塩化ベンゾイルメタンスルホニルにトリエチルアミン(Et
3N)を作用させることによって生成するペンゾイルスルフェンとカルボジイミド類との環化付加反応について研究した。ジシクロへキシルカルボジイミドとの反応では,(4+2)環化付加による1,4,3-オキサチアジン-4,4-ジオキシド体と(2+2)環化付加後,水素が転位した1,2-チアゼチン-1,1-ジオキシド体が得られた。
一方,ジフェニルカルボジイミドとの反応では(4+2)環化付加体の他にベンゾイルスルフェンとカルボジイミドとの2:1付加体が生成した。この2:1付加体は加熱あるいはEt
3Nの作用によって容易に脱イソシアン酸フェニルして2,3,6-トリフェニル-5-スルファモイル-1,4-オキサチイン-4,4-ジオキシドを与えた。また,シリカゲルによって上に述べた1,4-オキサチイン-4,4-ジオキシド体の他に,その異性体の2,6-ジフェニル-3-フェニルスルファモイル-1,4-オキサチイン-4,4-ジオキシドおよび2:1付加体の2,4,5-トリフェニル-6-(ベンゾイルメチルスルホニル)-4
H-1,2,4-チアジアジン-3-オン-1,1-ジオキシドへ変化することを見いだした。
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