(1) 酸性白土がモンモリロナイトと珪酸との複合物であるとの觀點からこれを珪酸ゲル,アルミナゲル,マグネシアゲルの3者から300°C, 85氣壓で水熱法によつて合成した。
(2) この合成物を示差熱分析,脱水曲線, X線分析,化學分析等から合成酸性白土とよんでよいことを確かめた。その組成はモンモリロナイト35,バイデライト58,珪酸ゲル7%であつた。
(3) 合成酸性白土が,天然酸性白土の特性である酸性,ベンジジン呈色反應,膨潤性,石油脱色力等を有することを實測しこれらの作用と成分の關係について考察した。
(4) 以上の實驗結果により酸性白土がモンモリロナイトと珪酸との複合物であるとの見解が妥當であることを合成物によつて確かめえた。いまだにカンバライトAは興味ある粘土として記載
19)されているがこの名稱は破棄されるべきことをここに提案する。
本實驗に助力された鴛淵公二君,粉末X線寫眞の撮影をしていただいた上田隆三助教授,また研究費を出して下さつた文部省に厚く感謝の意を表する。
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