昭和27年八幡製鉄所産試料(100一キシレン17.8%,ソルベントナフサ1号40.5%,同2号41・7%の混合物)200kgを濃硫酸で処理して,6.44kg(3.2wt%)の粗飽和炭化水素油を得,さらに,この油の内7609につき,濃硫酸抽出をくり返して得られた7089(原試料の3%)をポドビルニヤク分留に付し,1650~1740C留分,839の成分検索をを行った。まず,尿素付加により,n一パラフィン約20%を分離し,その物理定数,元素分析,赤外線吸収曲線から,n一デカンと決定した。つぎに,その残油を,還元白金触媒を用い,3000~310QCで脱水素し,生成油の紫外線吸収曲線,硝化成績体ら,メシチレン,イソデュレンの生成を認めたので,ヘキサヒドロメシチレン,ヘキサヒドロイソデュレンの存在約9%が推定された。また脱水素生成油を,濃硫酸で処理した残油は,その物理定数,元素分析および赤外線吸収曲線から,3一メチルノナン,4一メチルノナンであることが確かめられた。
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