16才女子, SLEの経過中に四肢に多数の流注膿瘍を併発し, またSLE発病4年目に意識障害, 嚥下困難, 筋強剛, 痙攣重積, 振戦など, 著明な精神神経症状をしめした。大量のステロイドホルモンの投与で一時的ではあるが症状の改善がみられたが, ついには, 痙攣重積, 意識障害が再発し, 肺炎の併発により死亡した。剖検所見は, 一般臓器では, 腎に糸状球体係蹄の肥厚, 線維化, 硝子化, 脾のonion skin lesion, リンパ節の硝子変性, また脳病理所見では, くも膜の線維性肥厚, 細小血管の変化(内皮細胞腫脹, 増殖, 壁の肥厚, 等質化など), 出血巣, 軟化巣, 神経細胞の変性, 軸索腫脹, 脱髄, 消耗色素の増加などがみられた。
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