日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
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1997 巻 , 7 号
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  • 加藤 和信
    1997 年 1997 巻 7 号 p. 467-478
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    写真製版印棚には高品質化のために現像効果で硬調画像を作れる感光材料が用いられる.従来のリス現像方式に代わって新しく浸透してきているヒドラジンの造核方式は,多くの新しい機能の有機素材の開発とその改良によって進歩してきた.本報ではその概要と特にアシルヒドラジンの構造と造核活性の関係,造核促進剤とその作用機構,ミクロ抑制技術のための造核抑制剤とレリーサー,低pH現像技術のための高活性造核剤と造核促進剤について報告する.
  • 青山 陽, 桜井 定人
    1997 年 1997 巻 7 号 p. 479-482
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ペルオキシダーゼおよび水に難溶性の各種メディエーターを固定化した膜をガラス状炭素上に装着することにより,メディエーターを測定溶液中に添加する必要のない,過酸化水素センサーを作製し,その特性を調べた.メディエーターとして1,4-ナフトキノンまたは2-メチル-1,4-ナフトキノンを用いた場合のサイクリックボルタソモグラムは,電極還元反応と酵素酸化反応がサイクリックに進行する結果,過酸化水素の添加によって還元電流が増大し,酸化電流は減少した.一方フェロセンをメディエーターとした場合のサイクリックボルタソモグラムは,過酸化水素が電極表面近傍に拡散するまでに,膜中のフェロセンおよびペルオキシダーゼの作用によって消費されるため,過酸化水素の添加により,還元電流のみならず酸化電流も増大した.
  • 松本 雅光, 宮崎 裕光, 神代 善正
    1997 年 1997 巻 7 号 p. 484-488
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    色素増感チタニア太陽電池は低コストな太陽電池として注目されているが,電解液を用いる湿式電池であるため,儒頼性,特に長期安定性に問題があるとされる.これを解決するために,オリゴエチレングリコールメタクリレート溶液をチタニア薄膜に浸透させた後,重合することで,薄膜内部に固体電解質を形成し固体化電池を作製した.溶媒としてプロビレンカーボネートを用いて作製した電池は,エチレングリコールを用いた電池に比べて2倍の短絡電流を与えた.重合方法としては光重合法よりも熱重合法の方が開放電圧,短絡電流フィルファクター(f,f.)のいずれにおいても優れた結果を与え,1.7倍の光電変換効率を示した.プロピレンカーボネートを溶媒として用い,熱重合によつて作製した固体化電池のAM1.5,照度1000W/m2における光電変換効率は1.7%であった.高分子内の電荷移動は少なくとも4mA/cm2までは拡散律速の影響を受けなかった.紫外線と赤外線をカットした150Wのハロゲソランプ光を用いた連続照射による長期安定性試験において固体化電池は8000時間安定に機i能した.総発生電荷は1×104C/cm2であり,色素の安定性が確認されると共に,固体化により電池の信頼性が飛躍的に向上することが確認された.
  • 小出 操, 石井 玲子, 宇川 仁太, 太垣 和一郎, 玉垣 誠三
    1997 年 1997 巻 7 号 p. 489-496
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    α-およびβ-グリシルリジン酸(α-GK2およびβ-GK2)またはβ-GK2のメチルエステル誘導体(GMe)とγ-シクロデキストリン(γ-CyD)および2,6-ジ-mメチル-β-シクロデキストリン(DM-β-CyD)との錯体形成における構造特性をUVおよびCDスペクトル法を用いて調べた.GK2類のトリテルペノイド部のエノン基近傍のミクロ環境場の極性は,UV最大吸収波長の位置またはCD強度に依存した,これらの相関関係から,β-GK2がγ-CyDおよびDM-β-CyDと1:1の組成比のみの包接錯体を形成するのに対し,GMeとα-GK2は,γ -CyDと1:1の極めて安定な錯体以外にも,1:2の弱い錯体を形成することを明らかにした.さらに,分子力場計算によつて,シクロデキストリン空洞内の疎水トリテルペノイド骨格の包接位置を推定した.
  • 米森 重明, 滝本 康幸, 閔 庚薫, 実桐 幸男, 下平 哲司, 三宅 晴久
    1997 年 1997 巻 7 号 p. 497-501
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    電解助剤を添加した水の電気分解によつて得られる強酸性電解生成水溶液中の活性酸素種であるヒドロキシルラジカルの解析を,ESRを用いて行つた.2種のスピソトラップ剤[5,5-ジメチル-1-ビロリン1-オキシド(DMPO)およびN-[(1-オキシド-4-ピリジニオ)メチレン]-t-ブチルアミンN-オキシド]のヒドロキシルラジカル付加体をそれぞれ観測することができ,強酸性電解生成水溶液からヒドロキシルラジカルが生成することを確認した.電解後冷暗所に10日程度保存しても生成するヒドロキシルラジカル量は変化せず,安定していた.また,塩化ナトリウムに代わって硫酸ナトリウムを電解助剤として使用した場合にもヒドロキシルラジカルが生成し,スピン付加物DMPO-OHの量が測定時間とともに増加することがわかった.強酸性電解生成水溶液中にはヒドロキシルラジカルが存在するのではなく,その前駆体が存在しており,それはペルオキソニ硫酸イオンであると推定される,電解助剤に塩化ナトリウムを用いた通常の強酸性電解生成水溶液においても,電流密度および使用水中の硫酸イオン濃度を調整することにより,生成するヒドロキシルラジカル量を捌御できることが示唆された.
  • 高橋 諭, 岩佐 貴史, 金澤 夕子, 梅津 芳生, 成田 榮一
    1997 年 1997 巻 7 号 p. 502-507
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    有機陰イオン(An-)の除去,回収あるいは予備濃縮の観点から,共沈法による層状水酸化亜鉛沈殿への固定について定量的な検討を行った.1-250mmoldm-3の有機陰イオンを含む水溶液に,かきまぜながら8-2000mmoldm-3のZn(NO3)2水溶液を滴下し,水酸化亜鉛を沈殿させたところ,セパシン酸やドデカンニ酸のような炭素数の多い飽和脂肪族カルボン酸イオン,テレフタル酸のような芳香族カルボン酸イオンあるいはドデシルベソゼンスルホン酸や硫酸水素ドデシルのような陰イオン界面活性剤が高い共沈率で取り込まれた.最適条件として,Zn2+/A2-比=1.6以上,Zn2+/A-比=3.2以上,pH6-7が得られた.固体生成物の結晶性は,反応温度が低いにもかかわらずきわめて高く,層問距離の大きい層状構造を有していることが明らかになった.これは,有機陰イオン同士が規則正しく配列して一分子層もしくはニ分子層を形成し,負電荷の官能基を水酸化亜鉛基本層もしくはボタラカイト型基本層のZn2+イオンに直接配位した架橋型層状水酸化物が生成するためと考えられた.このような共沈機構から無機陰イオンの共存下でも影響を受けず,有機陰イオンに対してきわめて高い共沈選択性を示した.以上の結果,新しい機構(架橋型層間共沈)による有機陰イオンの固定の可能性が示された.
  • 佐藤 光伸
    1997 年 1997 巻 7 号 p. 508-515
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Brevetoxin B類似体合成計画に従い,エステルやラクトン類を相当するエーテルへ還元する反応条件を検討した.エステルもしくはラクトンを,まず相当するチオエステル誘導体とし,これにトリフェニルスタソナンをAIBN存在下反応させると,還元生成物であるエーテル化合物をよい収率で得ることができた.トリブチルスタンナンをトリフェニルスタンナンの代わりに用いると,生成物であるエーテルの収率は満足のいくものではなかった.単離された反店中間体から,この反応はニ段階からなるラジカル反応であることがわかった.
  • 二木 紀行, 畑 晶之, 津田 穰
    1997 年 1997 巻 7 号 p. 516-522
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    細胞のシグナル俵達に重要な働きをしているYGZSタソパク質p21の分子スイッチ作用機構について,半経験的分子軌道法(PM3法)を用いて研究した.その結果,Ras p21のGTPase活性にはLys16がもっとも重要な役割を果たしていることがわかった.その機構は次の通りである.シグナル-オソの状態で水分子がGTPのγ-リソ酸のリンに配位すると,Lys16の窒素と水素結合を生成しているγ-リン酸の酸素に水分子のプロトンが移る.ついで,Lys16の窒素を介するプロトンリレーによりβ-リン酸の酸素にプロトンが移動すると,γ -リソ酸とβ-リソ酸の間の結合が自発的に延びて,GDP渉生成し,シグナル-オフとなる.この加水分解反応の律速段階における活性化エネルギーは26.81kcal/molと計算された.
  • 金 潤甲, 小林 悟, 櫛山 暁, 水野 光一, 検見崎 千浩
    1997 年 1997 巻 7 号 p. 523-528
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    吸着制御は温度と圧力で行われるのが一般的であるが,これら以外の方法で制御できるなら,操作性の向上等が期待できる.本論文ではマイクロ波による吸着制御を試みた.実験は通常の流通式吸着装置にマイクロ波発振器を付加した装置で行った.吸着剤としては,マイクロ波吸牧性の小さいNaYゼオライトを用いた.吸着ガスは,第一成分としてフロン,第二成分として水を用いた.マイクロ波を照射しながら吸者を行うと,水の吸着が抑えられ,フロンが吸着した.フロンの吸着量はマイクロ波出力の増大に伴って増加した.また,マイクロ波の照射を停止すると,ゼオライトは吸湿性が非常に強いため.水の吸者がただちに起こり,フロンの脱離が生じた.
  • 岡島 俊哉
    1997 年 1997 巻 7 号 p. 529-531
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Three transition structures (TS- I, TS-. II and TS-III) for [2, 3]-Wittig rearrangement of (allyloxy)methyllithium (1) were optimized at HF/6-31 (+ ) G (* ) levels. The activation enthalpies (δH≠) were evaluated at MP2/6-31 (+)G (* ) levels. There are little differences between the optimized structural parameters but are considerably large energy differences between δH≠ evaluated at MP2 levels. Calculation shows that TS-III has the largest δH≠ among the three transition structures. TS-I and TS-II have the lower δH≠ than TS-III, though the stability and the energy differences (δδH≠) considerably change whether the polarization function (* ) or the diffusion function (+) were included or not in geometry optimization and energy calculation.
  • 一色 富彌, 宮川 久人, 佐々木 英人, 山本 二郎
    1997 年 1997 巻 7 号 p. 532-535
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    When 4-methoxy-ONN-azoxybenzene (1α) in benzene was irradiated with UV light in the presence of trichloroacetic acid, it was found that 1α isomerized to 4-methoxy-NNO -azoxybenzene (1β), in con-t rast to the case of UV irradiation of 1α without trichloroacetic acid. In this reaction, 5-methoxy-2-(phenylazo) phenol (2) and 2- (4-methoxyphenylazo) phenol (3) were obtained as rearrangement products.
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