオロ酢酸銅は20 でN,N-ジメチルホルムアミド1009に対して1809溶解した。トリ フルrk p酢酸銅-N, N-ジメチルホルムアミド浴の導電性はあまりよくない。この浴で電解を行なうとカソードでCu30が生成した。トリフルオP酢酸銅500 gil-クエン酸200 9/1-N, N-ジメチルホルムアミド浴から銅電析を行なうと,浴温60 の場合に電流密度2. 0~11. 0 A1d mXの範囲で良好な電雑面が得られ,カソード電流効率は約75%で,アノード電流効率は100%以上であった。電着層はすべて粒状組織であった。
    トリフル町回酢酸銅-クエン酸200 g/l-N,N-ジメチルホルムアミド浴からの銅電析反応は,電流密度1.0~3.5 A dm2の範囲内では電荷移動過程が律速になっており,見かけの通過係数(),見かけの緬数(n),交換電流密度(i ),Tafe1線の勾配(be)および見かけの活性化エネルギー(E)の値はおおよそつぎのようであった。20(すなわちd1 gi 1d1 gC=O.80,ただしC。は2価の銅イオン濃度である),n=,96, i=.26 Aldm2, b, , - .34 V, E=8.7 kcal/mol
    これらの値からトリフルオロ酢酸銅-クエン酸20091t-N,N-ジメチルホルムアミド浴からの銅電析反応はCua e → Cu , Cu Cuoのように進行し,2価の銅イオンから1価の銅イオンになる反応が律速になっているものと考えられる。
  • 金沢 孝文, 近沢 正敏, 海保 守, 藤巻 達雄
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1669-1674
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    水溶性塩類の吸湿過程を表面電導度の変化と水蒸気吸着等温線を対比させて定量的に検討した。試料として3種のハロゲソ化アルカリ塩NaCl, KBr, KIの各再結晶微粉体を用いた。
    表面電導度の対数と相対圧の対数との相関カーブは,三つの直線部分の領域と,表面電導度が急激に増大する領域の,計四つの部分に分類できた。この結果と吸着等温線を比較することにより,三つの直線部分申の折点の低圧側のものは単分子層形成,高圧側の折点は2分子層の形成がそれぞれ完了した時点に相当していることがわかった。三つの直線部分の勾配が順次大きくなっていく理由は,水分子の吸着状態が異なるため,および水和イオンが形成されるため,と考えられる。吸着水分子は2分子層まで物理吸着的状態にあるが,2分子層完成以後の吸着層は単なる物理吸着層ではなく,溶媒的性質をもち始め,動きやすい水和イオンを形成しているものと推定された。
    NaC1, KBr, KIについて,水和イオンが始めて形成される相対湿度は,30Cにおいて,それぞれ33,36,27(各)%rHであり,また1個の水和イオンを形成するに必要な平均水和分子数は,それ塔れ10,U,9であることがわかった。
  • 伊藤 俊治
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1674-1680
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    分析用No.5 Cの炉紙を隔膜とし,1 mol/1塩化鉄(II)とユN水酸化ナトリウム水溶液とを準静的に室温で24時間反応させた。見かけ密度約3,159/cm3の緻密な陰イオン透過盤を示す反応析出物が塩化鉄(II)水溶液側の膜面に層状に形成された。
    反応析出物には金属鉄が水酸化鉄(II),グリーンラストー1,マグネタイト,ゲーサイトとともに含まれることを見いだした。この金属鉄の存在を反応析出物のX線回折,磁化曲線の測定および化学分析などによって確認した.金属鉄は反応析出物を塩酸で溶解分別することにより,単独に針状粒子として取得することができた。
    両水溶液中の溶質の反応量の分析と反応析出物の全鉄量の化学分析から,析出反応が化学量論的に進行していることがわかった。また,反応析出物に含まれる鉄の状態分明から溶液と空気中の酸素との接触の有無に関係なく,金属歯(FeO)と鉄(III)(Fe III)とは一定の関係をたもちつつ反応時間の経過とともにそれらの絶対量が増加していくこと,および鉄(II)(FeII)が順次減少していくことから
    3FeII → Fe0 + 2FeIII
    による鉄の不均化反応によって金属鉄が生成するものと考えられる。
  • 大久保 悌二, 青木 文雄
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1681-1684
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ジピバロイルメタソ金属キレート化合物25種のガスクロマトグラフによる分離の可能性と,キレート牝合物の構造などが保持時間におよぼす影響について検討した。
    希土類キレートの相互分離でもっとも困難なものはルテチウムとイッテルビウムの場合で,分解能が1になるためには理論段数11000のカラムが必要であるが,ネオジムとプラセオジムの場合は650段でたりる。
    2価四配位金属キレートでは,平面構造のものは四面体構造のものに比較して保持時間はいちじるしく大きい。分子の容量が大きいほど保持時間は大であるが,中心金属の原子量の大きさの影響はほとんど認められない。正八面体構造キレートでは中心金属のイナン半径が小さいほど保持時間も小さく,同一温度における保持時間の対数値は中心金属のイオン半径の4乗とほぼ直線関係にある。ネオジム,プラセオジムおよびランタンのキレは固体では二量体として存在し,蒸気圧が低いためにこの直線からはずれる。
  • 木原 博, 岡本 郁男, 大森 明, 中野 博文, 麻野 雅三
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1685-1689
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    はんだ付けにおけるハロゲン化金属塩のフラックス作用を,フラックスとはんだ(Sn)との反応が,銅板上におけるはんだのぬれに対していかに作用しているかという観点から研究した。
    その結果,各種ハロゲン化金属塩のフラックス作用はつぎのとおりであることが明らかにされた。ハロゲン化金属塩と溶融Snとの反応は主として溶融塩中での金属の電気化学系列に支配され,ぬれに対する金属塩の効果と金属の電気化学系列とは密接な関係を示した。そして,各種金属塩のぬれに対する添加効果は,溶融Snと金属塩との反応によるSn中への金属の溶解により,フラヅクスーSnはんだ間の界面張力が低下するためと思われる。
  • 露木 尚光, 斎藤 智義, 宮川 継男, 笠井 順一
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1690-1696
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    焼セッコウ(B-CaSO,,112 H20)の凝結遅緩に関する研究は,最初いろいろの遅緩剤を検索することから始まり,ついでこの遅緩機講を化学的に解明しなければならない。この問題は研究者によってもいろいろな説があり,まだ明らかにされていない点が多い。著者らはいままでの実験結果から,これを錯塩化学的立場から考察した。すなわち,焼セヅコウにあるpH条件下でCa2+と錯塩を生成するような遅緩剤を添加して水和させると,凝結遅緩効果が生じる。しかし遅緩剤がCaa+と錯塩を生成すると考察した場合,第1にCa錯塩が生成することを証明しなければならない。このため遅緩剤として,アルカリ性の条件下でCaa+と錯塩を生成することがすでに判明しているEDTA,および有機遅緩剤として比較的簡単な構造式をもつピルビン酸を用いて,液相系については溶液の伝導度およびCaa+濃度の動向,液相中の焼セッコウの溶解度変化を中心として解析した。とくにCa(OH)2を共存させることによって,その遅緩効果がいちじるしいことも判明した。また焼セヅコウとこれらの遅緩剤との反応性については,DTA, X線回折, IR,走査型電子顕微鏡などにより反応硬化体の解析を試みたものである。
  • 影山 俊文
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1697-1700
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    NaBrO2は0.1mol/l NaNO8および0.01%ゼラチン添加, Britton-Robinson緩衝液を含む電解液中でpH7.2~12.2の範囲で4電子の関与する還元電流を示す。そのポーラログラムは全体に2段波を示し,第2波および第1波と第2波を合わせた全波は拡散律速である。pH 10.4における第2波の半波電位は-0.24V(vs.SCE)であり,25 cでの全波の拡散電流値は0,2~1.2×10 3 mol/l NaBrO3の濃度範囲で濃度に比例し,これからNaBrO2のポーラログラフィーによる定量が可能である。さらにこの温度係数についても検討を行なった。また定電位電解を行なって還:元生成物のBゴイオンを認めた。
  • 小松 将博, 三角 省三
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1701-1706
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ニッケル-1, 2-プロパンジアミン錯体は研究したpH領域で三つの波を示した。1,2-プバンジアミン(1, 2-pn)の濃度が低く, pHが7.0~7 4では,半波電位が-0.85 V vs.SCE付近である第1波ど半波電位が-1.1Vvs. SCE付近である第2波の2段波のポーラログラムが観測された。 pHが8.30以上になると第1波が消失し,それとともに半波電位が-1.4Vvs.SCE付近である第3波があらわれ,第2波と第3波の2段波のポーラグラムとなつた。 pH 7.0~7.4では第1波が反応電流の性質を示し,Korytaの式を適用すると,つぎのような律速段階が推定された。
    Ni(1,2-pn)22 +2H tY Ni(aquo)2 +2(1,2-pn)H (1) ke 2+ Ni(OH),2-v (y=1, 2,)
    また,pH 8,30~10,30の領域では第2波が反応電流の性質を示し,同様にKorytaの式を適用すると,pH 9.80からpH 10.30までは水素イオンが電極反応に関与せず,つぎの律速段階が推定された。
    k32 Ni(1,2-pn)32 t Ni(1,2-pn)22 +1,2-pn (2)
    CarlsonらによりpH滴定により得られた逐次安定度定数Ksを使用して(2)式の解離反応の速度定数を計算した。そして,水素イオンの濃度に依存しない値として,24.3,secmiを得た。1, 2-pnの濃度が高くなると第3波だけの1段波となり,Ni(1, 2-pn)32 の直接還元であることがわかった。その電極還元速度定数ksは1.1x10m cm secであった。
  • 吉田 徹
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1706-1709
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    pH 2. 2~10.1のBritton-Robinson緩衝溶液中で4-ヒドロキシ-3(8-キノリルアゾ)-1ナフタレンスルホン酸(以下AQと略記する)のアゾ基は滴下水銀電極で拡散律速の-段不可逆四電子還元をうけるものと思われた。この直流波とほ繧同電位にあらわれる交流波はAQのプトン付加体の電極への吸着によるテンサメトリックな性質を含む移行波であると推定された。
    pH 6.7の溶液中でAQはNia+あるいは.Co2+とほぼ2:1組成の錯体を形成し,その錯体のアゾ基は遊離のアゾ基よりもそれぞれ168,195mV負の電位で還元をうけ,ニッケルおよびコバルトは遊離の各イオンの還元電位よりもおのおの353および238mV正の電位で還元をうけることがわかった
  • 吉田 徹
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1710-1714
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    pH 4.5の緩衝溶液中で8-ヒドロキシ-7-(1-ナフチルアゾ)-5-キノリンスルホソ酸(ナフチルアゾキシン)のアゾ基は滴下水銀電極で拡散律速の一段不可逆四電子還元をうけてアミン化合物になると考えられる。正側の小さな2段の酸化電流のうち,より正側の波はナフチルアゾキシンと滴下水銀電極からの溶出水銀イオンとの反応に起因し,他方の液はこの不溶性解離生成物の電極への吸着による吸着前置波であると考えられる。これらの堺流波に対応する交流ポーラログラフ波の三つのピーク電流はテンサメトリックな性質を含む移行波であると推定され,これらの波はナフチルアゾキシンとキレート化合物を形成する金属イオン,たとえばNi2+の添加とともに減少することがわかった。
  • 酒井 睦司, 河原林 信夫, 榊原 保正, 内野 規人, 岡 信三郎
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1715-1718
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    トリエチルアミン存在下において二塩化メサコノイルとメタノールとを反応させると,メサコン酸ジメチル(1)のほかに,その異性体であるメチレンコハク酸ジメチル(2)が相当量生成した。この(2)の生成機構について研究を行ない,二塩化化メサコノイルはトリエチルアミンとまず第四アンモニウム塩を生成し,ついでその1,4-脱離によって生じるケテン中間体にメタノールが付加して(2)が生成すると推定した。そして,この推定はつぎの実験結果により裏づけされた。1)二塩化メチレンスクシニルを同条件下でエステル化すると(2)のみが生成した。2)メタノール-dによる二塩化メサコノイルのエステル化においては,副生した(2)のα-メチレン基の水素原子がジュウテリウム交換されていた。3)塩化trans-3-メトキシカルボニル-2-ブテノイル(3)のエステル化では異性化エステル(2)が得られたが,ケテン構造をとりえない塩化trans-2-メチル-3-メトキシカルボニル-2-プロペノイル(4)からは(2)は得られなかった。4)エステル化反応の条件下では,生成したエステルは二次的に異性化しないことがわかった。
  • 山川 浩司, 諸江 三千夫
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1719-1723
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    trans-およびcis-ジベソゾイルエチレソ((1)および(2))をRaneyニッケルまたは,NaBH4で還元するとrac-およびmeso-1,4-ジフェニルブタン-1,4-ジオール((4a)および(4b))を3:1の比で得る。(4a)または(4b)はそれぞれ酸で分子内閉環して等量のcis-およびtrans-2,5-ジフェニルテトラヒドロフラン((6a):bp 94 /1mmHgと(6b):bp 117 /1mmHg)を生成する。この反応は中間にカルボニウムイオンを経るSN1機構で進行する。(6a)の構造は2,5-ジフェニルフラン(5)をPd-Cで接触還元で得られることで証明した。(5)をRaneyニヅケルまたは白金で接触還元すると水素化分解を起こす。(6a)および(6b)の立体化学を立体配座解析とNMRスペクトルから論じ,優位立体配座を(6a)は(c),(6b)は(b)であると推論した。
  • 湯本 高在
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1724-1728
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    γ線およびDTBPを開始剤として炭素数4~8までの鎖状エーテルとテトラクロロエチレンとのラジカル反応について検討し,次式で示す不飽和1:1置換物を得た。
    DTBPを開始剤とした場合,置換物の収率はジn-プロピルエーテルで29%で最高を得,つぎの順序で低下することがわかった。
    ジ n-プロピルジ>n-ブチル,エチル n-ブチル>ジニチル>ジイソプロピル
    γ線照射法においては不飽和1:1置換物のG値はジ n-プロピルエーテルで最高57を得,DTBP法とほぼ同様な傾向でG値が低下した。本反応においては線量率依存性が認められなかった。また一部の鎖状エーテルについては見かけの活性化エネルギーを求めた。
  • 今井 淑夫, 石森 元和
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1729-1733
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    N-(フェニルスルホニル)フタルイミド(PSPI)およびN-メシルフタルイミド(MSPI)と各種アミンの反応によるN-置換フタルイミドの生成について検討した。PSPIとアニリンを室温,THF中で反応させると開環付加体のN-フェニル-N -(フェニルスルポニル)フタルアミド[1a]が生成したが,一方,塩基触媒の存在下にTHF中で,あるいは塩基性溶媒中で反癒させるとN-フェニルフタルイミド[2]が得られた。同様にして,MSPIとアニリンからN-メシル-N -フェニルフタルアミド[1b]と[2]が合成された。開環付加体の[1a]および[1b]は,それぞれ160℃に加熱することによりスルホンアミドの脱離をともなって[2]に転化した。PSPIはまた各種のアミンとエタノール中,80℃で反応して好収率でN-置換フタルイミドを生成した。
  • 桂 郁夫, 河口 博行, 山本 隆
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1733-1737
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    いろいろの第一,第二アミンにエチレンオキシドを付加させて,ポリオキシエチレソアルキルアミソを合成するさい,反応途上でいちじるしい着色が認められる。この着色はエチレソオキシド中に不純物として含まれている微量のアセトアルデヒドによるものと考えられていた。しかし,いろいろの実験から,第三アミンであるポリオキシエチレンアルキルアミソ自体が反応中にエチレンナキシドをアセトアルデヒドに転位させている新しい事実を認め,ポリオキシエチレンアルキルアミン合成中の着色は,エチレソオキシド中にもともと含まれていた微量のアセトアルデヒドによるのではなく,転位によって二次的に生成したアセトアルデヒドが原因していることを確認した。また,着色物質中に,クロトンアルデヒドが存在していることをガスクロマトグラフィーで認め,着色物質は,アセトアルデヒドが第三アミンによってアルドール縮合したポリエソ構造を有するものであると考えられた。これら着色機構の検討から,着色度の非常に少ないポリオキシエチレソアルキルアミソの合成法を見いだした。
  • 黒岩 茂隆, 小笠原 真次
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1738-1743
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    分散染料液において,結晶微粒子状に分散している多量の染料と平衡にある分子状溶解染料(モノマー)の濃度を,溶解度Sと定義し,次式
    によって分光光学的に測定する方法を提示した。ここで[O.D.]は全濃度Cの分散染料液の光学密度であり, はモノマーのモル吸光係数, は結晶微粒子状にある染料のモル吸光係数(見かけ)の平均値である。この方法によって,6種のアミノアントラキノン系ならびに3種のアゾ系分散染料の水に対する溶解度を測定した。その結果,分散染料の水に対する溶解度は,一般に温度の上昇につれて指数関数的に増大することから,溶解に対しては融解過程が支配的にきいていること,その溶解度は従来知られている値よりかなり低いことがわかった。また各染料について得られた溶解度と,溶解度の温度依存性から求めた標準溶解熱については,溶解現象が溶質固体の融解過程と溶質分子の溶媒和(水和)過程とからなるとの考えに基づき,染料の化学構造と関連づけて詳細に検討した。
  • 石川 敏彦, 杉原 耿雄, 浜田 豊司, 永井 進, 安岡 則武, 笠井 暢民
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1744-1751
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ダンベル型ナイロン12シートを未延伸ならびにいろいろの条件(延伸温度50~160℃,延伸倍率2.4~4.0)で延伸した場合の繊維周期,結晶配向度,結晶粒子の大きさ,結晶化度についての変化をX線回折および密度測定などから考察した。
    未延伸試料および延伸試料のほとんどはγ型に特徴的なX線回折パターンを示した。しかし延伸温度が140~160℃,延伸倍率が2.4~3.0倍で延伸した試料についてはわずかに赤道線反射の分離したX線回折写真が得られた。なおその試料について走査型差動熱量計による融解ピークの検討も行なったが,新しい結晶相出現の兆候は認められなかった。
    各反射次数から計算した繊維周期の値は一致せず,次数が高くなるにつれてその値は増加した。さらに延伸温度が高くなるとともに繊維周期,結晶粒子の大きさおよび結晶化度は増大するが結晶配向度はほとんど変化しなかった。他方延伸倍率が大きくなるにしたがって結晶配向度はやや増したが,繊維周期,結晶化度および結晶粒子の大きさはほとんど変化しなかった。
    以上の事実に基づいて,X線回折法による繊維周期測定値の異常性に影響をおよぼす因子,ならびに延伸による微結晶の変形について考察した。
  • 溝口 勝大, 鈴木 哲雄, 土田 英俊, 篠原 功
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1751-1755
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ポリカチオンの7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(CQ)塩として,ポリピニルペンジルトリメチルアンモニウム-CQ塩,ポリ-4-ビニル-N-メチルピリジウム-CQ 塩,ポリジアリルジメチルアンモニウム-CQ塩,ポリジアリルジメチルアンモニウムスルホン-CQ塩,およびポリ-N,N,N1,N1-テトラメチルヘキサメチレンパラキシレンジアンモニウム-CQ塩を合成した。これらの比抵抗と電導の活性化エネルギーとを測定し,ポリカチオンの化学構造と相関させ電導性の特徴について比較検討した。
    ポリカチオン-CQ塩の電導は電子電導であり,電導はおもにCQ部分で行なわれ,ポリカチオンはCQのマトリックスとして作用し, CQの充テンや配列に重要な役割を果たす。ポリカチオン-CQsimple saltはポリカチオンの種類に関係なく比抵抗が約109Ωcmであるが,中性CQを添加したいわゆるcomplex saltはポリカチオンの構造にいちじるしく影響される。ペンダント型よりも累積型ポリカチオンが,また四級窒素が不飽和複素環に存在し,CQの充テンや配列を容易にする構造ほどすぐれた電導性を示した。
  • 溝口 勝大, 鈴木 哲雄, 土田 英俊, 篠原 功
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1756-1760
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    一般式 N(CH3)2 (CH3) (CH2) で表わされる n, m型 Ionene の7, 7, 8, 8-テトラシアノキノジメタン(CQ)塩について,イオン席間隔 n, mがそれぞれ(2,5), (3,3), (4,4), (5,5), (6,5)および (6,6) の組み合わせを合成し,これらの比抵抗ρと電導の活性化エネルギーEaを測定した。
    simple saltに中性CQ(CQ 0)を添加するとcomplex saltを形成し比抵抗および電導の活性化エネルギーのいずれも低下し,[CQ 0]/[CQ ]が0.4~0.6の範囲で最小値ρ(min):10 2~10 5 Ω,cm, Ea(min):0.077~0.22eVを示した。
    これらの測定値とイオン席間隔の相関は n および m が6以内のとき顕著であり,間隔増大により,simple saltの場合比抵抗および電導の活性化エネルギーがともに増大し, complex saltの場合,比抵抗はあまりかわらないが電導の活性化エネルギーは低下する傾向を認めた。これは電導機構がsimplesaltとcomplex saltで相違するためと考えられる。
  • 溝口 勝大, 鈴木 哲雄, 土田 英俊, 篠原 功
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1760-1764
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    N+イオン席間のメチレン基数Nが相違したnX型 Inene N CH (n;2, 3, 4, 5, 6)の7,7,8,8-テトラシアノキノジメタンアニオソラジカル(CQ 2)塩を合成し,その比抵抗値ρおよび電導の活性化エネルギーE5を測定した。
    simple saltのρおよびEaはそれぞれ10 6~10 8 Ω,cm, 0.25~O.64 eVの範囲の値であるのに対し,complex saltは 10 2~10 3 Ωcm,0.06~0.13 eVと非常に低い値を示す。また,イオン席間隔と電導性との欄はメチレン基数が増加するにしたがいsimple saltのEaは増大し,complex saltは減少することが確認され,前報の n,m型 Ionene-CQ塩と同じような結論を与えた。これらの結果からsimple saltの電導はCQ から隣接のCQ への電子のホッピングにより行なわれ,complex saltではCQ -CQ 間のCT錯形成にともないnarrow baodが形成されて電導電子が移動すると推定した。
  • 溝口 勝大, 鈴木 哲雄, 土田 英俊, 篠原 功
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1765-1769
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ポリマーマトリックスにジメチルアンモニウム,ピペリジニウムおよびモルホリニウムを保有するポリカチオン(Mx)の7,7,8,8-テトラシアノキノジメタソアニオンラジカル塩(CQ塩)を合成し,N置換基の電導性におよぼす影響を比抵抗ρおよび電導の活性化エネルギー Eaから検討した。
    XX-CQ, PX-CQおよびMX-CQのρは, simple saltではそれぞれ1.4x10 10,1.8x10 10,6.5x10 3 Ω,cm, complex saltでは4.6x10 2,4.8x10 3,2.0x10 2Ω,cmであった。 dopeによりXX-CQはPX-CQに比較してρおよびEaの低下がいちじるしいが,これはピペリジン基がCQのpackingに大きく影響するためと考えられる。MX-CQのsimple saltではいちじるしくρが低く, dopingによるρの低下もきわめて小さい。これはモルホリン環の酸素原子が電導にいちじるしく寄与しており,dopeにさいしてはモルホリソ環が配列の障害となってρの低下を妨げるものと推定した。
  • 田中 浩雄, 遠藤 剛, 大河原 信
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1770-1775
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ポリ(Ω-メチル-L-グルタマート)(PMG)の汎用有機溶媒への溶解性の向上と,その化学反応に関する基礎的知見を得る目的でエステル交換反応を行なった。反応はエチレソジクロリド(EDC),またはEDC-ジオキサン中,強酸を触媒とし,60 70℃で行なった。アルコールとしては,イソプロピルアルコール,エチレンクロロヒドリソ,アリルアルコール,N-ヒドロキシエチル-2-オキサゾリドソなど8種類を用いた。多くのアルコールの場合,反応率80%以上の試料が容易に得られ,これはジメチルホルムアミド,EDC,アセトン,クロロホルムなど多くの溶媒に可溶となった。また,生成するメタノールを除去しながら反応を行なえば,完全に置換することができ,しかも生成物の外観はPMGのそれとまったく同じで,着色などの変化はなく,分子量の低下も認められなかった。
  • 田中 浩雄, 遠藤 剛, 大河原 信
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1775-1780
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ポリグルタマートの化学反応に関する研究の一環として,ポリ(r-メチル-L-グルタマート)(PMG)のエステル交換で得たポリ(B-クロロエチル)グルタマート(PCIEG)およびポリ(B-シアノエチル)グルタマート(PCNEG)側鎖への求核置換反応を行なつた。
    PCIEGのジメチルホルムアミド中におけるアジド化(60,85),およびジチオカルバマート化(40C)においては,塩素の置換反応が選択的に起こり,高置換度の試料が容易に得られた。
    また,PMGのアミノリシスはいちじるしく困難で,高温にすると主事の切断が優先するが, PCIEGやPCNEGでは側鎖のエステル基においてアミノリシスが10Cの低温でも容易に起こることが見いだされた。PCIEGやPCNEGのアミノリシスで,ヒドラジド,ヒドロキサム酸,B-ヒドロキシエチルアミド,B-アミノエチルアミド基などを有する興味深い機能性ポリグルタマートが得られた。
  • 田中 浩雄, 遠藤 剛, 大河原 信
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1780-1785
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    前報において,ポリグルタマ一トのアミノリシスが,エステルのアルキル基に塩素やシアノ基が導入されるといちじるしく容易になることことがわかつたのでその反応機構を調べるためにモデル反応とし表記の研究を行った。
    たとえば,ジメチルホルムアミド(DMR)中,エタノールアミンとの二次反応速度定数は,酢酸エチルの場合を1とすると,酢酸 クロロエチルで37,酢酸 シアノエ チルで87,酢酸 トリクロロエチルでは2700となり,アルキル部に電子吸引性基があるといちじるしく増大した。同様の結果は,DMF中,エチレンジアミンとの,またジオキサン中,エタノールアミンとの反応の場合にも得られた。
    以上の結果から,エステルの活性化は置換基の効果によると結論された。
  • 江川 博明, 高原 正彦
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1786-1791
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    メタクリル酸メチルとジビニルベンゼンから得たゲル型およびMR型の球状共重合体をポリエチレンポリアミン(PPA)でアミノリシスを行なってポリアミノ基を有するキレート樹脂を製造し,その金属イオン吸着性について検討した.これら共重合体をPPAでアミノリシスを行なうと反応の初期に副反応によりカルボキシル基の生成が認められるが,高温,長時間の反応により生成したカルボキシル基はPPAとアミドを生成することが見いだされた.トリエチレンテトラミソ,テトラエチレンペンタミンを使用し,170180C,510時間反応することにより良好なキレート樹脂が得られる.低橋かけ度のゲル型樹脂も良好な金属イオン吸着性を有するが,物理的安定性においてMR型樹脂がすぐれている.メタクリル酸メチル9295v1%,ジビニルベンゼソ58 vo1 %のモノマーに対しイソナクタンを50vd%使用して合成したMR型共重合体から最良のキレート樹脂が得られた.このキレト樹脂はなお少量のカルボキシル基を有するが,pH 9以下においてはCa2をまったく吸着せず,アンミン錯塩を生成しやすい金属イオン問の分離もpHを調整することにより可能である.
  • 菖蒲 明己, 鈴木 祥史, 加納 久雄
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1792-1794
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Relat. ions. betweep speeific area of catalyst and heating time, initial catalytic activity, and determined by a fiow system at 250C
    .1 atingtimeandbec. mesac. nstant va1 e aflLr six h vity are qui e similaron heating in va nlhe speci. a and catalytic acti rease to about 50% and 65%e of the non-hea-ted catalyst,
  • 野崎 亨, 橋本 高範
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1794-1797
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The polarographic behaviors of lead(III), copPer 1and cadmium in ethylenediamine-NN diacetate (X2m) solutions were studied at ionic strength O.2 adjusted with sodiurn perchlorate. The reversible two--electren reduction waves were obtained in the pH range 8.5 to 13 for each system. Three kinds of lead(1) complexes, PbX, Pb(OH)X, Pb(OH)2X, one kind of copper(ll)complex, CuX2, and two kinds of cadmium complexes, CdX, CdX2 were assumed and their stability constants were calculated by Schaaps, Kolthoff-Lingane s and DeFord-Hume s methods, respectively. The logarithms of the overall stability constants at 250C were 11.2, 13.6, i5.2for lead(ll) complexes, 19.8 for copper(ll) complex and 10.8 and 15.0 for cadmium comPlexes. The electrode reactions were assumed to be MX -27 + rk, P. H + 2e + Hg=M(Hg) + P, Hm. Xifbww2and Pb(OH)aXind-k2P + 2e + Hg=Pb(Hg) + PM, X2m + aM, OH where P C a and rk denote the mean coordinate number of the ligands/ X2m, OH, and the mean participate number of proton, respectively.
  • 古沢 源久, 岩崎 鈴子, 斎藤 恵子, 青木 正義
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1797-1799
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Amethod fo the determination of small amounts of melamine presen, t as an impurity in benzoguanamine is proposed. Melamine can be separated from ben2oguanamine by a ion exchange chromatography using a 8 250 mm co1umn packed with a strongly-acidic cation exchanger, AG 50 W-X 4. About 10 mZof the solution containing 50 mg of the sample in O.04mol hydrochloric acid is passed through the co1umn. After eluting interfering impurities with 170to 190 ml of O.8 mol/l hydrochloric acid at 35, melamine is eluted quantitatively with 20 ml of the same eluent. Melamine is determined by the measurement either the absorbance of the eluted, so1uton mad P to a certain volumeor the peak area of the chromatogram. The absorbance is measured by the difference between the absorption at 235 and 250 nm, and the chromat ogram is obtained by continuous measurement of the absorbanceof the emuent at 235 nm. Melamlne in benzoguanamine can be determined down to O, 1%, This method is nQt interfered by the presence of impurities such as cyanomelamine and ammeline.
  • 吉田 徹, 若江 匡夫
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1800-1801
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Nine arylarsenic acids, i. e., 2-, 3- and 4-methylphenylarsonic acids, phenylarsonic acid, 2and 4-chloropheny1arsonic acids, and 2-, 3- and 4-nitrophenylarsonic acids, were synthesized and their thermal behavior were chiefly studied by differencial thermal and thermal gravimetric analyses.
    It was found that all the above arsonic acids which were dried at 1050C had O.5 or 1 mol crystal water per molecule and that they lost their crystal water at 140, Nf250 C and decomposed at 260-v4000c.
    It was deduced that 3- and 4-nitrophenylarsonic acids lost crystal water at two steps.
  • 藤原 義人, 畑 忠太, 野口 隆, 松原 義治
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1802-1804
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    A method to obtain (4 E, 6 Z)-mlloocimene (2 b), an important intermediate for new aromatics, in a geod yield was investigated.
    2-Pinene (1) was subjected to contact with a catalyst ef a copper and zinc systeM at 260 5 under reduced pressure, and aHoecimene (2) was ebtained as a mixture of the (4 E, 6 E)and (4 E, 6 Z)-isomers (15: 85).
    When the alloocimene mixtures was heated with methyl aerylate in the presence of a trace ef pyregallel in an autoclave, the mere reactive (4 E, 6 Z)-isomer was remeved as an adduct and the less reactive (4 E, 6 Z)-alloocimene (2 b) was obtained,
  • 佛願 保男, 佐伯 恭二, 尾藤 忠旦, 武藤 正男
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1804-1805
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    a Cyclogeranyl chloride was synthesized from geranyl chlQride, prepared from the reactien OEeraniel with diphenylphosphofochloridate or lin FaleolFwith thioiiYl c hloridfi, -iri- tTti5V iile-sVe fiVc 60f boron trifluoride etheraie ifi benzene at room temperature,
  • 古川 靖, 岩切 三雄
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1806-1807
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    cis-4-Nonenoie (4 a), cis'-4-undecenoic (4 b) and cis-4-tridecenoic (4 c) acids were synthesized by the condensation of the corresponding (Cs, C7 and Cg) alkanals with 3-methoxycarbonylpropylide: netriphenylphosphorane(3)which were prepa d by the reaction, of 3-methoxycarbony1propyltriphenylphosphonium iodide(2)with sodium methoxide in dimethy or amide.
    The acids, their methyl esters, p-bromophenacyl esters and P-pheRylphenacyl esters were characterized.
  • 小野寺 準一, 小原 平太郎
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1808-1809
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Suitable reaction conditions for the preparation of 1, 2, 3, 5-benzenetetrol from picric acid were investigated. An aqueous solution of 2, 4, 6-triaminophenol trihydrochloride or sulfate (O.134 mol/1) which was prepared quantitatively by the reduction of picric acid in dilute hydrochloric or sulfuric acid in the presence of Adams catalyst, was heated for 8 hrs in an autoclave at 1400C. The reaction mixture was concentrated and extracted with ether. The evaporation of ether gave 1, 2, 3, 5-benzenetetrol in 80%e yield.
  • 今井 淑夫, 古賀 洋
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1810-1812
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    3-Pheny1-2 F-1, 2, 4-benzothiadiazine 1, 1-dioxide(3)was synthesized in an, excellent yields by the cyclodehydration, of 2 sulfam ylbenza ide(2)at elevated temperatures eit: her with thionyl chloride, or with an, organic base, such asr-picolineor tri-"-butylam e, as a solvent, The reaction of(2)with acetic anhydride gave 3-methy1-2 HL1, 2, 4 benzothiadi zine 1, 1dioxide the formation of 2'-(N'-acetylsulfamoy1)be zanilide. Thermal cyclodehydration of (2)afforded(3)in a relatively low yield, presu: mably due to simulta: neous degradation of(2),
  • 山崎 康男, 鈴木 剛彦
    1973 年 1973 巻 9 号 p. 1812-1815
    発行日: 1973/09/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Four bisimide carbexylic acids (BICA) were prepared from 1, 4, 5-naphthalene tricarboxylic anhydride and aromatie diamines. Polyamide-imides (PAI) and polyester-imides (PEI) were synthesized by the acidolysis of these BICA with diacetyl derivatives of aromatic diamines and diols. Reduced viscosities of PAI and PEI were in the ranges of O.17. vO.50 and O.20. Nb. O.40, respectively, in O.5% conc. H2SO4 solution at 30 C.
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