NIRAワーキングペーパー
Online ISSN : 2758-2183
7 巻
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  • 竹中勇貴
    2024 年 7 巻 p. 1-25
    発行日: 2024/05/01
    公開日: 2024/08/05
    研究報告書・技術報告書 フリー
    政府を信頼する人は、公共サービスのための税や社会保険料といった負担を受けいれやすいと言われることがある。しかし、そのような議論は、ロジックがあいまいで、抽象的な一般論のような形で提示されることも少なくない。本稿は、政府への信頼は無条件に負担の受容につながるわけではなく、政府への信頼と負担の受容の関係は高齢世代よりも現役世代において特に強いことを明らかにした。実際、2023年の「第1回NIRA基本調査」のデータを分析すると、特に介護や年金の分野で、政府への信頼と負担の受容の関係が現役世代において強く見られた。これらの分野では現役世代にとって給付を受けるのが遠い将来となり、受益の不確実性が高いといえる。それでも今すぐに負担するという意思決定をするためには、政府への信頼が必要となると考えられる。様々な政策が不確実な将来に向けて実施される今日、本稿の知見からは比較的若い世代における政府への信頼を高めることの重要性が示唆される。
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