西日本皮膚科
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38 巻 , 5 号
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図説
綜説
症例
  • 幸田 弘, 金出 明子, 本房 昭三, 占部 治邦
    1976 年 38 巻 5 号 p. 742-747
    発行日: 1976/10/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    はじめ尋常天疱瘡として発症し, 寛解中に膿疱性乾癬様皮疹を生じてきた38才主婦例を報告した。自験例はDeMontおよびGroverの“acantholytic herpetiform dermatitis”ないしJablonskaらの“herpetiform pemphigus”と同じ範疇に入るものと考える。
  • 福田 英三, 本房 昭三, 幸田 弘
    1976 年 38 巻 5 号 p. 748-755
    発行日: 1976/10/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    36才女性の左前額部に生じたdermal duct tumorを報告した。その光顕的, 電顕的所見は本症の表皮内汗管由来の可能性を強く示唆するものであつた。また本症は病理組続学的にもその構築は特異的で, 一方わが国の報告例をみるとその臨床的事項にも多くの共通点がみとめられる。このようなことからわれわれは本症を臨床的, 病理組織学的にひとつの独立したentityとして取りあつかうべきであると考えた。
  • ―症候性ポルフィリン症―
    野中 薫雄, 広渡 徳治, 本多 哲三, 笹岡 和夫, 久保 容二郎
    1976 年 38 巻 5 号 p. 756-762
    発行日: 1976/10/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    晩発性皮膚ポルフィリン症2例を報告した。症例1は61才の男子で, アルコール大量摂取歴があり, 糖尿病を合併している。1年前より手背に小水疱および糜爛局面を生じ, 現在, 露出部に色素沈着をみ, 小水疱, 小瘢痕を混在している。尿中UP3130.6μg/l, CP677.4μg/lと増加していたが, 血球中CP, PPは正常であつた。肝機能では軽度のS-GOT, S-GPTの上昇があつた。皮膚病理組織学的には真皮上層の小血管周囲に軽度のPAS陽性物質の沈着をみる。症例2は72才の男子で, 約50年間アルコールの大量摂取歴があり, 4~5年前より肝障害を指摘された。1年前より手背に小水疱形成, 糜爛を生じ, 受診時, 露出部の色素沈着, 顔面, 手背に小瘢痕, 小水疱が散在, 手関節背面では皮膚肥厚があつた。肝機能ではS-GOT, S-GPTの上昇があり, 尿中UP1919.7μg/l, CP447.9μg/lと上昇していた。病理組織学的には症例1と同様の変化を示した。
  • 清水 康之, 阿曽 三樹, 神戸 直登, 竹原 直秀, 三原 基之, 島雄 周平
    1976 年 38 巻 5 号 p. 763-766
    発行日: 1976/10/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    67才農婦の左中指爪根部に生じたmucous cyst of the fingerを報告した。この嚢腫のために同指爪甲は縦溝様変形をともなつていた。この嚢腫を完全に切除し, 全層植皮術を行ない現在6ヵ月経過するも再発の徴候はまつたく認められないが, 同爪甲の変形は同様に存在している。組織学的に, 本嚢腫は表皮を圧迫するように真皮内にあるが壁構造は認められない。嚢腫の頂点に相当する表皮は著明に萎縮し, 嚢腫の周囲では, 真皮結合織線維間は浮腫状となり, 1部では裂隙様となつて, その裂隙が嚢腫へと連なつているようにみえる。嚢腫の周辺部には線維芽細胞のいちじるしい増加を認めた。組織化学的に, コロイド鉄に陽性に染色され, ヒアルロニダーゼにより消化される物質の沈着を嚢腫周辺部に認め, それらはヒアルロン酸であろうと思われた。一般検査ではとくに異常を認めなかつた。
  • 石坂 隆
    1976 年 38 巻 5 号 p. 767-770
    発行日: 1976/10/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    57才男子の前額部の粉瘤摘出後に発生した汎発性帯状疱疹を報告した。見舞いに訪れた9才と4才の女児に水痘が発症した。患者および2名の女児の水疱内容からvaricella-zoster virusを分離した。
  • 中安 清, 上田 恵一, 丹野 憲二
    1976 年 38 巻 5 号 p. 771-774
    発行日: 1976/10/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    3才9ヵ月女児の, 左第2, 3趾に発生したinfantile digital fibromatosisを報告した。切除と植皮術を行ない4ヵ月後も再発を認めていない。組織学的には, 全腫瘤に好酸性顆粒を線維芽細胞の胞体内に認めた。発生後, 約10日経過の腫瘤では表皮の変化が強く, 有棘層および顆粒層の一部に著明な細胞内浮腫, ところにより変性細胞を認めた。これらの変化は, 病因解明になんらかの手がかりになるかもしれず, さらに新しい皮疹について検討していく必要があると思われる。
  • 中村 進一, 星 健二
    1976 年 38 巻 5 号 p. 775-777
    発行日: 1976/10/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    患者: 19才女子 初診: 昭和50年3月6日 家族歴, 既往歴および諸検査成績: 特記することはない。現病歴: 初診の約7ヵ月前に頭髪の黄白色付着物に気づき, 洗髪, 整髪をくり返えしたが, 同付着物はその数を増してきた。某医を受診し, 湿疹の診断のもとに外用療法を受けたが軽快しなかつた。現症: 頭髪の毛根部および毛髪の中間部位に長さ1mm~3mm, 黄白色, 毛髪を鞘状に囲む付着物がみられる。これらを, 1957年Kligmamが報告したhair castsと診断し, 走査型電子顕微鏡で観察した。
研究
  • 第2報: 進行性指掌角皮症の手掌皮脂のガスクロマトグラフィーおよび薄層クロマトグラフィーによる分析
    広渡 徳治
    1976 年 38 巻 5 号 p. 778-784
    発行日: 1976/10/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    アセトン拭き取り法で25例の正常人男性, 29例の正常人女性, 85例の進行性指掌角皮症(KTPP)の左右手掌皮脂を採取し, 薄層クロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィーで, 脂質分析, 脂酸分析を行なつた。C16-0(パルミチン酸)は正常人男性, 正常人女性, KTPPともにもつとも高い値を示しているが, 左右手掌とも, だいたい一定しているのにたいしてC16-1(パルミトオレイン酸)に変動がみられ, その結果として, C16-1/C16-0比は正常人男性, 正常人女性, KTPPの順に高値を示すような傾向が認められた。この傾向は左右手掌ともに認められた。逆にC18/C16比, C14-0/C16-0比, C18-0/C16-0比はKTPP, 正常人女性, 正常人男性の順に高値を示すような傾向が認められ, KTPPと皮脂の性状の変化になんらかの関連があるものと考えられる。
  • 力丸 正治
    1976 年 38 巻 5 号 p. 785-798
    発行日: 1976/10/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    DLEとSLEの関連性を明らかにする目的で, 典型的なdiscoid型皮疹を広範囲に多発しているwidespread DLEの15症例を, 皮疹の分布の程度に応じてI度からIV度に分類し, これらについてLE細胞, LE test, 抗DNA抗体, 抗核抗体, 補体価(C3), 血清免疫グロブリン, ツベルクリン反応, DNCB反応, PHAによる末梢血リンパ球のblastoid transformation, 末梢血リンパ球のsubpopulation(T cell, B cell)を検索し, 皮疹の分布状況との関連において検討した。以上の免疫学的諸検査成績を総合した結果, widespread DLEはやはりその臨床的検討結果と同じく, localized-DLEとSLEの中間に位置し, 状況に応じて両病型への移行傾向を示す中間型(移行型)であろうと推察された。
  • 猿田 隆夫, 木村 秀人, 大隈 貞夫, 伊藤 亨
    1976 年 38 巻 5 号 p. 799-802
    発行日: 1976/10/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    黒毛舌の毛様物を電顕的に観察した。その結果, 毛様物は角化物であつた。角化の状態は正常角化にみられるケラチンパターンをとつておらず, ケラチンフィラメントが毛様物のほとんどを占める繊維状構造を示していた。このことは黒毛舌の角化は, 不完全な角化状態を示しているものと推測された。毛様物は扁平な細長い細胞質が重積したものであつたが, その細胞間隙は屈曲して隣接毛様物とは複雑な嵌合を示していた。これは直線的な正常角化のそれとは大きくことなつており, この複雑な嵌合のために, この角化物が本体から剥脱できにくくなり, 長期に毛様物として存在するものと思われた。毛様物内に, 電子密度の高い小顆粒および少数の空胞がみられたが, メラノソーム, 核, 細胞内小器官は認められなかつた。本症例からNocardia asteroidesを分離したが, これは二次的な附着と考えられる。
  • ―0.025% Beclomethasone Dipropionate 軟膏単純塗布の場合―
    阿曽 三樹, 蓮尾 統子, 清水 康之, 三原 基之, 島雄 周平, 臼井 敏明, 河本 裕子
    1976 年 38 巻 5 号 p. 803-811
    発行日: 1976/10/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    汎発性尋常乾癬3例, 自家感作性皮膚炎2例計5例の患者に0.025 % beclomethasone dipropionate軟膏20~40 g/day(beclomethasone dipropionate 5~10mg/day)を単純塗布し, 血清11-OHCS値, 尿中17-OHCS値, 末梢循環好酸球数, 血糖値および尿中Na+排泄量を測定し経皮吸収による副腎皮質機能抑制の検討および臨床的観察を行なつた。血清11-OHCS値は自家感作性皮膚炎の1例で一時低下した。末梢循環好酸球数の減少と尿中Na+排泄量の増加を自家感作性皮膚炎の他の1例で認めた。その他の症例では, ほとんど不変であつた。臨床的効果は優れており, 従来の強いコルチコイド剤と同程度かそれ以上と思われた。0.025 % Beclomethasone dipropionate軟膏を20~40 g/day単純塗布した場合の経皮吸収による副腎皮質機能抑制はきわめて少なく, 臨床的効果は優れていた。
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