日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
1981 巻, 4 号
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  • 日野原 忠男, 本多 満男, 天野 一雄, 長 成吉, 松井 弘次
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 477-480
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    クマリンの最低励起一重項状態はππ*であるが,これに近接してππ*準位があり,したがってこの両者の相対位置関係は,クマリン誘導体の光化学的過程を理解する上で重要な因子となる。電子状態の計算からクマリンの7-位に電子供与基を導入すると,置換基の電子供与性の増犬とともにππ*とππ*準位のエネルギー差(ΔE)は大になることがわかった。ΔEの増大にともない,蛍光性は最初増大するが,やがて最大値を経て減少することが見られた。これからΔEの十分大きいところでは別の因子が重要になることがわかる。この蛍光性の変化は基底状態と励起状態の双極子モーメントの差(Δμ)あるいは吸収および蛍光スペクトルの溶媒シフトと同じ傾向にあることが見られ,励起状態に対する電荷移動配置の寄与(つまり励起状態の極性)が,発蛍光性と密接な関係にあることがわかった。
  • 勝沢 英夫, 松島 雄三, 横田 忠昌, 小林 純一
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 481-485
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    吸着剤粒子への気体の吸着過程における粒内拡散抵抗の影響を検討するため,表面拡散と体積拡散の効果に注目し,(I)体積拡散のみ,(II)表面拡散のみ,(III)両者が相互に関連して拡散する場合の3種のケースを設定して拡散吸着過程のシミュレーションを行なった。一方,micro孔を主とするアルミナ粒子上へ50℃,1.33×10-6~3.12×10-6mol/cm3のベンゼンを流して出口気体の濃度変化を測定し吸着曲線を得た。実験値と計算値を比較した結果から吸着速度定数,表面拡散係数を決定した。また,ケースIIとケースIIIの理論計算値はほぼ等しい値となり,実験値と一致することから,表面拡散の支配的な場合は体積拡散の効果がほとんど無視できることを明らかにした。これは,表面拡散により吸着濃度が高くなり,体積拡散により細孔内へ侵入した気体と容易に吸着平衡に達するため細孔内において気相からの吸着がなくなるからである。
  • 高橋 信行, 香月 収
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 486-493
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    水処理の観点に立ってオゾンの水溶液中での特性を把握するため,溶解度,自己分解反応および物質移動におよ峰す温度およびpHの影響を温度286.5~298.OK,PH3.1~9.0の問で検討した。
    送入オゾン濃度と平衡オゾン濃度の問には比例関係が成立し,その比例定数(見かけの分配係数)は温度およびpHが高くなるにつれて減少した。自己分解反応を1.0次から2.0次の間で検討したところ,1.0次反応と仮定した場合にもっとも良好に実験データを説明することができ,その分解速度定数は温度およびpHが高くなるにつれで増大し,中性からアル力リ性にかけてその傾向はとくに顕著であった。総括物質移動係数は温度およびpHのほかに送気量によっても影響を受け,気泡相互の干渉により送気量が増加するほど減少し,拡散係数の増加により温度が高くなるほど増加し,またpHが低くなるにつれ増加した。真の分配係数およびHenry定数はオゾンの自己分解を考慮に入れ見かけの分配係数から計算することができ,これらの値は従来示されてきた値と良好な一致を示すことがわかった。
  • 野沢 勲
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 494-498
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    含浸法シリカ担持ニッケル-白金(またはパラジウム)複合酸化物の還元特性を熱分析法によって検討した。酸化白金の還元ピークは70℃に現われ,酸化白金と酸化ニッケルとの機械的混合物の還元ピークは70と240℃に現われた。しかし,両者の複合酸化物の還元曲線は単一のピークを示し,酸化ニッケルのそれより低温側にシフトした。以上の結果はニッケル-白金複合酸化物の生成または白金から酸化ニッケルへの水素スピルオーバに起因することを示唆している。アセトンの水素化を試験反応として触媒活性を調べた。ニッケル触媒の活性は400℃より高温の運元によって急激に低下するが,微量の白金添加触媒には耐熱性が認められた。酸化白金4%以上含有触媒を400℃より低温で還元すると,触媒は水素化能を示さない。しかし,より高温で還元すると触媒活性は徐々に向上した.ガス化学吸着データ(H2またはCO)もまた触媒活性と同様な特異性を示した。との特異性はニッケル-白金(またはパラジウム)の金属間化合物の生成と分解に関連すると考察された。
  • 野沢 勲
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 499-503
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    含浸法アルミナ担持ニッケル-ルテニウム複合酸化物触媒の還元特性を熱分析法によって検討した。酸化ルテニウムの還元ピークは150℃に現われた。ルテニウム少量添加ニッケル-ルテニウム複合酸化物の還元ピークは酸化ニッケル単味のそれより低温域で単一ピークを示した。アセトンの水素化を試験反応として触媒活性を調べた。触媒活性は,大局的に担持量やルテニウム添加量にかかわりなく400℃以下の還元域では温度上昇とともに向上した。しかし,400℃より高温域で還元した触媒の活性は急激に低下した。水素化学吸着量は触媒活性に対応して変化した。触媒への水素化学吸着および触媒表面かち深さ方向への電流値の測定結果とを総合すると,露出金属表面積は金属の半融だけでなく担体内への拡散によっても減少すると結論された。
  • 〓 羽伸, 田中 慶一, 青村 和夫
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 504-508
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    活性点の原子価状態や配位構造は触媒活性と密接な関連性をもつ。Bi2O3-Al2O3上に吸着したMo(CO)6のこれらの状態を熱分解反応特性から推定し,触媒活性との対応を明らかにすることを試みた。Bi2O3-Al2O3上に吸着したMo(CO)6の熱分解反応はAl2O3,の場合と同様な二つのプロセスからなる。すなわち150℃までに起こる原子価の変化をともなわない単純な分解反応(Mo(CO)6→Mo(CO)3+3CO)と高温で起こるAl2O3上に残っているOH基によるモリブデンの酸化をともなう分解反応である。Bi2O3-Al2O3上でモリブデンと反応するOH基はAl2O3上のOHであり,これが還元され水素を生成することが認められた(Mo(CO)3+n(σ-OH)→Mon+(σ-O)n+n/2H2+3CO).低温側の熱分解反応は可逆的なCOの吸着脱離過程であるのに対して,320℃以上で排気処理した試料ではCOの吸着はまったく認められなかった。Bi2O3は炭化水素を酸化脱水素する能力をもつことが知られているが,Bi2O3-Al2O3上に吸着させたモリブデンカルボニルの分解の仕方からBi2O3上にはモリブデンを酸化する酸素あるいはOHはないと思われる。
    Bi2O3-Al2O3上に吸着させたMo(CO)6を種々の温度で分解させ,その上でプロピレンのメタセシス反応を行なった。熱分解温度によって活性はいちじるしく変化するが,そのようすはAl2O3の場合について報告されている結果とほとんど同じである。Mo(CO)3がメタセシスに有効な活性点となっていると推定した。
  • 篠崎 和夫, 植松 敬三, 水谷 惟恭, 加藤 誠軌
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 509-515
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    種々の組成の酸化アルレミニウム(アルミナ)-酸化クロム(III)(クロミア)系固溶体を,低酸素分圧下および空気中で,1400~1700℃の温度に種々の時間焼成した試料について,相対密度および曲げ強度の測定を行なった。実験はクロミアの蒸気圧を抑制した条件,すなわち低酸素分圧(P02=10-11atm)下および蒸気圧の大きな条件(空気中)下で行なった。その結果,いずれの雰囲気下でもクロミアを少量固溶(5mo1%)した試料は純粋なアルミナにくらべて焼結性がいちじるしく低下する現象が認められた。一方,クロミアを大量に固溶(10~50mol%)した試料は雰囲気によって異なる挙動を示し,低酸素分圧下ではクロミア濃度に依存して焼結性が向上した。空気中で1500および1600℃の処理でほクロミア濃度が増すと焼結が阻害されたが,1700℃では焼結速度は全体的に速くなった。焼結体め曲げ強度と気孔率との間にはDuckworthの関係が成立し,空気中の焼結体では気孔率と曲げ強度の問に組成依存性が見られ,気孔率に外挿したときの強度を比較するとクロミア20mol%の試料が最大強度を示した。
  • 宮内 昌宏, 篠崎 和夫, 植松 敬三, 水谷 惟恭, 加藤 誠軌
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 516-520
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Sm2O3およびYb2O3の濃度を10~50mo1%の広範囲に変えた組織のSm2O3-ZrO2およびYb2O3-ZrO2系固溶体の02-イオン導電性について検討した。
    Sm2O3-ZrO2固溶体ではSm2O3の添加量が増加すると導電率は低下し,その見かけの活性化エネルギーは増加する。しかし固溶体の構造がホタル石相からパイロクロア相に変わると,導電率の増大が始まり,Sm2O3が25~30mol%で極大値をとったのち,ふたたび減少する。一方,活性化エネルギーも同様にSm2O3が30mol%付近で極小値をとり,その後ふたたび増大する。Yb2O3-ZrO2固溶体はホタル石相をとるがパイロクロア相をとらない系で,この系ではYb2O3が増加すると導電率は単調に低下し活性化エネルギーもYb2O3が20mol%付近まで増大後,Yb2O3が増しても低下しない。さらにSm2O3-ZrO2固溶体で,導電率が極大値を示した組成(Sm2O3 25mol%)について,O2-イオンの輸率の温度と酸素分圧依存性を調べた。
  • 池田 早苗, 佐竹 弘, 下村 滋
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 521-525
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    スルファニルアミド誘導体を臭化物イオン共存下において,ヨウ素酸イオンによって迅速かつ簡単に分析できる電流滴定法を開発した。
    回転白金電極(+0.6Vvs.SCE)を指示電極SCEを対極とし,ヨウ素酸力リウム標準液を滴加する電流滴定法によって,6種類のスルファニルアミド誘導体を定量する方法を確立した。この場合臭化力リウムと塩酸または硫酸からなる基礎i液が適当であった。スルファニルアミド(2×10-5~10-3mol/),スルフイソミジン(2×10-5~2×10-3mo1/l),スルファメトキシピリダジン(l4×10-5~2×10-3mo1/)およびスルファメトキサゾール(2×10-5~10-3mol/l)が0.3%以内の相l対誤差と変動係数で定量できた。またスルファジアジン(2×10-4~10-3mol/l)とフタリルスルブァチアゾール(2×10-5~2×10-4mol/l)が-2%以内の相対誤差と0.2%以内の変動係数で定量できた。錠剤希釈剤などの共存物質は本法による定量に影響しないことも明らかにした。
    本法は滴定試薬としてJIS標準試薬のヨウ素酸カリウムを用いるために標準液の調製が容易で,スルファニルアミド誘導体を簡単に直接滴定できるという特徴がある。また臭化物イオン存在下でヨウ素酸力リウムによって臭素化できることは他の有機化合物の定量に広く応用できるものと考えられる。
  • 黒木 正胤, 綱島 豊, 中沢 利勝
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 526-529
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    p-トルエンスルホンアミドを240~260℃ に48時間加熱し,分解生成物として,ジ-p-トリルジスルィド,S-(p-トリル)=p-トルエンチオスルホナート,ジナトリルスルフィド,p-スルファモイルフ安息香酸,p-トルエンスルホン酸アンモニウム,硫酸アンモニウム,ほか数種の微量成分が得られた。p-トルエンスルホンアミドは熱的にはかなり安定であって,この条件下で分解率は28%を越えない。ベンゼンスルホンアミドはさらに安定で,同一条件下で熱分解はほとんど起こらない。
  • 島崎 長一郎, 丹羽 政敏, 長谷川 寛, 尾近 雅敏
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 530-535
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    トリス(2-ヒドロキシエチル)=イソシアヌラート(THEIC)とフェノールとの反応によってトリアジン環を含むトリス(2-フェノキシエチル)=イソシアヌラート(TPEIC)を合成し,熱安定性および結晶多形について検討した。TPEICの熱分解は熱分析の手段により検討し,熱的にかなり安定な物質であり,融点まで加熱したのち,冷却条件により,結晶二形を示すことがわかった。この結晶二形(A,B形)の熱的挙動はほとんど差がなかった。TPEICは再結晶溶媒により析出結晶が異なり,結晶二形の単離ができ,これら二形の相互転換について検討した。この結晶二形の固体状態における赤外吸収スペクトル,X線回折図およびDTA曲線はいちじるしく異なる。電子衝撃による分解ではTPEICの分子イオンピークは明瞭に検出され,その他フラグメントイオンのピークからTPEICの開裂様式を検討した。その結果開裂は三つの側鎖瀬序よく嫡きれたのち,トリアジ環の開裂が生じることがわかった。
  • 笠井 俊保, 中森 建夫, 古垣 幸一
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 536-543
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ナフトキノンのベンゼン環の5,8-位にアミノ基を有し,さらに2,3-位に種々の置換基(CI, Br, CH3,0CH3,NH2)をもつナフトキノン誘導体[7a~e]を合成した。そのうちジクロロ体については,5-アセチルアミノ-2,3-ジクロロ-1,4-ナフトキノン[4a]をニトロ化し,5-アセチルアミノ-2,3-ジクロロ-8-ニトロ-1,4-ナフトキノン[5a]を得,ついで加水分解して5-アミノ-2,3-ジクロロ-8-ニトロ-1,4-ナフトキノン[6a]としたのち,還元し5,8-ジアミノ-2,3-ジクロロ-1,4-ナフトキノン[7a]を得た。ジブロモ体[7b],ジメチル体[7c]についてもジクロロ体と同様の方法を用いて合成した。
    [5a],[6a],[7a]と求核試薬たとえばアンモニアとの反応を検討した結果,[5a]がもっとも反応性が高いことを知ったので,ジメトキシ体[7d]については[5a]をメトキシル化し,ついで加水分解,還元の工程を経て合成し,またジアミノ体[7e]については[5a]をGabriel反応を用いてアミノ化したのち,加水分解して合成した。これら紫外,可視吸収スペクトルの結果は,[7d]がもっとも長波長側に吸収をもち,[7d]がモル吸光係数がもっとも大きいことがわかった。また,2,3-位の置換基は電子求引性基ほど深色効果が大きいことがわかった。
  • 三田 勝久, 山岸 敬道, 飛田 満彦
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 544-549
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    [RhCl (PPh3)2]2,存在下アントラキノンとブチルアミンとの反応により,1-(ブチルアミノ)アントラキノン[1a]と少量の1,4-ビス(プチルアミノ)アントラキノン[2a]が生成するという新規反応において,塩基性溶媒の効果を検討した。溶媒としてβ-およびγ-ピコリン,3,4-および3,5-ルチジンを用いた場合,[1a]の収率はジグリム溶媒の場合にくらべて大きく向上した。反応温度,反応時間および反応雰囲気の影響や[RhCl (PPh3)2]2玉,ブチルアミンおよびアントラキノン濃度依存性を検討した結果,β-ピコリン中では空気下において,[RhCl (PPh3)2]2(40mmol/l),アントラキノン(25 mmol/l)およびブチルアミン(2.6mol/l)の濃度で,110℃10時間の反応により,[1a]の収率は約50%に向上し,[1a]の選択率もジグリム溶媒の場合にくらべて改善され,98%に達した。また,反応系から得られた反応不活性なロジウム(III)錯体から反応活性なロジウム(I)錯体を再生させることについても検討した。アントラキノン-d8を用いた場合,D-H交換反応が付随して効率よく起きていることから,このアミノ化の反応機構としてロジウム(I)錯体がまずアントラキノンのα位C-H結合へ酸化的付加する機構を推定した。
  • 山下 祐彦, 物延 一男
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 550-555
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ポリ(テレフタル酸エチレン)溶融急冷物の熱処理による構造変化を主として赤外吸収スペクトルから得られる構造的特徴から検討した。熱処理物に対して得られた構造的特徴は,著者らがすでに主張していた溶融急冷物の構造から熱処理温度に応じて固体一固体転移によって生じた一相的構造として矛盾なく説明できた。すなわち,分子鎖は折りたたまれているが結晶化中途の段階に凍結されている準安定な溶融急冷物の構造が200℃以下の低温では鎖の局所形態変化によって秩序化し,200℃以上の高温では局所形態変化とともに鎖の折りたたみ周期を変えるような大きな運動をともなって秩序化しより完全な結晶になる。このような解釈に対し,溶融急冷物の構造をランダムコイル凝集体のようなものと考え,それから熱処理物の構造が生じたとした場合,実験的に得られた構造の特徴をまったく説明できなかった。
  • 卯西 昭信, 林 清美, 本田 格, 加倉井 敏夫
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 556-559
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    主鎖中にジフェニルメラミンまたはジベンジルメラミン構造とベンゾフェノン73,4;3',4'-ビス(ジカルボキシミド)構造を含む薪しいポリイミドを合成した。ベンゾブェノン-3,4:3',4'-テトラカルポ酸二無水物と2-ジフェニルアミノまたは2-ジベンジルアミノ-46-ビス(p-またはm-アミノアンニリノ)-1,35-トリアジンをN,N-ジメチルアセトアミド(DMA)中で反応させ,ポリ(アミド酸)を合成しさらにこれを加熱してポリイミドを得た。ポリイミドの固有粘度(30℃)は0.23~0.99dl/gであった。ジフェニルアミノメラミン構造を有するポリィミドは430℃,ジベンジルアミノメラミン構造を有するポリィミドは360℃で分解した。これは炭素-窒素の結合エネルギーの大きさにより説明できた。ジベンジルアミノ基とm-フェニレン構造を有するポリイミドは,DMA,N,N-ジメチルホルムアミド(DMF),ジメチルスルポキシド(DMSO),N-メチルピロリドン(NMP),ピリジン,ジオキサン,m-クレゾール,テトラヒドロフラン,エピクロロヒドリン,ギ酸および硫酸に溶解した。
  • 卯西 昭信, 上野 昌宣, 本田 格, 加倉井 敏夫
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 560-564
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    主鎖中に置換メラミン構造を有する新しいポリ(ピロメリトィミド)を合成した。ピロメリト酸二無水物と2-置換アミノ(R)-4,6-ビス(p-またはm-アミノアニリノ)-1,3,5-トリアジン(R=ジシクロヘキシルアミノ,9-カルバゾリル,ジフェニルアミンおよびジベンジルアミノ)とをN,N-ジメチルアセトアミド中で反応させた。反応嫉通常のポリイミドの合成と同じように2段階で行なった。合成したポリイミドの.N,N-ジメチルアセトアミド中の固有粘度は0.21~0.62dl/gであった。熱的性質はTGAで測定し,400~580℃で分解を始めた。Rがジシクロヘキシルアミノおよびジベンジルアミノ基の場合はRの脱離から分解が始まったが,他のポリイミドは主鎖も同時に分解した。Rがジフェニルアミノ,ジドンジルアミノの場合は硫酸,ギ酸,非プロトン性極性溶媒,ピリジン,ジオキサンおよびエピクロロヒドリンに溶解した。溶解性はRがジシクロヘキシルアミノ<9-カルバゾリル<ジフェニルアミノ,ジベンジルアミノの順によくなる。また比重もこの順に小さくなる。
  • 卯西 昭信, 橋本 弘之, 本田 格, 加倉井 敏夫
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 565-568
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    2-(二置換アミノ)-4,6-ビス(p-またはm-アミノアニリノ)-1,3,5-トリアジン(二置換アミノ基の置換基R=H,CH3,C2H5,CH2CH2OH,CH2CH2OC2H5,CH2CH2CN)とピロメリト酸二無水物とを反応させて固有粘度0.18~0.73dl/gのポリイミドを合成した。RがH,CH3,C2H5とアルキル基の炭素数が大きくなるとポリイミドの溶解性がよくなった。しかし,-NH2,-N(CH2CH2OH)2と水素結合する水素原子を側鎖に有しているとポリイミドは酸にしか溶解しない。非共有電子対を有する酸素原子または窒素原子を有するCH2CH2OC2H5,CH2CH2CNが側鎖に存在するとポリイミドの溶解性は改善され,酸,非プロトン性極性溶媒およびピリジンに溶解する。ポリイミドの熱分解は側鎖の脱アルキル反応により開始するが脱アルコール,脱シアン化水素反応の可能な場合は脱アルキル反応にさき立って起こり,熱安定性が悪くなる。
  • 山本 統平, 山本 忠弘, Ly PHAT, 広田 正義
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 569-573
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    種々の芳香族溶媒中,α,α'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)およびα,α'-アゾピスシクロヘキサンカルボニトリル(ACN)を用いて,アクリル酸エチルの熱および光増感重合を30℃で行なった。重合速度(kp)は溶媒の種類により。いちじるしく変化し,トルエン<ベンゼン<クロロベンゼン<プロモベンゼン<o-ジクロロベンゼンの順に増大した。重合開始速度(ki)は2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジル(DPPH)による禁止時間から求めたが溶媒の種類によりあまり変化しなかった。kpとkiから算出した2kt/kp2の値と回転セクター法により求めたラジカル平均寿命(τ)から2kt(停止速度定数)とkp(生長速度定数)を求めた。kpは溶媒の種類によりいちじるしく変化し,ほぼkp〓の関係が見られ,生長ポリマーラジ力ルと芳香族溶媒との相互作用による生長ラジガルの反kp応性の変化が推論された。一方,2ktは溶媒の種類によってあまり大きな変化は認められなかった。
  • 菊池 康男, 坂井 敬治
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 574-577
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    高分子電解質の水素イオン濃度による分子鎖の形態変化,滴下順序および分子鎖の屈曲性の相違に着目して,屈曲性の小さい高分子電解質である,[2-(ジェチルアミノ)エチル]デキストラン塩酸塩(EA)と,屈曲性の大きいポリ(スチレンスルホン酸)ナトリウム塩からの水に難溶性の高分子電解質複合体(PEC)について検討した。
    これらの高分子電解質は,溶液の水素イオン濃度により,その解離度およびおのおの分子鎖の形態の変化することが予想されるが,水素イオン濃度,滴下順序などにより,生成PECの凝集曲線の相違について,さらに生成したPECの分子構造,そしてその物理的性質の相違点について比較検討した。高い水素イオン濃度のもとで生成したPECは,低い水素イオン濃度のもとで生成したそれとくらべて,IRスペクトル,溶解性,硫黄含有率がいちじるしく異なっていた。このことは,二つの高分子電解質が溶液の水素イオン濃度に応じて,解離度,分子鎖の形態の変化することと,高い水素イオン濃度での生成PECに存在するSO3H基がOH基と新たに結合を生じるためであることが明らかとなり,また滴下順序による凝集曲線の違いは,構造,性質の異なったPECを生成することがわかった。さらに屈曲性の小さく,分子量のほぼ同じであるデキストラン硫酸ナトリウムからのPECと比較して,屈曲性,分子鎖の形態の変化の違いが,生成PECの物性,分子鎖の形態に影響することが明らかとなった。
  • 功刀 利夫, 岩崎 宏美, 橋本 穂
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 578-582
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ナイロン6繊維のα,β,γ 分散の挙動におよぼす冷延伸,熱処理の影響を調べた。各種倍率の冷延伸と乾熱処理とを組み合わせ調製した履歴の異なる15種類の試料の間に生ずる微細構造の差異は複雑に各分散の形状,温度位置および見かけの活性化エネルギーに影響をおよぼす。これらの差異を,本報と同一方法で調製したナイロン6繊維についてこれまで報告してきた微細構造と物理的,力学的性質に関する知見を用いて検討した。その結果,つぎのような事実が確認された。
    (1)α 分散のピーク温度がもつとも処理履歴の相違に敏感で,β,γ 分散になるにしたがいその影響が小さくなる。同様な傾向が分散の見かけの活性化エネルギー値の比較にもみられ,分散に関与する運動単位が大きいほど強い影響を示すことがわかつた。(2)β 分散のピーク強度は冷延伸によつて増大し,熱処理によつて減少するが,これを水素結合の切断と生成に基づく自由なアミド基の増減の結果とみなすことができる。(3)γ 分散のピーク強度がもつとも強く配向に依存する。
  • 吉田 弘, 伊藤 信義
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 583-589
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    UV光照射に対して反応性の高い橋かけ剤を得るため,無水マレイン酸とシンナミルアルコールを反応させてマレイン酸ジシンナミルを合成し,感光性を調べた。マレイン酸ジシンナミルのラジカル重合能は低く,溶液熱重合で得られるオリゴマーの数平均分子量は1000~1500であった。光反応はメタノル中でシンナミル基の二量化,塊状では環化重合が主として起こった。ラジカル重合開始剤や三重項ー増感剤の添加はマレイン酸ジシンナミルの感光性を増したが,感光波長域の増加をほとんど示さなかった。代表的な感光性橋かけ剤であるペンタエリトリトール=トリアクリラートにマレイン酸ジシンナミルを加えると感光性を増した。マレイン酸ジシンナミルは紫外線の照射で接着力を増し,粘着性を消失し,加熱により定着できる各種のトナーを付着するため,紫外線硬化型粘着剤,画像形成材料として有用である。
  • 古賀 秀人
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 590-596
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    炭酸マンガン(II)の熱分解の条件と生成したマンガン酸化物の組成との関係をMn-CO2-O2系平衡図を作成することにより明らかにするとともに,その分解反応の動力学的解析を行なった。これらの結果を要約するとつぎのとおりである。
    (1)10-3mmHgの減圧下において,炭酸マンガン(III)は300℃以上で熱分解して酸化マンガン(IV)を生成し,480℃以上で酸化マンガン(III)を生成する。
    (2)試料皿に薄く平坦に拡げられた炭酸マンガン粉末試料(空隙率約0.8)を減圧下(10-3mmHg)で熱分解させると,反応は充てん層全域にわたって均一に進行する。そこで試料が同一半径をもつ独立な球形粒子の集合と見なし,これに未反応核モデルを適用し,界面反応および物質移動過程がそれぞれ単独に律速するとして解析した結果,界面化学反応が総括反応速度を律速すると思われる。そこで界面化学反応の速度定数の温度依存性を求めると次式が得られた。
    k=3×104exp(222141/RT)
  • 笠岡 成光, 笹岡 英司, 生駒 宗久
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 597-604
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    COあるいはCOとH2の共存下のNH3による無触媒還元脱硝反応およびNH3の酸化反応における入口ガス組成,温度などの反応条件と脱硝率,NH3酸化率の関係を明確にし,さらに共存するCOおよび璃の酸化反応の挙動について詳細に検討し,これらの反応経路についても,かなり明らかにすることができた。また,低NOx化燃焼に対する有用な知見を得た。実験は,特殊形状の石英製反応管(内径13.0mm)を用い常圧流通法で行なった。反応条件は550~1050℃(定温)で,入口ガス組成NO(0~1000ppm)-NH3(0~1000ppm)-CO(0~1%)-H2(0~1%)-O2(0~5%)-H20(0,10%)-N2,全ガス流速1000Ncm3/min,平均滞留時間0.37Nsである。得られたおもな結果はつぎのとおりである。
    1)脱硝反応およびNH3の酸化反応は,H20共存下のCO濃度の増大とともに,より低温化されるが,この効果はH2共存の場合とくらべるときわめて低い。またH2共存の場合と同じように,組成によって最大脱硝率を与える温度が異なる。一般に高い脱硝率は得にくい。しかし,たとえば1%COと1%H2の共存で,かつO2濃度を1%付近にさげると,脱硝率は80%近くまで達する。
    2)NOの共存はH2O共存下のCO,H2両酸化反応を見かけ上いちじるしく促進し,他方,NH3の共存は逆に両酸化反応を抑制する。なお,NOのCO酸化反応促進作用はH20非共存下では認められない。
  • 冨士元 英二, 佐藤 尚之, 古屋 昇, 岩堀 恵祐
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 605-609
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    活性汚泥を良好な状態に維持するための動的な方法として酸化還元電位(ORP)Eに着目した実験的検討,および理論的考察を行なった。すなわち,各種の状態の異なる汚泥混合液に連続的に希塩酸を添加することにより生ずる強制的なpH変化と,そのときのORP変化を測定することから汚泥の状態を評価することを試みた。
    ORPの変化(ΔE)はpHの変化(ΔpH)と直線関係があり,その傾き∂ΔE/∂ΔpHは汚泥混合液の状態以外の要因には支配されない関数であり,実際には離散的であったが3∂ΔE/∂/ΔpH-2.303BT/nF(n:整数,R:気体定数,T:絶対温度,F:Faraday数)なる関係が導かれた。本式に実験値を適用したところ,好気状態の汚泥ではn=20内生呼吸状態の汚泥ではn=3,嫌気状態の汚泥では=1の得られることが明らかになった。さらにn,電極表面上で電気化学的平衡がなり立つと仮定して上述の関係を理論的に考察した結果,実験式と理論式とは一致することがわかった。
    以上の事実は,pH変化に対するORPの動的応答を用いた方法は汚泥の状態を把握する上で有益な情報をもたらす制御手段の一つになり得ることを示唆するものである。
  • 尾崎 武二, 宇野原 信行
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 610-612
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Current distribution in an electrolytic cell was measured using the method of rotating double probe electrode (RDPE), in which the current between two points in a solution was detected as an A. C. signal. The results indicated that the plots of the output signal versus the current density gave linear relations when a platinized platinum bipolar RDPE was used for the current with uniform distribution in a copper 00 sulfate solution and synthetic sea water at 25°C(Fig.1 and Fig.2). The current direction was measured within an angular accuracy of ± 6°. The current intensity measured and its direction for the current-flow lines with non-uniform distribution were in agreement with the calculated intensity and direction within an error of 10% and 10°, respectivery, at a rotating speed of 13 rps (Table 1). It was found that the platinized platinum electrode, regarded as a low surface impedance electrode, was much more sensitive and stable than a copper or a silver electrode as a practical reversible electrode.
  • 金木 則明, 原 弘, 徳橋 和明, 城本 義光
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 613-615
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The influence of hydrogen treatment on the characteristics of the porous LaNi5 electrode used for an alkaline hydrogen-oxygen fuel cell was investigated. The anode consisted of a double structure of porous films a thin film of LaNi5 alloy, which was coated with the alloy and Teflon dispersion solution (60% aqueous suspension of poly (tetrafluoroethylene)), at the liquid side was superimposed on the thin film, which was made of Teflon powder and active carbon produced by a hot press, at the gas side. The anode, which was characterized by the current density of 175 mA/cm2 at the overvoltage of 0.25 V and the limited current density of 280 mA/cm2, was obtained by the hydrogen treatment of the electrode made of mechanically grounded LaNi5 alloy for` 3 h at above 200°C under the hydrogen atmosphere.
  • 伊永 隆史, 井勝 久喜
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 616-618
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Use of silver salt was examined to enhance reliability of the flow injection analysis (FIA) for the chemical oxygen demand with potassium permanganate (CODFIA⋅Mn). To compare with CODm based on a Japan Industrial Standard, pertinent operating conditions of the FIA were investigated for waste water samples by using D-glucose or lactose as a standard. It has turned out that the most reliable results could be obtained by adding O.05% of silver nitrate into the flow of acidic permanganate solution as a catalyst. Under the proposed conditions, chloride up to 1000 mg⋅l-1 did not interfere with the determination. The newly proposed FIA method could be successfully applied to industrial waste water samples.
  • 盛 秀彦, 藤村 義和, 武上 善信
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 619-621
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The cation exchanger was prepared by sulfonation of diphenyl phosphonate-furfural resin and the elution behavior of metal ions on this resin was investigated in HC1 and HCl-acetone solution. The ion exchange capacity of the dry resin in the hydrogen form is at the range of 0.7 to 2.5 meq/g-R, depending on the conditions of sulfonation. At HCI solution, the onl y separations of Cd2+ and Pb2+ ions are possible by elution with 0.20 moll HCI. At HCI-acetone media, Cu2+, Cd2+, Zn2+ and Pb2+ ions were eluted in that order with 0.05 mol/l HCI-80 vol%acetone medium. Cu2+ can be separated from Zn2+ or Pb2+ each by elution with 0.015 moli/HCI-80 vol% acetone medium and so does Cu2+ from Cd2+ with 0.01 molt/ HCI-80 vol% acetneo medium.
  • 田中 宏, 永野 豊, 渡部 晴樹, 増子 徹
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 622-624
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The melting characteristics of highly-drawn isotactic polypropylene films have been investigated as a function of draw ratio λ by differential scanning calorimetry. In the case of drawn films with 15≤λ<20, two main endothermic peaks appeared in every case and the melting region remained almost unchanged even at various heating rates from 2 to 20°C/min. On the other hand, the melting regions for the films with λ≥20 became much narrower as the heating rate decreased. Then, an extremely sharp endothermic peak, the half width of which was about 0.2°C, was observed at the slowest heating rate. of 2°C/min in the present study. Furthermore, the annealing of the films with 15≤λ<20 increased the height of the higher melting peak but decreased that of the lower peak. The annealing of the films with λ≥20, however, developed markedly the lower endothermic peak and reduced the height of the higher melting peak at the same time.
  • 井川 学, 松村 公夫, 田中 正雄, 山辺 武郎
    1981 年 1981 巻 4 号 p. 625-627
    発行日: 1981/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Various factors affecting ion permselectivity of a liquid membrane containing dibenzo-30crown-10 as a carrier were studied. Experiment on diffusion of potassium or sodium ion from salt solution to pure water across a liquid membrane was carried out. The complex containing polyether ring of dibenzo-30-crown-10 and potassium ion is steric and stable; this liquid membranehad some characteristic permselectivities. ( 1 ) The greater the ET value of the solvent of this liquid membrane, the greater became a flux and permselectivity. (2) The smaller the ratio of anionic charge to ionic radius, the greater became a flux and permselectivity. ( 3 )An increase in permeability of alkaline metal ions was the following order: Li+<Na+<Cs+<K+<Rb+.
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