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藤田 恵子, 平田 久美子, 片岡 雅明, 井上 典子, 原田 寿子, 石田 さくらこ, 前田 亮, 佐々木 英夫, 伊藤 千賀子
1998 年 13 巻 2 号 p.
131-134
発行日: 1998/08/31
公開日: 2012/08/27
ジャーナル
フリー
平成5年7月より平成8年12月までの当センターを受診した被爆者及び広島市在住の男性1,308人,女性7,190人の計8,498人を米国HOLOGIC社のQDR-1000を用い,第2~ 第4腰椎の二重エネルギーX線吸収測定を行った。同時に乳製品などの摂取状況,運動習慣,喫煙,飲酒などの嗜好について問診を行った。男女とも毎日乳製品を摂取し,軽いあるいは強い運動を行う習慣があり,喫煙しない群ほど骨密度は高値であった。また,飲酒では,全く飲酒しない群と比較すると少最飲酒する群で高かった。生活習慣を点数化して,検討すると運動を行い,カルシウムの摂取を心がけ,喫煙しないなどの生活習慣の点数が高い群ほど骨密度は高値であり,特に女性の場合,閉経の影響は避けられないものの,生活習慣により骨粗鬆症の予防が可能であることが示唆された。高齢化が進む現在,骨粗鬆症の予防は社会的問題となってきており,各地で盛んに骨密度検診が行われている。当施設においても平成5年7月より一般市民を対象とした骨密度測定を実施している。今回その検査結果と生活習慣との関連を検討したので若干の考察を加えて報告する。
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泉 嗣彦, 廣村 由美子, 窪田 実
1998 年 13 巻 2 号 p.
135-139
発行日: 1998/08/31
公開日: 2012/08/27
ジャーナル
フリー
161例のHCV-III(RIA)陽性例の検討では,GPTが正常で,抗体価が10未満の症例(38例)はすべてHCV-RNA(アンプリコア法)は陰性で,過去の既感染例(一部偽陽性例)であった。10以上の症例では92.3%(36例)がHCV-RNA陽性のキャリアであった。GPTの異常例の92.9%(78/84)はHCV-RNA陽性の慢性肝疾患であった。HCV-III(RIA)抗体価とGPTの正常・異常によりC型肝炎の病態がよく鑑別できた。
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小川 忠邦, 荒館 美智子, 松井 規子, 岸 宏栄, 大原 千津子, 川岸 智美, 新田 一葉, 高橋 まゆ子, 川原 隆徳, 谷川 秀明
1998 年 13 巻 2 号 p.
140-144
発行日: 1998/08/31
公開日: 2012/08/27
ジャーナル
フリー
肥満,高脂血症,糖尿病などライフスタイルと関連の深い異常がこの10年間にどのように変動したかを,人間ドックの成績から検討した。その結果全体としてみるとこれらリスクが高まる方向への動きがみられているものの,性,年代によって若干の違いがみられ,特に肥満度は女性では低下傾向,若年男性では有意な増加はみられていない。その背景にあるライフスタイルの変化を検討する必要があると思われる。
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白川 晶子, 片山 美和子, 瀧口 千晴, 入江 三枝子, 村上 文代, 佐々木 英夫, 伊藤 千賀子
1998 年 13 巻 2 号 p.
145-148
発行日: 1998/08/31
公開日: 2012/08/27
ジャーナル
フリー
高LDLコレステロール血症の発症には,肥満が大きく影響しており,食生活要因としては脂質の過剰摂取や食物繊維の摂取不足など栄養のアンバランスが関与していることが認あられた。従って高脂血症の予防・改善のためには適正な体重の維持とともに,バランスのよい食事,適正な食習慣,適度な運動などよりよい生活習慣が身に付くよう正脂血症例についても積極的に指導していくことが必要であると考えられる。
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入江 三枝子, 佐竹 誠二, 白川 晶子, 瀧口 千晴, 村上 文代, 佐々木 英夫, 伊藤 千賀子
1998 年 13 巻 2 号 p.
149-152
発行日: 1998/08/31
公開日: 2012/08/27
ジャーナル
フリー
有酸素運動に筋力トレーニングを組合わせて実施している者は,体力,気分転換,食習慣等,運動・休養・栄養のあらゆる面で総合的に最も調和の取れた生活習慣を有しており,有酸素運動だけでなく無酸素運動の筋力トレーニングを組合わせた運動習慣を身にっける事は,生活習慣病の予防や治療に効果をあげるだけでなく,体力の向上,休養・栄養面等,総合的な健康づくりに関する意識を高める上でも重要な役割を果たすものと考えられる。
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谷田部 真由美, 加藤 真樹子, 平蔵 たま子, 鳥山 栄樹, 松木 康夫, 高橋 伸
1998 年 13 巻 2 号 p.
153-156
発行日: 1998/08/31
公開日: 2012/08/27
ジャーナル
フリー
症例は54才男性。人間ドックの腹部超音波検査で膵体部に6mmの低エコー腫瘤が認められたが,二次検査がうまくいかず,1年5カ月後進行した膵癌となって切除された。腹部超音波スクリーニング検査でも早期膵癌,微小膵癌を発見する事は決して不可能ではない。また二次検査を他院で行う検診機関の場合は特に,二次検査の受診とその結果をチェックするシステムを考慮する必要があると思われる。
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山門 実, 福田 一郎, 清瀬 闊
1998 年 13 巻 2 号 p.
157-161
発行日: 1998/08/31
公開日: 2012/08/27
ジャーナル
フリー
PSAグレイゾーンを含む軽度上昇域においてPSA単独測定とfreePSA/totalPSA(f/t)比を用い,前立腺癌(CaP)ならびに前立腺肥大症(BPH)との鑑別能を比較した。PSA単独測定では両群で差(CaP:10.1±4.1ng/ml,BPH:14.1±3.2ng/ml)はみられなかったが,f/t比においては有意差(CaP:0.05±0.02,BPH:0.14±0.05,p<0.01)がみられた。f/t比はCaPとBPHの鑑別診断に有用な方法であることが確認された。
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安彦 茂, 菅原 伸之, 花田 和夫, 高橋 和義, 横山 高広, 小林 新一, 三浦 一隆, 玉川 正志, 高橋 徹, 佐藤 理恵, 真所 ...
1998 年 13 巻 2 号 p.
162-165
発行日: 1998/08/31
公開日: 2012/08/27
ジャーナル
フリー
人間ドックにおける上部消化管X線検査に関して,バリウム濃度差による同一人での示現能について検討した。比較検討した造影剤は,160%3種混合粉末,120%単身粉末,120%ゾル製剤で行った。その結果,示現能からみて,160%3種混合粉末が最も良い画質が得られ,120%単身粉末,120%ゾル製剤の順となった。また,区域別示現能では,高濃度バリウムで画質向上は図られたものの,A,M領域に比べてC領域ではどのバリウムでも評価が低く,単にバリウム濃度の問題ばかりではなく,撮影法や撮影体位に関する更なる検討が必要であると考えられた。
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前田 亮, 田中 学, 石田 さくらこ, 佐々木 英夫, 中村 賢二, 藤田 恵子, 井上 典子, 山辺 瑞穂, 片岡 雅明, 原田 寿子, ...
1998 年 13 巻 2 号 p.
166-168
発行日: 1998/08/31
公開日: 2012/08/27
ジャーナル
フリー
広島原爆被爆者集団に平成3年度より開始された大腸癌検診成績の経年推移をみた。癌発見率は変化がみられなかったが,進行癌発見症例/早期癌発見症例比は後半2年聞で明らかに低下していた。問題点として進行癌発見例の前年度便潜血反応をみると少なからず偽陰性例が存在していた。従って経年的に大腸癌検診を受けることにより進行癌への進展を阻止しうることが示唆された。
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中村 守秀, 鈴木 修, 柿崎 敏治, 吉井 等, 遠嶋 善東, 岡野 裕, 大川 日出夫, 桐生 恭好
1998 年 13 巻 2 号 p.
169-173
発行日: 1998/08/31
公開日: 2012/08/27
ジャーナル
フリー
注腸X線造影検査(以下,注腸)の前処置に,大腸内視鏡検査(以下,CF)では一般的であるpolyethylene glycol-electrolyte lavage solution製剤(以下,PEG)を応用し,画像に及ぼす影響を従来法(Brown変法)と比較し,受容性のアンケート調査と共に検討した。PEG法では残留腸管内水分が多く,バリウムの付着不良が懸念された為,前日投与としたところ従来法よりも水分残渣が減少した。粘液残渣が若干増加する傾向が見られたが,病変の多いR・Sでは画質向上が見られた事,深夜帯での排便が明らかに減少する事を併せれば,臨床上十分使用可能であると考えられた。
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満山 幸子, 斎藤 恵子, 中川 泰子, 山岡 末子, 難波 美喜子, 古西 美代子, 先田 浩美, 小路 政子, 前田 亮, 伊藤 千賀子
1998 年 13 巻 2 号 p.
174-177
発行日: 1998/08/31
公開日: 2012/08/27
ジャーナル
フリー
大腸内視鏡検査に伴う苦痛の軽減を目的として「痛み」の実態について,フェイス・スケールを用いた受診者の痛みの主観的指標と性,年令等との関連性について検討した。その結果女性,若年者,回盲部到達時間が長い程強く痛みを訴え,医療サイドの痛みの評価では男女共半数以上に受診者との評価の一致をみた。今後検査実施にあたっては,受診者に十分な説明を行い不安を取り除くことが重要であると考えられる。
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雨宮 哲士, 関 希和子, 笹森 典雄
1998 年 13 巻 2 号 p.
178-181
発行日: 1998/08/31
公開日: 2012/08/27
ジャーナル
フリー
平成7年に受診した3,079名中,緑内障様眼底変化や問診上緑内障治療の無い,右2,933眼,左2,938眼を対象に眼圧基準範囲を算出し,右眼で8.3~19.4mmHgという結果を得た。眼圧分布は正規分布を取らず,女性に低い傾向があり(p=O.051),年齢とは負の相関を認めた。通常20~21mmHgが基準範囲上限とされるが,女性及び61歳以上の男性では19mmHg以上を異常値と判定すべきである。
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大座畑 礼子, 宮原 直樹, 小島 真樹, 金沢 一也, 相川 達也
1998 年 13 巻 2 号 p.
182-187
発行日: 1998/08/31
公開日: 2012/08/27
ジャーナル
フリー
運動負荷心電図で陽性だった例について,その他の生化学データや生活習慣など13項目に関して検討し,何が関与するのか分析してみた。その結果高脂血症が最も有意なRisk factorとして考えられ,その他の喫煙・耐糖能異常,ストレスも大きな要因ではないかと思われた。
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森反 俊幸, 横山 郁夫, 大嶽 達, 佐々木 康人, 矢崎 義雄
1998 年 13 巻 2 号 p.
188-192
発行日: 1998/08/31
公開日: 2012/08/27
ジャーナル
フリー
現在の健康診断は直接動脈硬化の程度を定量的に診断することができない。また虚血性心疾患のハイリスク群と健常者ともに同一の検査項目で実施しているのが現状である。しかし家族性高コレステロール血症などのハイリスク群では早期に正確な動脈硬化の診断が要求され検査項目も異なるべきである。本研究は健常者に対してはコロトコフ音を分析することにより血圧測定と同程度の簡便さで無侵襲的に動脈硬化の程度を定量的にスクリーニングする方法を開発し,ハイリスク群に対しては核医学的手法により冠動脈血流予備能を定量的に求め自覚症状のない時点で動脈硬化の進行を診断できる方法を提案したものである。これらの検査法を組み合わせることにより虚血性心疾患発症の予知は十分可能である。
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井上 典子, 片岡 雅明, 平田 久美子, 原田 寿子, 藤田 恵子, 石田 さくらこ, 速水 恭子, 前田 亮, 佐々木 英夫, 伊藤 千 ...
1998 年 13 巻 2 号 p.
193-196
発行日: 1998/08/31
公開日: 2012/08/27
ジャーナル
フリー
働き盛りの突然死と検診成績の関連を50歳代以下の受診者5,748例を対象に検討した。全死亡例中,突然死は86例(16.8%)で原死因は男女とも虚血性心疾患が過半数を占めた。突然死例は血圧,血糖値,心電図異常出現率が高く,HDL-cが低値であり,男性では中性脂肪,女性ではT-cが高かった。突然死の予防には高血圧,耐糖能異常,高脂血症を早期に発見しコントロールすることが大切である。
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成田 登喜子, 安田 敬子, 皆口 万里子, 清水 敏朗, 鈴木 豊明
1998 年 13 巻 2 号 p.
197-201
発行日: 1998/08/31
公開日: 2012/08/27
ジャーナル
フリー
人間ドックにおいて一次予防が大切とされているが,実際には十分でなく,平成8年度,日本病院会全国人間ドック実施病院の実態調査では,その32.6%が実施しているにすぎない。
我々は,1987年以降Pattern profiles methodと名付けた生活指導を人間ドック受診者に行ない一次予防に役立てている。過去9年間の成績で本法によるLife styleの改善は受診者の検査成績の改善につながり,一次予防の動機づけに役立っものと考える。
人間ドックの一次予防のあり方についての問題点について触れた。
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古川 京子, 宮下 英子, 川中子 直子, 黒川 和美, 菊池 真理子, 矢口 洋美, 一戸 彰, 小林 秀夫
1998 年 13 巻 2 号 p.
202-205
発行日: 1998/08/31
公開日: 2012/08/27
ジャーナル
フリー
2次予防のために出発した人間ドックではあるが,時代とともに人間ドックへのニーズはそれだけにとどまらない。我々は個々によって多様化するQOLに対応し,自主的な健康づくりの動機づけとなる人間ドックをめざし,平成6年度よりヘルスパートナー制の導入を試みた。その結果受診者との信頼関係が徐々に築かれデーターだけでない心の問題,生き方についてなど語り合える場作りができてきた。
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平園 賢一, 小川 哲平, 喜多川 浩, 尾形 利郎, 瀧脇 収二, 平澤 猛, 村松 俊成, 宮本 壮, 篠塚 孝男, 牧野 恒久
1998 年 13 巻 2 号 p.
206-210
発行日: 1998/08/31
公開日: 2012/08/27
ジャーナル
フリー
東海大学病院健診センターで行なっている子宮頚癌検診での前癌病変(特に軽度・中等度異形成)におけるコルポ診の有効性と最も多く検出される細胞診クラスIIIaの取り扱い方を二次検診データと比較検討した。コルポ診の併用効果に関しては,細胞診だけでも上皮内癌や浸潤癌の90%以上が検出可能であったが,軽度・中等度異形成の60%が偽陰性でありコルポ診によって検出された。またクラスIIIa検出者の半数は初回陰性でも次の5年以内に検出されていた。そしてクラスIIIaの進展時期と頻度からみて,その転帰の判定は2-3年が適当でありその follow 間隔は3-6か月が望ましいと考えられた。
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