アリール-アリールカッブリング反応によって3,3',5,5'-テトラクロル-2,2',4,4',6,6'-ヘキサフルオルビフェニルを合成し,これに対するいくつかの求核置換反応について検討した。
カップリング反応は3,5-ジクロル-2,4,6-トリフルオルフェニル-銅または-コバルトに,臭素または酸素を作用させるか,あるいは3,5-ジクロル-2,4,6-トリフルオルフェニルチタンを分解させるかして行なった。これらの金属化合物は,sym-トリクロルトリフルオルベンゼンにジエチルエーテル-ヘキサン中でn-ブチルリチウムを作用させてえられる3,5-ジクロル-2,4,6-トリフルオルフェニルリチウムの溶液に相当する金属塩化物を加えて合成した。sym-トリクロルトリフルオルベンゼンからのこのビアリールの収率は,銅またはチタン化合物を経る方法で60~70%,コバルト化合物を経る方法では20~25%であった。
メタノ-ル性水酸化カリウム,ヒドラジンヒドラートあるいはジメチルアミンのような求核試薬はこのペルクロルフルオルビフニルとたやすく反応し,4,4し位の二つのフッ素原子が置換されて3,3',5,5'-テトラクロル-2,2',6,6'-テトラフルオル-4,4'-ジェメトキシピフェニル,-4,4'-ジヒドラジノビフェニル,あるいは-4,4'-ビス (ジメチルアミノ) ビフェニルを生成した。
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