認知神経科学
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22 巻 , 2 号
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表紙
大扉
目次
展望
シリーズ企画「脳と言語」Ⅰ
  • 本村 暁
    原稿種別: シリーズ企画「脳と言語」Ⅰ
    2021 年 22 巻 2 号 p. 68-77
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/13
    ジャーナル フリー

    【要旨】 失語症の定義、失語症候群の意味、失語症分類について臨床医の観点から論じた。

    失語症分類:症状を整理し、症例をグループ分けする方法であり、病変部位や閉塞血管との一定の対応関係がある。原発性進行性失語の分類は、病変の分布や分子病理との対応関係が明らかにされつつある。

    失語症候群:4つの言語様式全般にわたる言語症候の組み合わせからなる症候群である。左大脳半球の病巣を示す。血管性失語と変性性失語の相違、言語野の回路網の最近の考え方について述べた。

    失語症の定義:難問であり、万人が納得できるよう定義することは困難であるともいわれている。脳の個体差、病前の言語能力という多様性と、症候群(症候の組み合わせ)の定義であることに起因していると考えられる。

  • 重藤 寛史, 萩原 綱一, 茶谷 裕
    原稿種別: シリーズ企画「脳と言語」Ⅰ
    2021 年 22 巻 2 号 p. 78-87
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/13
    ジャーナル フリー

    【要旨】言語野の局在研究は、脳損傷患者から得られた知見からはじまるが、てんかん学における脳機能局在研究は、脳切除術や術中の皮質電気刺激による脳機能マッピングの知見からはじまっている。てんかん外科に従事する者にとって、言語領域を同定する知識や、脳切除による言語後遺症の知識は必須である。近年、多くの非侵襲的な検査・解析法が開発され、てんかんや脳卒中といった病的な脳だけではなく、健常な脳の言語機能局在の検出も可能になった。この教育講演では、てんかん診療に関連する言語領域や脳機能マッピングの実際を紹介する。また、様々な検査・解析法を駆使することにより明らかになりつつある言語領域に関する最近の知見、すなわち、視覚に関連する言語領域、聴覚に関連する言語領域、言語に関連した皮質領域を結ぶ白質経路を、症例を混じえながらお示しする。

原著
  • 菅原 由美子, 飯塚 千晶, 土居 一哉, 松﨑 研一郎, 長岡 正範
    原稿種別: 原著
    2021 年 22 巻 2 号 p. 88-97
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/13
    ジャーナル フリー

    【要旨】 症例は84歳男性で、心原性脳梗塞後に繰り返し他人を自分の家族・友人と誤認した。視力・聴力は正常、視野障害や半側空間無視を認めなかったが、担当のリハビリテーション職員の顔を覚えられず、他患者の面会者やリハビリテーション職員を自分の家族・友人と繰り返し誤認し、その誤りに気付かなかった。長谷川式認知症スケールは25/30点。視覚による物体失認を認めず相貌認知では、家族や有名人の熟知相貌識別に重度の障害、未知相貌の異同弁別・同時照合は中等度障害を認めたが、相貌の独自性の認識を求めない課題である表情の叙述、性別・老若の判断は比較的良好であった。家族・友人の人物意味記憶は保たれており、連合型相貌失認に似ているが、人声失認を合併している点が一般的な連合型相貌失認とは異なっていた。MRI病変は、右後頭・側頭葉でなく、視覚(顔)だけでなく聴覚(声)を含む多モダリティー人物認知障害(multimodal people recognition disorders)が生ずるとされる右前側頭葉を含む前頭・側頭葉に限局した。この相貌認知障害に加えて、右前頭葉が側頭葉に及ぼす探索(モニター)機能が障害されていることも本症例の誤認に関与している可能性がある。

  • —ミニメンタルテストと比較して—
    永山 富子, 中山 拓弥, 佐藤 健士郎, 梁 成勲, 山口 修平, 永山 正雄
    原稿種別: 原著
    2021 年 22 巻 2 号 p. 98-104
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/13
    ジャーナル フリー

    【要旨】 VSRAD(voxel-based specific regional analysis system for Alzheimer’s disease)は頭部MRIを用いた、嗅内皮質、扁桃、海馬を含む側頭葉内側部の萎縮からアルツハイマー病(Alzheimer’s disease:AD)を早期診断するための補助ツールである。この研究は、日常生活場面での記憶機能検査であるリバーミード行動記憶検査(Rivermead Behavioural Memory Test:RBMT)とVSRADの萎縮度との相関関係を明らかにすることを目的とした。

    ADの進行度を表すFAST(functional assessment stage)分類のAD境界状態(FAST3)及び軽度AD(FAST4)と診断した早期AD患者(59名)において、VSRADの萎縮度とリバーミード行動記憶検査との相関解析を行い、全般的な認知機能の検査であるMini-Mental State Examination(MMSE)と比較した。その結果、VSRADの萎縮度とRBMTの相関関係は、VSRAD萎縮度とMMSEとの相関関係よりも、強い負の相関関係を示した。

    以上のことから、RBMTが早期AD患者の検出に有効である可能性が考えられた。

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