硫酸イオンを含有する酸化チタンが触媒およびその担体として高活性を示すことが明らかになってきた。含有形態が化合物になっているとマた場倉鱒は,まず酸化硫酸チタン(W)およびその含水塩Tio,Sq吻H
20,さらに,合成過程に硫酸アン牽ニウムを添加共存させる場合には酸化硫酸チタン(W)アンモニウム(NH4)2SO
4,TiOSO
4,nH
2Uなどの存在の可能性が考えられる.そこで硫酸イオンを含有する酸化チタンの結果と対比させながら,これらの化合物の加熱時の分解転移過程,その中のSO
3分の結合状態の変化を調べ,さらに指示薬を用いる酸塩基滴定,2-プロパノ._._ルの気相接触分解反応などにより固体酸塩基性の変化を求め,組成,形態との関連を検討した。その結果,熱分解挙動において酸化硫酸チタン(W)は硫酸イオン含有酸化チタ歌に近似している,しかし,固体酸性は硫酸イオン含有酸化チタンの場合より高温の550℃で最大になり,この温度で無水の酸化硫酸チタン(y)生成量も最大になっていた。またIR吸収分析によると2-プロパノール脱水反応にへきを対する触媒活性が顕著に認められる焼成温度(400℃ないし600°C)に事いて硫酸根含有酸化チタンの場合には見られなかったスルホン基の存在が認められ,焼成温度によるスルホン碁童の増減の傾向は脱水触媒活性の高低の傾向に-致した。したがって酸化硫酸チタン(W)の酸点は結晶水を脱離したTio,SO
4の形態に帰属させられる。さらにこのTiOSO
4生成量が最大となる焼成温度で得た試料について加熱排気後ピリジンを吸着させIR吸収分析により調べた結果,Br伽sted酸点とともにLewis酸点が認められ,したがってTiOSO
4表面においてスルホニル基により電子吸引され活性化された空の配位座をもつチタンィオンが酸性原因になり,これに水が配位分極された場合恥6nsted酸点となり,本研究における低い反応温度(180°C)において,このBrcinsted酸点が直接的に2-プロパノールの脱水を捉進するものと考えられる。他方,(NHS)…を加熱する場合には500℃以上でAnatase型TiO欝,また600℃でTiOSO
4の生成淋確認されたが,分解は実際に250℃付近でも進行し,NH4HSO
4を生成し,TiOSO
4とともにこれが酸化硫酸チタン(W)アンモニウム焼成の場合の酸性原因成分となる可Mが大きい。
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