日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
1979 巻, 6 号
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  • 荻野 圭三, 茂村 健一
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 685-689
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    低エネルギー表面上における各種液状油性物質の空気中ならびに水中における挙動を界面化学的見地から研究した。低エネルギー表面としてポリプ導ピレンを用い,油性物質としてC614熱飽和脂肪族アルコール,C6~C11脂肪酸およびC10~C14直鎖パラフィンを用いた。実験は基質上の油滴の接触角,油の表面張力および油/水界面の界面張力を測定した。その結果,脂肪族アルコールと脂肪酸は空気中においては同じ挙動を示したが,水中では異なる挙動を示した。すなわち,油性物質の異なる極性基,つまりヒドβキシル基とカルボキシル基とでは異なる挙動を示す。
    接触角の測定と界面張力とから各種油性物質の表面張力の分散力成分と極性成分の寄与について検討した。その結果,表面張力の分散力成分は油性物質のアルキル基の炭素鎖長によって増加し,一方,極性成分は炭素数6個以上でほぼ一定にたもたれることを認めた。また,ポリプロピレン表面と油性物質との相互作用エネルギーについても計算を試みた。
  • 後藤 廉平, 有沢 実
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 690-696
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    種々の有機液体中で,銀セッケンを加熱(50~150℃)すると,銀オルガノゾルあるいは銀鏡を生成することを見いだし,これらの反応機構について考察した。銀ゾルは吸収スペクトル,電子顕微鏡および電子回折などを用いて検討した。炭素数の異なる種々の結晶性銀セッケンを合成し,これを種々の植物油中に機械的に分散して得られるサスペンシ選ンを加熱すると,透明度を増すとともに黄褐色になり,銀ゾルを生成した。このとき油のヨウ素価が高いほど,ゾルの生成温度は低くなり,かつ安定度も増した。芳香族炭化水素や精製流動パラフィンの中では,銀セッケンは130℃以下でほとんど変化を示さないが,200℃で空気を通して酸化して,-00H,-OHおよびCO原子団を含む流動パラフィン中では,130℃付近で安定なゾルが得られた。直鎖飽和アルコール中では植物油の場合と同様に銀ゾルを生成するが,これに引きつづいてガラスまたは極性固体表面に銀鏡を生成し,溶液中では凝集沈殿が起こる。ゾル状態の持続時間は銀セヅケンの炭素数とともに増大する。直鎖飽和脂肪酸中では,ゾルの生成も銀鏡反応も認められなかったが,オレイン酸のような炭素鎖の長い不飽和脂肪酸中では比較的安定なゾルが生成された。
    上記の実験事実から,(1)銀オルガノゾルは極性媒質中で逆ミセルの内部で生成され,(2)比較的長い炭素鎖をもったカルボン酸ラジカルや媒質の極性分子によって安定化されるものと考えられる。
  • 石川 達雄, 井上 勝也
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 697-702
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    含水酸化鉄(α-FeOOH,β-FeOOHおよびγ-FeOOH)へのSO2およびNO吸着量を,共存ガスとしてH2O,CO2およびO2を含む種々の組成の混合ガスについて,100℃で流通法により測定し,SO2およびNO吸着に対する共存ガスの影響を検討した。1%SO2-10%H20-5%O2-10%CO2-残りN2でのSO2吸着量は,共存ガスを含まない1%SO2-残りN2でのSO2吸着量の65~78%であった。H2OとO2はSO2吸着にほとんど影響せず,CO2のみがSO2吸着量を減少させた。NO吸着は共存ガスの影響を大きくうけた。たとえば,300PPmNO-500PPmSO2-10%H2O-10%CO21%O2残りN2でのγ-FeOOHのNO吸着量は300PPmNO-残りN2でのNO吸着量の9%に低下した,H2OとSO2を除いたとき,NO吸着量はいちじるしく増加した。CO2を除くとγ-FeOOHのNO吸着量は大きく増加するが,α-FeOOHではCO2の影響は認められなかった。
  • 塚田 清, 秋鹿 研一, 尾崎 萃
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 703-710
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    本報では,調製法の異なる4種の酸化ニヅケル上に形成されるオレフィンの水素化および異性化の活性点を,反応停止に要するCO量から求めた活性点あたりの比活性で比較し,活性点の分類とその妥当性について検討した。
    焼成法Nio触媒上の水素化,異性化活性点(SIII)をi基準にすると,両反応に対し102倍高活性な活性点(SII)と水素化に対し103倍高活性な活性点(SI)の三つに分類される。SIIは塩基性炭酸ニッケルや尿素を沈殿剤として得られる水酸化ニッケルを真空分解したときに形成される活性点であり,CO2の脱離にともない生ずる低原子価ニッケルであると考えられる。S1は尿素法調製試料を真空分解した場合に形成され,Ni0の部分還元により生ずる特定の構造をもったNiOであると考えられる。一方,アンモニア水による沈殿で調製した水酸化ニッケルを真空分解しても,SIIIに相当する活性点しか生成しない。尿素法調製触媒は特異的に高活性である。
    このように,従来水素化や異性化反応においてそれほど活性を示さなかったNio触媒も,触媒の調製法や活性化処理条件の選択によりきわめて高活性な触媒となり得ることが明らかとなった。
  • 森川 茂, 高橋 一正, 栗田 学
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 711-715
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    無声放電によるオゾン生成反応で,放電電極表面上に金属酸化物を均一に塗布することにより,単位時間に対するオゾン生成量ならびに単位電力あたりのオゾン生成量で示すオゾン生成収率が高められることがわかった。とくに効果的な酸化物はGeO2,Fe3O4などで,オゾン生成量およびオゾン生成収率が酸化物を塗布しない電極に,くらべ20~30%増加した。また,これとは反対にCuO,Nioなどは塗布することによりオゾン生成収率が20~40%減少した。これらの傾向は,放電管内圧九印加電圧,原料ガス流量および冷却水温度などの諸条件を変化させても変わらない。
    さらに,原料ガスを空気としたとき,無塗布電極ではN2O5が生成するが,GeO2,Fe3O4などの酸化物を塗布した場合,N2O5のほかにN2Oが生成した。したがって,これらの現象から,無声放電におけるオゾン生成反応は気相反応のほかに電極表面の反応も関与すること,およびナゾン生成収率は電極に塗布する酸化物の特性によって支配されることが示唆された。
  • 中村 高遠, 佐藤 太一
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 716-721
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    トリオクチルアミン(R3N)およびトリカプリルメチルアソモニウム=ク質リド(R3R/NCl)のベンゼン溶液により塩酸溶液およびチオシアン酸溶液からのバナジウム(y)の抽出を行ない,有機相を真空乾燥して生成錯体を単離した。塩酸溶液からの抽出で生成した暗緑色の錯体はR3NHVO(OH)Cl2およびR3R,NVO(OH)Cl2の組成を示すが,磁化率および分子量の測定結果から二量体であることがわかった。そして電子スペクトルおよびESRスペクトルから,これら錯体の面内σ(dx2-y2軌道と,それと同じ対称性を有する配位子群軌道から生ずる)および面外π(dxxyz軌道と,それと同じ対称性を有する配位子群動道から生ずる)結合はともにかなりの共有性をもち,立体構造はたがいに類似していることが明らかとなった。一方,チオシアン酸溶液からの抽出により生成した褐色の錯体(R3R/N)2[VO(NCS)4]H2Oはチオシアン酸イオンが窒素原子でバナジウムイオンに配位した5配位のイソチオシアナト錯体であることが知られた。
  • 大角 泰章, 鈴木 博, 加藤 明彦, 中根 正典, 三宅 義造
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 722-726
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ミッシュメタル(Mm)一ニッケル-コバルト系合金MmNi5-5Coxの水素吸蔵,放出特性について検討した。MmNi5-5CoxCoxx=1.0~4.0は室温においてすみやかに水素を吸蔵し,MmNi4.0Co4.0,H6.3,MmNi3.0Co2.0H6.3,MmNi2.5Co2.5H5.2,MmNi5-xCo2.5H5.0。およびMmNi1.0Co4.0H3.3で示される水素化物を生成した。これらの水素化物の解離圧はニッケルと置換するコバルト量xによって決まり,解離圧の値はxの増大とともに低下し,xの値を適当に選ぶことによって任意の解離圧を得ることができる。
    MmNi2.5Co2.5H2,は,水素含有量が1.2wt%,エンタルピー変化が一8.4kcal/molH2,30℃における解離圧が3.0atmであった。MmNi5-xCox(x=1.0~4.0)の水素吸蔵速度はxの増大とともに漸次低下し,室温における水素放出率は80~95%であった。MmNi2.5Co2.5の水素吸蔵一放出のくり返しによる性能劣化は30回まで認められなかった。Mm0.5Ca0.5Ni2.5Co2.5はMm0.5Ca0.5Ni2.5Co2.5Hi2.5の水素化物を生成し,その水素含有量は1.1wt%,エンタルピー変化が-8.3kcal/molH2,30℃における解離圧が3.8atmであった。MmNi2.5Co2.5およびMm0.5Ca0.5Ni2.5Co2.5はいずれも水素貯蔵材料として適した特性を有している。
  • 平尾 穂, 小林 孝, 酒井 康司, 川浦 昇
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 727-732
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    固溶体を溶融法により合成した。この固溶体を粉末X線回折法,赤外吸収スペクトルにより検討し,さらに固溶体の屈折率,比重および熱膨張を調べ,つぎの結果を得た。
    (1)固溶体の面間隔はa,bおよびc*軸方向ともフッ素四ゲルマニウム雲母の含有量が増すとともに連続的および直線的に増し,その変化はVegardの法則とよく一致した。すなわち,本系は完全固溶系をなし,KMg2.5+0.5xAlxGe4-xO10F2(ただし0×1)雲母が生成することを見いだした。(2)端成分間の面間隔変化率はaおよびb軸方向にくらべてc*軸方向がいちじるしく大きく,それぞれ0.23,0。22,0.38%であった。(3)赤外吸収スペクトルはほとんどGe-O吸収帯に帰属すると考えられるが,フッ素四ゲルマニウム雲母の含有量が減少するにともない615cm-1付近にAl-O-Geの振動と思われる吸収帯が新しく出現し次第に鮮明になる。(4)屈折率および比重もモル組成と一次関数の関係があり,フッ素四ゲルマニウム雲母の含有量が増すにしたがい,それぞれ大きくなる。(5)熱膨張率は,各軸方向ともフッ素四ゲルマニウム雲母の含有量が増すにつれて連続的に増す。また各軸方向における熱膨張率はa<b<c*軸の順に大きくなる。
  • 引地 康夫, 福尾 券一, 塩川 二朗
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 733-738
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    CeCl3水溶液,YCl3水溶液およびH3PO4水溶液(またはリン酸塩水溶液)とを混合した溶液から20℃以上で,沈殿法によってラブドフェン六方晶系Ce1-x, YxPO4nH2O (n=0. 5~1)を合成した。Ceに対するYの固溶範囲は09→0.22であった。結晶性のラブドフェンは混合溶液のpHが1~3の間のときに生成し,得られた結晶は微細な針状であった。混合溶液のpHが3よりも高いときに,非結晶の沈殿が生成した。pHが1よりも低いとき,20℃では沈殿を生成しなかった。ラブドフェンは沸石水を有し,その含有量はYの墨が多くなるほど多くなり,n=0.5から1にまで変化した。沸石水は空気中190~225℃の温度範囲で脱水した。無水のCe1-x, YxPO4は500℃以上で,六方晶系から単斜晶系へ,単変の遅鈍型転移をした。単斜晶系Ce1-x, YxPO4はモナズ石と同一構造であった。
  • 藤崎 静男, 藤本 稔, 藤井 紀希, 梅野 正行, 梶返 昭二
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 739-742
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ベンゾ[a]フルオレノン[1]に種々の臭化アリールマグネシウムやアリールリチウムを作用させて11-アリールベンゾ[a]フルオレン-11-オール誘導体[2]を合成した。[2]は酔酸中ヨウ化水素酸で還元して11-アリールベンゾ[a]フルオレン誘導体[3]とした。つぎに11-(o-メチルフェニル)ベンゾ[a]フルオレン[3a]のC5P3-CSP2単結合の回転障壁をDNMRスペクトルから検討して11R,-sc(または11S+sc)→11R,+ac(または11S,-ac)の場合δG140℃=19.4kcal/mol,11R,+→11R,-scの場合δG140℃=19.7kcal/molの値を得た。さらに単離された11-(2-メチル-1-ナフチル)ベソゾ[a]フルオレン-11-オール[2d]の妙形から5ρ形への,また11-(2-メチル-1-ナフチル)ベンゾ[a]フルオレソ[3d]の11R,-50(または11S+sc)形から11R,+ac(または11S,-ac)形への異性化速度をNMRスペクトルの経時変化から求めてC5P3-CSP2単結合の回転の活性化パラメーターを求めた([2d]ap→[2d]sp:δG50℃=24.6kcal/mol,[3d]11R,-sc(または[3d]11S,+sc)の→[3d]11R,+ac(または,[3d]11S,-ac):δG170℃=32.8kcal/mol)。
  • 五島 正信, 林 隆俊
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 743-747
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    アリルコo(またはρ)一置換フェニルニエーテル類のClaisen転位反応を種々の溶媒中で行ない,溶媒が転位速度におよぼす影響について検討した。溶媒の電子供与性や塩基性の強さと転位速度との間にはあまり相関関係が認められなかった。その結果,アニリン系溶媒中ではClaisen転位反応におよぼす溶媒の反応促進効果は,おもに溶媒の双極子モーメントの大きさと水素結合の強さとの和に比例していると推察された。
  • 宮腰 哲雄, 大道 弘昭, 斎藤 鐘次郎
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 748-753
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    トリブチルボスフィン触媒を用いて1-ブテン-3-オンとイソブチルアルデヒドを反応させると主反応生成物として2,2-ジメチル-5-オキソヘキサナ-ル[1]が得られることを見いだした。たとえばベンゼン溶媒中,1時間反応させると[1]が70%の収率で得られた。その他の生成物は4,4-ジメチル-2-シクロヘキセソ-1-オン[2],4,4-ジメチル-6-(2-メチルプロピリデン)-2-シクロヘキセン-1-オソ[3],3-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-1-シクロヘキサノン[4]であった。さらにジアルキルアセトアルデヒドと1-ブテン-3-オンの反応では2,2-ジアルキル-5-オキソヘキサナ-ル[6]が得られた。またアクリロニトリル-1-ペンテン-3-オンおよびアクリル酸メチルの場合も対応するアルデヒド[7],[8]および[9]が得られた。この反応はトリブチルポスフィンと1-ブテン-3-オンのベタィン中間体の生成を経るMichae1型付加反応と推定した。
  • 西川 順二, 石崎 卓嗣, 中山 文嗣, 河 元, 西郷 和彦, 野平 博之
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 754-757
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    光学活性碗-2-(ベンズァミド)シクロヘキサンカルボン酸を水素化アルミニウムリチウムで還元すると,光学活性cis-N-ベンジル-2-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルアミンが合成できる。この光学活性アミンを用いて,(±)-リンゴ酸,(±)-α-メトキシフェニル酢酸,(±)-α-フェニルプロピオソ酸,(±)-trans-2-フェニルシクロヘキサンカルボン酸,(±)-trans-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸(±)-α-ウレイド-α-(2-チエニル)酢酸などのカルボン酸が光学分割できることがわかった。
  • 田中 寿-, 安達 和郎
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 758-764
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    芳香族セスキテルペン化合物のエルビロ-ルを合成し,ナフタレン系化合物への変換を行なった。
    ρ-メチルアニソ-ルから合成した4-(2-メトキシ-5-メチルベンゾィル)酪酸[1]はGrignard反応を経て,5-(2-メトキシ-5-メチルフェニル)ヘキサン酸メチルエステル[3b]に導いた。[3b]のGrignard反応生成物をギ酸で脱水して,2-メチル-6-2-メトキシ-5-メチルフェニル-2-ヘプテン[5b]とした。[5b]の三臭化ホウ素による脱メチル化で,フェノ-ル性セスキテルペンのエルビロ-ル2-(1,5-ジメチル-4-ヘキセニル)-4-メチルフェノ-ル[5a]を合成した。[5b]と酸触媒との反応についで検討し,臭化水素酸との反応で生じた4,5-ジメチル-8-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-1-ナフト-ル[9a]はPd-Cと加熱すると,脱水素異性化して,3,4-ジヒドロ-4,5-ジメチル-8-イソプロピル-1(2H)-ナフタレノン[10b]となることを見いだした。[10b]は還元後,硫黄とともに加熱すると1,8-ジメチル-4-イソプロピルナフタレン[8b]を生成した。[8b]はρ-シメンから[10b]を経て別途合成し,確認した。また,1,5-ジメチル+イソプロピルナフタレン[8a]および1,5,8-トリメチル-4-イソプロピルナフタレン[8c]を合成した。
  • 村上 仁啓, 勝田 憲雄, 高野 浄, 山本 芳也, 掛川 武久, 西郷 和彦, 野平 博之
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 765-767
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    優先晶出によって得られる(+)-および(-)-trans-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸[1]を脱水して(-)-および(+)-trans-1,2-シクロヘキサソジカルボン酸無水物[2]を合成した。[2]が種々のDL-アミノ酸と結晶性のすぐれたアミドを生成することを利用して,中性アミノ酸であるDL-アラニン[3a],DL-a-アミノ酪酸[3b],DL-バリン[3c],DL-フェニルグリシン[3d],DL-メチオニン[3e]を光学分割した。
  • 横井 秀輔, 柏木 寛, 榎本 三郎, 高橋 浩
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 768-773
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ケイ酸塩のトリメチルシリル化法によって,市販のホージャサイト型ゼオライト(Si/AI比1.20~2.65)のアルミノケイ酸骨格を構成するケイ酸イオンの形態とその分布を調べた。その結果,Si/AI比→1.90のゼオライトでは主としてSio44-と平均重合度9.3~17.0のポリケイ酸イオンから構成され,またSi/AI比1.90では主として酸不溶性の三次元網状構造の重合ケイ酸から構成されている。またホージャサイト型ゼオライトの結晶モデルを想定したコソピューターシミュレーションとの比較からSiとAIの配列の秩序性について検討し,Si/AI比<1.90ではT1=0.95Si,si/Al比1.90ではT1=0.85~0.95Siであり,Si/AI比の上昇とともにT1サイトへのAlイオンの混入率が高くなる傾向が認められる。
  • 村田 勝英, 秋本 実
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 774-781
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    異種ポリマー(ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレソ)を混合した試料について,熱重量分析ならびに流通式反応器による熱分解実験を行ない,混合ポリマーの分解速度,分解生成物について以下のような結果を得た。比較的低い温度領域では,分解温度の高い方のポリマーがより低い温度から分解を開始するポリマーの影響を受け,単味の場合より低い温度から分解留出を開始する。逆に高い湿度領域では,低い温度から分解を閉始するポリマーの分解留出が抑欄される。分解留出型の流通式反応器により混合ポリマーを熱分解した場合の分解速度は,各単味ポリマーの同温度での分解速度の調和平均で表わされることを導き,さらに爽測値と計算値とが比較的よく一致することを示した。混合ポリマーの分解生成物は,炭繁数分布で見るかぎり,各単味ポリマーの分解生成物の和として袈わされ,混合により異なった分解機構による分解物が生成するという可能性は少ないと考えられる。
  • 鳥飼 直親, 目黒 竹司, 川口 洋介
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 782-787
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    廃タイヤを乾留して得られる残渣炭素から,付加価値の高い活性炭を開発する目的で本研究を行なった。実験は,タイヤを500℃で乾留して得た残渣炭素にパルプ廃液を加えて造粒し,3,5~16メッシュの粒度の試料50gを内径40mmの縦型石英反応管に入れ,1.5l/minでCO2を流して賦活を行ない活性炭を試作した。反応は見かけ上炭素についての0次反応で,見かけの活性化エネルギーは23kcal/molであった。賦活で得られた活性炭については,メチレンブルー,ベンゼンの吸着,比表面積細孔分布,圧縮破壊強度などの測定を行ない評緬を行なった。
     本研究で得られた活性炭は,細孔半径250Å近辺に細孔が集中して存在しているのが顕著な特徴であり,100Å以下の細孔の発達はごくわずかしか認められなかった。以上の結果をもとにして,造粒の問題点,細孔分布,賦活反応の機構,活性炭としての評価などについて,検討と考察を行なった。
  • 坂口 孝司, 中島 輝, 堀越 孝雄
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 788-792
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    セルロースキサントゲン酸チタンおよびデンプンキサントゲン酸チタンによる海水ウランの吸着にっいて検討した。その結果,(1)ウランの吸着量は1時間内のきわめて短時間に急激に増加し,それ以後の増加はゆるやかであること,(2)使用する吸着担体の量が増加するにつれてウランの吸着率はゆるやかに上昇すること,(3)海水のpHが4~8の範囲では,ウランの吸着はpHの影響をそれほど受けないことなどが認められた。天然海水51に吸着担体1gを3日間接触させ,天然海水からのウラン吸着率について調べたところ,セルロースキサントゲン酸チタンについては76.6%,デンプンキサントゲン酸チタンについては77.9%の高い吸着率を示した。以上のように,上記の多糖キサントゲン酸チタン塩は海水ウランに対してすぐれた濃縮捕集能を示すことが明らかになった。また,これらの吸着担体は海水からの分離が容易で炉過性にすぐれ,かつ,種々の形への成型が容易であるなどの利点をもっており,海水ウラン吸着剤として開発利用できる可能性が示唆された。
  • 小山 栄二, 中井 泉, 長島 弘三
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 793-795
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Single crystals of MSb2O4 (M=Mn, Fe, Co, Ni and Zn) were hydrothermally synthesized. They have been found to be isomorphous, and precession photographs revealed that they belong to the space group of P 42/mbc or P42. X-ray powder diffraction pattern of FeSb2O4 is similar to that of natural schafarzikite. Density and chemical analysis data of the synthetic FeSb2O4 are different from those of natural schafarzikite reported by L. Tokody, whereas they are in accordance with the theoretical values based on the crystal structure analysis of natural schafarzikite. The DTA and TG of above compounds show exothermic peak and weight increase due to the change from MSb2O4 to MSb2O6 at a temperature range from 490 to 630°C.
  • 円満字 公衛, 高橋 健造, 北川 達夫, 草川 英昭
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 796-798
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Fading phenomena of a solution of bikel- (dimethylamino)dithiobenzinnickel (0) complex in 1, 2-dichloroethane were investigated in the presence of tetrahydrofuran as a radical generator. The decoloration proceeded as the first order reaction with respect to the concentration of the nickel complex and a half order with respect to the concentration of tetrahydrofuran. Effects of some antioxidants on the fading rates were also examined.
  • 御園生 発久, 福田 利弘, 長尾 幸徳
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 799-800
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    2, 3-Dihydro-1 14-benz ddisoquinoline [3] (58%) and 2, 3, 3 a, 4, 5, 6-hexahydro-1 H-benz-[de]isoquinoline [4] (69%) were formed and isolated as the corresponding hydrochlorides when 1, 8-naphthalenedicarboximide [1] was hydrogenated over the rhenium-black catalyst under hydrogen (125kg/cm2) at 200°C for 30 hr and at 225°C for 40 hr, respectively.
  • 安岡 高志, 高野 二郎, 光沢 舜明
    1979 年 1979 巻 6 号 p. 801-803
    発行日: 1979/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Previously reported data on the efficiency of removal of nitrogen monoxide and formaldehyde by magnesium peroxide (MgO2/nH2O, n=0.5) suggested that the hydrated water contained in peroxides plays a role for the removal reaction. In this study, basic research was made about the effects of hydrated water on removal efficiency, being apart from the engineering object to remove pollutants from an air. Commercially available hydrated strontium peroxide (SrO2.8H2O) was used as an absorbent, and its efficiency to remove nitrogen monoxide and formaldehyde was measured at various relative humidities; the following results were obtained: Peroxides of alkaline earth metals react with water vapor in the sample gas, to release atomic oxygen, but when hydrated water is present in the peroxide it serves as a substitute for the water in the sample gas. Therefore, when a hydrated peroxide is used for oxidative removal of pollutants, the sample gas is not in need of water vapor.
  • 1979 年 1979 巻 6 号 p. 804a
    発行日: 1979年
    公開日: 2011/05/30
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  • 1979 年 1979 巻 6 号 p. 804b
    発行日: 1979年
    公開日: 2011/05/30
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