10mg以下のナトリウムを含む試料溶液を遠心管にとり,EDTA,シュウ酸,トリエタノールアミンの混合溶液を加えてから,エタノールを添加してシュウ酸ナトリウムの沈殿を生成させる。氷冷後遠心分離した沈殿を90%エタノールで洗い,水に溶かしてアセトンで再沈殿させる。これをふたたび遠心分離,乾燥して硫酸に溶かし,過マンガン酸カリウム溶液で滴定すれば,ナトリウムが間接定量できる。この方法では0.1mmno1以下のリチウム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,バリウム,鉄(ll),(lll),コバルト,ニッケル,マンガン,銅,亜鉛,カドミウム,水銀,アルミニウム,鉛が共存しても,ナトリウムだけを沈殿きせ得るし,10mgのナトリウムに対して,カリウムは5mg,アンモニウムは2.5mgまで含まれていても分析には差し支えない。遠心沈殿法の利用により,多数の試料を短時間に分析できて,試料も少量で済む。
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