目的:昭和大学横浜市北部病院人間ドックにおける肺がん検診の現状について検討する.
方法:2009年4月から2019年3月までの期間で,当院人間ドックにおいて低線量CTを用いた肺がん検診を受診した1,952名(男性1,455名,女性497名)を対象に,要精検率などがん検診精度管理指標を中心に後ろ向き調査を行った.
結果:要精検率は3.8%(75名/1,952名),精検結果判明率は60.0%(45名/75名),発見肺がん数5名(原発不明1名含む),切除肺がん数3名,Ⅰ期肺がん数3名,肺がん疑い濃厚かつ診断未確定7名(悪性胸膜中皮腫疑い1名含む)であった.また,精検受診率は85.3%(64名/75名),肺がん発見率は0.20%(4名/1952名),精検による陽性反応的中度は5.3%(4名/75名)であった.
結論:がん検診精度管理指標(プロセス指標)と比べ,精検受診率,肺がん発見率および陽性的中度はいずれも高い数値であり,当院肺がん検診の質担保がなされているものと思われた.
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