1)正常人および種々皮膚疾患568例において, indirect single radial diffusionにより,血清IgE濃度を測定した。
2)正常人では300ng/ml以上を示す症例は10%となり,最高670ng/mlを示した。
3)アトピー性皮膚炎をのぞく種々皮膚疾患の血清IgE値分布は正常群と変らなかった。
4)アトピー性皮膚炎では300ng/ml以上は19例中66例(34%),700ng/ml以上は37例(19.1%)となり,正常群および他の皮膚疾患群に比して明らかに血清IgE濃度の上昇がみられた。
5)アトピー性皮膚炎における血清IgE値を臨床的に種々の角度より検討すると,皮疹の重症例では軽症·中等症に比して明らかに上昇する例が多く,また他のアトピー性素因を合併するものおよび好酸球数500/mm
3以上の症例においても血清IgE値が上昇する傾向がみられた。
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