高純度のシリコン製造用トリクロルシラン中の不純物を分析する方法を確立する目的で,γ線スペクトロメトリーおよび陰イオン交換分離を主体とする放射化分析法を検討した。
予想される不純物のうちから高純度シリコンの諸性質のおよぼす影響が大きく,また放射化分析的の感度の高い,ナトリウム,ヒ素,カリウム,銅,アンチモンおよびマンガンを対象として,JRR-1原子炉で照射した。
本法によるトリクロルシラン中の不純物の検出限界値は,ナトリウム,ヒ素,カリウム,銅,アンチモンおよびマンガンについておのおの約0.0009,0.0002,0.0004,0.0007,0.0008および0.0005ppmであった。
検出定量できた不純物は,ナトリウム,銅,マンガンのみで,おのおの約0.004,0.005,0.005ppmであった。
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