含ウラン堆積層である鳥取県側人形峠堆積層の一断面をとらえ, その各層について, 放射能測定, ウラン, ラジウムの定量を行い, これらと同時に行った分光分析, マンガン, 鉄等の定量値, 示差熱分析, X線粉末写真等の結果とを比較検討した。すなわちシマ状互層の黒色部においてとくに放射能が著しく, この部分はマンガンの濃縮していること, またその放射能は, 5.4×14
-9g/g含まれているラジウムに大きく依存していることを知った。また本堆積層申の粘土鉱物は主としてハロイサイトであり, これとウラン含有量との間に量的関係の認められることを推定し得た。なおラジウムとこの粘土との間には, マンガン質沈積物との間に見られるような密接な関係はない。なお同時に砂レキ層より得られたリン灰ウラン石の分析を行い, その生成年代を推定し,これと本堆積層の地質年代, および上記堆積各層中のウラン, ラジウム含有量とから, 堆積後の地下水によるウラン, ラジウムの溶出を考察した。なおラドンの逸散についての測定, ウラン, ラジウム分析方法の検討を付記した。
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