日本化學雜誌
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91 巻, 2 号
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  • 大野 新一
    1970 年 91 巻 2 号 p. 91-102
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ヘキサシアノ鉄(II)酸廃水溶液の光照射による水和電子の生成ならびに反応を穫々の電子捕提剤を用いて調べた。254mmの波畏の光励起により生じるヘキサシアノ鉄(II)酸イオンの1T1u状態が周囲の水分子と熱的に相互作用することにより,電子脱離が起こることが示される。 ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の吸収スペクトルおよび水和電子生成の澱子収量に対する環境効果を研究し,さらに脱離電子のイオン雰囲気をBronsted-Bjerrum理論を適用して調べる。光化学的に生成された水和電子と放射線化学における水和電子を比較しつつ,水和電子を研究する簡便な方法としての本系の特畏を考察する。 さらに水和電子の関与する反応における水素同位体効果,凍結水溶液における電子の挙動,本系を適用したOHラジカルの反応に関する研究結果を報告するo
  • 戸田 正明, 入川 肇, 山村 庄亮, 平田 義正
    1970 年 91 巻 2 号 p. 103-106
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    著者らは天然物研究の一つの対象として有毒物質を扱っているが,ユズリハ(交譲木Daphniphyllm Mgcrepedum Miq.)から得られる多数のアルカロイドは構造が非常に複雑なまうたく新しい系の化合物で,これらは構造的にダフニフィリン系,ユズリミン系,セコダフニフィリン系に大別することができる。この三つの系統のものは外見上棉当異なっているが,発生的には同一系績に属していると考えられる. また生合成的に中間体と考えられる化合物もいくつか単離された。なおこの研究中に反応面においては,温和な条件でケトン基をメチレン基にまで還元する新しい方法が見いだされ,他方構造的な面についてみると,Brcdtの法則に反する 2-アザピシククロ[3. 3. 1]ノン-1-エンの新しい骨格がホモセコダフニ酸メチル(5)からつくられた5
  • 浅野 利之介, 北原 重登
    1970 年 91 巻 2 号 p. 109-117
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    温度範囲160~900℃で熱前処理した3種のシリカゲル粉末をメタノール中に浸潰し,オートクレープを用いてISO,200および250℃で0~92時間加熱した。このメタノール処理で溶解したシリカの量をケイモリプデン酸法で測定し,またこの処理によるシリカゲル表面の変化をメチルレッド吸着,含有炭素の定量,赤外吸収および示差熱分析の諸法によって追跡した。
    処理後シリカゲルの表面にメトキシル基が形成され,表面の水酸基は900℃で熱前処理したもののほかは,いずれもいちじるしく減少した。 500℃で熱前処理したシリカゲルが溶解量,エステル化度ともに最高を示した。メタノール処理のごく初期の段階ではエステル化は急速に進み,溶解は徐々に進行した。その段階をすぎるとエステル化も溶解とともに徐々に進み,溶解量が飽和に達したとき,エステル化も飽和に達した。500℃で熱前処理したシリカゲルに対して,メタノール処理温度200℃ において,エステル化度として表面積1mμ2あたりメトキシル基数5.0の値が計算された。 示差熱分析曲線の発熱ピークについて考察した。
  • 森本 敏
    1970 年 91 巻 2 号 p. 117-122
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    既報と同じボリスチレン試料(Pressure Chemical Co.製,平均分子量M≦1×104)の3極の溶媒(ベンゼン,トルエンおよびクPtロホルム)溶液の希釈熱を25℃で直接測定し,希釈熱(ΔHM)値とその分子量依存性,および既報で得られた液状ボリスチレンの無限希釈混合熱値との関連を検討した。ΔH1低オリゴマーに対する部分モル希釈熱(JHi)は相対的に大きな値を示し,その化学構造との関連が考察された。分子量依存性は既報との結果とほぼ同じ傾向が示され,トルエン溶液系は高分子の無熱溶液理論にM:103~104でほぼしたがいはじめることが認められた。ΔH1から熱パラメーターを算出し,準化学的近似によりその濃度依存性を求め,ΔHM値を求めた。その結果は既報の結果と良好な一致をみた。
  • 村石 和夫
    1970 年 91 巻 2 号 p. 122-126
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    炭酸カドミウムの等温熱分解速度を,ヘリウム,アルゴン,空気,窪素,酸素,二酸化炭素(10,380と760mmHg)および水蒸気(10mmHg)の存在のもとで270~330℃(ただし二酸化炭素は350~400℃)の温度範囲において熱量法により測定したeその結果分解速度は気相圧10mmHg,温度290℃においてはヘリウム,水蒸気,アルゴン,空気,酸素,窒素,二酸化炭素の,岡で380および760mmHgではヘリウム,空気,窒素,酸素,アルゴンの順に低下し,また分解曲線は270と280℃では温度自触反応の誘導期を示したが.290~330℃の温度範囲では事実上誘導期をもたず加速期と終期とを示した。全分解範囲にわたってあてはまる速度式は見いだされなかったが,各気体とも測定温度および気相圧の範囲について,分解反応初期には幕法測α-ktm(ここにαは時聞tにおける分解率,kおよびmは定数)が,加速期ならびに終期にはdα/dtα2/3(1-α)の式が適合した相中。各気の等温分解の活性化エネルギーは,大体雰囲気による熱分解率の低下の順にしたがって増加する傾向があり気相,また各気体とも圧が大むいと活性化エネルギーは大きい値を示した。
  • 野口 喜三雄, 中川 良三
    1970 年 91 巻 2 号 p. 127-131
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    1966年および1967年,著者らは青森県恐山温泉の温泉水16個,温泉沈殿物12個を採取し,そのヒ繋,鉛,その他の化学成分の含量を調査し,つぎの結果を得た。
    水のC1-含量は温度の上昇とともに増加し,SO42-の増加にしたがってPHが減少する。ヒ素およびホウ酸はCl-との蘭に正の相関が認められた。 恐山温泉を形成する始めの熱水はほぼ中性で塩化物,ヒ素,ホウ酸に富んでいる。また黄色の温泉沈殿物は雄黄(As2S3)の化学組成ならびにX線回折像を示したが,赤榿色沈殿物は鉛を含むヒ素の硫化物で,X線回折像は無定形であり,元来考えられていた鶏冠石とはまったく異なることを明らかにした。
  • 堂野 礼三, 安積 敬嗣, 高嶋 四郎
    1970 年 91 巻 2 号 p. 131-134
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    陽イオン交換透析における1価陽イオンの選択透過性を調ぺる目的で,塩化マグネシウムと塩化リチウム,塩化ナトリウム,塩化カリウム,または塩化アソモニウムとの等当量混合溶液を原液とし,塩酸を透析液に用い,この塩酸の濃度を種々変化させてマグネシウムと1価陽イオンの透過量を測定し,これから選択透過係数を求めた。その結果,透過性はNH4+≒K+>Na+>Li+の順に低下することを認めた。一方,イオン交換膜に対する選択吸着性を知る目的で両イオンの膜中濃度比を測定し,分離係数を求めた結果,K+>NH4+>Na+>Li+の順に低下する。そしてこの分離係数と極限選択透過係数から求めた膜中移動度は,NH+>K+>Na+>Li+の順に小さくなることが推定された。
  • 児玉 睦夫
    1970 年 91 巻 2 号 p. 134-137
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    1-(1-ヒドロキシ-4-メチル-2-フェニルアゾ)-2-ナフトール-4-スルホン酸はニツケル(II)-およびコバルト(II)-イオンと非常に安定な錯イオンを形成し,これら金属イオンのEDTAおよびEDTA-OH錯イオンと測定可能な速度で配位子置換反応を起こし,EDTAおよびEDTA-OHを遊離させる。本報では11.0>pH>10.0の領域にわたり15℃で620mμ における遊離のカルマガイトの示す吸光度の時間変化を測定し,カルマガイトとニヅケル(II)-および蟹バルト(II)-EDTAおよび-EDTA-OH錯イオンとの配位子置換反応を速度論的に検討し,置換反応の反応機構の解明および速度定数の決定を試みた。すべての反応はエリオクロムブラックT(BT)系と同様完全解離したカルマガイト陰イオン(D3-)および2価のカルマガイト陰イオン(HD2-)を含むつぎのニつの反応径路を経て進行する。
  • 児玉 睦夫, 植田 禎子
    1970 年 91 巻 2 号 p. 138-141
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    本論文では錯形成していないDTPAによる水銀電極における酸化溶出波の時間変化を追跡してニッケル(II)-0GEDTA錯イオンとDTPAとめ置換反応を速度論的に検討した。測定には10.0 >pH >9.0の範囲でイオン強度0.20との溶液について温度25℃で行なった。反応は以下に示すようにニッケル(II)-GEDTA錯イオンとDTPAイオンについておのおの一次であるつぎの二つの反応径路を経て進行することが明らかになった。
  • 白樫 高史, 田中 信行
    1970 年 91 巻 2 号 p. 142-148
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    :チチレンジアミンテトラアセハマンガン(III)酸錯体(以下Mn(III)EDTAと略す)およびtrans-1,2-シクロヘキサンジアトミンテフアセハマンガン(III)酸錯体(以下Mn(III)CyDTAと略す)ば水溶液中で不安定でマンガン(III)に変化していくが,遊離の配位子を共存させることによってその速度が大きくなることが判明した。本実験では遊離の配位子の影響をポーラログラフ法を用いて追跡し,つぎの(i)~(iv)式の反応機構を考えることによって説明した。
  • 北川 豊吉, 田中 勉
    1970 年 91 巻 2 号 p. 148-151
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    O.1mol/l酢酸-O.1mol/l酸ナトリウム緩衝液(PH4.6)中のコパルト(II)ビピリジル錯イオンのクロノポテンシオグラムから遷移時間定数174が得られ,log(Vτ-V-Vt/Vt)対E(vs.SCE)は直線となり,傾斜の逆数は58mVであった。したがってこの反応は四分波電位+O,136V(vs.SCE)の一電子可逆酸化反応である。コバルト(II)と2,21一ピピリジルとの電流滴定により,コパルトとビピリジルの比が1:3のところでピーク電流の最大値を示し,その比が1:1または1:2では+0.16V(vs.SqE)のピークの他に+0.6V(vs.SCE)に別のピークを生ずる。電流逆転クロノポテンシオメトリーによりヒドラジン共存下の接触反応の擬一次反応の速度定数O,98×10-2cm-1(25℃)が得られた。
  • 阿部 修治, 藤原 鎮男
    1970 年 91 巻 2 号 p. 152-155
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    本研究は前報につづき,天然の炭酸カルシウム中のマンガン(II)の存在状態を蜘る目的で行なわれ,本邦産石灰岩の古生代と思われる28試料,中生代と思われる11試料,計39試料について,マンガン(II)イオンのEPRスペクトルと,マンガン,カルシウム,マグネシウム,鉄および4mol/l塩酸不溶解分量が測定された。マンガン(II)イオンのEPRスペクトルは,低マンガン試料では孤立分散形,高マンガン試料では分散.凝集形のパターンを示すが,その超微細構造線の線幅の実測値が,前者では均一分布をするとして求めた理論値よりも大きく,後者では逆に同理論値よりも小さい。このことは,炭酸カルシウム結晶格子中のカルシウムイオンと同形置換をしているマンガン(II)イオンが,全体として不均一分布をしていることを示すものであるが,さらに超微細構造線の強度比の解析の結果は,低マンガン試料でも,そのマンガン(II)イオンの一部がクツナホラ石構造に似た亜凝集形分布をして存在することがあり得ることを示唆しており,これら天然産炭酸カルシウム結晶格子中の同イオンは,単純な均一分布をしていないことがわかった。
  • 田中 順太郎, 片桐 孝夫, 大川 秀夫
    1970 年 91 巻 2 号 p. 156-159
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ポリリン酸を触媒とし,酢酸中でイソプレンの反応を行ない,種々のイソプレノイド炭化水素およびアセタートを得た。 さらにアセタートを加水分解して,対応するアルコールを得た。
    生成物はガスクロマトグラフィー分取を行ない,おのおのIR,NMR質量分析,および薄層ク四クロマトグラフ法などを併用して, その構造を決定した。その結果リナロール,ラバンジュロール,α-テルピネオール,ゲラニオール,2,7-ジメチル-1.6オクタジェン-3-オール,シクロラバンジュロール,およびシクロゲラニオールおよびそのアセタートをさらに炭化水素として,ミルセン,α -およびγ-テルピネン,ジペンテン,ρシメン,テルピノレンおよびアロオシメンの生成を確認した。
  • 田中 順太郎, 片桐 孝夫, 大川 秀夫
    1970 年 91 巻 2 号 p. 159-161
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ボリリン酸によるイソプレンと酢酸との反応を詳細に検討した結果,反応初期において,ブレニルアセタートが多量に生成することを確認した。 プレニルアセタートはポリリン酸によって,優先的にラバンジュリルアセタートになることを確かめ,さらにシク戸ラバソジュリルアセタートおよびシク質ゲラニルアセタートの前駆物質は,それぞれラバンジユリルおよびゲラニルアセタ~トであることを確認した。 また.通常の酸触媒反応では飴テルピネオールを優先的に生成するのに対して,ポリリン酸によってはシクロゲラニルアセタートがα-テルピニルアセタートより好収率で得られることを確かめた。
    以上の結果から,この反応における各生成物の生成径路について検討を加えた。
  • 須天 正和, 村田 嘉郎, 市川 克彦
    1970 年 91 巻 2 号 p. 162-167
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    アセト酢酸エチル,アセチルアセトンをピリジン,2-ピコリン,2,6-ルチジンなどのアミン塩基中で酸塩化物によってアシル化して,ニつの反応中心のいずれでアシル化が起こるかを検討した。反応温度が120℃の場合にはO-アシル化物とO-アシル化物の両者が生成したが分解反応のため収率は低かった。0℃の場合にはどのアミン塩基も選択的にO-アシル化物のみを与え,ピリジン,トリエチルアミンでは収率70~85%,2-ピコリンでは57~ 67%,2,6-ルチジンでは43~54%であった。反応の活性種は〓N-CORであり,反応を支配するのはRおよび窒素原子のまわりの立体因子であると思われるMcEwenらの提唱した中間体(3)は否定された。反応温度が120℃の場合にのみO-アシル化物からC-アシル化物への転移がみられた。
  • 須天 正和, 村田 嘉郎, 市川 克彦
    1970 年 91 巻 2 号 p. 168-173
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ピリジン中におけるアセト酢酸エチルのベンゾイル化反応について速度論的に検討し,ケトエステルについて一次,塩化ベンゾイルについて一次,塩素イオン濃度について逆一次の反応であることを明らかにし,反応の活性種はN-ベンゾイルピリジニウムカチオンであると結論した。またN-アシルピリジニウムカチオンとエノラートアニオンの反応を検討し,ケトエステル自身のアシル化の結果と比較した。ケトエステルのアシル化ではO-アシル化物のみが生成するのに対し,エノラートアニオンの場合にはC-アシル化物とmアシル化物が42:58の割合で生じ(ピリジン中),ケトエステルのアシル化がエノラーアニオンを経由する反応ではないことを示した。さらに,O-アシル化物とC-アシル化物の転移反応について検討しO-アミル化物がアシル化剤として作用し,エノラートアニオンを攻撃してClaisen型反応機構でC-アシル化物.O-アシル化物を与えるのであり,分子内転拉反応ではないことを明らかにした。
  • 佐藤 正雄, 石田 康昌
    1970 年 91 巻 2 号 p. 173-176
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    トリ(o-ハロフェニル)クロムは分解時にベンザインを生成することが考えられるから,このものの熱反応,およびこれとアセチレン誘導体との反応について検討した。テトラヒド戸フラン中でトリ(o-クロルフェニル)クロムを加熱還流することによりペンザインを中間体に考えたトリフェニレンが高収率に得られた。このクロム化合物と二置換アセチレンとの反応では,上記トリフェニレンのほかに,1分子のベンザインと2分子のアセチレン誘導体が反応して生成するナフタリン誘導体は得られず,フェナントレン誘導体が,ジフニニルアセチレンでは31%,メチルフェニルアセチレンでは58%の収率で得られた。トリ(o-ブロムフェニル)クロムおよびトリ(o-ヨードフェニル)クロムではテトラヒドロフラン中加熱還流してもトリフェニレンは得られず,アセチレン類との反応ではフニナントVンやナフタリンの誘導体はいずれも得られなかった。
  • 八木 功, 岩井 浩一
    1970 年 91 巻 2 号 p. 176-179
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    N-アシルヒドPキシルアミン誘導体におけるN→Oアシル転位は,ペプチド鎖中のセリンおよびトレオニン残基または転位し得る構造に改変された残基のアミノ基側で,ペプチド鎖を選択的に切断する方法の基礎となっている。この研究は,タンパク質およびペプチドに広く適用し得る効果的で販り扱いやすい転位剤の開発を目的とした。
    グリシル-DL-セリン,グリシル-DL-トレオニンに対する転位効果を検討した数種の揮発性転位剤のうちで,三フヅ化ホウ素飽和ギ酸はもっとも有望であり,そのことはクルペインについても立証された。 すなわち,上記のジペプチドおよびクルペインは50℃,18~24時間の作用によりセリンおよびトレオニン残基において95~100%の転位率を示し副反応もほとんど見られなかった。これらの場合,トレオニン残基における転位速度はセリン残基におけるよりも高いことが認められた。この転位剤は揮発性のため坂り扱いもきわめて容易である。
  • 鈴木 仁美
    1970 年 91 巻 2 号 p. 179-180
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 南谷 晴子, 大沢 宏, 小幡 一史, 前川 悦朗
    1970 年 91 巻 2 号 p. 181-182
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 森本 敏
    1970 年 91 巻 2 号 p. 182-183
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 1970 年 91 巻 2 号 p. A7-A11
    発行日: 1970/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
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