人間ドック (Ningen Dock)
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22 巻, 5 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 寺本 民生
    2008 年 22 巻 5 号 p. 775-781
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007は,わが国の疫学的,臨床的エビデンスに基づいて改訂された.まず,高脂血症を脂質異常症とした.低HDL-C血症を重視したためである.また,この診断基準から総コレステロールを割愛し,LDL-Cでの判断を重視した.脂質異常症の診断に引き続いて,患者を一次予防と二次予防に分類し,一次予防については,危険因子の数に応じて低,中,高リスク群に分類し治療方針を決定する。一次予防では生活習慣の改善を重視し,高リスクや二次予防ではエビデンスに基づいた薬物療法も考慮する.
  • 小島 真二, 徳森 公彦, 池田 敏, 神原 咲子, 野崎 真奈美, 小牧 久和子, 藤井 昌史
    2008 年 22 巻 5 号 p. 787-792
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    目的:近年,生活習慣病に対する保健指導において,対象者の行動変容ステージに応じた指導が行われているが,本人の行動変容を望む意思がなければ行動変容を導くことはできない.本研究では行動変容の意思を評価するスケールとして,セルフモチベーションテスト(self-motivation test:SMT)が有用かを検討した.方法:転倒予防教室へ参加した高齢者42名を対象として,教室の最初と3カ月後にアンケート調査を行った.結果:今回のプログラムでは11名の行動ステージが改善した.行動ステージの不変または悪化の予測に関するSMTの感度は0.64,特異度は0.45であった.receiver operating characteristics(ROC)曲線からSMTは有用な判断ツールとはいえなかった.しかしながら,陽性結果の尤度比の検討から,SMTスコア21点をカットオフ値とした場合,感度0.33,特異度0.91と特異度の高い診断ツールとなった.結論:行動ステージに応じた効果的な指導計画を立てる上で,SMTを応用しうる可能性が示唆された.
  • 奥村 光絵, 郡司 俊秋, 松橋 信行, 藤林 和俊, 佐々部 典子, 松谷 章司, 浦部 晶夫
    2008 年 22 巻 5 号 p. 793-799
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    目的:健診や人間ドックでの上部消化管検査はX線検査に代わって内視鏡検査が増加してきている.上部内視鏡検査は上部消化管悪性疾患とくにがんに対して早期発見に有効である.今回胃がんや十二指腸ポリープを疑われ生体組織検査をした結果mucosa-associated lymphoid tissue(MALT)リンパ腫であった症例を経験した.がんと鑑別すべき疾患として重要であるので上部消化管MALTリンパ腫症例を集積して解析した.方法:2001年1月から2006年12月に当院ドックで上部消化管内視鏡検査を受けた延べ28,122人を対象に,上部消化管生検を施行され病理組織検査でMALTリンパ腫と診断した13例について臨床的に検討した.結果:年齢は41歳から77歳で平均56.8歳,男女比は9対4,発見率は0.046%であった.自覚症状は1例でのみ認め,胸焼け・心窩部痛・腹痛であった.LDH値は全例正常範囲,performance status(PS)は全例0,臨床病期は検索しえた11例で全例1期であった.胃病変群と十二指腸病変群に分け検討したが,胃病変群では除菌治療で再発を認めていない.結論:上部消化管MALTリンパ腫発見にはピロリ菌陽性者では1年から2年毎の内視鏡検診が有用で,胃病変は粘膜表層の変化に注意し詳細な観察と生体組織検査が重要であり,十二指腸病変は濾胞性リンパ腫との鑑別が重要である.
  • 河合 昂三, 中源 雅俊
    2008 年 22 巻 5 号 p. 800-810
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    目的:ドック受診者で肥満に伴う糖・脂質代謝異常や高血圧が少なくない.10年の経過で,肥満者の代謝・血圧異常の推移を調査した.対象と方法:インピーダンス法による体脂肪で肥満を判定し,肥満による糖・脂質代謝や血圧異常の頻度や検査値への影響を検討し,さらにこれら肥満者のうち,10年後にもドックを受検した人で肥満や代謝・血圧の推移を見た.結果:女性では19.2%に肥満がみられ,肥満度による年齢差はなかったが,肥満度が高いと血糖値や脂質値,血圧などの動脈硬化性疾患のリスクも高かった.10年後では一時肥満の軽快はあっても再び肥満となり易く,ことに高度肥満者では肥満の解消が難しく,リスクも増加した.男性では17.7%に肥満がみられ,高度肥満は若年者に多く,代謝・血圧異常と肥満度とは必ずしも比例しなかった.10年の経過では肥満度の改善がみられ,リスクの改善や進展の低下につながっていた.結論:女性では肥満の改善は難しく,10年の経過でリスクの悪化がみられ,加齢と最初の肥満度が影響していた.男性では肥満の改善があり,リスクの悪化も女性ほどではなく,最初の肥満度より加齢がリスク進展に影響しており,男女の肥満に質的差異が考えられた.
  • 船津 和夫, 斗米 馨, 栗原 浩次, 本間 優, 山下 毅, 細合 浩司, 横山 雅子, 近藤 修二, 中村 治雄
    2008 年 22 巻 5 号 p. 811-817
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    目的:医療機関受診者に比べ一般健康人により近い健診受診者を対象として,胃食道逆流症(gastroesophagealreflux disease:GERD)の実態調査を施行した.方法:上部消化器疾患で治療中の人を除いた胃内視鏡検査受診者659名(男性368名,女性291名)を対象とした.内視鏡所見とfrequency scale for the symptoms of GERD(FSSG)問診票のスコアを基に対象者をびらん性胃食道逆流症(erosive gastroesophageal reflux disease:e-GERD),非びらん性胃食道逆流症(nOn-erosivegastroesophagealreflux disease:NERD),非GERDの3群に分け,各群の性別発見頻度と血糖,血清脂質,高感度C-反応性蛋白(CRP)などの生活習慣病関連因子,血圧,ならびにメタボリックシンドロームの合併率を比較検討した.結果:NERDの頻度は男女ともe-GERDより多かった.e-GERDは女性より男性に高頻度でみられ,NERD,非GERDに比べ,血圧が高く,血糖,血清脂質,高感度CRPなどがより高値を呈し,メタボリックシンドロームの合併率が高かった.一方,NERDはやぜ気味の人に多くみられ,血糖,血清脂質,高感度CRP,血圧は非GERDよりもさらに低値を示し,メタボリックシンドロームの合併率も3群のなかで最も低かった.結論:e-GERDは肥満に起因する生活習慣病の1つと考えられたが,NERDはやぜ気味の人に多くみられ,生活習慣病関連因子の異常が少ないことから,e-GERDとは異なる病態を有することが示唆された.
  • 笹森 典雄
    2008 年 22 巻 5 号 p. 818-864
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
  • 2008 年 22 巻 5 号 p. 865-877
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
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