簡易被覆線型コパルト(II)およびクロム(III)イオン選択性電極の試作とその分析の応用について記述する。クロロコパルト(II)錯体(CoCl
42-)または(CoCl
3-),チオシアナトコバルト(II)錯体(Co(SCN)
42-)およびチナシアナトクロム(III)錯体Cr(SCN
4-)の1,2-ジクロロエタンに溶解したAliquat 336 Sによるイオン対抽出物と,THFに溶かしたPVCとの適切な混合によって得られた電極活性物質の白金電極への被膜によって簡易被覆線型電極を得た。これらの電極はNernst応答を示す{30.1mV/pCo(クロロコバルト錯体),29.5my/pCo(チオシアナトコバルト錯体),58mV/pCr(チオシアナトクロム錯体)}。得られたそれぞれの検量線は10
-5-10
-3mol/l,10
-5.5-10
-2mol/l,10
-5.5-10
-2mol/l金属イオソ濃度領域で直線性を示す。クロム電極の場合,edta,ntaを含むと,下限の濃度が含まないときより広がる。チオシアナトコバルト錯体を用いる電極の場合に,ポリアミンポリ(N-酢酸)配位子nta,edta,cydta,dtpa,ttha,edta(OH)
2,dpta(OH)用いて微量コバルトの電位差滴定が可能であり,これら滴定曲線から錯体の組成が決定された。とくにedta(OH)
2を用いると非常に有効である。また曲線の解析にGranプロット法が併用された。混合溶液法を用いて妨害イオンの影響について検討され,選択係数についても記述されている。
抄録全体を表示