日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
1994 巻, 4 号
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  • 大江 純男
    1994 年 1994 巻 4 号 p. 319-322
    発行日: 1994/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    電気化学的に荒らされた銀作用電極表面に配向した1,10-フェナントロリン,および,その誘導体である2,9-ジメチル-1,10-フェナントロリン(ネオクプロイン),4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(バソフェナントロリン),2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナソトロリソ(バソクプロイン)の4種の分子についてSERS(Sumrface Enhanced Raman Scattering)スペクトルを測定した.これらのスペクトルは,程度の差はあるものの明らかにSERS現象,電位の依存性を示している.これらのSERSスペクトルを詳細に比較して,銀作用電極表面に配向したこれらの分子の構造は,3個の環からなるフェナントロリン骨格面が銀作用電極表面に対して角度を持った形であると考える.
  • 里園 浩, 鈴木 哲, 竹村 健
    1994 年 1994 巻 4 号 p. 323-328
    発行日: 1994/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    パソコン用高速A-D変換ボードを用いたりん光測定の新しい手法と,その手法を用いたりん光測定装置について報告した.
    試料はパルス点灯型キセノンランプで励起した.光電子増倍管からの出力信号を,パンコン用高速A-D変換ボードでA-D変換し,りん光減衰曲線を得た.りん光寿命は,得られた減衰曲線の成分解析から求めた.A-D変換された減衰曲線データから,蛍光成分を含む時間領域を除いたデータの総和をとり,観測波長スキャンを行うことでりん光スペクトルが,励起波長スキャソでりん光励起スペクトルが得られた.総和ではなく,ある時間幅についての和を取り波長スキャンを行うことで,時間分解スペクトルも得られた.本装置は,非常に簡単な構成でありながら,単一の装置でりん光の様々な情報を得ることができるという特徴を有する.
    実際のりん光測定から,本装置はりん光測定に十分な性能を持つことが確かめられた.
  • 西尾 俊幸, 木島 弌倫, 梶原 莞爾, 藤木 良規
    1994 年 1994 巻 4 号 p. 329-335
    発行日: 1994/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    アルミナ前駆体繊維を得るための溶液系
    (1)NCS溶液:N(OPri)3-A1(NO3)3-クエソ酸-H20系(A1(OPri)3mol/A1(NO3)3mo1=2,H2Omol/total AImo1=50,total A1 mol /クエン酸mol=10),
    (2)NS溶液:A1(OPri)3-N(NO3)3-H2O系(A1(OPri)3mol/A1(NO3)3mol=2,H2Omol/total A1 mol=50),
    に関し,クエン酸の有無が,溶液構造に如何なる影響を与えるのかを,小角X線散乱測定より検討した.これより,NCS溶液及びNS溶液何れの溶液の場合も濃縮に伴い慣性半径は低下したが,その割合はクエン酸を含むNCS溶液の方がクエン酸を含まないNS溶液より大きく,紡糸可能濃度溶液における慣性半径値は前者が50Å,後者が100Å であった.これより,A1(NO3)3に対するA1(OPri)3の量が同一であっても,系にクエン酸を添加した場合と添加しなかった場合で,溶液を構成していると考えられるA1のクラスター構造が異なると共に,その後の濃縮に対する溶液構造の変化に対しても異なった挙動を示すことが明らかとなった.
    これらの溶液より得られたゲル試料を焼成した場合のα-アルミナへの結晶化速度を定量的X線回折測定で検討したところ,950,1000℃ 及び1050℃ で恒温処理した場合の誘導期間は,NCS試料の方がNS試料より短いことが示された.また,誘導期間を差し引いた時間と転換率との間で成り立つAvrami式より得られる反応速度定数と1/T(処理絶対温度)とのArrheniusプロットより得られた活性化エネルギーは,NCS試料の方がNS試料より若干大きかった.これらは何れも,クエン酸の有無による炭素量における違い,及び溶液構造における違いを反映していると考えられる乾燥ゲル試料での構造の違いが原因していると考えられた.また,Avrami指数は何れの試料の場合も1.6であり,溶液構造を反映すると考えられる試料における構造の違いは核形成一成長の様式には影響しないことがわかった.
  • 鈴木 智巳, 田中 文生, 長尾 幸徳, 阿部 芳首, 御園生 堯久
    1994 年 1994 巻 4 号 p. 336-339
    発行日: 1994/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[de]イソキノリン(1)を濃硫酸中でN-プロモスクシンイミド(NBS)と反応させ,9-プロモ置換体(2a)を得た.さらにNBSと反応させると7,9-ジブロモ置換体(2b)が得られた.また1-クロロ-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[de]インキノリン(4)を濃硫酸中でNBSと反応させると,9-プロモ置換体(5b)が生成した.
    次に,2aのN-オキシド(3a)を塩化ホスホリルを用いて塩素化すると,イソキノリン骨格のビリジソ環部分へのハロゲン化が起こり,3-クロロ置換体(5a)および1-クロロ置換体(5b)が得られた.また1のN-オキシド(3b)と塩化ホスホリルとの反応でも4が得られた.
  • 林 隆俊, 岡田 豊, 福地 毅
    1994 年 1994 巻 4 号 p. 340-344
    発行日: 1994/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    アシルフェロセン類の酸化反応をメタノール溶媒中トリクロロ酢酸存在下で行い,アルキルフェロセン類の酸化反応とは異なる反応を見いだした.この反応は二段階からなっており,第一段階では,カルボニル基へのプロトン付加によりカルボカチオンが生成し,第二段階では,さらにシクロペンタジエニル基一鉄結合が切れFe2+を生成する.Fe2+はただちにFe3+に酸化される,Fe3+やイオンが酸化剤となり,他のフェロセン核を酸化分解するものと考えられた.反応速度と溶媒,置換基の構造の間には密接な関係があり,立体効果や電子的な効果などで合理的に説明できる.
  • 橘 陽二, 横山 信二, 手島 剛
    1994 年 1994 巻 4 号 p. 345-353
    発行日: 1994/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    25-ヒドロキシビタミンD4(22,23-ジヒドロ-25-ヒドロキシビタミンD2)(18a)およびD7(24-エビ-22,23-ジヒドロ-25-ヒドロキシビタミンD2)(18b)を合成中間体として1α,25-ジヒドロキシビタミンD4(活性型ビタミンD4)(1)およびD7(活性型ビタミンD7)(3)を合成した.エルゴステロールから誘導される22-ヨ-ド体(13)とフェニルスルポソ誘導体(6a,b)を縮合させた後,ヒドロキシル基の保護基を酸性条件下で除去,フェニルスルホニル基をNa-Hgで還元的に離脱して化合物(15a,b)を得た.15a,bのエルゴスト-6-エン核保護基をLiAlH4で脱離し,5,7-ジエン体(16a,b)として,光反応,熱異性化を行い18a,bを得た.18a,bを25-ヒドロキシシクロビタミンD4(20a)およびD7(20b)誘導体に変換後,アセトリシスを行い3β-アセテート誘導体(21a,b)とした.ヒドロキシル基の保護基を除去後,結晶化を行い,および3を得た.1α-ヒドロキシビタミンD4(22,23-ジヒドロ-1α-ヒドロキシビタミンD2)(2)およびD7(24-エピ-22,23-ジヒドロ-1α-ヒドロキシビタミンD2)(4)はスルホン誘導体(8a,b)と13を縮合させた後,1および3と同様の反応を行うことによって合成された.
  • 松田 清美, 平田 光男
    1994 年 1994 巻 4 号 p. 354-358
    発行日: 1994/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(P(NIPAAm))ヒドロゲルは,その転移点33.5℃ 以上の水中に急激に浸漬されると,非透過性の緻密な膜が形成される.本研究では,ATPを包括したP(NIPAAm)ゲル(ATPゲル)をZn2+を含む溶液中に浸潰し,外部溶液の温度を転移点の上下の二つの温度に交互に上下させることで溶液のpHを制御することを検討した.ATPは,ドラッグデリバリーシステム(DDS)への応用を考慮してゲルからの拡散物質として選んだ.ATPゲルをZn2+溶液中に浸潰し,ゲルからのATPの放出をATPのアデニン環によるUV吸収の上昇から確認し,同時に溶液中のATPとZn2+との反応の結果として,ATP-Zn2-二元錯体の生成に伴うH+の放出による溶液のpHの低下を観察した.40℃ でのATPゲルの急激な浸漬の場合には,溶液のpHはほとんど一定で,緻密な膜のため,ATPゲルからのATPの放出の抑止を示した.ATPゲルを25℃ と40℃ のZn2+溶液中に繰り返し浸漬するとそれに対応してpHの低下と停止の反復現象が観察された.さらに,橋かけ度を上昇させると25℃ におけるpHの低下は緩やかに起こった.
  • 江川 博明, 城 昭典, 落合 克紀
    1994 年 1994 巻 4 号 p. 359-364
    発行日: 1994/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    2,3-エピチオプロピルメタクリラート-ジビニルベンゼンMR型球状共重合体を基体とし,隣接メルカプト基を有するキレート樹脂を合成した.各モノマー量ならびに希釈剤(2-エチルヘキシルアルコール)量を変化させることにより橋かけ度および比表面積(細孔構造)の種々異なるキレート樹脂(RES)を合成し,その貴金属に対する吸着性を検討した.RESのAu(III),Pd(II)に対する吸着性は橋かけ度および細孔構造に大きく影響された.ジビニルベンゼンを10mol%含むモノマー混合液に対し,2-エチルヘキシルアルコールを100vol%用いて合成したMR型球状共重合体から良好な吸着性能を示すRESが得られた.このRESの各金属に対する吸着量はAu(III)>Os(VIII)>Pd(II)>Ir(IV)~Pt(IV)であった.吸着されたAu(III),Pd(II),Pt(IV)は0.1~0.2mol・dm-3シアン化カリウム溶液によって溶離できるが,Os(VIII),Ir(IV)は0.2mol・dm-3シアン化カリウム溶液およびチオ尿素5wt%を含む0.5mol・dm-3塩酸によってもほとんど溶離できないごとがわかった.
  • 丸山 均, 岡谷 卓司
    1994 年 1994 巻 4 号 p. 365-370
    発行日: 1994/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    まずシラノール基を含有するポリビニアルコール(シラン変性PVA)の水溶液中での無機物への吸着を調べた.勝光山粘土,ケイ酸カルシウムおよびアルミナではPVA中のシラノール基含有量が増す之吸着量は増大した.その際,水スラリーの粘度上昇あるいはゲル化が認められた.次に無機物粒子と少量のシラン変性PVAとからなる複合材の性質を調べた.これらの水スラリーを乾燥して得たシートの耐水性は,粒子径の大きな砂では吸水率が低く,砂中の空隙への水の浸透が少ないのに対し,粒子径の小さい粘土では吸水率が大きく,水は空隙を拡げて存在していた.砂表面にシラン変性PVA水溶液を散布して乾燥すると,水の浸透が著しく小さくなることがわかった.透水係数は土・砂類の中で小さいとされる粘土のそれに比べて10-4小さいものであった.シラン変性PVA水溶液をガラス板およびアルミナ板上で流延したフィルムの基板に対する接着力は通常のPVA系に比べて著しく大きかった.これらの結果は土・砂などの無機物表面に存在する水酸化ケイ素あるいは水酸化アルミニウムとPVA中のシラノール基との反応およびPVA同士の橋かけ反応に基づくと推定した.
  • 中井 敏博, 芦 子揚, 佐藤 芳夫, 加藤 義重
    1994 年 1994 巻 4 号 p. 371-375
    発行日: 1994/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    トリクロロエチレン(TCE),テトラクロロエチレン(PCE),ゲクロロフェノール(OCP)の活性炭吸着性,および吸着活性炭の超臨界二酸化炭素や液化二酸化炭素による再生性を明らかにした.TCE水溶液の活性尿吸着における20℃,100ppmでの粒内拡散係数は3.33×10-9cm2/sとなった.温度35℃,圧力200kg/cm2の超臨界二酸化炭素で再生したときの再生率はTCE>PCE>OCPの順で,芳香族ニトロ化合物吸着活性炭の再生率と比較すると,TCE,PCEでは極,めて高く,OCPはo-ニトロアニリンより若干高めとなった.液化二酸化炭素による再生では再生率の圧力依存性が小さく,抽出したOCPを析出,分離した後,二酸化炭素を抽剤として循環再使用するには超臨界流体の方が適していると考えられた.
  • 上田 壽, 樋口 勝彦, 安部 圭司
    1994 年 1994 巻 4 号 p. 376-380
    発行日: 1994/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ポリクロロビフェニル(PCB)を環境の二次汚染なしに無害化する方法を探索する目的でオルトチタ酸テトラブチルとの共重合を試みた.可視光照射可能なビーカー状容器中にテトラヒドロフランン(500ml)を溶媒としてPCB300,2.79,シリカゲル粉末2.09,オルトチタン酸テトラブチル6.39を入れて30W蛍光灯(1-2本)で照射して放置したところ,170時間でガラス状のポリマーを得た.この生成物をメタノールでよく洗浄したところ最初に入れたPCB300の7%の未反応成分を回収したが,残りの93%はメタノール中に溶出しなかった.この93%分についてIRおよび反射スペクトルをとって調べてみると,脱塩素したビフェニル部分がオルトチタソ酸テトラブチルと共重合してポリマーを形成していることが結論された.
  • 田中 卓, 丸山 均, 梶谷 浩一, 岡谷 卓司
    1994 年 1994 巻 4 号 p. 381-386
    発行日: 1994/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    アルミナ粉体のプレス成形に及ぼす結合剤としてのポリビニルアルコール(PVA)の影響を,プレス成形物の曲げ強度,曲げ弾性率および密度から検討した.成形時の,穎粒中の水分率が高いほど曲げ強度などは高かった.このことはPVAのガラス転移温度(Tg)が吸水により成形温度よりも低くなることが重要であることを示している.PVAは成形時には水により十分に可塑化されることが必要であるが,成形後は水などの可塑剤は存在しない方が強度は高かった.
    次に各種共重合変性PVAの影響を調べた.炭素数10のカルボン酸のビニルエステルとイタコン酸を共重合したPVAで顕著な成形物のグリーン強度の増加,および密度の上昇が認められたので,これらの変性度の影響をやや詳細に調べた.最適組成では通常のPVAの系に比べて成形物の曲げ強度で3倍,タフネスで4倍大きかった.パラフィン鎖による滑剤効果によって穎粒の変形および緻密化が起こりやすくなることがその理由であろうと推定した.
  • 宇田 成徳, 舟見 準, 近藤 滋, 高尾 寛, 川村 賢二, 信田 健一, 佐々木 和夫
    1994 年 1994 巻 4 号 p. 387-395
    発行日: 1994/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    比較的低電圧・低電流で使用される小型モーターの電気接点には,特有の困難な問題がある.この障害は,以下のように特殊な接点潤滑剤で解決できた.
    (1)エチレングリコールなどの鎖状有機物は,ある程度以上の分圧を持てぱ,接点表面に吸着し芳香族などの有害物質の吸着を妨げ障害を予防する.
    (2) 接点は,しゅう動(摩擦)により常に活性表面を作りだす結果,潤滑剤の吸着を促進する.
    (3)二価のアルコールは吸着状態で機械的エネルギーにより結合し有効な潤滑膜をつくる.
    (4)潤滑膜は,しゅう動とアークエネルギーにより破壊されるが,低分子(CO2も考えられる)になるため蒸発しモーター外部にリークする.新表面にはゴムなどに吸着されたEGなどの遅い蒸発により補給される.
    (5)芳香族物質の障害を減少出来る事も実証した.
  • 川上 貴教, 五十嵐 淑郎
    1994 年 1994 巻 4 号 p. 396-398
    発行日: 1994/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    In order to obtain an imaging diagnostic agent which adsorbs selectively to atheroma, three kinds of [tetrakis (phosphonooxyphenyl)porphyrinato]manganese (III) were synthesized. Namely, they ar e manganese (III) complexes of 5, 10, 15, 20-tetrakis [4- (phosphonooxy) phenyl]porphyrin [Mn (tPPPm)5, 10, 15, 20-tetrakis [3, 4-bis (phosphonooxy) phenyl] porphyrin [Mn (OPPd) 1, and 5, 10, 15, 20 -tetrakis [3, 4, 5-tris (phosphonooxy)phenyl]PorPhYrin [Mn(tPPPt)] (Fig.1). Among these, [Mn(tPPPd)] adsorbed well to calcium carbonate (rate of adsorption: 48%) and [Mn(tppt)]adsorbed well to deoxycholic acid (rate of adsorption: 54%).
  • 武隈 真一, 趙 振東, 松原 義治, 牧原 大, 山本 啓司, 野副 鉄男
    1994 年 1994 巻 4 号 p. 399-402
    発行日: 1994/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Treatment of azulene (1) with 0.2% formaldehyde in acetic acid under nitrogen at 25°C for 1 h gave five products: Namely, 1, 1'-methylenebisazulene (2), 1, 3-bis (1-azulenylmethyl) azulene (3), 1, 1'-methylenebis [3- (1-azulenylmethyl) azulene] (4), 1, 3-bis [3- (1-azulenylmethyl) -1-azulenylmethyl]azulene (5), and 1, r-methylenebis[ [3- (1-azulenylmethyl)-1-azulenylmethyl]azulene] (6). The structures of the products were established on the basis of their spectroscopic (UV-vis., MS, and 1H-NMR) data.
  • 円満字 公衛
    1994 年 1994 巻 4 号 p. 403-405
    発行日: 1994/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    It was examimed to improve the catalytic activity of octasodium (2, 3, 9, 10, 16, 17, 23, 24octasulfonatophthalocyaninato)cobaltate (II) (CoPc) for decomposing acetaldehyde which is one of the factors of cigarette smell. By the impregnation of water-soluble polymers into CoPc-containing filter paper used as a deodorant filter, the author was able to raise the decomposition efficiency of acetaldehyde (η)from 16% to 74%. It was also found that η of the deodorant filter is inversely proportional to the equilibrium constant K for complex formation between CoPc and impregnated water-soluble polymer. The each value of K was calculated from Hildebrand's equation of the difference spectra between CoPc plus water-soluble polymer and CoPc only.
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