夏密柑の果皮のパルブ層及び果肉の〓嚢を沸騰水又は熱0.5%蓚安溶液で抽出してペクチンを單離し,その際の處理條件につき種々檢討した。ペクチンの收量及びC
6H
8O
6收率はパルブ層からは夫々9~14%, 30~45%程度,〓嚢からは16~20%, 30~50%程度である。又得られた夏密柑ペクチンはウロン酸無水物含量が比較的高く(60~70%),パルブ層及び〓嚢からのものの間の顯著な差異は認められなかつた。
終りに臨み本研究を行うに當り在世中種々御教示を戴いた故小松茂博士に深く感謝する。又試料の紀州産夏密柑は高砂化學工業株式會社より寄贈を受けたもので同社社長平泉貞吉博士の御好意に感謝する。
抄録全体を表示