従来,酸化エチレン付加反応については常圧吹込法による研究が二,三報告されているが,本報では加圧下(1.5,5.0,10.0kg/cm
2,ゲージ圧),温度100,125,150,175℃,触媒濃度0.25~2.Omol%において,ラウリルアルコールおよびノニルフェノールに対する酸化エチレンの付加反応を行ない,付加反応曲線,付加反応速度および重合度分布についての検討を行なった。
酸化エチレンの付加反応曲線はラウリルアルコールたおいて時間に対して直線となり,ノニルフェノールについては,1mol付近で変曲点を示し,常圧吹込法の場合とくらべて特に差はない。
酸化エチレン付加速度
Vは触媒濃度,圧力の増加(酸化エチレン濃度を増す)に対して
V=
k[触媒][酸化エチレン](
k:速度定数)
なる関係が見出され,常圧吹込法の結果と一致するものである。
またラウリルアルコールに対する酸化エチレン付加物の重合度分布を測定した結果,常圧吹込法のそれと特に差はない。
加圧によって酸化エチレン付加反応速度が増大するが,これは酸化エチレン濃度の増加によるものであって,それによって重合度分布は影響されない。
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