日本化学会誌(化学と工業化学)
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1995 巻, 12 号
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  • 宇野 文二, 加納 健司, 奥村 典子, 窪田 種一
    1995 年 1995 巻 12 号 p. 939-947
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    非水系電気化学測定で得られる第一および第二酸化および還元電位の物理化学的意味を分子軌道法と熱力学的考察により明らかにし,これらの電子論的意味を表す式および相互関係を表す式を導いた.そして,この式に基づき,溶媒中での分子のイオン化エネルギーおよび電子親和力を評価し,分子軌道の対称性から分子の共役系変化に伴う電位シフトの挙動を明らかにした.また,この式と電子スペクトルの理論とから電位と電子スペクトルの関係式を導き,多くの系で実験的に証明した.さらに,この取り扱いを光励起状態に拡張することにより励起状態の酸化還元電位の物理化学的意味を明らかにし,励起状態での電子移動反応を酸化還元電位で説明できることを示した.その結果,光励起状態における電子移動に関するRehm-Weller経験式の理論的根拠が明らかになった.また,このような電解で生成する活性種に対する分子間相互作用能を解明した.水溶液中での電極過程で生成する不安定中間体アニオンラジカルはシクロデキストリンによる包接安定化を受け,とくにジシアノベンゼン類ラジカルでは母体化合物より強く包接されることを明らかにした.また,第二波で生成するπ電子系ジアニオンのn-σ型電荷移動相互作用能をP-キノン類ジアニオンとメタノールとの水素結合をモデル系として明らかにした.以上について,最近の研究成果を含めて分子科学的立場から総括的に述べた.
  • 大前 貴之
    1995 年 1995 巻 12 号 p. 948-953
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    環状共役系の熱力学的芳香族性を議論する際に有用なトポロジカル共鳴エネルギー(TRE)の理論を,これと同一の理論の枠内で反応論的芳香族性をも検討できるように拡張することを目的として,Httcke1近似下のプロパゲーター法を用いて検討した.ここで用いたHUcke1近似下のプロパゲーター法は,分子構造とそれに沿って伝播する種々の相互作用が系の電子物性に与える影響を,系統的かつ視覚的に検討する際に特に有用であることが知られている.三員環のHUcke1近似下のプロパゲーター法を組み立てる手順を詳細に検討した結果,TREを定義する際の参照系(TRS)を記述するプロパゲーターを得るには,プロパゲーターを構成する諸項から環状構造を反映した特定の項を取り去ればよいことを見いだし,この消去手順を多環系へ一般化した.こうして得られたTRSのプロパゲーターを,量子化学的反応性指数の定義に従って積分することで,TRSの化学反応性についての知見を得ることが可能になった.これによって,TREを用いた熱力学的芳香族性と同一の理論の枠内で,系の反応論的芳香族性を検討することが可能になった.
  • 佐山 勝英, 松尾 車朗, 藤田 斉轍, 佐々木 政子
    1995 年 1995 巻 12 号 p. 954-959
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    医薬品として使用されているフェノチアジン誘導体には,長波長紫外線を吸収してヒト皮膚に光線過敏症を誘起するものがある.10位に3-dimethylaminopropyl基をもつクロルプロマジンおよび3-qUinuclidinylmethyl基をもつメキタジンによる皮表脂質スクアレンの光増感酸化反応を調べ,この反応は一重項酸素が関与するTypeII反応であることを明らかにした.両薬剤による不飽和脂質の光増感酸化反応と一重項酸素生成の量子収率に対する溶媒依存性を比較検討した.生体内で起こる光増感反応を生体外でシミュレートするには,反応基質や光増感剤をとりまくミクロな環境を十分に考慮する必要があることを明らかにした.
  • 山岸 俊秀, 山田 珠子, 星野 道男, 成田 榮一
    1995 年 1995 巻 12 号 p. 960-965
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    青森県に多量に賦存するケイ酸質頁岩のクリストバル岩(以下,Cb岩と略記する)を用いて,界面活性剤含有排水の吸着剤としての利用の可能性について,表面化学的な観点から検討を行った.Cb岩は56~67m2・g-1とかなり大きなN2 BET比表面積をもち,水溶液中における表面は広いpH範囲にわたって負に帯電していた.したがって,静電的引力によってヘキサデシルトリメチルアソモニウムイオンや1-ドデシルピリジニウムイオンのような陽イオン界面活性剤を選択的に吸着したが,エーロゾル-OTのような陰イオソ界面活性剤の吸着量は多くはなかった.得られた吸着等温線はすべてFreundlich式によく適合した.Cb岩に対する陽イオン界面活性剤の吸着は,二段階で進み,二層の吸着層を形成することがわかった.一層目の吸着は,Cb岩表面に極性基が静電気的に吸着し,二層目の吸着は陽イオン界面活性剤の無極性基同士が疎水相互作用によって吸着していることが推定された.一方,陰イオン界面活性剤の吸着は,Cb岩中のAl2O3やFe2O3などの酸化物によって正に帯電した吸着点に集合体として吸着することがわかった.吸着後のCb岩のζ電位および分散選択性の結果から,吸着機購が確認された.吸着剤としては比表面積が大きく,シリカの結晶性の高いCb岩が有効であることがわかった.
  • 菊地 康昭, 青山 安宏
    1995 年 1995 巻 12 号 p. 966-970
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    シリカゲルにオクタデシル基を化学結合した逆相カラムであるシリカ-ODSカラムにポリヒドロキシ大環状ホスト分子を被覆したカラムを作成し,これを用いた鎖状および環状のモノオールやジオール,糖誘導体などのアルコールの分離を調べた.用いたホスト分子はヒドロキシル基対からなる極性部位を有しているためカラム表面の極性が増加し,ホスト被覆カラムの保持時間(Rh)が被覆していないカラムの保持時間(Rh)よりも減少する傾向が殆どの基質においてみられた.ホスト非被覆カラムと被覆カラムとの保持時間差(RO-Rh)を非被覆カラムの保持時間に対してプロットすると直線関係が成立するが,下に述べるシクロヘキサソジオールのほか,1-ペンタノールおよびシクロヘキサノール,4-メチルシクロヘキサノール,ヘキシルα-およびβ-キシロシドに関しては直線関係より下方に大きくずれる.つまり保持時間の減少が少ないことから,これらの基質はホスト分子と疎水的に相互作用していることを示している.特に,1,2一および1,3-,cis-1,4-シクロヘキサンジオールでは逆にホスト被覆カラムの保持時間がわずかながら増大した.これは,これらの基質が充填剤表面のホスト分子と強く相互作用した結果であり,立体選択性などの結果をあわせて考えると,疎水性相互作用のみならず水素結合が関与しているものと考えられる.
  • 喜多 裕一, 柏谷 高吉, 岸野 和夫, 中川 浩一
    1995 年 1995 巻 12 号 p. 971-976
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    酸触媒を用いたN-置換マレアミド酸の脱水閉環によるN-置換マレイミド合成における反応生成物の分析により,副反応生成物としてフマル酸が多く見いだされた.触媒のプロトン酸の作用により,プロトンがN-置換マレアミド酸の2種類のカルボニル酸素を攻撃し,続く脱水閉環と加水分解の2経路によって1V一置換マレイミドとフマル酸が生成する可能性があると考えた.また,このような反応経路は反応系のエネルギー計算によっても裏付けされた.なお,加水分解によって生成したマレイン酸とアミンの反応によるN-置換マレアミド酸の生成も起こっていることが確認された.次に,これらの結果に基づいて加水分解を抑制し,脱水閉環反応の選択率を向上させるため,触媒として酸とアミン塩の混合物を用いたが,N-置換マレアミド酸からN-置換マレイミドへの反応の選択性が著しく向上することを見いだした.
  • 吉村 敏章, 大窪 栄範, 井関 恒久, 磯 博文, 小野 慎, 森田 弘之, 島崎 長一郎, 作道 栄一
    1995 年 1995 巻 12 号 p. 977-985
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    S,S-ジフェニル-N-トシルスルフィルイミンを濃硫酸と濃硝酸の混酸で処理することによりS,S-ジフェニル-N-ニトロスルフィルイミンを収率57%で得た.S,S-ジフェニル-N-ニトロスルフィルイミンの熱分解反応を行ったところジフェニルスルフィド(30%)及びジフェニルスルポキシド(31%)が得られた.アルカリ及び酸加水分解反応においては,ジフェニルスルポキシドが高収率で得られた.Grignard試薬や有機リチウム試薬との反応及びフェニルメタソチオールや水素化アルミニウムリチウムや水素化ホウ素ナトリウムによる還元反応においては,硫黄上での求核置換反応により生成したと思われる生成物が得られた.これらの反応のうち,多くの反応でN-ニトロスルフィルイミンは他のスルフィルイミンよりも求核置換反応が起こり易くなっていることがわかった.また,TG-DTA/DTG,TG-Massによる熱分析及び酸塩化物やトリフェニルポスフィンとの反応,さらにMCPBA,過酸化水素及び次亜塩素酸ナトリウムによる酸化反応を検討した.また,モデル分子(H2SNX)を用いてab initio法(RMP2/6-31G*)によりその構造について他のスルフィルイミンとの比較を行った.
  • 野村 正人, 多田 貴広, 逸見 晃, 藤原 義人, 下村 健次
    1995 年 1995 巻 12 号 p. 986-993
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    インドネシア産カシューナッツの殻液から単離した6-[(8Z,11Z)-8,11,14-ペンタデカトリエニル]サリチル酸(1)を用いて簡便な手法により24種類の化合物を誘導し,チロシナーゼ阻害活性,活性酸素抑制ならびにピアルロニダーゼ阻害活性を検討した.その結果,3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニン(DOPA)を基質とするチロシナーゼ限害活性試験では,2-ヒドロキシ-6-[(8Z,11Z)-8,11,14-ペンタデカトリエニル]ケイ皮酸(4)と2-ヒドロキシ-6-[(8Z,11Z)-8,11,14-ペソタデカトリエニル]シンナミルアルコール(5)に良好な阻害活性(50~62%)が存在することがわかった.つぎに,活性酸素抑制効果試験では,2-ブトキシ-6-[(82Z,11Z)-8,11,14-ペンタデカトリエニル]シンナミルアルコール(5d)に70%以上の阻害率があることがわかった.一方,ピアルロニダーゼ阻害活性試験では,6-[(8Z,11Z)-8,11,14-ペンタデカトリエニル]サリチルアルデヒド(3),2-メトキシ-6-[(8Z,11Z)-8,11,14-ペソタデカトリエニル]ケイ皮酸(4a)および,2-エトキシ-6-[(8Z,11Z)-8,11,14-ペソタデカトリエニル]ケイ皮酸(4b)に99%以上の阻害率が存在することがわかった.このように1から誘導した化合物のうち良好な阻害活性があった化合物について阻害活性形式を検討したところ,いずれも拮抗阻害を示すことが明らかになった.
  • 野沢 和洋, 橋本 信行, 松井 和則
    1995 年 1995 巻 12 号 p. 994
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    テトラフェニルポルフィリン(H2TPP)とテトラフェニルポルフィリン亜鉛(II)錯体(ZnTPP)をテトラメトキシシラン(TMOS)を用いたゾルーゲル反応系中に分散させて,その吸収や蛍光スペクトルを測定した.ゾルーゲル溶液中において酸を添加した場合,H2TPP,ZnTPPからH4TPP2+型へ変化した.これは,H2TPP + nH+ → H4TPP2+,ZnTPP + nH+ → Zn2+ + H4TPP2+の反応がそれぞれ起きているためと考えられる.ゾルーゲル反応の進行に伴い,触媒を添加しない場合やNaOH/TMOS=3×10-6程度の塩基を加えた場合でも,H2TPPはH4TPP2+へ変化した.一方ZnTPPは酸を加えない限り乾燥ゲル中でもZnTPPのままであった.これらの結果は,シリカ細孔表面のシラノール基の酸強度の関係で,H2TPPにH+を付加することはできるが,ZnTPPからZn(II)を解離できないためと説明される.
  • 神林 信太郎, 並木 裕和
    1995 年 1995 巻 12 号 p. 1000-1005
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    カルボキシメチルセルロース(CMC)~6-O-(2-ヒドロキシエチル)-N,N,N-トリメチルキトサソヨウ化物(HETMCh),CMC~6-O-(2-ヒドロキシエチル)キトサン(HECh)などのポリイオンの混合粉末を担体としたテオフィリン錠剤を調製した.この錠剤を人工胃液から人工腸液中へ一定時間後に移し変えて,テオフィリンの放出量を吸光光度法で測定した.また人工胃液中での錠剤の膨潤度の測定と,錠剤担体成分の等モル混合ポリイオン溶液の吸光度変化からポリイオソコンプレックス(PIC)形成pH範囲の測定も行った.その結果CMC~HETMCh系錠剤で,人工腸液に錠剤を移した直後にテオフィリンの放出速度が人工胃液中の放出速度に比べて最大約4.7倍も早くなる現象が見られた.このような錠剤からのテオフィリンの絞り出し現象は,HETMChの添加量の影響を強く受け,添加比R=[HETMCh]/[CMC]が0.5のときに最も大きな絞り出し現象が観察された.CMC~HECh系錠剤では,人工腸液のpHでPICを形成することができないので絞り出し現象が見られなかった.絞り出し現象の発現には錠剤が人工胃液中で十分膨潤できること,人工腸液のpH条件で安定にPICを形成し錠剤膨潤層の大きな体積収縮が起きることなどの条件が必要であることが明らかになった.
  • 林 弘, 平野 晋一, 重本 直也, 山田 進一
    1995 年 1995 巻 12 号 p. 1006-1012
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    多孔体に担持した炭酸カリウムを用いて固定床操作による湿性二酸化炭素の捕捉を試み,煙道ガス条件に応用した.通常の固定床吸着では煙道ガスに8-17%も含まれる湿気が吸着剤性能を著しく低下させるが,炭酸カリウムは水の共存で炭酸水素カリウムを生成して化学的に二酸化炭素を捕捉するので(K2CO3+CO2+ H2O ⇔ 2KHCO3),水蒸気の存在はむしろ不可欠である.しかし,潮解性の炭酸カリウムは,前報の活性炭のような適当な担体に担持しないと固定床では使用できない.活性炭では,炭酸カリウムの担持により表面積はあまり変化しないが,親水性担体のシリカゲルでは表面積が激減し,炭酸カリウムによる細孔閉塞が見られた.成形α-アルミナの場合には,無孔のアルミナ粒子の隙間を炭酸カリウムが埋まり込むように保持される.シリカゲルでは炭酸カリウムとの水熱反応でケイ酸カリウムを生成することが示され,K2CO3 / SiO2について二酸化炭素の捕捉と放散を繰返すと性能の低下が見られた.K2CO3では効率よく二酸化炭素の捕捉が再現される.捕捉二酸化炭素は,いずれの担体でも150-200℃ で水蒸気フラッシュすると定量的に回収できる.
  • 吉田 諒一, 石黒 秀美, 宮沢 誠, 成田 英夫, 吉田 忠, 前河 涌典
    1995 年 1995 巻 12 号 p. 1013-1017
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    カナダ産BattleRiver炭とColdLakeオイルサンドビチューメンとのコプロセッシングにおける450℃,121分(Ni-Mo触媒存在下)の転化率は97.1%に達し,既報のアソトラセン油/赤泥・硫黄触媒系での450℃,120分の95.7%を上回っており,ColdLakeオイルサンドビチューメンが反応溶剤として有効であることを示している.またBattleRiver炭とColdLakeオイルサンドビチューメンとのコプロセッシングにおいて,Ni-Mo触媒は水素消費率が赤泥・硫黄触媒と同程度であるにもかかわらず,赤泥・硫黄触媒に比べ反応初期段階において転化率に対する効果が大きく,アスファルテンの低減に効果を示し,ヘテロ元素の除去に対しても優れた活性を有し,水素利用効率の面でも優れている.さらに反応温度450℃ では,水素化,脱ヘテロ元素化および低分子化のようなオイル生成物の高晶質化が進行している.
  • 相川 正美, 吉野 論吉
    1995 年 1995 巻 12 号 p. 1018-1021
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    It was observed that in an aqueous solution (ethylenediaminetetraacetato) aquaruthenium (III), [Ru (H 2O) (Hedta) ] reacts with salicylaldehyde oxime (H2L) in a molar ratio of 1: 1 to give bluish purple complex (ε 620=2100). This complex formation reaction is first-order with respect to both [Ru (H2O)
    (Hedta) ] complex and salicylaldehyde oxime concentrations. At pH 4.7, the second-order rate con stant (kAN) was determined as kAN= 4.15 ± 0.25 M-lS-l(15° C, I =-0.1). When the acidity of the reaction solution was kept at 0.2 M with sulfuric acid, purplish-black crystals separated out rapidly.
    The crystals wer e subjected to elemental analysis, pH titration and measurements of i. r. spectra and magnetic susceptibility.
    These e xperimental results suggest that the crystal is a complex having a formula [Ru (H2edta) (HL) ]· 0.5 H2O.
  • 櫻井 忠光, 長岡 徹, 神谷 順, 井上 廣保
    1995 年 1995 巻 12 号 p. 1022-1025
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Substituent effects on the rate constants for the triethylamine-catalyzed acyl exchange reactions of N- (substituted benzoyl) -O-acetyl-o-aminophenols were investigated by 1H-NMR spectroscopy. An analysis of the Hammett plots for the forward and backward exchange processes, in which the amide anion formation is very likely to become a rate-determining step, reveals that the reverse process has a larger reaction constant (ρ = 2.1 ± 0.1) as compared to that (ρ = 1.5 ± 0.1) for the forward process. This interesting observation was explained in terms of the idea that the greater negative charge is generated on the amide nitrogen in the transition state for the reverse process with an increase in the relative stability of acyl-exchanged isomers.
  • 吉本 宏, 景 世兵, 山口 達明
    1995 年 1995 巻 12 号 p. 1026
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The long-period administration of aluminum-containing phosphate binders for the treatment of hyperphosphatemia has been shown to carry the risk of aluminum accumulation associated with many bone diseases. In the previous paper, an iron chitosan complex prepared by chitosan and iron sulfate was examined as an alternative intestinal phosphate binder in vitro experiments. But it is still an essential point to enhance the phosphate binding capacity and prevent the elution of iron from iron chitosan into acidic solutions. The objective of the acetylation is to obtain more stable phosphate binder against acidic solutions.
    The surface of iron chitosan was well acetylated by acetic anhydride in anhydrous ethanol. The acetylated iron chitosan gave the experimental data in vitro to be expected as a new intestinal phosphate binder, which is prevented from iron elution and insolublization of iron chitosan even in gastric juice of pH 2.
  • 政田 浩光, 山本 哲也, 山本 文将
    1995 年 1995 巻 12 号 p. 1028-1031
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    As a rule, the SN2 reactions of neopentyl bromide and tosylate with sodium alkoxides are extremely retarded by steric hindrance, and the yields of alkyl neopentyl ethers are poor because of side reactions such as neopentyl rearrangement, elimination, and decomposition. However, this report deals with a highly selective synthesis of alkyl and aryl neopentyl ethers. We found that the above side reactions were successfully overcome by the use of neopentyl iodide and potassium alkoxide in the mixed solvent of DMSO or DMI- alcohol (1/1-1/2) at 110-140° C. Especially, potassium benzyl oxide and triphenylmethoxide, which are stabilized by delocalization of electron, afforded the corresponding alkyl neopentyl ethers almost quantitatively under optimum conditions. On the other hand, the reactions of alkali metal aryl oxides with neopentyl iodide, tosylate, and mesylate were carried out in DMSO, DMF, and DMI. The desired aryl neopentyl ethers were readily given in substantially quantitative yields.
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