ベンゾイル, フェニルアセチル, 2-フロイル, 2-テノイル, イソフタイルおよびテレフタロイルイソシアナートは, アシル基に関係なくフェニルヒドラジンのβ-位置素を攻撃して, 対応する1-フェニル-4-アシルセミカルバジドが生成する。これらセミカルバジド類は希塩酸あるいは希水酸化カリウム水溶液で処理すると好収率で, それぞれ対応する3-オキシ-1, 2, 4-トリアゾール体を, また加熱閉環すると定量的に1
H-2, 3-ジヒドロ-1, 2, 4-トリアゾール-3-オン体を与えることを見いだした。この加熱閉環におよぼす置換基の効果を検討するため, ベンゾイルイソシアナートと
p-置換フェニルヒドラジンとから得られた1-アリール-4-ベンゾイルセミカルバジドの加熱閉環を行なった。置換基がニトロ基の場合には, 置換基がない場合と同じく転移生成物の1
H-2, 3-ジヒドロ-1, 2, 4-トリアゾール-3-オンを与えるのに対して, 置換基がメチル, クロルの場合には両トリアゾール異性体の混合物を与え, かつ, 3-オキシ-1, 2, 4-トリアゾール体が主生成物であった。また, 1-フェニルセミカルバジドの示差熱分析も行ない, これらセミカルバジド類の加熱閉環の過程を考察した。
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