日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
1979 巻, 11 号
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  • 今井 弘, 白岩 正, 池内 清
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1437-1442
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    4-置換N,N'ノービス(1-アセトニルエチリデン)-1,3-ならびに3-置換N,N'-ビス(1-アセトニルエチリデン)-1,4-ベンゼンジアミン,(1)ならびに(2),そして4-置換N-(1-アセトニルエチリデン)-1,3-ベソゼンジアミソ(3)(置換基;C1,H,CH8, OCHs, OH)のようなSchiff塩茶をエタノール中でアセチルアセトソと相当するベンゼンジアミン類との縮合によって合成した。これらのSchiff塩基類のIRならびにNMRスペクトルから互変異性体の優位構造を調べたのち,紫外部における吸収帯の帰属を行なった。その結果,分子内氷繁結合したキレート環のVNHとVowoの吸収が3200~3000cm-1と1620~1600cm-1に,またCHとNHプロトンのシグナルが4.9~5.3PPmと11.9~13.2PPmに現われたことから,ケトエナミン形が優位であることがわかった。(1)ならびに(2)において,置換基に燐接している分子内水繁結合したキレート環のイミノ基ならびに窒素原子側のメチル基は芳香環の1位に結合しているキレート環のそれらと比絞して等価でないことがIRならびにNMRスペクトルから見いだされた。紫外部における44~42×103cm-1と32~28×103cm-1の吸収はそれぞれ芳香環ならびにキレート環のπ→π*遷移によるものである。
  • 森聰 明, 増田 浩之, 今井 寿穂, 村上 雄一
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1443-1448
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    種々の酸化物を担体としたNi触媒を用いてCOとCO2のメタソ化反応特性をパルス法,流通法,および昇温脱離実験により調べた。COのメタン化反応は担体の顕著な影響を受けず,概してNi表面積の大きい触媒ほど高活性であった。一方,CO,2のメタン化反応には明らかな担体効果が認められ, MgO担持Ni触媒はNi表面積が小さいにもかかわらず高活性であるのに対して,SiO2・Al203担持Ni触媒はかなりのNi表面積を有していても活性は低かった。 吸着COのH2気流中での昇温脱離によると, COの吸着は強くて触媒のメタソ化反応活性が発現する温度(=130℃以上)でも十分保持されていた。他方, Ni/MgO触媒を除いてCO2の吸着ぽ非常に弱く,メタン化反応活性が発現する温度よりはるかに低い温度で大部分の吸着CO2は脱離した。 CO2のメタン化反応に対するNi/MgO触媒の高活性は当該触媒の強いCO2吸着能によるものと推定された。      COのメタン化反応はCO分圧に0次もしくはわずかに負の次数依存性を示し, H2分圧にはほぼ1次であった。一方,CO2のメタン化反応はCO2分圧に0.3~0.6次, H2・分圧に0-0.2次の次数依存性を示した。
  • 森 聰明, 増田 浩之, 今井 寿穂, 村上 雄一
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1449-1452
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    200,Cを中心とした比較的低い反応温度領域で,Ni/SiO触媒上でのCOおよびCO,のメタン化反応を水素をキャリヤーガスとするパルス法により行なった。反応生成物であるメタンのク捧マトグラム上の波形はいちじるしいテーリングを示した。他方,ヘリウムをキャリヤーガスとしてCO+H,あるいはCO,+H,の混合ガスでメタン化を行なっても生成メタンのクロマトグラムはテーリングを示さず,生成量も水素キャリヤーの場合にくらべて1/100以下であった。COあるいはCO,の吸着によって触媒表面上に形成された安定な吸着中間体が水素と反応して徐々にメタンになるためと理解された。このピーク波形を解析することpeよってCO, CO,のメタン化反応の表面反応速度定数および活性化エネルギーを求めた。商反応の表面反応速度定数はほぼ-致しており,活性化エネルギーはともに19kcallm。1であった.このことから両反応は共通の中間体を経て進行することが示唆された。さらにCOの不均化反応の結果を加えて吸着中間体の内容に関する考察がなされ,M-CあるいはM--COよりむしろM-CHOHがふさわしく思われた。
  • 高宮 信夫, 鯉沼 康美, 安藤 克則, 村井 資長
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1453-1457
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    酸化マグネシウム触媒を用い,アニリンのメタノールによるメチル化反応を通常の常圧固定床流通法反応装置によって研究した。
    本反応における反応機構,律速段階を検討するために,速度論的検討,アニリンの置換基効果の研究も行ない,さらに触媒の調製法の相違や陰イオン添加による活性比較も合わせて行なった。本反応は,酸点および塩基点の両方を活性点として選択的にN-メチルアニリンを生成し,反応温度480℃, WγF=6.79-cat,hr,mol→trこおいて最適条件を示した。本反応の速度式は, r=k[PA]。,5,[PM]e,sで表わされ,見かけの活性化エネルギーは16.2kca1/m。1であった。また,置換基をもつアニリンとしてm-トルイジンおよびZ-クロロアニリンの速度式は,おのおのγ=k[Pr0]0.7,[PM]0.3,r=k,[PCA]0,[PM]O.9で表わされ,その反応速度定数をHammett式に適用して反応定数p=-1.73という値を得て,本反応が求電子的反応であり律速段階がメチルカチオンのアニリンへの攻撃であることが推定できた。さらに,酸化マグネシウム類の活性比較では,MgO(2 wt%硫酸イオン含む)(水酸化マグネシウムから調製)"MgO(2wt%リン酸イオン含む)MgO(塩基性炭酸マグネシウムから調製)の活性序列となり,とくにMgO(2 wt%硫酸イオン含む)は焼成温度を種々変化させても活性の変化があまり見られなかった。
  • 飯田 征央, 白綺 高保
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1458-1467
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    含浸法により調製したPd-A12O2触媒について種々の焼成条件下における触媒構造を記述した。 CO吸着法によりパラジウムの分散度(D)を定量した。全O,滴定量から表面パラジウム原子への単原子層吸着水素によるO2-の消費量を差し引いた差O2滴定量(ΔT)はアルミナ表面からパラジウムへの拡散水素によるO2の消費量であると考えられた。このdTはDとあるいはアルミナ表面と接触するパラジウム原子数と比例的関係を有した。 この系において,いったん凝集したパラジウム粒子の表面積の増大をもたらす2種類の再分散化現象が観察された。すなわち,1触媒中に塩化物イオンが十分存在する場合には中間体としてクロロパラジウム錯体のアルミナ表面化合物を経由すると考えられ,結果としてパラジウム大粒子の微粒子化をもたらすもの,および,2触媒中に塩化物イオンが存在しない場合酸化パラジウム結晶を経由し,結果としてパラジウム結晶粒子の不完全さによる表面積の増大をもたらすものである。 焼成触媒および再分散化触媒においてパルス法によるベンゼンの水素化活性はこれらの触媒構造とよく相関した。本法により測定された比活性はD:0.2-1において分散度に依存した。この依存性はDO.73ではアルミナ上吸着水素の表面拡散に起因すると考えられた。
  • 大屋 朝夫, 秋鹿 研一, 尾崎 萃
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1468-1471
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ルテニウム金属粉末に窒素雰囲気下でカリウムを蒸着すると窒素が取り込まれ,(KN2Ru)nの化学式で示される化合物の形成が推定されることをすでに報告したが,この種の薪しい化合物は,他の遷移金属およびアルカリ金属においても生成することが期待される。そこで遷移金属として Fe, Co, Rh,Os, Irの5種の金属を選び,またアルカリ金属としてカリウム以外のセシウムおよびナトリウムについて,この種の化合物生成の有無を調べた。ルテニウムを相手としてアルカリ金属(MA)を変えた場合は,Ru-K系の場合と同様に,取り込まれた窒素量とアルカリ金属量の比がほぼ1に近く,(MAN2Ru)nで示される化合物の生成が示唆された。また,その取り込み窒素量は,アルカリ金属の電気陰性度にしたがい Cs K Na の順であった。さらに,窒素分子間同位体交換反応活性もこの順序にしたがっている。つぎにカリウムを相手として遷移金属(M,)を変えた場合は,鉄族(Fe, Ru, Os)が多くの窒素を取り込み,コバルト族(Co, Rh, Ir)の窒素取り込み量は少なかったが,(KN2MT)nの生成が示唆された。これらの触媒を加水分解すると,鉄およびオスミウムの場合にはヒドラジンの生成が確かめられ,同時に真窒蒸留後の残留物中にそれぞれ2本のN,によると考えられる赤外吸収帯が2160,2040cm-1(Fe)および2160,2080 cm-1(Os)に見いだされ,水溶性N2錯体の生成を示唆した。
  • 加藤 泰良, 五十嵐 哲, 荻野 義定
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1472-1476
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    種々の酸化物(A12O3, SiO2, Cr2O3, UO2, Vo2, MoO2,およびWO3)に担持されたロジウム触媒上での,アルキルベンゼンの水蒸気脱アルキル反応における各酸化物による水の活性化機構の差異を明らかにするため,一酸化炭素および水を反応物とするパルス反応を行ない,流通法による窺-キシレンー水蒸気反応と比較した。水の活性化機構の差異から,上記のロジウム/酸化物触媒は,大きく二つのグループにわけられ,そ池ぞれ以下のような反応機構で,触媒表面での-酸化炭素の酸化が進行するものと考えた。タイプ1触媒:Rh/A12O3, Rh/SiO2およびRh/Cr2O3タイプ2触媒:Rh/uo2, Rh/vo2, Rh/M0O2およびRh/WO2, これらロジウム/酸化物触媒の,パルス法による-酸化炭素の酸化活性と,流通法によるm-キシレンの水蒸気脱アルキル活性の間にはよい相関性が認められた。
  • 森 邦夫, 中村 儀郎, 奥村 実, 宮崎 松生
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1477-1482
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    6種の銅合金(Cu-Zn合金3種, Cu-Zn-Al合金, Cu-Sn合金, Cu-Ni合金)に対する3種の6-澱換1,3,5-トリアジンー2,4-ジチオール(RTDと略記する。6-位の置換基Rの種類により, DB:R=N(C4H9)2, AF:R=NHC3H5, TT:R=SH)の防食作用を漫潰腐食テストと電気化学的測定から検討した。RTDの防食作用は-般に合金中の第二成分金属の量とその種類の影響をうけるが, DB, ANは=有効な濃度(10-4 mol/l)で使用すると銅合金の腐食を完全に防止した。 ANの防食作用を示す濃度は銅合金の種類の影響をうけにくいが,DBとTTはうける。とくにTTはCu-Zn合金とCu-Ni合金においてのみ有効であった。またANはCu-Zn合金, Cu-Sn合金およびCu-Ni合金において,とくにNaClめ影響をうけにくかった。 RTDは銅合金表面に強固な被膜を形成するため,アノード反応を抑制するが,浸濃鷹食テストの結果からその順序は TT DB AN であった。 AN, DBはカンード反応も抑制するが,両極反応の抑制の程度からRTDはアノードィンヒビターとして作用すると考えられる。 RTD存在下における銅合金の分極抵抗の測定から,RTDは銅より銅合金とよく反応し,その順序は TT AN DB であった
  • 伊藤 義孝
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1483-1488
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    高温および常温X線回折,熱重量分析ならびに示差熱分析によってLi£O-NiO-V,053成分系におけるLiVO3Nio系の相関係を検討し,その状態図を作成した。 LiVO,:NiOニ1:1組成のLiNiVO,の生成過程は, Li£CO8, NiOおよびV205の混合試料からLiNi(VO3)3相当の化合物およびLiVO,の存在過程を経過する。1000℃,100時間焼成したLiNiVO,の常温で測定した格子定数は8,220±o,ool Aであり,高温度焼成試料のものが低温度焼成試料のものより大となった。この焼成温度による格子定数の差異について,高温度焼成のLiNiVO,は(NizV,-x)w(LiNii-xVx)wO,(1 x o,15)の陽イオン分布をとるランダムスピネルで,高温ではpじの値が大となる不規則構造の変化によるものであろうと考えているが,Li+の部分的な4配位位置の占有,および高温における酸素の欠損によることなども考えられるので今後の課題の-つとしたい。 LiNiVO,の電気伝導度の温度および酸素分圧との関係と熱起電力を測定した。温度との関係から得られた活性化エネルギーは810。C以上では1.48 eV,それ以下では0,557 eVであり,半導体的挙動を示した。酸素分圧との関係は,po,:6×10-s~4×10-3atmでは依存性は認められず, pe,:4×10需3~1×10-i atmでは酸素分圧の約-0.23乗に比例しており, Po,:1×10-1~1atmでは依存性があるとは断定できなかった。
  • 井上 三喜夫, 森下 敏彦, 成田 栄一, 岡部 泰二郎
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1489-1496
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Li20--MoO3系とLi2O-,V2O5系の二つのフラックスを用い,徐冷法と温度勾配法により,種々の条件下でエメラルドを合成した。Li20-MoO3系の場合 モル比(MoO3/Li20)2~5において,エメラルドは750~950。Cで結晶化し,最適条件はモル比3~4,成長温度900。C付近であった。 Li20-V205系の場合,モル比(V205/Li20)1.7~5において,エメラルドは900~1150。Cで結晶化し,最適条件はモル比3,成長温度1000~1100。Cであった。両フラックスとも,モル比の増加につれてエメラルドの生成温度領域は高くなる傾向にあった。 両フラックスから生成したエメラルドは,いずれも緑色透明で比重2. 68,屈折率1. 557~1.565,可視領域での吸収波長が430と600nmであったが, Li,O-V,05系ではLi20-M。08系よりもやや青味を帯びた結晶が生成し,徐冷法での自然発生結晶はより大きかった。フラックスに対するベリルの溶解性に関しては,Li2O-V2O3系の方がすぐれており, Li2O-M。O2-系ではSiO2の離溶性が温度勾配法を用いる上で問題となった。またフラヅクスの諸物性を考慮し,フラヅクス法エメラルドの結晶成長に対する両フラックスの適否を検討した。
  • 吉村 長蔵, 野田 義則
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1497-1501
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    フレーム原子吸光分析によるカルシウムの定量時,試料液中にフッ化物イオン,硫酸イオン,およびリン酸イオンなどが共存すると干渉が起こり吸光度が低下することが知られている。既報では,カルシゥムや鉄に対するフッ化物イオンやリン酸イオンの干渉を試料液にカーボンブラックを添加することで防止できることを報告した。 本報では,カルシウムに対する硫酸イオンの干渉の程度を調べ,あわせてカーボンブラックや活性炭などの炭素粉を添加することによりその干渉の除去を検討した。その結果,カーボンブラヅクの効果が大きいことがわかった。カーボンブラックの添加量は,0.08%が適当である。硫酸イオンが共存するカルシウム溶液にカーボンブラックを添加すると吸光度が1.5倍に増感した。また,硫酸イオンを含まない試料にカL,ボンブラックを添加しても吸光度は1.2倍に増感した。この二つの試料で得られた吸光度は-致し,完全に硫酸イオンの干渉を除去でき,さらに増感した。また有機溶媒の効果と比較したが,有機溶媒の添加は増感は起こるが硫酸イオンの干渉は除去できなかった。
  • 武内 瀞士, 藤田 一紀, 中島 史登, 有川 喜次郎
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1502-1506
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    イオン交換クロマトグラフィーによるアミノ酸の高速分離を目的として,カラム性能がよく長期間連続して使用可能なカラムを得るためのイオン交換樹脂の充てん法について検討した. 微細な粒子のイオン交換樹脂をカラムに密に充てんするには,非水溶媒あるいは高濃度アルカリ金属塩溶液により樹脂をいったん収縮させて高圧で充てんすればよいことがわかった。カラム内径2.6mm,長さ250mmに2 mol/lのLiCl溶液と樹脂を体積比で(1;1)のスラリーとし,200 kg/cm2の圧力で2時間充てんしたとき,カラム内線速度0。06cm/secでグリシンの-理論段高さはO.018 mmと良好な値を示した。前述の方法で得たカラムを使用して,生体液中のアミノ酸の分離条件で長時間連続使用した場合の性能変化を求めた。その結果,分析回数29回延べ119時間の連続分離において,セリン,グリシンおよびアラニンの-理論段高さの変動係数は,それぞれ3.8,4.8および3,9%であった。
  • 篠田 清徳
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1507-1513
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    1,2,3,4-テトラクロロブタン(TCB)は含水メタノール中における水酸化ナトリウムによって脱塩化水素されて2, 3-ジクロPa -1,3-ブタジエン(2, 3-DCB-1, 3)および1, 2-ジクロPt -1, 3-ブタジエンに転化した。また,cis--1,2,4-トリクロP,-2-ブテンはmeso-TCBの脱塩化水素によって生成し,さらに置換反応によってcis-1,2-ジクロロー4-メトキシー2-ブテンおよびcis--,1,4-ジメトキシー2-クk1,ロー2-ブテンに転化した。dl-TCBからはtrans-1, 2, 4-トリクロロー2-ブテン, trans-1, 2-ジクロロー4-メトキp/-2隔ブテンおよびtrans-1, 4-ジメトキシー2-クロ=-2-ブテンが生成した。 meso-TCBは2,3,-DCB--1,3に収率よく転化するが, dl--TCBの場合はかなり多くの量のメト,キシ化合物を隼成した,出発物質としてのdl-TCBからの塩化水素のトラン不脱離による2,3-脱離嫡容易に起こるので,2-オレフィンはかなりの割合で生成した。dl-TCBに対して, meso-TCBでは立体障害のため1, 2-脱離が優先し,その結果,2,3DCB-1,3が好収率で得られたものと考えちれる。その他の実験結果をつぎのようにまとめることができた.(1)2, 3-DCB-1, 3の収率は水1こ対するメタノールの比に依存し,75~85vol%範囲に最高値を示した。(2)水酸化ナトリウムの濃度が増加するとmeso-体からの2, 3-DCB-1,3の収率は減少したが, dl-TCBからは増大した。(3)反応温度が高くなるとmeso-TCBからの2,3-DCB-1,3の生成の選択性は減少したが, dl-TCBでは増加した。
  • 宮島 伸吾, 伊藤 邦夫, 柏倉 勲, 北村 長次
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1514-1519
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    フェニルアセチレン類〔1〕は触媒量の塩化亜鉛の存在下で脂肪族アゾメチン〔2〕と反応し3一フェニルー2一プロピニルァミン誘導体〔3〕を生成した。P-ニトロフェニルアセチレンとN-イソブチリデン-t-ブチルアミンの場合,プロピニルアミン〔3k〕のほかに,酸処理後trans-2,2-ジメチル-4-(P-ニトロフェニル)-3-ブテナール〔6〕が得られた。 〔1〕とN-ベンジリデンアニリン類〔7〕を塩化亜鉛を触媒として反応させるとキノリン誘導体〔10〕が得られた。同様にして,フェニルアセチレンとN-ベンジリデソ-1-ナフチルアミソから2,4-ジフェニルベソゾ[h]キノリン〔12〕が得られた。本方法により種々の2,4-ジフェニルキノリソ誘導体が容易に合成できる。
  • 楠 泰夫, 岡崎 博
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1520-1523
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    塩化パラジウムを触媒とする加圧液相法による,オレフィンとアンモニアからのアルキルピリジン類の新規合成法の開発を目的とした。すなわち,塩化パラジウムの存在下エチレンとアンモニアを水相中で加圧下約200℃で反応させると,2-メチルピリジン,5-エチルー2-メチルピリジンを主生成物とするアルキルピリジン類が得られた。このさい,パラジウムは還元されて金属状に析出してくるが,レドックス試剤として塩化銅(III)を用いることにより,パラジウムはリサイクルされることを明らかにし,同時に,エチレン転化率およびアルキルピリジン選択率の向上という良好な結果を得た,反応条件を検討した結果,200℃における最適反応条件,すなわち, PdCl2/C2H4,=0.01, NH3CuCI2/C2CH4=1,NH,/CuCl2=5(モル比)のときに,エチレン転化率約65%,2-メチルピリジンおよび5-エチル2-メチルピリジンの選択率がそれぞれ,7~12%,約48%という反応結果を得た。 反応にさいして,触媒はテトラアンミン錯イオンの形で反応に関与することを明らかにし,また,反応の中間体としてアセトァルデヒドの生成を考えることが妥当であるとの考察を加えた
  • 古後 義也, 菊池 光
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1524-1531
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    置換アゾベンゼン類の可視吸収スペクトルについてvariableβ法を含むPariser-Parr-Pople法(PPP法)によるMO計算を行なった。計算に必要なアゾ基に関するパラメーター値は,第1励起エネルギーの計算値と最長波長吸収帯のλmax.とが-致するように実験計画法における直交表を利用して決定した。こうして得られた最適パラメーター値を用いた計算結果をもとに,置換アゾベンゼン類の福。xに対する置換基効果について考察した。
    さらに,λmax.に対する水素結合効果と立体効果について検討した。その結果,アゾ基β-位窒素上で形成される水素結合に基づくλmax。.のシフトの方向は置換基の電子求引性の強さに依存することが推定された。また,4-ジメチルァミノァゾベンゼン類のλmax,が2-メチル置換により長波長シフトする事実は,2-メチル基とアゾ基との間の立体障害に起因していることが示唆された
  • 曾根 孝明, 狩倉 正実, 新海 征治, 真鍋 修
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1532-1535
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    o-ニトPtアニンール[1]を硫酸-メタノール中,5%Pt-Cあるいは5%Pd-C触媒([1]の3wt%)を用いて,蜜温,常圧下で接触還元を行なった。反応生成物はo-アニシジン[2]と2,4-ジメトキシアニリン[3]および2,6-ジメトキシアニリン[4]であった。[3]および[4]は[1]から[2]への還元中間体であるo-メトキシフェニルヒドロキシルアミンのBamberger型転位反応によって生成すると考えられる。アミン類([2],[3],[4])の収率は硫酸量によって大きく変化した。Pt-C触媒の方がPd-C触媒より転位生成物([3]+[4])の収率が大であった。[1]4,09をメタノール40 ml中, Pt-C 120 mgを用いて接触還元を行なった場合,硫酸が20。09のとき[4]は最大の収率で得られ([2]56%,[3]12%,[4]27%),硫酸40.09のとき[3]の収率は最大であった([2]33%,[3]26%,[4]2%)。また硫酸が2.89のとき収率は[2]81%,[3]18%,[4]1%であったが,ジメチルスルホキシド0.05mZでPt--C触媒を被毒させると[2]55%,[3]28%,[4]9%と転位生成物の収率が増大した
  • 井上 正志, 茶野 敬三, 市川 克彦
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1536-1539
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    (1-プロペニル)ベンゼン[4]の環状二量体であるメトロノール(methronole)は1-エチル-2-メチル-3-フェニルインダンの1,2-cis-2,3-trans体および1,2-trans-2,3--trans体の混合物であることをNMR解析により確認した。二つの環状異性体の割合は,反応条件によりほとんど変化しなかったが,反応温度が高くなるほど1,2-trans-2,3-trans体の割合が増加する傾向が認められた。
  • 井本 稔, 大内 辰郎, 森田 英二郎
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1540-1548
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    親水牲高分子-銅(3)イオンー水系によるビニル単量体の重合は無触媒重合とよばれるが,不均-反応であり,ラジカル機構で進行するe高分子をEで示すと,重合速度Rpは, Eが水溶性の場合は[E]。,5に,Eが不溶性繊維の場合は(E)1,oに比例する。前者の場合には重合反応が上層の単量体相,下層の水楓およびEによって水相中につくられる疎水領域(HA)の3相で進行するが,全Rpはそれぞれの相におけるRpの和と考え, Rpcc[E]e,5の式を誘導した。後者の場合はそれぞれ1個の繊維が重合のための閉鎖系を形成するとしてRpcc[E]t,oを説明した。 HAは可溶性高分子が集まってつくる反応の場である。その形成は走査電子顕微鏡で明かに見ることができる。 銅(2)の1molは2単位モルのEと結合して重合を進行させるが,3単位モルのEと結合する場合には重合を起こさないことが紫外吸収スペクトルから結論されている。また重合の前後の銅(3)をESRで観察し,その間に銅(3)の原子価に変化のないことを確実にした。それらとHMOの計算結果から反応機構を新しく式(2)に訂正した。無触媒重合では例外なくMichaelis-Menten-Lineweaver--Burk式が成立するが,以上の結果からその関係式を導いた。 本報は無触媒重合に関する総括の,-部である。
  • 浅見 柳三, 高木 幹夫, 中島 博行
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1549-1554
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    リビングポリスチレンとメチルビニルケトンー,アクリル酸メチルー,アクリルアルデヒドースチレンの各共重合体(P(MVK-S), P(MA-S), P(AL-S))およびアクリル酸メチル単独重合体とのグラフト反応を行ない,グラフト率に対する反応条件の影響をGPC法で調べた。-般に,グラフト率は極性溶媒より無極性溶媒の方が高く,P(AL-S),xp(MA-S)P(MVK-S)の順にその影響を受けやすい。反応温度はそれほど大きく影響しないが,低温で高グラフト率となった。この種のグラフト反応にもっともいちじるしく影響したのはスチリルアニオンの対カチオンであった。K+の場合にはリビングェンドのグラフト率は高々26%で副反応が主であるのに対し,Li+では最高86%に達し, Li+を用いた他の場合もK"の場合にくらべてはるかに高いグラフト率が得られた。これらの結果は対カチオンのカルボニル酸素5の配位の強弱がカルボニル付加反応あるいは副反応の決定に大きな役割を果たしていることを示唆している。なお,GPC測定および3-メチルー2-ペンタノンを用いたモデル反応結果から,副反応はカルボアニオンによるカルボニルのα-水素引き抜き反応であることがわかった。
  • 高木 幹夫, 浅見 柳三, 川淵 啓司
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1555-1559
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    P-ホルミルスチレンースチレン共重合体(P(FS-S))とリビングポリスチレンとのグラフト反応を行ない,リビングエンドおよびホルミル基のグラフト率をGPC法および反応後回収したポリマーの数平均分子量の増加に基づいて評価した。リビングエンドのグラフト率は,ポリスチリルリチウムーペンゼン系で高い値を示し,70~80%に達した。ポリスチリルカリウムーTHF系でのリビングエンドのグラフト率は,ホルミル基に対するリビングェンドの比([LE]/[C,0])がo,207,0,866でそれぞれ75,53%であり,([LE]ノ[C=O])比が増すにつれ減少する傾向を示した。また, P(FS-S)のモデルにP-インプロピルベンズアルデヒド,ポリスチリルカリウムのモデルにα,α-ジメチルベンジルカリウムを用いたモデル反応での付加反応率はほぼ定量的であり,この系でのカルボニル付加反応は立体効果を受けやすいことがわかった。回収ポリマーのGPC測定結果は,主反応はもちろんカルボニル付加反応であるが,リビングポリスチレンの二量化反応および幹ポリマーの橋かけ反応も若干ともなっていることを示した。
  • 長瀬 裕, 小松 利幸, 角谷 嘉和, 池田 幸治, 関根 吉郎
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1560-1568
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    合成ポリアミドと天然ポリアミドの熱分解機構の相違と有毒ガス(-酸化炭素,シアン化水素)の発生との関連性を明らかにするため,ナイPtン6,ジスルフィド橋かけナイロン6,ナイロン6,6,絹および羊毛を試料として,ヘリウム気流中,真空中におけるTG, DTA測定およびGC, IR, MSを用いた熱分解生成物の分析を行なった。
    合成ポリアミドでは320~350。Cで分解が開始し, TG曲線が1段階となった。ナイロン6ではε-カプロラクタムを生じる解重合反応が主反応となり,シアン化水素は生成せず-酸化炭素もごく微量しか生成しなかった。ナイロン6にジスルフィド橋かけを施すとS-S結合の切断が分解開始点となり,同時に主鎖のN位がラジカル化されて解重合されやすくなることがわかった。また,ナイロン6,6ではアミド結合の加水分解にともない末端の脱炭酸および脱アンモニア反応が起きて主生成物は二酸化炭素,水,アンモニアであった。
    一方,絹および羊毛では分解開始温度は200~250。Cで合成ポリアミドにくらべ低く,二酸化炭素,水,アンモニアが熱分解主生成物であった。さらに容易に橋かけ反応が進行してTG曲線が3段階となり,その過程でシアン化水素,-酸化炭素が合成ポリアミドとくらべ多く発生することがわかった。
  • 笠岡 成光, 阪田 祐作, 梅野 誠, 足立 芳郎, 森下 仁志
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1569-1581
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    石炭から高性能活性炭を高収率で製造する至適条件の見直し,ならびに確立の資とするために,固定炭素分(F.C。)ノ揮発分(V.M,)の比が1。8~7.7で,粘結性の大きく異なる8種の石炭試料(平均粒径1.Omm)について,石炭の直接賦活や,炭化条件が後続の賦活にどのような効果を与えるかを,活性炭収率Y(9(生成活性炭)ノ9(原料石炭))と表面積Sg(m2/9(生成活性炭))の向上に主眼をおいて, Sp=YS,(m2(生成活性炭)/9(原料石炭))あるいはS,=Y59/α(m2(生成活性炭)/9(原料石炭中のF,C,+灰分))を評価の基準にして検討した。すなわち,空気,HCl(5%)-空気,あるいはCO,中における乾式炭化(300~400℃)および熱濃硫酸による湿式炭化(150℃)と,後続のスチー-ム,CO2, H£O-CO,混合ガス,N,による賦活(700~1000。C,主として900。C)などを組み合わせた2段処理法と石炭の直接賦活法の比較を行ない,つぎのような結果,知見を得た。
    (1) 2段処理法では炭化の方法。条件が,また直接賦活法では原料石炭の炭化度や性状が賦活時の細孔開発工程(SP対YあるいはS。対Y/α)に大きく影響し,生成活性炭のX線的な炭素質構造も賦活前の炭化物あるいは石炭の状態により,ほぼ決定される。
    (2)炭化度の低い石炭(F.C.ノV. M.あるいはF.C.+灰分75%)では, HCl-空気混合ガスによる乾式炭化,賦活の2段処理法あるいは直接賦活法が,またこれより炭化度の高い石炭では,湿式炭化,賦活の2段処理法が,Y, Sgともに大きい製造法として適しており, Y=40~70%で, Sg =soo~1000m2/9の活性炭が得られる。
    (3) スチーム(10%H,O-N,)賦活は,低温度(700~800。C),長時間よりは,高温(900。C),短時間(1時間程度)の処理が望ましい。また,賦活前に炭化物を不活性ガス(N,)中であらかじめ高温(900。C)で熱処理しておくと,部分的なハードカーボン化が起こり,Yを向上させる。
    (4)生成活性炭の液相(12(分子状),UO22÷, PO,3-)での吸着量qは原料石炭や製造法にあまり関係なく,q(mg(1,)/9(生成活性炭))=1.20 Sg,9(mg(U)ノ9(生成活性炭))=0,18 Sg, qmg(PO,3-)ノ9(生成活性炭)ニ0.012 Sgで,それぞれ表わされ,既報のポリ塩化ビニルやポリカルボナートからつくった活性炭とくらべると,PO,3-が2倍の吸着量を示す以外は,吸着能はまったく同じで,また市販の高級ヤシ殻系活性炭とも遜色はみられない。
    (5)触媒能(硫酸酸性溶液中のFe2+のFe3÷への空気酸化能)は,プラスチックからの活性炭ではほとんど認められないのに対して,石炭からの本活性炭では,市販の高級ヤシ殻系活性炭と同程度である。
  • 玉置 喜平次, 吉田 浩, 片山 力, 開道 力
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1582-1588
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    コロナ放電を用い,ガス中のNOを共存する02で酸化し,その放電化学反応におよぼす電気的要因について検討した。その結果はつぎのとおりである。
    (1)コロナ放電の種類は負コロナがもっとも適している。
    (2)単位ガス量あたりの放電電力W(Wh/Nm3)が-定であれば, NO酸化量q(PPm)は滞留時間に関係なく-定であり,電力Wの0.7~0.8乗に比例する。
    (3) 放電電力Wが-定であれば,NO酸化量は放電管半径R(mm)が細くなれば大きくなる。
    (4)放電線半径r(mm)は反応に適した最適線半径rMがある。
    ただしα,βは定数であり;α=0.7~O.8,β0(プrM),β0(rrM)である。
  • 玉置 喜平次, 川村 和郎, 吉田 浩, 片山 力, 開道 力
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1589-1596
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    コロナ放電を用い,ガス中のNOを共存する02で酸化する反応についてNO,02濃度の影響,03の発生などを検討し,NOの酸化反応機構を研究した。
    1)NO酸化量は電力が-定であればNO濃度に関係なく,-定であり,負コpeナの場合0,濃度にほぼ比例し,正コロナの場合にはO,5%以上でほぼ-定である。
    2)0,濃度20%NO濃度200 PPmにおいて負コロナによるNOの酸化反応は,電力を増すとNOは急激こ減少し,電力で40 Wh!m3前後に生成NO2の値に極大が見られ,その後減少する。これは-度生成したNO,がさらに酸化されるためと考えられる。 N,Oは電力で40 Wh/M3のところで数ppm生成するが,電力が増えると消減する.またNO£がほとんど0になったところで03の生成が見られる。
    3)以上の結果から,NOの酸化反応はおもに放電域で生成した03による酸化反応が主である。また正コロナ,負コロナの差異についても言反した。
  • 玉置 喜平次, 川村 和郎, 吉田 浩, 片山 力, 開道 力
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1597-1603
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    コロナ放電によりガス中のNOをO2-で酸化する反応に関し,ガス温度およびH,O, SO2共存の影響を明らかにし,またNH3添加によるNO減少の効果を検討した。その結果はつぎのとおりである。 (1)NO酸化量9は温度が高くなると減少し,その関係はほぼexp(2800/T)で表わされ,高温では,NH3が発生する。 (2)H2OはNO酸化量の増大およびNOxの発生抑制に効果がある。 (3)NH3を添加しない場合には, SO2はNOの酸化に影響しない。 (4)NH,を添加する場合には, SO3共存下でNO減少量は増加し, SO2濃度が高く, NH3添加量も多いほど,その効果は大きい。ただしNH3添加量は, NOとSO2に対して当量以上はあまり効果がない.
  • 鳥飼 直親, 目黒 竹司, 中村 康明
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1604-1608
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    廃タイヤを乾留して得られる残渣炭素から,活性炭を製造するための基礎的な知見を得る口的で,本研究を行なった。 この研究で用いたタイヤゴム質の組成は,NR(80)-SBR(20)にカーボンブラックHAFを50 wt%加えたものと,SBR(60)-BR(40)に3種i類のカーボンブラヅクHAF, HS-HAF, GPFをそれぞれ70wt%加えたものである。これらのタイヤゴム質は550。Cで30分間乾留し,得られた残渣炭素を微粉砕したのち,パルプ廃液をバインダーとして3.5~12メッシュの粒子に造粒し,900。CでCO,を流して賦活を行なった。反応管は縦型で,長さ400mm,内径40 mmの石英ガラス製である。 賦活後の試料については,メチレンブルーの吸着九比表面積,細孔分布などを測定して検討を行なった。その結果,本研究で試作したすべての活性炭は,原料のゴム質,添加したカーボンブラックの粒子径に対応して,その細孔分布に顕著な特徴があり,NR-SBR-HAF系では細孔半径2SO A近辺に,SBR-BR-HAFとSBR-BR-HS,HAF系では細孔半径300~320 A近辺に,またSBR-BR-GPF系では細孔半径630A近辺にそれぞれ細孔が集中して存在しているのが認められた。 なお,本研究において測定された細孔分布は,残渣炭素の粒子相互の間隙が細孔として測定されたものではないかと考えられる。
  • 桐山 哲也
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1609-1611
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    A combined anion-exchange-spectrophotometric method has been developed for the determination of zirconium and uranium in silicate rocks. A rock sample weighing about 1 g is decomposed with a mixture of perchloric and hydrofloric acids and is taken up in hydrochloric acid. If any residue remains, it is absolutely necessary to open it up by sodium carbonate fusion and to combine with the main fraction. Traces of zirconium and uranium are then co-precipitated together with aluminum and iron(a) hydroxides, and adsorbed by anion exchange on a Amberlite CG 400 column from 0.1 moll/ sulfuric acid solution. The adsorbed zirconium and uranium are eluted consecutively with 4 mold hydrochloric acid and 1 mol/l perchloric acid. Zirconium and uranium in the respective effluents are subsequently determined photometrically with arsenazo III. Results on the determination of zirconium and uranium in standard rocks of the U. S. Geological Survey and the Geological Survey of Japan are quoted.
  • 篠田 清徳
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1612-1614
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The reactions of meso-1, 2, 3, 4-tetrachlorobutane (TCB) and 3, 4-dichloro-1-butene (3, 4-DCB1) with sodium hydroxide in aqueous alcohols were performed at 30°C in order to see the effects of the nature of alcohols upon the rates of the reactions. The consumption rate of TCB was found to decrease in the order: i-PrOH s-BuOH EtOH PrOH i-BuOH BuOH C51-1110H C8H130H Me0H. A similar reactivity order was observed in the case of 3, 4-DCB-1: i-PrOH PrOH Et0H s-BuOH i-BuOH BuOH C51-1110H C61-1180H Me0H. The trends may be explained in terms of the inductive and steric effects of alkyl groups on the nucleophilicity of alkoxide anions.
  • 布本 貞明, 山下 雄也
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1615-1617
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The reaction of the benzyl Grignard reagent with alkyl chloroformates has been investigated. The reaction with methyl chloroformate afforded methyl phenylacetate 1, methyl o-toluate C 2j and, in addition, a trace of dimethyl homophthalate C 3. The formation of C 2D decreased with increasing basicity of the solvents in the order: Et20 THF THF-1-HMPA. The diminished yield of C2D was obtained also in the reaction of benzyllithium which has higher ionic character of the C-M bonds relative to the Grignard reagent. The formation of o-toluate C2 decreased in the order of the reactivity of alkyl chloroformates; C1COOCH3 C1COOC2H5, C1COO(CH2)3CH81COOCH2CH(CF18)2 C1C00(Cli2)8CH3. A plausible reaction pathway is proposed on the basis of these findings.
  • 佐藤 敏近, 多田 全宏, 露木 孝彦, 高橋 武美
    1979 年 1979 巻 11 号 p. 1618-1620
    発行日: 1979/11/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The reaction of 5-methyl-1, 3-cyclohexanedione with 1-hydroxy-2-propanone in the presence of zinc chloride to give (±)-evodone was examined in a benzene, dichloromethane, or meth- anol solution at room temperature or at reflux temperature. When the reaction was carried out in benzene at room temperature, (±)-evodone was obtained in 59% yield (the yield based on the consumed diketone: 84%).
    The reaction of ethyl acetoacetate with 1-hydroxy-2-propanone in the presence of zinc chloride was also investigated. The reaction in boiling ethanol or benzene gave ethyl 2, 4-dimethyland 2, 5-dimethyl-3-furancarboxylates, while the reaction in boiling methanol gave only the 2, 4-dimethyl isomer.
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