1)八面体[CoA
2B]型Co(III)錯体の吸収スペクトルを測定した。Aはエチレンジアミン,プロピレンジアミン,ジピリジル。Bはオキシム(α-ケトフェニルプロピオン酸オキシム,α-ケトプロピオン酸オキシム),アミノ酸(グリシン,アラニン,L-ロイシン,L-チロジン,L-グルタミン酸,フェニルアラニン),N-アセチルアミノケイ皮酸,α-ケトプロピオン酸,酒石酸,炭酸および塩素である。
2)分光化学系列はつぎのとおりである。ジピリジル>α-ケトプロピオン酸オキシム,プロピレンジアミン,エチレンジアミン>アミノ酸(ロイシン,アラニン,グリシン)>炭酸>酒石酸>塩素。そのほかに,α-ケトフェニルプロピオン酸オキシム,α-ケトプロピオン酸オキシム>グルタミン酸>グリシン>フェニルアラニンである。この分光化学系列は共有結合配位子からイオン結合配位子への序列を示す。
3)ジピリジルコバルト(II)錯体の特殊吸収帯はジピリジル配位子の数が増加するにつれて長波長側へずれる。また配位したオキシムの特殊吸収帯もエチレンジアミン,プロピレンジアミン,ジピリジルの配位子の影響で長波長側へずれる。
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