6-ヒドロキシ-5,7,4'-トリメトキシフラボン〔2a〕のアセトニトリル中無水塩化アルミニウムによる脱メチル反応において,A環のメトキシル基は選択的に開裂され,5,6-ジヒドロキシ-7,4'-ジメトキシフラボン〔3a〕と5,6,7-トリヒドロキシ-4-メトキシフラボン〔1a〕の混合物を生ずる。この混合物は無水酢酸0-ピリジンによる温和なアセチル化により,〔3a〕はモノアセタート〔4a〕,〔1a〕はトリアセタート〔5a〕として容易に分離できることを見いだした。
このような選択的脱メチル反応は6-ヒドロキシ-5,7-ジメトキシフラボン類〔2〕からB環にメトキシル基を有する5,6,7-トリヒドロキシフラボン類〔1〕の一般的合成法として有用である。この方法で5,6,7-トリヒドロキシ-4'-メトキシフラボン(スクテラレイン-4'-メチルエーテル)〔1a〕,5,6,7,4-テトラヒドロキシフラボン〔1b〕,5,6,7-トリヒドロキシ-3',4'-ジメトキシフラボン〔1c〕,5,6,7,4,-テトラヒドロキシ-3'-メトキシフラボン(ノルジフロレチン)〔1d〕,5,6,7,3',4'-ペンタヒドロキシフラボン〔1e〕と5,6,7-トリヒドロキシ-3',4',5'-トリメトキシフラボン〔1f〕を対応する6-ヒドロキシ-5,7-ジメトキシフラボン類〔2〕から合成した。
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