日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
1982 巻, 2 号
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  • 森 聰明, 増田 浩之, 今井 寿穂, 宮本 明, 村上 雄一
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 155-161
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    α-Al2O3担持のニッケル, 鉄, コバルトおよびルテニウム触媒を用いて, H2をキャリヤーガスとするパルス法でCOの水素化反応を行なった。触媒に CO パルスを供給すると, 生成炭化水素のパルス波形はいちじるしいテーリングを示すので, この間に生成する炭化水素および H2O についてその生成挙動を調べた。いずれの触媒でも CO パルスをくり返すことにより触媒の表面状態が安定化されると, 炭化水素とH2Oはほぼ等しい速度で生成した。C2以上の炭化水素生成用触媒として知られる鉄, コバルトおよびルテニウムの, 還元後の触媒表面で CO の水素化反応を行なうと, 炭化水素にくらべてH2Oの生成速度がきわめて遅く, CO起源の酸素が一部触媒に取り込まれ, 触媒表面が部分的に酸化されて, 表面状態が安定化された。これに対し, メタン化反応に選択的なニッケル触媒では CO 起源の酸素の取り込み現象は認められず, 金属表面で反応が起こっており, CH4とH2Oの生成速度は等しかった。
    いずれの触媒でも CO 吸着種の C-O 結合の開裂過程を律速段階として, 炭化水素生成反応が起こるという共通性はあるが, 金属種によって反応時の触媒の表面状態に大きな差のあることが明らかになった。
  • 木村 友宇, 奥原 敏夫, 御園生 誠, 米田 幸夫
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 162-169
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    種々の酸化物に担持したRu3(CO)12のクラスター構造, 熱分解過程を赤外分光法を用いて検討した。Ru3(CO)12とSiO2 や ZnOとの相互作用は弱いが, γ-Al2O3とは強く相互作用し安定な化学種を生成する。この化学種は, 2063, 1990cm-1にCOによる赤外吸収を示し, 250℃ 排気でも分解しないことなどから, 表面に強く吸着したRu(CO)n(n=3, 4)と推定した。
    RuCl3から得た通常の触媒の分散度は低いが(<50%), Ru3(CO)12から調製された触媒の分散度は高い(%gt;90%)。これら分散度の異なるRu/Al2O3触媒を用いて, 吸着COの赤外吸収, 吸着量を検討した結果, Ru3(CO)12から調製した触媒では, twin, linear 型吸着をしており, RuCl3から得た触媒では, multiple, twin型吸着COが主であった。
    分散度が高くなるにつれ, twin型吸着COの割合が増加し, さらに吸着もより強くなった。この強い吸着COは, H2との反応性が低く, COの水素化反応において, 反応を阻害する役割を果たしていると考えられる。分散度が高いほど, CO水素化反応の turnover frequency が小さくなるというルテニウム触媒に特異的にみられる傾向は, この不活性吸着COの影響によると解釈される。MgO担体や K2CO3を添加したAl2O3では, 担体からルテニウムへの電子移行があると推論した。
  • 内藤 周弌, 小堀 良浩, 山崎 裕文, 大西 孝治, 田丸 謙二
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 170-176
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    シリカやゼオライトに担持したルテニウム触媒上でのCOの水素化反応の機構を,容量法や赤外分光法による反応中の吸着量測定により検討した。さらに定常反応中に13COなどの同位体を導入することにより表面吸藩種の反応性や反応経路に対し考察を加えた。定常反応中,ルテニウム表面の大部分はlinear型の吸着COでおおわれているが,ごく一部のサイトでCOの解離が起こり,解離炭素の水素化を経てメタンや長鎖炭化水素が生成する。同時に炭素数20~30におよぶ表面炭化水素種がルテニウム上に蓄積することが明らかとなった。これらの炭素鎖はそのままでは脱離せず,C-C結合を切断してC1中間体中に取り込まれたのち,COからの解離炭素と均一に混ざり合い,生成物を構築する。定常反応中に添加されたオレフィンも同様の挙動を示した。以上のことからルテニウム上のC1中間体は非常に高いmobilityをもつことが明らかとなった。
  • 福島 貴和, 信沢 達也, 藤元 薫, 冨永 博夫
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 177-184
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    CO水素化の活性,選択性におよぼす担体と分散度との効果をルテニウム触媒につき研究した。赤外吸収スペクトル法,昇温反応脱離法(RTD)などの物理化学的手法により得られた表面吸着種の挙動と定常反応の結果から得られた触媒の特性との相関性についても議論した。
    SiO2あるいは,Al2O3担持ルテニウム触媒上で250℃ 以下の比較的低温度,加圧下でCOの水素化を行なうとC40までの炭化水素を与えたが,C15以上の炭化水素は反応温度条件では,触媒上にトラップされほとんど流出しなかった。不活性気流中,400℃ まで加熱すると触媒床中から流出し,Schulz-Flory分布則にしたがった生成物分布を与えた。SiO2,Al2O3担持触媒の場合,CO水素化の見かけの活性化エネルギーは担体に無関係であるが,分散度に依存し,分散度が30%以上の高分散触媒と10%以下の低分散触媒とで,それぞれ約20kcaVmo1,約35kcal/molであった。200℃ 付近において,常圧下と加圧下とでは分散度に対する活性の傾向が異なり,常圧下では高分散ほど高活性であったが,加圧下では低分散ほど高活性であった。このように分散度により活性に対する温度,圧力効果が異なることが示された。加圧下(6atm),230℃ において連鎖成長確率(α)は担体に無関係であるが,分散度に依存し,高分散および低分散触媒のα値はそれぞれ0.75±0.02,0.87±0.01であった。常圧下ではα値は小さな値をとり,メタン生成の割合が大きかった。TiO2担持触媒は常圧下でも比較的連鎖成長が進行しやすいという特徴を示した。
    分散度と連鎖成長との関連に関して,150℃ でH2/COの反応を実施した場合,赤外吸収スペクトルで観察される触媒上の炭化水素の蓄積速度は,低分散触媒の方が高分散触媒にくらぺて10~30倍大きく,定常反応の結果とよい関連が認められたが,定常反応の活性とRTDの結果とは必ずしもよい相関は得られなかった。
  • 菊地 英一, 井上 祥治, 森田 義郎
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 185-191
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    種々の炭素系担体を用いた鉄触媒上での一酸化炭素の吸着と水素化を行なった。このうちカーボンブラックに担持した触媒上での,室温における一酸化炭素の吸着量はいちじるしく多く,吸着量から計算される鉄の平均粒子径とX線回折線の半値幅から求めた結晶子の大きさは大きく異なっていた。このカーポンブラックに含浸法で少量の鉄を担持した場合には,この効果はさらに顕著となり,表面鉄原子にCO2分子以上吸着するような“ multiple”な吸着が起こることが示された。これはカーポンブラック上での微細な鉄の存在によるものと考えられる。湿式混合法で調製した触媒では,このような微細な鉄と比較的大きな鉄粒子が共存するものと思われる。一酸化炭素の水素化におげる活性は,いずれの炭素質担体に担持した場合にも,アルミナやシリカ担持触媒上より高かったが,そめ生成物分布には顕著な相違はなかった。活性炭に担持した場合には,初期に急激な活性劣化がみられたがDその生成物分布の経時変化は小さく,623Kでの水素処理によって再生されないことから,沈殿鉄触媒やアルミナに担持した場合とは異なり,表面へのカーバイド状炭素の析出が原因ではないことがわかった。また,カーボンブラック上の微細な鉄の活性はきわめて低く,炭素上では比較的大きな粒子が高活性を有していることがわかったg
  • 荒井 弘通, 広長 啓, 清山 哲郎
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 192-197
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    一酸化炭素の水素化反応をロジウムイオン交換ゼオライト触媒で試みたところ,生成物としておもに炭素数1から4までの炭化水素を得た。この反応の活性と選択性は,担体のロジウム触媒におよぼす影響によるので,種々の方法によりHYとNaY担体の姓質を比較検討した。超高圧電子顕徽鏡による粒子サイズ観察では,Rh-HY触媒の方がロジウムは高分散で,しかも水素化活性がすぐれている。赤外吸収法により一酸化炭素の吸着状態を調べたところ,Rh-NaY触媒の方が一酸化炭素の伸縮振動は低波数側に現われ,さらに昇温および水素,酸素との反応から,Rh-NaY触媒では炭素一酸素結合が解離しやすい。XPS法で求めたロジウム3d5/2 の束縛エネルギーから,Rh-HY触媒の方が金属と担体との相互作用は強く,ロジウムの電子密度は小さくなった。これらの結果は,ロジウム電子の逆供与が増加するためRh-NaY触媒上に吸着した一酸化炭素のロジウム一炭素結合を強め,同時に炭素一酸素結合を弱めることを示唆している。担体として用いたゼオライトのHYおよびNaYにより生成物分布が変わり,とくにRh-NaY触媒は二酸化炭素の生成量が多い。このように,HY型およびNaY型と異なるゼオライト担体によりロジウムの粒子サイズおよび電子状態は変化し,この違いが生成物分布に強く反映することを明らかにした。
  • 横山 明典, 小宮 山宏, 井上 博愛, 増本 健, 木村 久道
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 199-205
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Fe20Ni60P20の組成を有するアモルファス金属バク触媒,およびそれを結晶化させた同一組成の結晶質触媒を用いて,一酸化炭素の水素化反応を行なった。いずれの触媒に対しても,初期生成物分布は一酸些炭素分圧に顕著に依存し・分圧増大とξ もに長炭素鎖数の炭化水素への選択率が増大するが,一定分圧で比較するとアモルファスの方が炭素鎖成長確率が高い。また・生成物分布は結晶質触媒ではほぼSqhulz分布で表わされるのに対しアモルファス触媒においては偏僑が見られた。また,反応の滞留時間依存性を実測したところ,アモルファス,結晶質ともにオレフィン類の生成速度は滞留時間とともに減少した。このときアモルファスでは,転化率増大とともに生成物分布が長鎖側へ偏僑しSchulzモデルにしたがわなかった。一方,結晶質ではSchulzモデルにしたがった。アモルファス触媒におけるSchulz分布よりの偏僑の原因を明らかにするために,一酸化炭素反応条件下でのエチレンの反応性を検討した結果,エチレンからのプロピレンの生成が確認された。Schulzモデルに対して,気相オレフィンの炭素鎖成長反応への寄与を考慮した反応モデルによって実験結果の解析を行なった結果,生成物分布の転化率依存性の特徴を説明することができた。
  • 藤元 薫, 工藤 義弘, 冨永 博夫
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 206-212
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    酸化銅,酸化亜鉛およびアルミナからなるメタノール合成触媒およびゼオライト(H-ZSM-5あるいはH-Y)を,物理的に混合して得た触媒を用いる合成ガスからの炭化水素の直接合成を加圧下で検討した。10kglcm2・G以上の圧力下において炭化水素がメタノール生成の熱力学的平衡値を越えて生成した。これはメタノール合成触媒上で生成したメタノールがゼオライト上ですみやかに炭化水素に転化されるためと考えられた。350℃ 以上の高温においてもC1,C2の炭化水素の生成は少なく,C3~C6脂肪族炭化水素が主生成物であった。H-13 YおよびH-ZSlln-5のいずれも単独でメタノールの反応に使用すると比較的高い選択率で芳香族炭化水素(主としてポリメチルペンゼン)を与えた。しかしメタノール合成触媒との混合物として合成ガスの反応に使用すると,両者とも芳香族炭化水素はほとんど与えなかった。反応温度,反応圧力,帯留時間,H2/COモル比,触媒混合比などの反応におよぼす影響を検討した。これらの因子は炭化水素収率には影響を与えたが,炭化水素生成物の分布にはほとんど影響を与えなかった。芳香族炭化水素が生成しない理由として,メタノールから生成するオレフィンがメタノール合成触媒上ですみやかに水素化され,安定なパラフィンに転化される事実を指摘した。
  • 市川 勝, 鹿倉 光一, 松本 達也
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 213-220
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    白金,パラジウムおよび銅塩を希土類酸化物であるLa2O3,Y2O3,NdaO3などや,アルカリ土類酸化物のMgOやCaOに担持調製した触媒上で常圧CCJ-H2反応によりメタノールが選択的に得られた。副生成物はメタンおよび少量のエタノールCO2およびC2-炭化水素である。メタノール合成活性は金属酸化物担体の種類に強く依存し,塩基性酸化物,とくに希土類金属酸化物担持の場合に高活性高選択性を示した。メタノール合成反応に対する塩基性酸化物の助触媒効果はパラジウムや白金上の吸着COと酸化物の塩基サイトとの表面反慈に起因することを推察し,赤外分光法によるCO-H2反応中にみられるギ酸イオンに帰属される赤外吸収ピークとの関連について検討した。Pd/La2O3担持触媒上でのメタノール生成速度に対する速度因子の影響を解析した。Pd1LaO3担持触媒の中低圧(5~60kg/cm2)合成ガス反応におけるメタノール合成活性を調べたところ,加圧反応条件下でもPd/SiO2触媒にくらべてCO転化率,メタノール選択率いずれもすぐれていることがわかった。La2O3担持の場合のメタノール合成活性はPd>Pt>Cuの順であったが,これは金属触媒の水素化触媒能の差異によるものと考えられた。PtおよびPd/La2O3触媒のCO-H2反応活性に対するレニウム,マンガン塩添加効果を調べたところ,とくにレニウム塩添加により,生成含酸素化合物中のエタノール選択率が向上することが見いだされた。
  • 乾 智行, 石原 敬之, 森永 紀子, 竹内 玄樹, 荒木 英一, 蟹江 敏広, 武上 善信
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 221-228
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    メタノールからC2~C4オレフィンを選択性よく長寿命で合成できるゼオライト系触媒を短い結晶化時間で再現性よく調製する研究を行なった。その結果OSi/Al原子比6.5~11.5,アルカリ/Al原子比7の仕込み組成において,テトラメチル(またはテトラエチル)アンモニウム瓢ヒドロキシドをアルカリの1130~1/3.8mo1添加し,190℃ 付近の温度で2時間結晶化して,C2~C4オレフィン選択性が約75%となるまゆ状の形(長径約10μ)をしたゼオライトが得られた。さらに,この結晶化前の混合物に上記のゼオライトを微粉砕した種結晶を,生成する結晶に対して約10%分散して配合することにより・米粒状の形をした結晶が再現性よく得られ,その体積は種結晶を添加しないときの約1/70に小さくなり,形も大きさもより均一となった。X線回折の結果から,このゼオライトはオフレタイトにエリオナイトが複合した形態のものと見られる。このゼオライトを触媒としたとき,C2~C4オレフィソ選択率は80%以上に向上し,寿命も2倍以上に伸びた。種結晶のかわりに,r-アルミナとα-アルミナとの混合微粉末を用いても類似の効果があり,さらにこのアルミナ粉末にロジウム,ルテニウムなどの金属を少量担持しておいたものでは,エチレンの選択性と触媒寿命に向上が認められた。
  • 藤元 薫, 鹿田 勉, 冨永 博夫
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 229-235
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    メタノールを炭化水素に変換する反応において市販のゼオライト触媒の選択性の改善を試みた。H-13YあるいはH-モルデナイト上でのメタノールの反応モデルの検討の結果,これらのゼオライトの特性をH-ZSM-5のそれと比較して以下の推定をした。
    (1)ゼオライト上の酸点濃度が過大である。
    (2)ゼオライト上の吸着炭化水素種の不飽和度が高い。
    (3)以上の理由からC3 以上の吸着種が脱離することなくすみやかに重合してコークを与え,そのさい生成する活性な水素によりC1 ,C2 の吸着種が水素化され,ガス状生成物となる。
    硫化処理ニッケルを担持したゼオライトを用いてメタノールの反応を行なった場合,窒素雰囲気下で反応を行なうと無担持のゼオライトを用いた場合と本質的な変化は認められなかった。しかし水素加圧下で実施すると大幅な変化が認められた。ゼオライトがH-ZSM-5である場合には活性に変化はなく,メタンの選択率が約90%と100倍近く上昇した。一方,ゼオライトがH-モルデナイトあるいはH-13Yである場合には,まず活性低下の速さが1/10あるいはそれ以下に低下し,生成炭化水素あたりのコーク析出量も約1/10に低下した。生成物の分布はメタンの選択率が約40~50%とかなり高いが,C3~C6の脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素(ポリメチルベンゼン類)が10~20%(炭素基準)生成した。脂肪族炭化水素中にはオレフィンも多量に存在することから,吸着炭化水素が部分的に水素化され,触媒表面よりすみやかに脱離しているものと推定された。
  • 内山 正治, 鈴木 剛彦, 山崎 康男
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 236-241
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    パラジウム触媒および塩基の存在下にジアリールヨードニウム塩([Ar2I]X)のカルボニル化反応が常圧下に進行することを見いだした。この薪規なカルボニル化反応は,非常に温和な条件下にすみやかに進行し,高選択的かつ定量的に基質に対応する芳香族カルボニル化合物ならびにヨウ化アリールを生成することが認められた。種々の条件下に反応を行なった結果,触媒はPd(O),Pd(II)いずれも有効であり,壌基として第三級アルキルアミンまたは酢酸カリウムを用いると良好に反応は進行した。また反応系へのトリフェニルポスフィンの添加は反応速度の低下をもたらした。さらに種々の[Ar2I]Xを用い,アルコキシカルボニル化反応,アミド化反応を行ない高収率でそれぞれの誘導体が得られることを見いだした。
  • 洪 邦夫, 三瀬 孝也, 山崎 博史
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 242-248
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Rh4(CO)12を触媒として,トリエチルアミン中でジフェニルアセチレン〔4a〕をカルボニル化(CO30 kg/cmg,220℃)すると,5-エチリデン-3,4-ジフェニル-2(5H)0フラノン〔5〕が5%収率で得られた。ここでエチレンを共存させると,〔5〕の還元体である5-エチル-3,4-ジフェニル-2(5H)-フラノンヨ〔6a〕(16%)が得られた。反応溶媒としてアルコール類や含水アセトンを用いると〔6a〕の収率がいちじるしく向上した(73%)。2-ブチン〔4b〕や1-フェニルプロピン〔4c〕も同様に反応し,3,4-二置換5-エチル-2(5H)-フラノンを与えた。〔4c〕の場合には高い位置選択性が認められた。触媒として,種々のロジウム錯体や塩類も有効であるが,Rh4(CO)12やRh6(CO)16の活性が高かった。エタノール中での反応では相当量のアセトアルデヒド8ジエチル8アセタールとジエチルケトンが生成した。125。C前後の反応温度では,これら副生成物は減少するが,エタノールが反応に直接関与した5-エトキシ-3,4-ジフェニル-2(511)0フラノン〔15〕と3-(エトキシカルボニル)-2-フェニル-1-インダノン〔16〕が副生した。
  • 増田 昭夫, 三谷 洋, 奥 堅治, 山崎 康男
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 249-256
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ロジウム錯体触媒によるメタノールのカルボニル化はよく知られている。このカルボニル化をアルコール基質として,ベンジルアルコールに対して適用した。すなわち,ロジウみ触媒を用いたベンジルアルコールのカルボニル化によるフェニル酢酸の合成を試みた。このカルボニル化反応における合成化学的および反麻論的な検討を行なった。その結果,ベンジルアルコール:塩化ロジウム:ヨウ化ベンジル:溶媒≒1:6.3×10-3:1.1×10-1.1:8・9×10-1(モル比),140℃,30kg/cm2-CO,90分で,ベンジルアルコール転化率100mol%,フェニル酢酸畢択率94mol%であった。カルボニル化反応の初期段階主生成物はジベンジルェーテル(DBE)およびフェニル酢酸ベンジル(BPA)であったが,DBEおよびBPAも反応時間の経過とともに,フェニル酢酸に転化するため,最終的な主生成物はフェニル酢酸であり,その他少量の則生成物(トルエン,ビベンジルなど)が生成した。また,反応の律速段階はロジウム(I)錯体へのヨウ化ベンジルの酸化的付加であり,その速度はr=k[Rhcomplex][C6H5CH2I]で表わされた。さらに,このカルボニル化反応はロジウム(I)錯体の触媒サイクルによって進行していることがわかった。
  • 増田 隆志, 加々美 兼吉, 村田 和久, 松田 昭男, 高味 康雄
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 257-262
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    若干の酸触媒を用い,ホルムアルデヒド源としてトリオキサソまたはパラホルムアルデヒドを使用して,一酸化炭素とホルムアルデヒドの共重合反応を検討し,クロロ硫酸が良好な触媒となることを見いだした。触媒としてクPtP硫酸を用いて,一酸化炭素圧(35~79kg/cm2),反応温度(100~220℃),触媒量などの共重合反応に対する影響を調べた。
    得られた共重合体をアセトンにより不溶部(白色粉状)と可溶部(油状)にわけた。アセトン不溶性共重合体の収量は共重合を180℃ で行なったときに最高値を示した。アセトン不溶性共重合体めカノヒボニル基とメチレン基の比(CO/CH,)は0.88~0.94であった。共重合体のメタノールによる分解生成物から共重合体の構造単位を調べると,構造単位は主として-COCH2O-であり,そのほか-COOH2OCH2COO-〔D〕や-CH2O-が含まれていることがわかった。構造単位〔D〕の含量は,一酸化炭素圧,触媒量が大であるほど,また反応温度が高くなるほど増加し,アセトン不溶部よりも可溶部に高し,ことがわかった。
  • 相馬 芳枝, 佐野 寛
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 263-267
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    銅(I)カルボニルおよび銀カルボニル触媒を使用して,ホルムアルデヒドのカルボニル化反応を,常温常圧で行ない,定量的にグリコール酸を得た。触媒を添加することにより,反応速度は約30倍増大した。硫酸中での銅(I)化合物および銀化合物の最少必要量は,それぞれ0。2molμ および0.4mol/lであった。三フッ化ホウ素・水錯体中での銅(I),銀化合物の必要量はO.05mol/1であった。三フッ化ホウ素・水錯体中では,触媒による有効CO保持容量が大きく,かつ触媒の形成速度が大きいために,触媒量は少量ですむと考えられる。硫酸,三フヅ化ホウ素・水錯体とも,濃度の低下とともに反応速度は小さくなり,前者では84.5%以下,後者ではH2O/BF3>2の濃度になると反応はほとんど進行しなかった。理由は,酸濃度の低下にともない,ヒドロキシメチルカチオンHOCH2+の濃度が低下すると同時に,触媒活性のある[Cu(CO)3]+および[Cu(CO)4]+の存在量が低下ナるためである。カルボニル化反癒終了後メタノールを加え,生成したグリコール酸メチルは減圧蒸留により分離された。触媒溶液は再使用が可能であった。
  • 酒井 朝也, 石崎 雅彦, 加藤 仁, 後藤 正文
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 268-275
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    飽和Ca(OH)2水またはメタノールー水溶液中における溶存Ca(OH)2とホルモース生成反応の原料であるホルムアルデヒド(C1A),2-ヒドロキシアセトフェノン(HAP),DL-グリセルアルデヒド(C3A),1,3-ジヒドロキシアセトン,D-グルコース(Glu),D-フルクトースなどの既知の反応促進剤,およびちHAPにC1Aが付加した2,3-ジヒドロキシプロピオフェノン(DHPP)との(1:1)錯体の生成定数を求めた。反応促進剤としてHAP,CsA,Gluをとりあげ,塩基としてCa(OH)2とNaOHを用い,初期pH11.5~12.5でホルモース生成反応を行ない,速度論的手法により,溶存Ca(OH)2と促進剤との錯体が反応を促進しているかどうかを検討した。その結果,各健進剤の反応促進効果の順と,錯形成定数の大きさめ順とがまったく逆になり,錯形成をまったくしないDHPPでも大きな促進効果をもつことがわかった。また,反応速度式が,[錯形成していない促進剤],ならびに[C1A],[OH-]にそれぞれ1次で整理できることもわかった。すなわち,高pH領域における促進翻を用いたホルモース生成反応は,おもに遊離のOH-によるアルドール付加反応として進行していると考えられる。
  • 井上 祥雄, 日比 卓男, 佐武 正紀, 川島 保彦, 橋本 春吉
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 276-281
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    パラジウム(0)-ボスフィン錯体によるメチレンシクロプロパン類と二酸化炭素の反応で,三員環の開裂をともなう環状共二量化反応が起こりフラノン類が得られた。exo-メチレン上にアルキル基が二つ置換したメチレンシクロプロパン類はパラジウム(0)-トリフェニルホスフィン系触媒では選択的に3,3-ジアルキル-4-メチレンテトラヒドロ-2-フラノンを与えた。一方,パラジウム(0)-1,2-ビス(ジフェニルポスフィノ)エタン系触媒でぬもう一つのフラノン,4-メチル-5,5-ジアルキル-2(5H)-フラノンが主生成物として得られた。exo-メチレン上にアルキル基が一つ置換したメチレンシクロプロパン類ではどちらの触媒系でも3-アルキル-4-メチル-2(5H)-フラノンと4-メチル-5-アルキル-2(5H)-フラノンがかなりの収率で得られた。この二酸化炭素-メチレンシクロプロパン類の反応は環上に置換基があるとほとんど起こらなかった。トリメチレンメタン錯体を中間体とする経路が示唆された。
  • 戸田 敬
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 282-289
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    脂肪族アミン類は種々の溶媒中において二酸化炭素と反応し,相当するカルパミド酸のアンモニウム塩類として存在する。このカルバミド酸塩類,とくに第一級アミン類から生成した塩類を用い,活性な1オキシラン化合物,たとえば2-メドキシ-3,3-ジメチル-2-フェニルオキシランなどと反応させればおだやかな条件下に,相当するN-置換の4-ヒドロキシ-5,5-ジメチルー4-フェニル-2-オキサゾリジノン類を与える。このオキサゾリジノン類はα-ハロゲン化アシロフェノン類をメタノール中第一級アミンの存在下に二酸化炭素との反応でも得られる。このさい中間体として2-メトキシオキシランを経ることを明らかにした。これらの反応の機構ならびにオキサゾリジノン類の二三の反応について述べる。
  • 内藤 勝之, 鯉沼 秀臣, 平井 英史
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 292-294
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    アルカリ金属のカルボン酸塩および炭酸塩を触媒とする種々のオキシラン類と二酸化炭素とのフリーアニオン的接触反応はクラウンエーテルの添加により可能となり,主生成物として五員環炭酸エステルを与える。この反応におけるオキシランの置換基効果,および素反応モデルとして,クラウンエーテル存在下,炭酸エチルカリウムまたは酢酸カリウムと種々のオキシラン類との反応について検討し,反応機構を考察した。二酸化炭素の存在しない場合,オキシランやメチルオキシランは少量のカリウム塩により重合し,末端にカルボニル基を有するポリマーを与える。ハロメチルオキシランは酢酸カリウムにより重合せず,化学量論的な反応で酢酸グリシジルを高収率で生成する。ハロメチルオキシランと炭酸エチルカリウムとの反応では,鎖状および環状の炭酸エステルを含む多数の生成物を与える。二酸化炭素との接触反応では,炭酸アルキルアニオンのオキシラン環への付加開環,および生成したアルコキシドアニオンの鎖状炭酸エステルカルボニル炭素へのバックバイティング攻撃による五員環炭酸エステル生成のサイクルを含む反応図式を提出し,以上の結果を統一的に解釈する。
  • 曾我 和雄
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 295-300
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    いくつかの薪しい型の触媒を用いて,プロピレンオキシドと二酸化炭素との交互共重合反応を60℃で行なった。用いた触媒は,金属酸化物担持ジエチル亜鉛(A),金属酢酸塩(B),水酸化亜鉛とジカルボン酸との反応生成物(C),および金属酸化物に担持した亜鉛,コバルトおよびアルミニウムのハロゲン化物(D)である。A-系列の触媒による共重合反応においては,活性は金属酸化物の細孔半径の増大にともない顕著に増大した。B-系列の触媒中では,コパルトと亜鉛の酢酸塩のみが交互共重合体を与えた。これらの系に酢酸を添加すると共重合体収量を減少させることなく,共重合体の数平均分子量が酢酸の添加濃度に比例して減少した。C-系列の触媒による共重合反応においては,活性は用いたジカルボン酸に大きく依存しf脂肪族ジカルボン酸とくにグルタル酸が非常に大きな活性を示した。一方,亜鉛,コバルトおよびアルミニウムのハロゲン化物をそのまま触媒に用いても活性は発現しないが,これらを金属酸化物に担持したD-系列の触媒もまた比較的高い活性を示した。得られた結果に基づき本共重合反応に対する妥当な反応機構についても示した。
  • 佐々木 和夫, 妹尾 菊雄, 九内 淳堯
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 301-304
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    炭素をアルカリ炭酸塩と加熱すると,比較的低温で効率よくCOを発生できる。本報では,熱分解が予測以上に進行する原因はシリカ,アルミナ,酸化鉄など反応容器と炭酸塩の反応に基づくことを推論した。
  • 角田 隆, 小笠原 弘明, 小宮山 政晴, 小沢 泉太郎, 荻野 義定, 中村 忠士, 大杉 実
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 305-309
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Carbon monoxide hydrogenating characteristics of A-, B- and C-series catalysts containing Re have been studied with special attention to the selectivity for the formation of alcohols, where A-series=mainly Re-metal oxide catalysts, B-series=mainly Re-binary metal oxide mixture catalysts, and C-series=catalysts containing Fe.
    Majority of the A-series catalysts exhibited measura ble activities with high selectivities for producing hydrocarbons. However there were several catalysts with better selectivities for producing alcohols. Results of activity tests on the B-series catalysts showed an outstanding effect of ZnO in raising the selectivity of methanol formation. A nitrogen-treated Re-Fe catalyst was prominent in the C-series catalysts, exhibiting a stable activity and a good selectivity for producing alcohols.
  • 山本 隆一, 江原 嘉夫, 山本 明夫
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 310-312
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Nickel complexes, NiY2L2 (Y =Cl or C2H5; L=1/2 bpy (2, 2'-bipyridine), 1/2 dpe (1, 2-bis (diphenylphosphino) ethane), or dpm (bis (diphenylphosphino) methane), catalyzed the forma tion of diary' ketones, RCOR, from RMgBr (R =C6H5, P-FC6H4, or p-CH3C6H4), RBr, and CO in diethyl ether or THF at 10∼45°C. A C-C coupling reaction between RMgBr and RBr to form R-R accompanied the ketone synthesis, but the molar ratio of R-R to RCOR could be controlled under 0.07 by using NiCl2 (dpm) 2 as the catalyst.
  • 乾 智行, 松田 弘, 武上 善信
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 313-315
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Vapor-phase carbonylation of methanol to acetic acid under atmospheric pressure has been investigated with nickel-based catalysts supported on an active carbon. The reaction-gas mixture composed of 17 vol% CH30H, 66 vol% CO, 2.5 vol% CH3 I, and 14 vol% N2 was allowed to flow through the catalyst bed at a space velocity of 700 in the temperature range of 260∼360°C. Acetic acid formed as the major product accompanied by small amounts o f methyl acetate and methane on the catalyst of 4.8% Ni-2.5% La2O3 -1.2% Ru, 5.0% Ni-2.8% La2 O3, 1-10% Ni or even NiCl2 (1% as Ni). In the case of 10% Ni catalyst, the maximum space-time yield of acetic acid (3.93 mol⋅ l-1⋅h-1) was obtained at 320°C under complete conversion of methanol. These catalysts surpassed the 2% Rh catalyst supported on the same active carbon in the maximum yield and selectivity of acetic acid.
  • 平井 英史, 小松崎 茂, 浜崎 俊一, 戸嶋 直樹
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 316-319
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The polymer-immobilized rhodium complex prepared from rhodium (III) chloride and the chelate-resins with iminodiacetic acid moieties (catalyst I ) showed a catalytic activity for hydroformylation of 1-hexene in ethanol at 100°C under 20 atm of HE and 20 atm of CO. T he normal/branched ratio in produced aldehyde was 2.3 in this reaction. The same chelate-resin and (acetylacetonato) dicarbonylrhodium ( I ) gave the immobilized rhodium ( I ) complex catalyst (catalyst II), showing a much higher activity than the catalyst I for the reaction under the similar conditions as seen in Table 1. The normal/branched aldehyde ratio was 0.7.
  • 李 学芬, 松本 利彦, 井上 祥平
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 320-322
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The formose formation, the condensation of formaldehyde producing a mixture of carbohydrates and their analogs, is of great importance in view of the production of edible carbohydrates from a simple material. Quaternized poly[p-[2- (diethylamino) ethyl]styrene] gel (OH type) was found to show catalysis for the formose formation with high efficiency. Formaldehyde consumption was high when the catalyst with high extent of quaternization or low extent of crosslinking was employed. Formose obtained by these catalysts consisted of similar components including 2-C- (hydroxymethyl) glycerol.
  • 江頭 誠, 本田 正文, 川角 正八
    1982 年 1982 巻 2 号 p. 323-326
    発行日: 1982/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Oxidation pretreatment of solid carbon and the subsequent ion-exchanging of the nickel catalyst greatly increase its hydrogenation reactivity to methane. In the present work a complete gasification was observed at>6 wt% of the nickel content. The comparative experiments, using the ion-exchanging vs. impregnation of the catalyst on oxidized or unoxidized active carbon, suggested that an increase in the reactivity was not attributable to an increase in the dispersion of the catalyst particles, but rather to an enhancement of the reactivity of carbon itself which was related probably to decomposition of the surface oxides. However, the amount of methane formed was much larger than that of carbon atoms constituting the surface oxides, indicating that the gasification of these carbon atoms activated the reaction of their peripheral atoms with hydrogen.
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