市販の4種の活性炭およびアルミナ担持貴金属(Pd,Rh,Pt,Ru.担持率:5wt%)触媒を用いるアクリジンの選択的部分水素化を試みた。反応温度100℃,水素反応圧70kg/cm
2,反応時間15分間の条件で触媒スクリ一ニングを行なったところ,PdおよびPt触媒が9,10-ジヒドロアクリジン〔2〕を選択的に生成した(〔2〕の収率:70%似上)のに対して,RhおよびRu触媒は,低転化率で,特定の水素化体に対する選択性は低かった。Pd/Al
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3触媒を用いて,9,10-ジヒドロアクリジン〔2〕および1,2,3,4,4a,9,9a,10-オクタヒドロアクリジン〔5〕の選択合成の最適条件を探索したところ,ジヒドロ体については最大収率88%(100℃,水素反応圧70kg/cm
2,10min),オクタヒドロ体〔5〕については最大収率62%(150℃,水素反応圧140kg/cm
2,40min)を得た。〔5〕については,〔1〕→〔2〕および〔2〕→ 〔5〕や水素化を2段階で行なうことにより,〔5〕最大収率80%(Pd/Al
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3触媒,第1段:100℃,水素反応圧70kg/cm
2,10min,第2段:120℃,水素反応圧70kg/cm
2,60min)で調製できた。水素化生成物分布の経時変化から,アクリジンの水素化反応経路を提案した。
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