アニリン類とクロロギ酸エステル類との反応によりフェニルカルパミン酸エステル類(Me,Et,i-Pr,かBu,2-クロロエチル,アリル,ベンジル,2-エチルヘキシル,シクロヘキシル,オクチル;フェニル環の置換基=3-i-Pr,4-i-Pr,3-イソプロペニル,2-OH,3-OH,4-OH,4-(p-クロロフェノキシ),2-Me-5-i-Pr,2,6-(i-Pr)を合成しその除草活性や催眠作用などの生物活性を検討した。これらのフェニルカルバミン酸エステル類の中でフェニル環の3-位に.i-Pr基をもつ化合物の多くは雑草に対して250g/10アールの処理で高い除草活性を示し,特に3-イソプロピルフェニルカルバミン酸シクロヘキシルエステルが最も高い除草活性を示した。またフェニル環の3-位にOH基をもつ化合物の多くは催眠作用を示すことがわかり,その強さは催眠鎮静剤抱水クロラール程度であった。一方,フェニルチオカルパミン酸5Lアルキル類(アルキルニEt,Pr,i-Pr,Bu,i-Bu,s-Bu;フェニル環の置換基=H,3-Me,4-Me,4-MeO,3-i-Pr,3-i-PrO,3-インプロペニル,2,6-(i-Pr)2,4-OH,4-C1,4-NO2)を主としてアニリン類と硫化カルボニルおよび臭化アルキルとのブチルリチウムを使用する反応により合成し,それらの除草漕性を検討した。これらのフェニルチオカルパミン酸8-エステル類はすべて250g/10アールの処理で雑草に対して除草活性を示し,特にフェニル環の3-位にイソプロピル基やイソプロペニルをもつ化合物の除草活性が高いことがわかった。
抄録全体を表示