スズ融液法を用いて,アルゴン雰囲気中で,加熱温度800~1200℃,2~50時間保持で,マンガン粉末とケイ素粉末から比較的大きなMn
5Si
3,MnSiおよびMn
27Si
47単結晶を単相で育成するための最適条件の検討を行った。得られた結晶については0その形態,成長方向と大きさを調べ,格子定数,密度などの結晶学データ,組成分析i並びに,報告例の少ない硬さおよび電気抵抗率などを測定した。得られた結果を要約すると以下の通りである。(1)Mn
5Si
3は,加熱温度1100℃,10時間保持,配合比Si/Mn=0.22,融液量Sn/Mn=10.17で,〈0001〉方向に成長した最大0.1mm×0.1mm×6.4mmの灰色の棒状単結晶として育成した。(2)MnSiは,加熱温度1100℃,10時間保持,配合比SilMn=1.0,Sn/Mn=10.17で,〈100〉方向に成長した最大0.9mm×10mm×9.2mmの灰色の棒状単結晶として育成した。(3)Mn27Si47は,加熱温度1000℃,20時間保持,配合比Si/Mn=1.74,Sn/Mn=6.36で,最大0.25mm×0.25mm×0.25mlnの灰色の球状多面体結晶として育成した。(4)得られた単結晶の組成分析,格子定数値,実測密度(4m),ビッカース硬度値(Hv),電気抵抗率(ρ)は,下記の通りであった。Mn
5Si
3;Mn
5.45Si
3,a=6.909(2)A,c=4.815(1)A,V=199.05(3),dm=5.95(2)g/cm,Hv=820±30kgf/mm
2,ρ=3500±230μ Ωcm
Mnsi;Mn0.98si,a=4.5594(6)A,V=94.78(1)A3,dm=5.80(1)g/cm
3,Hv=1100±40kgf/mm
2,ρ=3200±180μΩcm
Mn
27Si
4;;Mn
2798Si
47,a=5.530(1)A,c=117.86(2)Å=3604.26(8)
3,dm=5.17(2)g/cm
3
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