日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
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1994 巻, 7 号
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  • 原田 明, 蒲池 幹治
    1994 年 1994 巻 7 号 p. 587-595
    発行日: 1994/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    近年,低分子化合物の分子認識について多くの研究がなされているが,生体系においては高分子による高分子の認識が生命を維持していく上で重要な役割を果たしている。著者らはホスト-ゲスト系による高分子の認識と高分子の認識に伴う超分子構造の構築について検討した。従来,シクロデキストリンの包接に関する研究は低分子化合物の研究に限られていたが,著者らはシクロデキストリンが種々のポリマーを取り込み包接化合物を形成することを見いだした。本報告ではシクロデキストリンと種々の非イオン性の水溶性ポリマーや疎水性のポリマーとの錯体形成について検討した結果を報告したい。特にシクロデキストリンはポリマーの構造や分子量を厳密に認識し,超分子構造を形成する。これらの超分子の構築方法や構造,性質や機能について検討した。またこれらの超分子構造を利用した鋳型反応による新規な化合物,ポリロタクサンの合成方法についてものべる。
  • 大江 純男
    1994 年 1994 巻 7 号 p. 596-599
    発行日: 1994/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    アラニンとグリシンのSERS(Surface-enhanced Ramanscattering)スペクトルを測定した。この2種のアミノ酸の結晶と水溶液のラマンスペクトルとSERSスペクトルは著しく異なっている。また,溶媒,電位によってもSERSスペクトルは変化しており明らかな電位依存性を示している。そして,電極電位が-0.4または,-0.6Vの時,最も大きくシフトし,増強は最大となっている。この時のバソドの相対強度の変化,波数のシフトからアミノ基とカルボキシル基が共に銀作用電極に吸着していると結論づけた。
  • 日比野 高士, 浅野 浩一, 岩原 弘育
    1994 年 1994 巻 7 号 p. 600-604
    発行日: 1994/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    高温固体電解質型燃料電池の構造を単純化するために,メタンの部分酸化反応を利用して,均一ガス雰囲気内で作動する新構造燃料電池を考案した。酸化物イオン導電体であるジルコニア系もしくはプロトン導電体である酸化セリウム(IV)ストロンチウム(以下ストロンチウムセレートと略記)系固体電解質の片面に白金電極ともう片面に金電極を取り付け,メタンと空気の混合ガス(メタン:酸素モル比=2:1)をセル内部に950℃で供給した。その結果,両電極間の触媒活性の違いから,大きなガス濃淡差が生じ,ジルコニア系で200mV,ストロンチウムセレート系で700mV程度の起電力を得ることができた。また,これらのセルから安定に電流を取り出すことができ,特にストロソチウムセレート系では100mAcm-2以上の短絡電流密度が得られた。両固体電解質問の起電力および放電特性の違いの原因が種々の電気化学的手法により検討された。
  • 鄭 容宝, 井戸川 浩幸, 黒沼 真, 山田 文之, 渡辺 信淳
    1994 年 1994 巻 7 号 p. 605-612
    発行日: 1994/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    黒鉛粉体を室温~300℃の温度範囲で直接フッ素化処理し,水に対する分散性について調ベた。未処理の黒鉛粉体は粒子が水中ですぐに凝集沈降するのに対して,室温でフッ素化処理すると,水に対する分散安定性が著しく向上した。処理温度の上昇に従ってそれは徐々に低下し,300℃以上で処理した試料は,粒子が水中に浸入することなくすべて水上に浮上した。このように,フッ素化処理温度の変化により黒鉛粉体の水に対する分散性は,未処理の凝集沈降から分散と浮上へと様々に変化した。水蒸気吸着測定から,室温でフッ素化処理すると,表面の親水性が著しく増加し,処理温度の上昇に従ってそれは徐々に減少し,さらに,300℃以上で処理した試料は,表面が疎水性であることが認められた。この結果から,水に対する分散性は,粒子表面のぬれ性が大きく影響していると考えた。また,XPSによる表面分析の結果から,室温でフッ素化処理すると,フッ素は炭素とイオン的な結合を形成し,処理温度の上昇に従って徐々に共有結合性へと移行することが認められた。このような結合の変化により,黒鉛粉体の表面は極性から無極性へと変化し,水に対する分散性および親和性が著しく変化するものと思われる。
  • 高濱 孝一, 佐古 利治, 横山 勝, 平尾 正三
    1994 年 1994 巻 7 号 p. 613-618
    発行日: 1994/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    粘土層間架橋多孔体を利用してチタニアゾル粒子を粘土の二次元ケイ酸塩層間に保持し,二酸化炭素超臨界乾燥によって高気孔率のミクロボア多孔体を合成した。この多孔体に含浸法および光還元法の二通りの方法で白金を担持し,紫外線を照射して,乾式法(固-気反応系)による一酸化炭素の光触媒酸化を行った。白金無担持多孔体の光触媒活性は低いが,白金を担持することにより,光酸化触媒能は著しく向上し,特に光還元法により白金を担持した試料を用いると,日常生活環境下で上限と思われる濃度50ppmの一酸化炭素を室温で,ほぼ完全に酸化除去できた。電子顕微鏡観察および一酸化炭素吸着測定結果から推察して,光還元法白金担持試料の高い触媒活性は,粘土粒子間に高分散状態で存在するチタニア粒子上に,平均粒径6nmの白金超微粒子が効率的に担持されているためと考えられる。
  • 田口 智裕, 三浦 弘, 河合 宏伊久, 佐藤 充
    1994 年 1994 巻 7 号 p. 619-624
    発行日: 1994/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Fe-K系酸化物触媒内に存在する複酸化物の生成および分解に着目し,エチルベンゼン脱水素反応におけるFe-K系酸化物触媒の活性種の同定を試みた。XRDによれば,空気中焼成したα-Fe2O3-K2CO3系混合酸化物触媒内にKFeO2,K2O・nFe2O3およびα-Fe2O3が存在した。750℃で焼成した場合,炭酸カリウムを添加することにより,いずれの組成比に調製した触媒も表面のFe-K組成比はほぼFe/K=1/1であり,高い活性,選択性を示した.XRDの結果を考慮すると触媒表面にKFeO2が生成していることがわかった。つぎにKFeO2の各種雰囲気下での安定性を調べたところ,CO2雰囲気下でK2CO3とα-Fe2O3に分解した。しかし,脱水素反応雰囲気下では析出炭素と水蒸気との反応でCO2が生成するにもかかわらず,反応使用後の触媒内にはKFeO2が存在した。そこで,KFeO2の分解とCO2との関係をCO2平衡圧により評価した。反応条件下に存在するCO2分圧がCO2平衡圧より小さいことを確認し,KFeO2が脱水素条件下で安定に存在できることがわかった。また,反応系に平衡圧を越えた分圧のCO2を加えると,KFeO2が分解するとともに活性,選択性が低下した。これらのことから,Fe-K系酸化物触媒の活性種はKFeO2であることがわかった.
  • 鈴木 脩一, 早瀬 修二
    1994 年 1994 巻 7 号 p. 625-631
    発行日: 1994/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    アルミニウム錯体とシラノール化合物との複合触媒は,エポキシ樹脂と芳香族アミンの付加反応に対して有効であることがわかった。複合触媒を形成する一方の成分単独では促進効果は認められなかった。シラノールのo-アルキル置換化合物は,ヒドロキシル基遊離のシラノール化合物に比べて低温側で反応開始が遅くなり,潜在性触媒としての挙動が確認された。触媒の促進効果は1wt%以下の添加量でも顕著であり,2wt%程度で緩慢となる傾向が見られた。また芳香族アミン化合物のpKa値の大きい方が反応促進の効果は大きいことが認められた。二官能性および四官能性エポキシ樹脂とジアミノジフェニルスルホンの反応をAl(acac)3/Ph3SiOH存在下で行うと,発熱ピーク(DSC)が無触媒に較べて約20~25℃ 低温側にシフトすることがわかった。また加熱硬化樹脂やCFRPの特性も良好であり,電気機器や航空・宇宙用の高機能エポキシ樹脂マトリックス材料として,広く応用できるものと期待される。
  • 島崎 長一郎, 高島 伸知, 福島 和彦, 高井 佳彦, 小野 慎, 吉村 敏章, 作道 栄一
    1994 年 1994 巻 7 号 p. 632-638
    発行日: 1994/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Tetraalkyl and aryl imidodiphosphate(RO)2P(O)NHP(0)(OR)2類を合成し,熱的分解挙動および電子衝撃による開裂機構を検討した.TG-DTA測定の結果,8種類のテトラアルキルエステル(以下IPTAと略す)では主要な重量損失の開始温度はアルキル鎖が長くなるにつれて高温側にシフトし,分岐したアルキル基を持つ試料では同炭素数のアルキル基を持つ試料と比較して低温側にシフトした。また4種類のtetrakis(P-substituted phenyl)imidodiphosphate(以下IPTPと略す)では置換基による特徴的な差異は認められなかった。TG-TRAP-GC/MS複合装置による測定結果からIPTA(R:-CH3)の熱分解では脱離したメタノールがすぐにimidodiphosphateと反応しtrimethyl phosphateとdimethyl phosphoramidateを形成することがわかった。4種類のIPTPの熱分解も同様に進行するが,他の7種のIPTAではホスホリル基の酸素原子とメチル基の水素原子との間で六員環遷移状態を通ってオレフインの脱離が起こると推定される。また,IPTA(R:-CH3)の電子衝撃による開裂では分子イオンピークからメトキシル基が脱離したフラグメントイオンになり,他の7種のIPTAでは分子イオンビークからオレフインの脱離に1プロトン,2プロトンの転移に伴うフラグメントイオンになると推定され,熱分解機構とは違っていた。
  • 川村 和郎, 藤本 司郎
    1994 年 1994 巻 7 号 p. 639-643
    発行日: 1994/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    アルミニウムアルコキシドを熱水中で加水分解してベーマイトゾルを調製し,ゾルに対する水熱処理効果を調べた。水熱処理によってベーマイト粒子は大きくなった。粒子径の増大は高温で加熱処理してα-アルミナ化した場合,同一加熱処理温度(HTT)では未処理のべーマイトからのα-アルミナに比べて結晶粒は小さかった。ゾルの解こう剤にはカルボン酸を使用したが,ゾルーゲル変換を考慮した場合,解こう効果は酢酸及びプロピオン酸に適性があるように思われた。乾燥ゲルをHTT1100~1150℃の範囲で加熱処理することによってθ-アルミナからα-アルミナに変換した。この範囲のHTTでの組織変化は注目に値する。すなわち,均一組織に成長核が多数発生し,それらが成長して直径約10~20μmの球晶組織を形成した。各球晶内でアルミナ粒子は放射状に配向しており,アルミナ化後の結晶成長はこの配向に沿って発達した。球晶組織の発達は水熱処理したベーマイトでより明瞭であった。
  • 山本 融, 高橋 昌男, 吉川 信一, 金丸 文一
    1994 年 1994 巻 7 号 p. 644-649
    発行日: 1994/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    共有結合性の強いIIIb族金属の窒化物およびイオン結合性の強いIIIa族金属の窒化物と遷移金属の間での反応によって新しい金属複窒化物が得られるか検討した。NbNはウルツ鉱型のGaNと1400℃,3GPaの高圧下で岩塩型固溶体(Nb1-xGax)NをX≦O.12の限られた組成範囲内で生成した。しかしその結晶構造は局所的にはかなり歪んでいると考えられた.またニッケルでは直鎖状(Ni-N2/2)2-を含むCaNiNおよび固溶体(Ca1-xSrx)NiNと,ジグザグ鎖をもつSrNiNが得られた。コバルトはアルカリ土類金属窒化物と反応して,鉄,バナジウム,クロムの場合と同様に平面三角形のMN36-陰イオンを含むA3MN3(A=Ca,Sr)を生成した。これらのアルカリ土類金属一遷移金属窒化物では遷移金属は窒素と強く共有結合していた。アルカリ土類金属-遷移金属窒化物における結晶構造の差異について,遷移金属の電子配置およびアルカリ土類金属陽イオンと上記の遷移金属窒化物陰イオン基の大きさの関係から考察した。
  • 河合 範夫, 森重 清利, 西川 泰治
    1994 年 1994 巻 7 号 p. 650-655
    発行日: 1994/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    クロロフィルa,bとフェオフイチンa,bのアセトン溶液並びにメタノール及びエタノール溶液中におけるの蛍光の酸素消光能について検討した。窒素で脱気した試料の蛍光の量子収率φFNと酸素飽和時の量子収率φfOの比及び脱気時の蛍光寿命から溶存酸素による消光の速度定数kQを求め,各溶液中における酸素消光能を評価した。これらの溶媒のイオン化エネルギーあるいは粘度とkQの関係から酸素による消光過程について考察した。またこれらの誘導体であるピロクロロフイルa,b,ビロフェオフイチンa,b及びメチルフェオフォルビドa,bのアセトン溶液についても同様に検討した。これらのkQはフェオフイチン類>クロロフィル類であり,またb系列(クロロフィルb,フェオフイチンb,ピロクロロフイルb,ビロフェオフィチンb,メチルフェオフォルビFb)>a系列(クロロフィルa,フェオフイチンa,ビロクロロフイルa,ピロフェオフイチンa,メチルフェオフォルビドa)となった。各物質の置換基の電気陰性度Xpと分子容MVの比とkQから置換基の差異による酸素消光への影響を考察した。
  • 酒井 忠雄, 佐々木 英人
    1994 年 1994 巻 7 号 p. 656-660
    発行日: 1994/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    テトラブロモフェノールフタレインエチルエステル(Htbpe)と各種の脂肪族アミンとのイオン会合性及びそれらのサーモクロミズムについて検討した.Htbpeは1,2-ジクロロエタン中で第一級のプロピルアミン,ブチルアミンなどと560rim付近に極大吸収を持つ会合体を形成した,第二級のジプロピルアミン,ジブチルアミンなどとの会合体のλmaxは570nm付近,また第三級のトリプロピルアミン,トリブチルアミンなどとは580nmにλ燃を示し,同級のアミン間では炭素数がC3~C6まで増加しても極大吸収波長には変化は見られず,それらのシフトは塩基性度に依存するものと思われる.数種の第一級,第二級,第三級アミンについて20,35,45℃における会合定数を求めたところ,会合定数及び温度依存性に特徴があることが見いだされた.その結果,イオン会合体のサーモクロミズムを利用する第一級アミンと第三級アミンとの分子識別が可能となった.
  • 西川 泰治, 高橋 紘一, 増成 泰宏, 岡部 道明, 吉田 征樹, 太田 充
    1994 年 1994 巻 7 号 p. 661-666
    発行日: 1994/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    塩化カルシウム水溶液にシュウ酸ジメチルを加え,pH3,低温(3℃)で均一沈殿法によりシュウ酸カルシウムの三水和物CaC2O4・3H2Oの単結晶を合成した。この結晶の熱分析,赤外吸収スペクトル,粉末X線回折及び単結晶構造解析を行った。その結果,シュウ酸カルシウム三水和物は空間群Pi,a=7.1577Å b=8.4484Å c=6.1040 Å α=109.722°,β=109.316°,γ=76.526°,Z=2,V=324.8Å3, d=1.862 g cm-3の三斜晶系の結晶であることを明らかにした。また結晶中の三つの水分子の結合状態を明らかにするため熱分析(TG,DTG,DSC解析)を行った。その結果86~105℃(-2H2O脱水反応)及び115~170℃(-H2O脱水反応)の活性化エネルギーはそれぞれ87.9, 105.3 kJ mol-1であった。DSC解析の結果,脱水に要するエネルギーは一分子当たり52.30 kJ mo1-1なる値を得た。これら三分子の水の二段階の脱水過程は単結晶X線解析及び赤外吸収スペクトルの結果から水素結合数(-2H2O⇒ 水素結合数:2;-H2O⇒ 水素結合数:3)の差異とその結合距離に基づくことを明らかにした。
  • 眞田 宣明, 安部 浩司, 岩山 瑛, 内海 晋一郎, 松為 周信
    1994 年 1994 巻 7 号 p. 667-673
    発行日: 1994/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Pd触媒存在下,液相反応でオレフインと亜硝酸エステルから高収率でアセタールが生成する方法を開発した。この合成法は種々のオレフィンに適用できるが,今回はアクリロニトリルを中心に反応条件を詳細に検討した。
    その結果,本反応ではPd金属,ハロゲン化物イオン(Cl-,Br-),亜硝酸エステル,アルコールが必須であること,ハロゲン化物イオンとPdのモル比が反応速度に大きく影響を与えていること,従来型のWacker型の反応に比べて反応速度の速いことがわかった。これらのデータをもとに本反応の反応機構を推定した。
  • 山内 淳之介, 寺田 和俊, 佐藤 寿昭, 岡谷 卓司
    1994 年 1994 巻 7 号 p. 674-678
    発行日: 1994/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    石炭-水スラリー(CWM)用の分散剤としての性能を片末端にドデシルチオ基を有するイオン基変性ポリ(ビニルアルコール)(PVA)について調べた。対照のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩(NSF)に比較してイオソ基を含まない場合は分散能が低いが,スルホン酸ナトリウム基を共重合により導入するとCWMの粘度は顕著に低下し,100s-1以下のずり速度でダイラタンシー性が現れた。カルボン酸ナトリウム基を導入した場合にも同様であったが,第四級アンモニウム塩を導入した場合には作製直後のCWMの流動性は不良であり,粘度も高かった。スルホン酸ナトリウム基を3mol%含有する場合には3日放置後のCWMに沈殿が生成した。その量が増加すると放置安定性に改善が認められた。ずり速度を400s-1まで変えてCWMの粘度挙動をみた。NSF系では一回目に大きなチキソトロピー性が認められるのに対し,スルホン酸ナトリウム基を3mo1%含有するPVA系では一回目に低ずり速度でダイラタンシー性を,120s-1以上のずり速度で弱いチキソトロピー性を示した。放置安定性の悪さは低ずり速度での増粘がないことに対応していると考えられた。
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