フラバノン類を酸化して相当する3-オキシフラバノン類を得る目的で実験を行ない,つぎの結果を得た。すなわち5-γセトキシ-7,4'-ジメトキシフラバノン(VII),および5-アセトキシ-7,3',4',5'-テトラメトキシフラバノン(X)を氷酢酸中四酢酸鉛で酸化して,それぞれ3,5-ジオキシ-7,4-ジメトキシフラバノン(dt-7,4'-ジメチルカツラニン)(VII),3,5-ジオキシ-7,3',4',5'テトラメトキシフラバノン(7,3',4',5'-テトラメチルアンペロプチン)(XI)を得た。またそれぞれに相応するフラボン,すなわち5-オキシ-7,4'ジメトキシフラボン(IX),5-オキシ-7,3',4',5'テトラメトキシフラボン(7,4'-ジメチルトリシン)(XII)を単離することがきた。なお2-メチル-5-アセトキシ-7-メトキシフラバノン(IIa)の同様の酸化の場合,さきに報告したイソフラボン(IVa)のほかに,2-メチル-5-アセトキシ-7-メトキシフラバノン(VIIa)と2-メチル-3,5-ジアセトキシ-7-メトキシフラバノン(IVc)の1:1の割合の分子化合物が生成していることをあきらかにした。
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