西日本皮膚科
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40 巻, 3 号
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図説
綜説
症例
  • 幸田 弘, 西村 正幸, 西尾 一方, 占部 治邦
    1978 年 40 巻 3 号 p. 429-438
    発行日: 1978/06/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    77才男子の頭頂部に生じたapocrine adenocarcinomaを報告した。病巣部の中央にspiradenoma類似の腫瘍巣があり, 病理組織学的, 酵素組織化学的および電顕的所見から, apocrine adenocarcinomaはこの腫瘍すなわちnodular apocrine hidradenomaより生じたものと考えた。
  • —とくにその血管腫性組織の電顕像—
    矢崎 喜朔, 酒井 勝彦, 上田 宏, 大橋 勝, 中島 義男
    1978 年 40 巻 3 号 p. 439-451
    発行日: 1978/06/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    75才男性の両上肢, 左側頸部に多発した血管脂肪腫を報告した。組織学的に血管腫性組織の腫瘍細胞は毛細血管腔を形成しているものと管腔形成のみられないものが混じており, 電顕像においても管腔形成内皮細胞, 伴細胞, 線維芽細胞様腫瘍細胞および未分化腫瘍細胞が存在し, それら腫瘍細胞間の移行過程を示すと思われる腫瘍細胞も認められた。これらの特徴より血管脂肪腫の血管腫性組織は北村らの狭義の血管芽細胞腫に類似すると考えた。光顕的に血管内腔に認められるPAS陽性の物質は電顕像においては電子密度の高い毛筆様物質としてみられ, 部分的に200Å前後の周期性横紋が認められ, フィブリンと同定した。
  • 福代 新治, 荒田 次郎, 西原 修美
    1978 年 40 巻 3 号 p. 452-455
    発行日: 1978/06/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    19才女子の鼻背部に生下時より存在していた脂腺母斑に, 組織学的に脂腺上皮腫の併発を認めた症例を報告した。脂腺上皮腫は組織学的に脂腺腺腫や基底細胞上皮腫と鑑別できると考えた。また幼児期に施行した放射線治療や雪状炭酸療法が脂腺母斑の二次的腫瘍としての脂腺上皮腫発生の促進因子として働いたことが考えられ, 脂腺母斑の早期治療の重要性を痛感した。
  • 山本 治, 高垣 謙二, 地土井 襄璽
    1978 年 40 巻 3 号 p. 456-461
    発行日: 1978/06/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    最近, 酒さ様皮膚炎5例, 口囲皮膚炎3例を経験した。年令は28才から53才にわたり, 全例女性であつた。酒さ様皮膚炎ではフッ素配合ステロイドを3∼15年間用いており, そのうち3例は化粧の下地として毎日用いていた。また素因として3例に血管運動神経の過敏状態がみられた。口囲皮膚炎例中2例は使用ステロイドは不詳であるが, いずれも6ヵ月∼1年間使用していた。治療としてハイドロコーチゾンブチレート軟膏, 硼酸亜鉛華軟膏の外用, ビタミンB2, パンテチン, テトラサイクリンの内服をおこなつた。毛細血管拡張には電気分解法を用いた。酒さ様皮膚炎, 口囲皮膚炎の発現には素因が関係しているが, とくに前者ではステロイドの塗布法, 期間なども関与していること, および毛細血管拡張, 皮膚萎縮はステロイドの薬理作用によるものと考えた。
  • 松原 基夫, 岸本 三郎, 上田 恵一, 中安 清
    1978 年 40 巻 3 号 p. 462-467
    発行日: 1978/06/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    1年前から右腰部に生じ, 著明な腫瘤となつたボーエン病の57才女子例を報告した。また, 本邦で報告されたボーエン病とボーエン癌のうちで, 豌豆大よりも大きな結節∼腫瘤を生じた症例を集めて若干の検討を加えた。
研究
  • II. 部位別および層別皮膚亜鉛含有量
    花田 勝美, 橋本 功
    1978 年 40 巻 3 号 p. 468-471
    発行日: 1978/06/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    低温灰化, 原子吸光法の組み合せによる方法で剖検例の部位別および層別皮膚組織内亜鉛の測定を行なつた。
    1) 症例1(15部位), 症例2(13部位)における表皮内含有量平均はそれぞれ179.4, 191.6μg/g, 真皮内のそれは40.4, 35.6μg/gであり表皮対真皮の含有比率は4.5/1, 6.1/1を示した。
    2) 部位別表皮内含有量は頭皮で有意に高く, 手掌, 足底で低値を示す傾向がみられた。
    3) ヒト足底部, 牛鼻皮膚において表皮を3層に分けてみると亜鉛含有量はいずれも, 表皮下層>表皮中層>表皮上層>真皮の順を示した。
  •  
    出盛 允啓, 花宮 秀明, 八坂 祥子, 工藤 昌一郎, 荒尾 龍喜
    1978 年 40 巻 3 号 p. 472-475
    発行日: 1978/06/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    DNA感作赤血球凝集反応法(DNAテスト: 富士臓器製)をSLEとその他種々皮膚疾患に行ないつぎの結果を得た。
    1) 未治療のSLEではDNAテストで高い抗DNA抗体価を呈する。
    2) 抗DNA抗体価は臨床症状にややおくれて上昇する。
    3) 治療初期に充分量のコルチコイド投与がなされるならばほぼ2ヵ月以内にDNAテスト陰性化の可能性がある。
    4) 良好な状態にコントロールされているSLEでは抗DNA抗体価はほぼ160倍以下に維持される。
    5) SLE以外の疾患では進行性全身性強皮症に陽性反応が出やすいように思える。
  • —とくに皮膚におけるDNA合成抑制の比較—
    野本 正志, 荒瀬 誠治, 居村 洋, 原田 種雄, 重見 文雄, 武田 克之
    1978 年 40 巻 3 号 p. 476-479
    発行日: 1978/06/01
    公開日: 2012/03/23
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    We compared five topically applied corticosteroids of creams and ointments on DNA synthesis using rat skin. All preparations caused inhibition of DNA synthesis. The potency of inhibition was listed on the term of increasing order as follows: 0.1% hydrocortisone 17-butyrate, 0.12% betamethasone 17-valerate, 0.02% flumethasone pivarate, 0.05% clobetasol 17-propionate and 0.1% triamcinolone acetonide. Steroids in creams and ointments were in the same order. The studies indicated that topical application is a more potent inhibition than is intramuscular administration.
  • 平山 芳, 二木 昇平, 皿井 靖長
    1978 年 40 巻 3 号 p. 480-482
    発行日: 1978/06/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    Bullous impetigoおよびstaphylococcol toxic epidermal necrolysis(以下STENとする)は黄色ブ菌のなかでexfoliatinを産生するブ菌の感染によつてのみ発症することは一般に知られている。またいろいろな皮膚疾患の病巣部からしばしば黄色ブ菌が分離されることもしられている。そこでいろいろな皮膚疾患から分離された黄色ブ菌のうちどの程度のブ菌がexfoliatinを産生するかを検討した結果bullous impetigo, STENおよびその他2·3の皮膚疾患の皮膚病巣部, 鼻腔, 咽頭部から分離された黄色ブ菌177株のうち90株51%のみがexfoliatinを産生するブ菌であつた。
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